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2017年6月7日水曜日

どうして人によって味の好き嫌いが違うの?

まず子どもと大人で考えてみます。子どもと大人では味に対する脳の反応が異なり、子どもでは苦味はもちろん強い味を毒物と勘違いしてしまうと言われています。それにより例えばピーマンやグリンピースのような苦味のある食べ物が嫌いになりやすいのです。また子どもと大人ではそもそも子どもの方が味覚が敏感です。これは味を感じる受容器である「味蕾」の数が実際に加齢と共に失われていくためで、それを考えれば単純に子どもは味に対して敏感、大人は鈍感と言う事ができます。このため子どもは好き嫌いが多いのです。

続いて個人差を考えてみます。前述した味を感じる受容器である味蕾の数は生まれつきであり、まずそこで個人差が生まれます。また例えば温度の高い食べ物、辛い食べ物、アルコール、タバコ等を摂取する習慣が続いている人では、加齢と共に味蕾が傷つくスピードが速くなります。また摂取する栄養のバランスや睡眠習慣、ストレス等によっても影響され、それらは積み重ねるほど味の好き嫌いに大きく関係してきます。

更に、味覚は記憶と強く結びついています。記憶とは食べ物の味、匂い、食感、色、温度等に関する記憶もそうですが、その食べ物を食べた際の状況・環境も記憶として残ります。つまりその食べ物に関する思い出が良いものならば好物になりやすく、悪いものならば嫌いになる事があるという事です。例えば嫌いだった食べ物を無理やり食べさせられて余計に嫌いになった、あるいは食全体に関心がなくなる人もいたり・・・こういうのも食べ物に対する好き嫌いの差になります。

そしてその食べ物に関する記憶は年齢を重ねるほど蓄積されていき、より強く定着していきます。好きな食べ物は良い記憶なので、それが積み重なればどんどん好きになります。逆に嫌いな食べ物は悪い記憶なので、それが積み重なればますます嫌いになってしまいます。しかも年齢を重ねると嫌いな食べ物を自分の意志で避ける事ができるようになるため、嫌いな食べ物は嫌いなまま変わりません。一方、好物は我慢して避ける理由がなく、お金さえあれば好きなだけ食べる事ができるようになります。そのような食習慣では栄養バランスが崩れやすく、それがメタボ等の生活習慣病にも繋がっていきます。好き嫌いを子どもの内になくしておくという事はそれを防ぐ意味でも教育と言えるでしょう。もっと言えば「この食品にはこの栄養素が含まれていて、その栄養素にはこのような役割がある」という事まで教えるべきだと個人的には思います。
2017年6月4日日曜日

どうして高い声や大きい声を出すと声が裏返えるの?

肺から放出される息を喉にある声帯に当てると、その声帯が振動する事で音が出ます。その音が様々な場所(鼻や口等の空間の他、骨、皮膚、筋肉、脂肪等にも伝わる)に伝わる事で声は発せられます。よってその振動の幅が大きくなり、共鳴が適切に行われるほど発せられる声は大きくなります。また声帯は薄い膜のようになっており、ピンと張った状態においては、振動が速くなると高い音が、振動が遅くなると低い音が出ます。例えばピンと張った状態の輪ゴムを弾いた時、その輪ゴムが短いと高い音が、長いと低い音が出ますが、これと同じ原理です。人間の喉では声帯を引っ張る事で振動の幅が小さくなり、それによって振動のスピードも速くなるため、高い声を出す事ができるのです。

高い声を出すにはそのように声帯を引っ張る必要があり、そのための筋肉を収縮させなければなりません。「歌をうたう時には喉仏が上へ上がらないようにする」とよく言われますが、これはその声帯を引っ張るための筋肉(輪状甲状筋)が喉仏についているからです。つまり喉仏が上へ上がった状態では声帯を引っ張るための筋肉が緩み、「低い声を出す時の声帯の形」のまま高い声を出そうとしてしまいます。当然そのような状態の声帯にいくら息を当てても、高い声を出す事はできません。結果「力み」にも繋がります。

一方、声帯を閉じた状態に維持するのは、声帯を引っ張るための筋肉とはまた別の筋肉(閉鎖筋)が関係しています。この声帯を閉じる筋肉が正常に機能していれば、息の量が増えても声帯が閉じたまま維持されるので、息の通過量が多くなる「裏返り」を防ぐ事ができます。しかし普段話すような声ではそこまで声帯を閉じて緊張させる事がないため、声帯を閉じるための筋肉が衰えている事があります。そのような人がいざ歌をうたう事になった時、大きな声を出そうと声帯に大量の息を当てると、声帯の閉鎖を維持できず、声帯から漏れる息の量が増え、これによって声が裏返ります。

またそのように声帯の閉鎖及びそれを維持するための筋肉が衰えている人では、喉の周囲にある筋肉を使って声帯を閉じ、それを力で無理やり維持しようとします。これが前述した喉仏が上へ上がる理由で、高い声を出そうとするとそれが起こりやすくなり、声帯が不必要に緊張して振動しづらい状態になります。つまり音が響かない、いわゆる「喉声」になる訳です。そのような状態では1曲通して歌う事ができないほど喉が簡単に疲れてしまいます。