2017年6月18日日曜日

「豆知識集21」スーパーフードに関するQ&Aその1

この記事では「スーパーフード」と呼ばれる食品について、それぞれに含まれている栄養素や効果、疑問点について扱っています。相変わらず長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/6/18)


当記事メニュー一覧

項目が多いためリスト化しています。クリックする事で直接その場所へ飛ぶ事ができます。また戻りたい場合には各項目の一番下にある「戻る」をクリックすればこの場所に戻ってくる事ができます。



★スーパーフードと呼ばれる食品一覧及びそれぞれの疑問点

「スーパーフード」と呼ばれる食品の定義はかなり曖昧ですが、単に「植物性の食品の中で、少量でも高い栄養価が得られるもの」を言うのだと思われます。よって基本的には野菜、果物、ナッツ類などと同じように「栄養価の高い植物性の食品」として扱えば良く、決して難しく考える必要はありません。

しかしながら、いかに栄養価の高いスーパーフードをたくさん食べたとしても「その栄養素が正常に代謝される状態」でなければ意味がありません。せっかく栄養素を摂ってもそれが体内で効率良く利用されず、そのまま体の外へ出てしまっていたとしたらもったいないと思いませんか?摂った栄養素を効率良く利用するには食習慣以外の生活習慣全体の改善が必要であり、食習慣を短期的に変えるだけで「健康になれる」「美しくなれる」などとは安易に考えない事です。

スーパーフードと言っても必ずどこかに欠点があります。その欠点は他で補わなければなりません。スーパーフードは植物性なので、実はカロリーが低い(その他<蛋白質・糖質<脂肪の順でカロリーは高くなるため、それらを豊富に含むものは例外)という欠点を持っている事が多いです。カロリーが低いという事は利点のように思いますが、カロリーが制限されると省エネ体質になってエネルギーを節約しようとします。それによりカロリー消費の激しい筋肉が分解されやすくなり、基礎代謝が低下します。つまりますます太りやすくなる訳です。その欠点を補うにはカロリーを別で補給しなければならず、カロリーをもたらす糖質、蛋白質、脂肪を補給しなければなりません。「スーパー」ではあっても「パーフェクト」ではないのです。そこを強く認識しておく必要があるでしょう。

また例えば我々が主食としている「白米」で言えば、白米は確かに糖質が多いという欠点があります。しかしそれは「糖を使う習慣によって糖の代謝を上げる」「糖の代謝に関わる栄養素を摂る」事で補う事ができるのです。つまり例え「スーパーフード」と呼ばれないような食品であっても、その欠点を補いさえすれば食べ続ける事は可能なのです。スーパーフードに頼り切り、自分の好きな食べ物が好きに食べられないよりは、好きな食べ物を好きに食べられるならその方が良いのでしょう?スーパーフードをどのように扱ったら良いのか、今一度ご自身でよく考えてから利用するようにしましょう。

尚、その他様々な留意点については、同じ植物性の食品であるナッツ類をまとめた『「豆知識集19」ナッツ類に関するQ&Aその1』、果物類をまとめた『「豆知識集16」果物類に関するQ&Aその1』、野菜類をまとめた『「豆知識集12」野菜類に関するQ&Aその1』などをご参考下さい。またそれぞれの栄養素(特に五大栄養素)については『「健康に良い」とされる栄養素の一覧(適当まとめ)』、その他過去記事をご覧いただければと思います。

●クロレラ

細胞の中に「細胞核」が存在する「真核生物」の内、一つの細胞のみからできている生物の事を「単細胞生物」と言います。クロレラはその単細胞生物の一種で、淡水に住む「藻」の仲間として知られています。また「植物」の一種であり、他の植物と同様に光合成をする事ができます。

クロレラは極めて栄養価が高く、蛋白質、βカロテン、ビタミンB群(ビタミンB12以外)、ビタミンE、ビタミンK、鉄分、亜鉛(品種による)、マグネシウム、カリウム、食物繊維をいずれも豊富に含んでいます。特に蛋白質を豊富に含んでおり、同じ量を食べた場合、乾燥させた魚の干物と同程度かそれ以上と言われています。逆に糖質と脂肪に関しては殆ど含まれていませんが、蛋白質の含有量があまりに高いため、植物性の食品の中ではカロリーが高くなっています。

尚、敢えて欠点を挙げるとすれば、まずカルシウムの含有量ですね。カルシウムはナッツ類のアーモンドと同程度、ゴマと比べれば1/5程度しかありません。全く含まれていないという訳ではないのですが、特別多いという訳でもないため、人によってはクロレラだけではカルシウムが不足する可能性は否定できません。またビタミンCも含んでいますが、一般的な緑黄色野菜・果物と同程度であり、やはり特別多いという訳ではありません。これもクロレラだけでは十分とは言えないでしょう。そして脂溶性ビタミン。クロレラに含まれる脂溶性ビタミンはビタミンEとビタミンKですが、脂溶性ビタミンは大量に摂取すると体に蓄積し、様々な悪い症状を引き起こします。その意味でも大量に食べる事はあまりオススメできません。

更に、クロレラには「クロロフィル」という成分も豊富に含まれています。これは植物が光合成をする際に太陽の光を吸収する「葉緑体」の事ですが、体内に蓄積すると目や肌などが光に対して過敏になる事があります。それを「光線過敏症」と言います。クロレラの大量摂取によっては稀にそのような症状が起こるという事が報告されており、やはり過剰摂取には十分な注意が必要でしょう。ちなみにクロロフィルには抗菌・抗酸化・コレステロール値低下等の効果があるとされているのですが、実際そのような効果があるかについてはよく分かっていません。

また我々がクロレラを口にする際には既に粉末・カプセル・錠剤の状態が殆どであり、大抵の場合「健康に害がないレベルにまで希釈」されています。これは前述のように栄養価があまりに高いので、何らかの栄養素の過剰摂取による副作用を抑えるためです。それを踏まえると、その辺に売っているマルチビタミンやマルチミネラルと結局あまり変わらず、クロレラを含む健康食品を利用するメリットがあると言い切る事はできないでしょう。

●スピルリナ

スピルリナはバクテリア(真性細菌)の一種で、クロレラと同じく「藻」の仲間です。他の植物と同じくやはり光合成をする事ができます。熱帯地域にある強いアルカリ性の湖などに存在しており、現地住民の食料として利用されています。現在ではその栄養価の高さから注目されており、熱帯地方を中心に工業的にも生産が進められています。ちなみに食品として工業的に生産したのは日本の会社が初めてだそうです。

スピルリナも極めて栄養価が高く、蛋白質、カロテノイド(βカロテン、ゼアキサンチン等)、ビタミンB群(ビタミンB12以外)、ビタミンE、ビタミンK、カリウム、マグネシウム、鉄分、食物繊維をいずれも豊富に含んでいます。この内では特にカロテノイドに秀でており、全食品でもトップクラスと言って良いほどの含有量を誇っています。ちなみにフラミンゴ特有の赤い色は、スピルリナに含まれる豊富なカロテノイドによるものと言われています。それほど含有量が高いのです。

スピルリナをクロレラと比べるとすれば、蛋白質・パントテン酸は同程度、βカロテン、ビタミンB1・ナトリウム・カリウムはスピルリナ、ビタミンB2・ナイアシン・葉酸・ビタミンB6・ビタミンE・ビタミンK・カルシウム・マグネシウム・鉄分はクロレラ・・・という感じです。一方それらの「多い」とされる栄養素と比べると、ビタミンC・カルシウム・亜鉛(品種による)などの含有量はそこまで高くなく、糖質・脂肪・ビタミンB12は殆ど含まれていない事が両者には共通しています。つまりそれらは別の食品で補う必要があるという事です。

またスピルリナにもクロロフィルが豊富に含まれており、体内に蓄積すると目や肌などが光に対して過敏になる事があります。やはり過剰摂取には十分な注意が必要でしょう。一方でやはりスピルリナも、我々が口にする際には既に粉末・カプセル・錠剤の状態である事が殆どであり、大抵「健康に害がないレベルにまで希釈」されています。つまりその辺に売っているマルチビタミンやマルチミネラルと結局あまり変わらず、スピルリナを含む健康食品を利用するメリットがあると言い切る事はできないですね。

●ユーグレナ

ユーグレナもクロレラと同じく単細胞生物の一種で、栄養豊かな淡水に住む「藻」の仲間です。一般的には「ミドリムシ」という名でよく知られています。また当然「植物」の一種なので他の植物と同様に光合成をする事ができます。ちなみにミドリムシはそのような植物の性質と、鞭毛運動(毛のようなものを動かして移動する事ができる)という動物の性質を合わせ持っており、これがクロレラと大きく違う点です。

ユーグレナも極めて栄養価が高く、蛋白質、βカロテン、ビタミンB群(ビタミンB12以外)、ビタミンE、ビタミンK、鉄分、亜鉛、マグネシウム、カリウム、食物繊維をいずれも豊富に含んでいます。またエゴマ油などと比べると決して多いとは言えませんが、必須脂肪酸である「ω-3脂肪酸(αリノレン酸、EPA、DHA)」などの脂肪も含んでおり、この点がクロレラやスピルリナと大きく異なっています。更にミドリムシにはパラミロンと呼ばれる成分が含まれています。このパラミロンはβ-グルカンと呼ばれる多糖体の一種(食物繊維のように消化酵素では代謝されない)で、抗酸化作用や抗菌作用など様々な健康効果がある(様々な病気に対して効果があるとされるが実際どうかは不明)と言われています。

一方でやはりユーグレナにもクロロフィルは含まれており、体内に蓄積すると目や肌などが光に対して過敏になる事があります。やはり過剰摂取には十分な注意が必要でしょう。また我々が口にする際には既に粉末・カプセル・錠剤の状態である事が殆どであり、大抵「健康に害がないレベルにまで希釈」されています。つまりその辺に売っているマルチビタミンやマルチミネラルと結局あまり変わらず、「ビタミンやミネラルを摂取する」という目的においては、わざわざユーグレナを利用する必要があるとは言えません。


●カムカム

カムカムはフトモモ科キブドウ属の植物、及びその果実の事です。原産はペルーなどの南米で、古くから先住民族により食用とされてきました。しかし近年需要の高さもあって野生種を利用し過ぎ、一時絶滅の危機に瀕すほどにまで少なくなってしまったそうです。そのため当時は国外への持ち出しを禁じ、それと共に数十年前から本格的に栽培が行われるようになりました。その努力もあって現在では南米以外でも苗や種を入手する事ができるようになっています。ちなみに現在カムカムを最も輸入しているのは日本です。

カムカムはビタミンCが豊富に含まれているのが大きな特徴です。ビタミンCが豊富に含まれる食品では特にレモンが有名ですが、カムカムに含まれるビタミンCはレモン(皮なし果汁のみ。レモンに含まれるビタミンCは皮に多い)の50倍という含有量を誇っており、これは植物の中で最も含有量が高いそうです。その他では抗酸化作用があるとされるビタミンEやポリフェノールを含んでいると言われています。またレモンほどではないですが素の状態でかなり酸っぱいため、糖の代謝に関わるクエン酸も豊富に含まれているものと思われます。

例の如くカムカムの欠点を挙げるとすると、まずビタミンC以外のビタミンやミネラルに関しては含有量が低いか殆ど含まれていないと思われ、全体的な栄養価が高いとは言えません。よってカムカムを食べたからと言って、それが美容や健康に直結する事はありません。また我々がカムカムを口にする際にはやはり粉末・カプセル・錠剤の状態である事が殆どであり、大抵「健康に害がないレベルにまで希釈」されています。つまりその辺に売っているマルチビタミンやマルチミネラルと結局あまり変わらず、「ビタミンやミネラルを摂取する」という目的においては、わざわざカムカムを利用する必要があるとは言えません。ポリフェノールもベリー類の方が多いですからね。

ビタミンCに関して言うと、ビタミンCは過剰摂取による副作用が出ないと言われています。しかし水溶性ビタミンのため体の中に長時間蓄えておく事ができません。つまり一度に大量のビタミンCを摂ったとしてもそれはすぐに体の外へ出てしまうでしょう。ビタミンCは一度に大量摂取するよりも「小まめに分けて」「定期的に」「継続して摂取する」方が効率良く吸収する事ができます。よってビタミンCを摂取するという目的であれば、ビタミンCを含む食品は他にもたくさんある訳で、やはりわざわざカムカムを利用する必要があるとは言えないと思います。

●ビーポーレン

ビーポーレン(「ピ」ーポーレンではない)はミツバチが花粉をペレット状にまとめたものです。分かりやすく言うと、花粉を集めているミツバチの足などには黄色っぽい塊が付着していますよね?まさにあれがそうです。ビーポーレンはハチミツなどとは違ってハチの分泌物が含まれておらず、ほぼ純粋に花粉の成分及び植物に付着している菌や細菌で構成されています。そのため集めた花の種類によって栄養価や栄養成分が大きく変わるという特徴があります。

ビーポーレンは糖質や蛋白質が豊富に含まれている他、脂肪も含まれているためカロリーがそれなりにあり、エネルギー補給に適しています。しかしビタミンやミネラルに関しては殆ど含まれていません。よく「ビーポーレンにはビタミンやミネラルが豊富に含まれる」という情報を聞くのですが、無加工の状態では微量なのが基本で、おそらく粉・錠剤・カプセルに加工する際に栄養価を高めるため人工的に付加されたのでしょう。

また前述のように栄養価・栄養成分はミツバチのいる環境に大きく左右され、含まれるタンパク質の量はそれぞれ異なります。つまり当たり外れが大きいという事です。更に、ビーポーレンを含む食品を利用する際には花粉を直接体の中に入れる事になるため、継続利用によってはアレルギー症状(花粉症に限った事ではない)を悪化させる事があるという報告がなされています。何らかの毒性のある不純物が含まれる可能性も否定できません。「糖質や蛋白質を補給する」という目的であれば他でも良い訳ですから、わざわざビーポーレンを利用する必要があるのかよく見極める必要があるでしょう。

●チアシード

チアシードはシソ科アキギリ属の植物である「チア」の種子の事です。原産は中米とされ、古い記録では16世紀頃にアステカで栽培されていたと言われています。栄養価が高い事から、トウモロコシ等と同じく古くから重要な栄養源として利用されていました。現在では主に南米やオーストラリアで商業栽培されており、ヨーロッパはもちろん世界的に認知されています。当の日本では健康食品としてここ数年でよく知られるようになりました。

チアシードも非常に栄養価が高く、蛋白質、脂肪、ビタミンB群(ビタミンB12以外)、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄分、亜鉛、食物繊維がいずれも豊富に含まれています。特に他のスーパーフードと比べて違うのは、含まれる脂肪の多くが「ω-3脂肪酸(α-リノレン酸等)」だという事です。ω-3脂肪酸は体にとって必要不可欠な「必須脂肪酸」の一つであり、これが不足すると脂肪の代謝が悪化する(ω-3脂肪酸とω-6脂肪酸はそのバランスが重要だが、ω-6は多くの食品に含まれていて過剰摂取のリスクがあり、ω-3は青魚など一部の食品にしか含まれておらず不足しやすい。)と言われています。摂っておいて損はないでしょう。

欠点を挙げるとすれば、βカロテン、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンKの含まれる量が少ないという事です。つまりチアシードだけではそれらが不足する可能性があり、別の食品で補う必要があるでしょう。またいかに不足しやすいω-3脂肪酸であっても所詮は「脂肪」であり、脂肪の代謝が狂っている状態で摂っても意味がありません。睡眠習慣や運動習慣を改善した上で利用するようにしましょう。

ちなみにチアシードには白いホワイトチアシードと黒いブラックチアシードがあります。どちらも栄養価や値段はそれほど変わりませんが、ホワイトチアシードの方が水を吸って膨らむ性質が強いと言われています。これは水溶性食物繊維によるもので、腸内に長く留まる事で腸内細菌の餌になり、腸内環境を改善する効果があります。また少ない食事量でも満腹感を得られ、結果として食事全体のカロリーを減らす事ができるでしょう。しかしチアシードだけでは不足する栄養があるので食べ合わせには工夫が必要になります。食事量を減らしたくなければブラックの方をオススメします。


●キヌア

キヌアはヒユ科アカザ亜科アカザ属の植物、及びその種子の事です。原産は南米で、栄養価が高い事から数千年前から食用として栽培されてきたと言われています。現在でも南米で栽培されていますが生産量は多くなく、我々が目にする機会はそれほど多くありません。日本では健康食品、特に雑穀の一種としてここ数年でよく知られるようになりました。

キヌアは糖質、蛋白質、ビタミンB群(葉酸は緑黄色野菜に匹敵すると言われているが、ビタミンB12は殆ど含まれていない)、マグネシウム、カリウム、鉄分、亜鉛をいずれも豊富に含んでいます。糖質(白米の方が多い)や蛋白質(白米と同程度)以外の栄養素に関しては、我々が主食としている白米と比べて圧倒的に含有量が高く、穀物の中では非常に栄養価の高い食品と言えるでしょう。それだけを聞くと白米の代わりに主食にすれば良いのでは?と思ってしまいますが、実際にはそう上手くはいきません。

実はキヌアの種子の表面には毒性のあるサポニンが含まれており、無加工の状態では食用に適しません。食する際には水に浸し、念入りにアク抜きを行う必要があります。その過程で栄養価も落ちてしまうため、期待した栄養価が得られるかどうか分かりません。もちろん我々が利用する際には加工・処理されたものが多いのですが、例え処理されていても「サポニンが全く含まれていない」訳ではないので、大量に食べ続けた場合の副作用も否定できません。利用するのであれば白米の嵩増しとして少量をたまに使う程度にしておきましょう。

●アマランサス

アマランサスはヒユ科ヒユ属の植物、及びその種子の事です。原産はやはり南米で、15世紀頃に存在したインカ帝国において栽培・食用にされた記録が残っています。その後19世紀頃にはインドなどで栽培され、日本には江戸時代に観賞用として伝わったのが最初と言われています。その栄養価の高さから注目されており、需要が高まっている食品の一つです。

アマランサスも非常に栄養価が高く、糖質、蛋白質、ビタミンB6・葉酸(ビタミンB群)、マグネシウム、カリウム、鉄分、亜鉛をいずれも豊富に含んでいます。キヌアと違う点はアマランサスの方がビタミンB群の栄養価はやや劣り、鉄分と亜鉛に関してはアマランサスの方が多いという点ですね。尚、アマランサスはキヌアのようにサポニンが含まれておらず、過剰摂取を心配する必要がありません。その点はアマランサスの方が優れています。

ただしアマランサスもキヌアも白米と同じように糖質が多く含まれているため、大量に食べれば糖を摂り過ぎる事になります。糖は脳や体を動かすために必要なエネルギー源ですが、消費しきれなかった糖は時間経過で脂肪として蓄積され、肥満などの原因になります。よってアマランサスをそのまま白米の代わりにするだけでは意味がなく、生活習慣全体を見直して「糖を消費する習慣→糖の代謝が上がっている状態」を作る事が重要です。何度も言うように食習慣を短期的に変えるだけで健康が手に入ったら誰も苦労しません。

●ブラックシード(クミン)

ブラックシードはセリ目セリ科の植物であるクミンの種子(正確には果実)の事です。原産はエジプトで、紀元前数千年からスパイスの一種として栽培・食用にされてきました。現在でもインド料理やトルコ料理、メキシコ料理などによく使われており、世界中で利用されています。ちなみに日本ではウマゼリと呼ばれる事があります。

ブラックシードも非常に栄養価が高く、糖質、蛋白質、脂肪、ビタミンB群(ビタミンB12以外)、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄分、亜鉛、食物繊維をいずれも豊富に含んでいます。この内では特にカルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄分に秀でています。その他では特有の辛味と匂いをもたらすクミンアルデヒドが含まれており、食欲を増進する作用があると言われています。

またブラックシードは脂肪を豊富に含んでいますが、その多くは不飽和脂肪酸で、その内一価不飽和脂肪酸のオレイン酸と多価不飽和脂肪酸のリノール酸が多く含まれています。オレイン酸は必須ではありませんが、悪玉コレステロールを減らしてくれるなどの効果を持っており、トランス脂肪酸などと違って悪さをしない脂肪として知られています。一方でリノール酸は必須脂肪酸であるω-6脂肪酸の一つですが、多くの食品に含まれているため過剰摂取のリスクがあります。過剰摂取するとアレルギー症状を悪化させるなど悪さをする事が知られています。

確かに栄養価は高いですが、食べ過ぎには注意が必要でしょう。尚、元々は香辛料として使われている事から、ブラックシードだけをそのままの状態で食べるのはオススメしません。基本的には味を整える「調味料」として利用する事になるでしょう。ただし塩分の摂り過ぎにも注意が必要です。


●玄米

イネ科イネ属の植物の果実を「籾(もみ)」と言い、その籾から籾殻を取ったものを「玄米」と言います。通常の米では籾殻を取った後で精白を行い「糠(ぬか)」も取ってから炊飯しますが、玄米はそのように糠がついた未精製の状態のまま炊飯する事になります。そのため通常の米よりも栄養成分を留めたまま食べる事ができるのです。

玄米には糖質、蛋白質、ビタミンB1、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、マグネシウム、鉄分、亜鉛がいずれも豊富に含まれています。上記のスーパーシードと比べればそれぞれの含有量は負けてしまいますが、白米やトウモロコシなどの穀物の中ではトップクラスの栄養価の高さを誇っています。玄米は通常の米と同様に糖質を多く含みますが、未精製の状態なので食物繊維を豊富に含んでおり、通常の米よりも糖の吸収が遅いという特徴があります。これにより血糖値が急激に上昇せず、お腹が膨らむため高い満腹感が得られるでしょう。

ただし逆に言えば「消化が悪い」という事でもあるので、例えば激しい運動を行っていて体が糖を欲している場合、玄米ではエネルギー不足になってしまう事があります。また人によっては消化不良を起こし、逆に胃や腸に負担をかけてしまう事があります。「健康に良い」からと安易に利用するのではなく、自分に合わせて利用するかしないかを決めるようにしましょう。

尚、同じイネ科の穀物ではコムギ、ライムギ、エンバク(オートミール)なども玄米同様栄養価が高く、もし通常の白米を利用するのであればそちらも利用した方が栄養的には満たされると思われます。ただしいずれも共通して糖質が豊富に含まれているため、玄米のように無精製の状態でなければ糖質の吸収は通常とあまり変わりません。またいかに玄米のように吸収が遅くても所詮は「糖」なので糖制限中には向きませんし、やはり糖を使うよう全体的な生活習慣の改善も必要でしょう。