2017年5月27日土曜日

「豆知識集14」野菜類に関するQ&Aその3

この記事では「野菜類」に分類される食品について、それぞれに含まれている栄養素や効果、疑問点について扱っています。相変わらず長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/5/27)


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★野菜類一覧及びそれぞれの疑問点

この記事では「野菜類」に分類される食品に含まれている栄養素やその効果などについて解説していきます。尚、留意点などがあるので、この記事をご覧になる前に『「豆知識集12」野菜類に関するQ&Aその1』、また五大栄養素に関しては『「健康に良い」とされる栄養素の一覧(適当まとめ)』をご覧下さい。

●カボチャ

カボチャはウリ目ウリ科カボチャ属の植物になる果実の事で、ズッキーニやキュウリ、ヘチマ、スイカなどの仲間です。原産地は紀元前数千年のアメリカ大陸(古代文明)で、日本にはカンボジアなどを通じて16世紀頃に伝わったのが最初と言われています。現在では様々な品種があり、食用では栗のような形をした赤いもの(赤皮栗カボチャ)、白いもの(白皮栗カボチャ)、黒いもの(黒皮カボチャ)、表面が岩のようにゴツゴツしているもの(ちりめんカボチャ)、黄色っぽく手の平サイズのもの(プッチーニやコリンキー、バターナッツ等)、雪だるまのような形をしたもの(鹿ヶ谷かぼちゃ)、スイカのような形をしたもの(そうめんかぼちゃ)などがあります。

カボチャに含まれる栄養素の特徴としては、他のウリ科の植物と比べてデンプンが多く含まれているという点です。デンプンは吸収の遅い糖、すなわち「食物繊維ほどではないが吸収の悪い糖」であり、腸に長く留まるという性質があります。糖質制限中には向きませんが、満腹感を持続させて腸内環境を改善する効果が期待できるでしょう。ただしカボチャにはそのデンプンをバラバラに分解する酵素も含まれており、加熱はもちろん常温に置いておくと次第に甘みが強くなります。つまり熱を加える事で糖の消化・吸収はしやすくなり、満腹感が短くなって血糖値も上がりやすくなるという事です。よって結果的に吸収される糖の量も増える事になります。またカボチャは他の繊維質の野菜と比べると、糖の吸収を緩やかにする食物繊維の量がそれほど多いため、カロリーは低くても大量に食べれば等を摂りすぎてしまうでしょう。

尚、その食物繊維は皮に多く含まれています。カボチャは皮に覆われた状態であれば数ヶ月保存(それでも湿気や温度には注意。カットした状態では数日と持たない)する事ができ、前述の通り常温で甘みが増すので、収穫直後よりも数週間置いた方が美味しく食べる事ができます。調理の際には低温で煮込んで柔らかくし、皮も一緒に食べましょう。尚、加熱するとビタミンCは失われます。

そして肝心のビタミンやミネラルについてですが、カボチャはβカロテン、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、カリウムをいずれも豊富に含んでおり、色鮮やかな緑黄色野菜の中でも栄養価の高い野菜の一つです。簡単に説明していきますが、まずβカロテンは体内においてレチノール(動物性の食品に含まれるビタミンAの事)の代わりになり、特に目や喉など粘膜の健康維持に必要な他、強い抗酸化作用があります。次に葉酸ですが、これは赤血球を作る際に使われる他、細胞の生合成に必要不可欠なビタミン(ビタミンB群の一つ)です。美容に良いとしてビタミンCは有名ですが、βカロテンや葉酸もその効果によって美容に効果があると言えると思います。

続いてそのビタミンCですが、これは皆さんがご存知の通りコラーゲンの合成に関与すると共に強い抗酸化作用を持っています。ただしコラーゲンを合成するためにはその材料となるアミノ酸も必要なので、アミノ酸を豊富に含む肉、魚、卵、乳製品等の動物性の食品を一緒に食べましょう。更に、ビタミンEにも強い抗酸化作用がありますが、こちらは特に末梢血管の拡張に関与し、気温の低い時期での体温調節に必要なビタミンです。そしてビタミンKはカルシウムの吸収を促し、出血時に血を固める際に必要なビタミンです。最後にカリウムですが、これは体内に蓄積したナトリウムの排出を促し、水分代謝を改善する効果があるミネラルです。つまり血圧の低下や浮腫に効果があるという事です。

前述のようにカボチャには糖分が含まれているので糖質制限をしている人には向きませんが、運動をしている人にとっては良い栄養補給源(ただし蛋白質が殆ど含まれていない)と言えると思います。そもそも糖分は筋肉や脳を動かすために必要不可欠なエネルギー源であり、その制限が必要な時点で健康を害しているのです。過去記事にもありますが、何らかの「○○ダイエット」を試して仮に短期的に痩せる事ができたとしても、「健康に対する意識」が変わらなければまた同じ事を繰り返すだけではないでしょうか。

ちなみにこれだけ健康に良い栄養素を豊富に含むカボチャですが、実はナッツ類であるカボチャの種(パンプキンシード:)も非常に栄養価が高い事で知られています。特にカリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガンなど、ミネラルを豊富に含んでいます。ナッツ類は全体として脂肪を多く含んでおり、カロリーも高いのですが、不足しがちなミネラルの補給には最適な食品です。種はついている周囲のワタを取り、その状態でフライパンなどで炒るもしくは天日干しで乾燥させます。そして外側の殻を取って中身を取り出して1日10粒までを目安に食べると良いでしょう。


●サツマイモ

サツマイモはヒルガオ科サツマイモ属の植物で、主に塊根(根の肥大化した部分)を食します。原産国はメキシコなどの中南米で、紀元前3千年頃には既に栽培されていたと言われています。特に食料が安易に確保できない時代においては、誰でも簡単に栽培ができるサツマイモは非常に重要なエネルギー源でした。当の日本へは中国を通じて17世紀頃に伝わったとされていますが、戦時中ではどこでも植える事ができ炭水化物も摂取できるので非常食として重宝したそうです。その役割もあって全国的に栽培が広がったため品種も様々です。例えばオーソドックスなベニアズマの他、見た目も中身も白い黄金千貫や、中身が紫色のパープルスイートロード、見た目が白くて中身が紫色の種子島紫などがあります。

サツマイモに含まれる栄養素の特徴としては、やはりカボチャと同じくデンプンが多く含まれているという点です。デンプンは吸収が遅く、腸に長く留まる事ができます。それによって満腹感を持続させ、腸内環境を改善する効果が期待できるでしょう。よく「サツマイモを食べるとオナラが出る」と言われますが、それはサツマイモがデンプンを多く含んでいるからです。一方でサツマイモもそれ自体にデンプンをバラバラに分解する酵素が含まれており、加熱または常温で置いておく(皮は薄いため数日保存可能。ただし高温・乾燥環境には弱い)事で次第に甘みが強くなります。糖質制限中には向きませんが、運動をしている人にとっては良い栄養補給源(ただし蛋白質が殆ど含まれていない)になるでしょう。尚、加熱するとビタミンCは失われます。

続いて肝心のビタミンやミネラルについてですが、サツマイモはパントテン酸、ビタミンB6、ビタミンC、カリウムをいずれも豊富に含んでおり、緑黄色野菜の中でも栄養価の高い野菜の一つと言えると思います。この内、パントテン酸は糖や脂肪の代謝に関係、ビタミンB6は蛋白質や脂肪の代謝に関係する重要なビタミンです。どちらも摂っただけでは勝手に脂肪が燃えるという事はありませんが、運動をした時の脂肪の燃焼を補助する事や脂肪の代謝が改善される助けにはなると思われます。それによって蓄積した脂肪が減る手助けには繋がるかもしれません。更に、サツマイモのような芋類はカリウムを豊富に含んでおり、血圧低下・ナトリウムの排出・浮腫の改善には効果的と言えます。

●里芋・山芋

・里芋
里芋はサトイモ科サトイモ属の植物で、主に塊根(根の肥大化した部分)を食します。原産国はインドなどの東南アジアで、紀元前2千年よりも前から栽培されてきたと言われており、現在でも主食として食べられています。当の日本へは縄文時代には既に伝わっていた(イネよりも早い)とされており、里芋は日本人にとっても非常に馴染みのある野菜の一つです。と言っても最近の若い人に馴染みがある「芋」と言えばジャガイモやサツマイモなどであり、里芋を食べる習慣は徐々に薄れてきています。

里芋に含まれる栄養素の特徴としては、ビタミンに関してはパントテン酸やビタミンB6などを含みますが、他の野菜類と比べて特別多い訳ではありません。しかしやはり芋類という事もあってカリウムは豊富に含んでおり、血圧低下・ナトリウム排出・浮腫の改善に効果があります。またこれも他の芋類同様デンプンを多く含んでおり、エネルギー補給として適しています。カロリーが低く、カボチャやサツマイモとは違って常温で放置していても甘みが増さない(糖の含まれる量は芋類の中では多くないが、糖質制限中には向かない)ため、吸収される糖の量もそれほど多くありません。

そして里芋の持つ大きな特徴として、表面にある特有の「ぬめり」が挙げられます。これはオクラの持つ粘り気と同じ「ムチン」などの「水溶性食物繊維」によるもので、緩やかに吸収される事で腸内環境を改善させる効果があると言われています。食物繊維を摂っただけで脂肪が減るという事はありませんが、一定の効果は期待できるでしょう。一方でホウレン草ほどではありませんがカルシウムの吸収を阻害するシュウ酸が含まれており、調理の際には水に浸してその水を利用しないようにする必要があります。

・山芋
山芋はヤマノイモ科ヤマノイモ属の植物で、主に担根体(肥大化したヤマノイモ特有の器官の事。ちなみに根でも茎でもないらしい・・・じゃあ何なの?w)を食します。原産国は中国で紀元前より食べられてきたとされていますが、世界的に様々な品種があり、600種類以上も存在しています。当の日本においては平安時代以前に伝わっていたと言われていますが正確ではありません。日本で馴染みがあるのはナガイモ、ヤマトイモ、ツクネイモ、イチョウイモ、ジネンジョ、ダイジョ、トゲドコロなどです。

山芋に含まれる栄養素の特徴としては、ビタミンに関しては糖の代謝に関係するビタミンB1やパントテン酸を含みますが、他の野菜類と比べて特別多い訳ではありません。しかしやはり芋類という事もあってカリウムを豊富に含んでおり、血圧低下・ナトリウム排出・浮腫の改善にも効果があります。またデンプンも多く含んでおり、エネルギー補給には適しているでしょう。

また山芋は粘り気が強い品種が多く、これは「ムチン」などの「水溶性食物繊維」によるものです。特に粘り気が強いものほど含まれる量は多くなり、そもそも他の粘り気のある食品(納豆、オクラ、里芋等)よりも多いので一定の効果はあると思われます。その他では山芋にはよく滋養強壮作用があると言われています。特に同じヤマノイモ科ヤマノイモ属で日本の山芋の仲間である「ヤムイモ(ヤマイモとややこしいが別種)」ではその効果が高いと言われています。

ちなみに里芋や山芋は「お米」よりも炭水化物の含まれる量が少なくカロリーも低いのですが、里芋や山芋をお米の代わりにできるかというと必ずしもそうとは言えません。最近では糖質制限ブームによって「お米=炭水化物」というイメージが強くついていますが、実はお米には「蛋白質」も豊富に含まれており、芋類を主食にしようとすればどうしても他で蛋白質を補わなければなりません。すなわちお米の代わりに芋を食べるのであれば、蛋白質(アミノ酸)を豊富に含む肉、魚、卵、乳製品などの動物性の食品の量も増やす必要があるという事です。


●ビーツ

ビーツ(またはテーブルビートやカエンサイとも呼ばれる)はヒユ科フダンソウ属の植物の事で、砂糖の原料になる甜菜(テンサイ:ただしこちらは食用には適さない)の仲間です。葉は緑色、茎や肥大化した根の部分は中まで赤紫色をしており、少し変わった見た目をしています。その形状はカブによく似ていますがカブの仲間ではありません。原産国は地中海沿岸であり、古代ローマの時代から薬用(便通改善等)として利用されてきたとされています。当の日本おいてはいつ頃伝わったかは正確ではありませんが、江戸時代に書かれた書物にビーツと似た植物の記録が残されています。

含まれる栄養素の特徴としては、まず他の野菜類と同じように葉酸やカリウムを豊富に含んでいる事と、ニンジンと同じぐらい糖分が含まれている事です。よって確かにカロリーは低いのですが糖質制限中には向きません。そして何と言ってもその色鮮やかな見た目ですが、これは「ベタレイン(赤紫色のベタシアニンと黄色のベタキサンチン)」という色素によってもたらされています。このベタレインには強い抗酸化作用があるとされており、ビーツにはそれが豊富に含まれています。尚、細胞が脆弱で少し傷つけるだけでも色素成分が漏れ出してしまうため、アルミホイルなどで包んでから低温で加熱(熱に弱いため)し、皮を剥いて食べると損なく摂取できるでしょう。

更に、ビーツにはアミノ酸の一種である「ベタイン(トリメチルグリシン)」が含まれています。まず、必須アミノ酸の一種であるメチオニンは代謝される過程でホモシステインになり、そのホモシステインは蛋白質の構造を維持するために必要なシスチンになります。ベタインはこの「ホモシステインからシスチンになる際」に必要であり、ホモシステインが血液中に溜まると蛋白質の構造が正常に形成されなくなる他、動脈硬化のリスクが上がると言われています。つまりビーツに含まれるベタインはそれを防ぐ事ができる訳です。最近では主に海外でサプリメントが開発されており、蛋白質の構造、すなわち筋肉の合成・修復を補助し、筋力を向上させる作用があるとして利用されています。

●ジャガイモ

ジャガイモはナス科ナス属の植物で、特に肥大化した地下茎の部分を食します。原産国は南米で、紀元前より食べられてきたとされています。当の日本においては16~17世紀にオランダ(当時オランダ領だったジャカルタが名前の由来)より伝わったと言われていますが、本格的に栽培が開始されたのは明治時代以降に北海道の開拓が活発になってからです。

需要の高さから現在では北海道だろうが長崎だろうが全国的に栽培されており、品種も様々なものがあります。有名なのは男爵やメークインですが、珍しいものでは外側の皮が赤色をした「アンデス赤」、見た目も中身も紫色をした「キタムラサキ」、見た目も中身も赤紫色をした「ノーザンルビー」等が挙げられます。一方で湿気に対して非常に弱く、近年の度重なる気候変動(特に台風などの豪雨)により不作が続いています。一時期はポテトチップスの生産ができなくなった事もありましたよね。

含まれる栄養素の特徴としては、まず他の芋類と同じくデンプンを豊富に含みます。特にジャガイモから抽出されたデンプンは片栗粉や蒸留酒の材料に使われており、現在流通している片栗粉の多くがジャガイモ由来のデンプンを使っているそうです。カロリーは低いですが当然糖質制限中には向きません。その他の栄養素としてはビタミンB6を含みますが、特にビタミンC(ただし熱や水に弱く失われやすい)とカリウムが豊富に含まれています。

尚、ジャガイモは芽にソラニンなどの食中毒を起こす成分が含まれています。そのため食べる際には緑に変色した皮や芽をできるだけ取り除く必要があります。


●トウモロコシ

トウモロコシはイネ科トウモロコシ属の植物になる果実の事です。原産国はメキシコなどで紀元前数千年には既に栽培されていたとされています。当の日本においては16世紀に伝わり、19世紀になってやはり北海道の開拓に伴って本格的に栽培が開始されたと言われています。品種も様々なものがあり、珍しいものではペルー原産でコーンが全て紫色をしている「パープルコーン」、黄色、白、紫色の3色のコーンがランダムに存在する「ウッディーコーン」というものがあります。

日本では白米が主食となっていますが、アフリカなどではトウモロコシが主食として食べられています。ビタミンB1、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビタミンB6、ビオチン、マグネシウム、鉄分、亜鉛など様々な栄養素(いずれも白米と同等かそれ以上だが玄米には負ける)を豊富に含んでおり、非常に栄養価が高い穀類(日本では野菜の扱い)の一つです。一方で白米と同程度のカロリーがありますが、糖質の量はトウモロコシの方がやや少なく、逆に食物繊維や脂肪(必須脂肪酸であるリノール酸を含む)の量はやや多いという特徴があります。

また白米同様トウモロコシも蛋白質も含みますが、必須アミノ酸の一種である「トリプトファン」が少ないため、トウモロコシを主食とする場合には必須アミノ酸を豊富に含む肉、魚、卵、乳製品などの動物性の食品を一緒に食べる必要があります。ちなみに白米では必須アミノ酸の一種である「リジン」が少ないため、やはり白米を主食としている日本人もそのような動物性の食品を一緒に食べなければなりません。つまりアミノ酸をバランス良く摂るような食べ合わせは、結局どちらを主食にしてもあまり変わらないという事です。ただしどちらも糖分が含まれているので、運動をしていない人が大量に食べれば糖が溢れてしまいます。一つの食品に固執するのは良くありませんが、食べるのであればより食物繊維が豊富で消化の遅い「玄米」の方が良いでしょう。

●トマト

トマトはナス科ナス属の植物になる果実の事で、ナスの仲間です。原産地は南米で、インカ帝国があった15世紀には既に栽培されていたと考えられています。当の日本においては17世紀頃に伝わりましたが、当時は観賞用として利用されており、食用になったのは明治時代以降から、一般家庭にまで認知されたのは戦後になってからと言われています。品種は大中小はもちろん色も様々で、変わったものでは緑(グリーントマト)、白または黄色に近いもの(グレイトホワイト)、黒または紫に近いもの(ブラックトマト)、数色混合及び縞模様(ハイブリッドやバイカラー)などがあります。

含まれている栄養素としては、ビタミンC、ビタミンE、カリウムを多く含んでいます。これらは他の緑黄色野菜と比べると特別多い訳ではありませんが、特にトマトはカロテノイドの一種である「リコピン」を多く含む事でよく知られています。リコピンのようなカロテノイドには強い抗酸化作用があるとされており、活性酸素の増殖を抑える事ができます。そのため美容にも効果が期待できます。尚、糖分や食物繊維も含みますが、他の野菜類と比べるとそれほど多くはありません。水分は多く含むため、夏場などの水分補給には適していると思います。

ちなみに熟す前の状態のいわゆる「グリーントマト」には「トマチジン」という成分が含まれており、筋肉の合成を促す作用(特に筋肉の萎縮を防ぐ)や脂肪が蓄積する事を予防する効果(あくまで新たな蓄積を抑えるだけで燃焼効果はない)があると言われています。カットしてサラダに混ぜたり揚げたりして(加熱等によってトマチジンがどうなるのかは不明)食べると良いでしょう。もしくはサプリメントを利用するのも手(実際効果があるかも確実ではないが興味があれば)です。ただしトマトは熟す事で最大の特徴であるリコピンの含有量が増えるため、熟す前のトマトを食べる事は一長一短です。


●アシタバ

アシタバはセリ目セリ科シシウド属の植物の事で、主に葉と茎を食します。原産国はこの日本で、特に房総半島~伊豆諸島にかけての太平洋沿岸に古くから自生し、薬草として食べられてきました。一方で知名度は高くありませんでしたが、近年ではその栄養価の高さから注目を浴びており、サプリメントや青汁などはもちろん、アシタバ自体を野菜売り場で目にする機会も増えてきています。

含まれる栄養素としては、βカロテン、ビタミンB2、パントテン酸、ビタミンB6、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、カリウムをいずれも豊富に含んでおり、この内ではβカロテン、ビタミンC、ビタミンKの含有量が高いという特徴があります。他の緑黄色野菜と比べてもトップクラスに栄養価が高い野菜の一つと言えるでしょう。尚、味や匂いには癖が強いため、食べる際にはアク抜きが必要です。塩などで味付けをしたら茹でてアク抜きをし、その後で炒めたり和えたり揚げたりすると良いでしょう。

またアシタバの茎を切ると黄色いネバネバした液体が出てきますが、これは「カルコン(色素成分)」というポリフェノールの一種です。このカルコンには強い抗酸化作用があると言われており、活性酸素の増殖を抑える事が期待できます。更に特有の香り成分である「クマリン」も含まれており、これにも抗酸化作用があると言われています。そしてカロリーが低く比較的食物繊維も多く含んでいるので整腸作用もあると思われます。

尚、前述のようにアシタバは様々なサプリメントや青汁の原料として使われており、その他にも様々な効能と謳われています。例えば動脈硬化予防、高血圧・糖尿病の予防、便通改善、美肌効果、浮腫改善などです。しかしそれらの効果は全て前述した栄養素の種類及びその含有量の高さから推測される効果に過ぎず、アシタバの持つ固有の健康効果とは言えません。例えばβカロテンなら後述のニンジンの方が含有量は多いですし、ビタミンCならレモンやキウイなどの方が圧倒的に多く含まれています。いくらビタミン類の栄養価が高くてもアシタバだけではミネラルは足りませんし、何よりエネルギーとなる糖・脂肪・蛋白質がほとんど含まれていませんから、アシタバに固執する事は逆に健康を害するだけです。

●ニンジン

ニンジンはセリ目セリ科ニンジン属の植物の事で、肥大化した根の部分を食します。原産国は中央アジアのアフガニスタンと言われており、古代ギリシャなどでは紀元前から薬用(当時は現在のように甘みがなく、円柱型でも赤色でもなかったため)として用いられてきました。その後品種改良されて現在のような形や色になり、日本には16世紀頃に伝わッタと言われています。日本では特にカレーライスに使われており、日本人にとって馴染み深い野菜の一つです。一方で見た目の印象と柔らかい食感・甘みのギャップから、子どもには嫌われる事の多い野菜でもあります。

含まれる栄養素としては、何と言ってもその色鮮やかさをもたらす「βカロテン(体内でレチノールの代わりにビタミンAとなる。動物性の食品に含まれるレチノールは過剰摂取のリスクが大きい)」ですね。これは他の緑黄色野菜の中でも段違いにトップクラス(シソやモロヘイヤ等を除く。決してオーバーな言い方ではなく、1日1本食べるだけでビタミンAの必要量が補給できてしまう)であり、それだけ強い抗酸化作用があるという事を示しています。もちろんβカロテンだけではダイエット効果があるとは言えませんが、美容には一定の効果があると思われます。

他にビタミンK、カリウム、食物繊維、糖分(芋類ほどではないが品種によっては多くなる)も含みますが、それらに関しては他の緑黄色野菜と比べると特別多い訳ではありません。が、カロリーは低いのでβカロテンの不足が心配される人は1日1本を目安に食事へ取り入れると良いでしょう。

ちなみに品種によっては、例えば見た目も中身も鮮やかな赤色を放つ「金時」や「こいくれない」には、トマトと同じくリコピン(βカロテンと同じくカロテノイドの一種)が含まれています。また見た目も中身(中心だけ通常人参に近い色)も紫色の「パープルパープルや紫人参」にはポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれ、こちらも抗酸化作用があります。ただし別の色が強くなるとβカロテンの含有量は若干落ちます。