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2018年3月29日木曜日

どうして血が出るとカサブタができるの?

出血を伴う怪我をするとしばらくして傷口の血が固まり、いわゆる「カサブタ」になります。これには血小板という血液に含まれる成分が関係しています。血小板は血管の損傷をきっかけに集まって固まる性質があり、これによって血管及び傷口を塞ぎます。こうして乾燥したものがカサブタになっている訳です。またその内側に新しい皮膚ができると自然にカサブタは剥がれ、その皮膚が下から上がってくれば傷口は元通りになります。

尚、この血が固まる仕組みは内出血においても同じですが、内出血の際には前述した捻挫の時のように、まず2~3日冷やして範囲の拡大を最小限に留め、その後は温めて血流を促す事で早く治す事ができます。また血が固まる反応にはビタミンの一種である「ビタミンK」が使われているため、ビタミンKが不足すると血が固まりにくくなり、内外問わず出血を伴う怪我が治りにくくなる事があります。その他、健康に良いと言われる「血液をサラサラにする成分」を過剰に摂取する事でも、血が固まりにくくなる事があります。


Q.膝を擦り剥いたら乾燥させる?湿らせる?

A.膝を擦り剥いた際、出血を伴う場合には血小板が集まってカサブタになる他、細菌の繁殖がある場合にはそれを攻撃するために白血球が集まり、その死骸は「膿」になります。特に土など汚れた場所で膝を大きく擦り剥いた場合、出血があるなしに関係なく、体内に菌を侵入させないために大量の白血球が集まってきます。これにより傷口は化膿して大きく腫れ、外側あるいは内側に膿が溜まるのです。膿はドロドロしていて黄色や白っぽい色をしています。

しかし単に皮膚表面の細胞だけが損傷している場合、膿ではなく浸出液が滲み出てきます。浸出液は比較的透明感があってサラサラしており、膿と見分けがつきます。浸出液には細胞を修復するために必要な成分が含まれていて、これが集まる事で傷口が徐々に湿り、更に時間が経つと固まって薄い膜になります。この膜が細胞の修復を活性化させるのに重要なのです。つまり膿が出るという事はまだまだ傷口が衛生的に良くない状態という事なので、消毒液などで定期的に消毒しながら、膿が出なくなるまでガーゼなどで吸い取る必要があります。一方、浸出液は全て吸い取ってしまったり、乾燥して浸出液の膜が壊れると逆に治りが遅くなってしまう事があるのです。よって傷口に大きな出血がなく、また比較的綺麗で膿んでいない場合に限っては、傷口は乾燥させるよりも湿らせた方が治りは早くなります。
2018年3月28日水曜日

どうして酸に触れると火傷するの?

酸は皮膚から水(水素と酸素)を奪います。これにより木が燃える際に炭になるのと同じで、皮膚内の水素と酸素が奪われ、それにより炭素の割合が増え、皮膚が炭のように焦げた状態になります。これは熱による火傷ではありませんが、見た目は通常の火傷のように見えます。一方、強力な酸ではその酸が薄まる際に強い熱が発生します。この熱によっては通常と同じ火傷をする事があります。

尚、アルカリでは周囲にある水分と皮膚の蛋白質が反応する事で、蛋白質そのものが分解されます。よって強力なアルカリでは跡形もなく皮膚を溶かしてしまうでしょう。また強力なアルカリも酸と同じように、それが薄まる時に強い熱が発生します。これによりやはり通常の火傷をする事があります。

酸もアルカリもそれが薄まるか、水がなくなるまで反応が進みます。よって放置すればするほど被害が拡大しますが、酸やアルカリが薄まっていない状態で中途半端な量の水をかけても、前述のように熱が発生して余計に症状が悪化する事があります。また酸に対するアルカリ、アルカリに対する酸というように中和しようとしても、同じくそれぞれが薄まるまでに余計な熱が発生してしまいますし、強力な酸に強力なアルカリ、あるいは強力なアルカリに強力な酸を使用すれば、それぞれの酸とアルカリによってやはり余計に症状が悪化してしまうでしょう。基本的には「薄める」事を考えるのではなく、酸やアルカリを洗い流す目的で大量の冷水を使用するというのが、我々ができる唯一の対処法になります。
2018年3月24日土曜日

髪の毛を剃ると天然パーマが治るって本当?

髪の毛が外的要因(強く洗い過ぎていたり、コンディショナー等のケアを怠っている)で傷み、その傷みが原因でパーマとなっている場合には、髪の毛を一旦頭皮の近くまで短く剃る事でパーマが改善される事があります。ただし外的要因を取り除かない限り、再びパーマがかかってしまう事があります。

一方、内的要因の場合でも、生活習慣(睡眠、栄養、運動等)やストレス状態を改善する事で、パーマが改善される事があります。特に血流の滞りが原因の場合には、頭皮や顔の皮膚のマッサージ及びストレッチや、その他発汗を促す有酸素運動などを合わせて行うと良いでしょう。ただし特にパーマが遺伝的な要因(毛根等の異常)の場合、内側から何かをしてもパーマが改善される事はありません。残念ながらストレートパーマをかけるしかないのです。
2018年3月22日木曜日

そもそもどうしてお寿司にはワサビが入ってるの?

ワサビ特有の辛味や匂いは「アリルイソチアシアネート」という成分によるもので、これには強い抗酸化作用や抗菌作用があると言われています。現在ではワサビがなくても生の食材を安全に食べる事ができます。しかし生の食材に関する調理法や加工法、及びその保存法が確立されていなかった時代では生魚が腐りやすく、鮮度や味を保つのが大変でした。ワサビはその時代、生魚を少しでも長持ちさせるために重宝したのです。

更にワサビにはアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどいった消化酵素が含まれており、特に糖の一種であるデンプンの消化を補助する効果があると言われています。酵素は一般的に熱に弱く、加熱調理によって失われてしまいますが、お寿司は生で食すのでその効果を得られます。つまりワサビはお寿司とピッタリと言えると思います。

ちなみにワサビは日本原産の野菜で、古くは飛鳥時代から利用されてきた記録が残っています。これが一般の人の間にも広く認知されたのは蕎麦や寿司が広まった江戸時代と言われています。
2018年3月19日月曜日

卵を加熱すると何故固まるの?

蛋白質は熱により変性し凝固する性質があります。卵の場合は58度~から凝固が始まり、80度を超えた状態が続くと完全に凝固します。これによりゆで卵ができます。ただし卵黄と卵白では凝固する温度が微妙に異なり、卵黄では70度~、卵白では80度~凝固が始まります。よって70度以下の温度でゆっくり熱した場合、卵白の外側は一部分しか固まらず、卵黄の方は少しだけ固まるように調整する事ができます。これを利用したのがいわゆる温泉卵です。更に低い温度で熱すると、卵黄はほぼ生の状態になり、卵白だけ半生の状態にする事もできます。これがいわゆる半熟卵です。特に呼び方の基準はありませんが。

尚、人間の体では「体温が42度を超えると蛋白質が固まって二度と元には戻らなくなる=死に至る」とよく言われます。確かに前述のように蛋白質は熱すると固まり、一度固まると例え冷やしても元に戻りません。しかし人間の体にある蛋白質が固まるのにもやはり50度や60度を超えるような高温が必要ですし、どんなに発熱しても体温は42度を超えません。これは人間には自分の体温を42度以上にまで上げる能力がないからです。もちろん例外的に全身性の感染症(黄熱病等)や熱中症などで体温が42度前後まで上がる事はありますが、42度程度では「蛋白質が固まって死に至る」という事はまずありません(病気が直接の原因で死に至る事はある)。
2018年3月18日日曜日

食用油、どうしてあんなに種類があるの?何が違うの?

食用油の名前だけを挙げていくと、例えばナタネ油(キャノーラ油)、ヒマワリ油、大豆油、ヤシ油(パーム油やココナッツ油)、サフラワー油(紅花油)、ゴマ油、コーン油、エゴマ油、アマニ油、オリーブ油、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)、フィッシュオイル(魚油)などがあります。これらの食用油はそれを抽出するための材料やそれによる味や匂いが異なる事はもちろんですが、何より脂肪の組成が異なります。

具体的に挙げていくと、キャノーラ油は不飽和脂肪酸(特にオレイン酸)、ヒマワリ油は不飽和脂肪酸(特にオレイン酸)、大豆油は不飽和脂肪酸(特にリノール酸)、パーム油は飽和脂肪酸(中鎖脂肪酸が含まれる)、サフラワー油は不飽和脂肪酸(特にオレイン酸)、ゴマ油は不飽和脂肪酸(オレイン酸とリノール酸同等)、コーン油は不飽和脂肪酸(特にリノール酸)、エゴマ油・アマニ油は不飽和脂肪酸(特にα-リノレン酸)、オリーブ油は不飽和脂肪酸(特にオレイン酸)、ラード・ヘットは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸同等(ただし不飽和脂肪酸の中では意外にもオレイン酸が多め)、魚油も飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸同等(ただし不飽和脂肪酸の中ではEPAやDHAが多い)という感じです。

もちろんこれらは商品により、例えばオレイン酸が含まれるオリーブ油ではエクストラヴァージンオリーブオイル、パーム油では中鎖脂肪酸を抽出したMCTオイル、魚油では飽和脂肪酸を除去したものがあります。またリノール酸やα-リノレン酸のような多価不飽和脂肪酸が豊富に含まれる油では、酸化予防及び加熱調理に適応させるためにビタミンCやビタミンEが含まれるものも存在します。ただし後述のように多価不飽和脂肪酸は元々酸化されやすいという事は変わらないため、長期保存には向かず、その保存方法には十分注意しなければなりません。

上記の内、飽和脂肪酸は加熱に強いので多くの料理に使えますが、常温で固体(液体ではややドロドロする)のものが多く、加工食品をはじめ多くの食品に含まれているので、過剰摂取により生活習慣病などのリスクが高まると言われています。このため調味油として使う場合はその量と頻度を考えなければなりません。続いてよく出てくるオレイン酸は一価不飽和脂肪酸、リノール酸は多価不飽和脂肪酸(ω-6脂肪酸)で必須脂肪酸の一つです。オレイン酸は飽和脂肪酸には劣りますが、比較的熱に強く酸化されにくいという特徴があり、他の脂肪酸と比べてあまり悪さもしません。一方、必須脂肪酸であるリノール酸のような多価不飽和脂肪酸は、熱に弱く酸化されやすいという特徴があり、しかも必須でありながら過剰摂取による様々な病気のリスクがある(飽和脂肪酸同様、意識せずとも摂取できる)と言われています。このためリノール酸の含まれる油は長期保存及び保存方法(熱・光・紫外線・外気に触れる等)、それからその使用頻度には十分な注意が必要です。よって加熱調理(高温及び長時間の加熱はNG)においては、比較的安定したオレイン酸が豊富に含まれる油を利用した方が安全でしょう。

そしてα-リノレン酸・EPA・DHA、これも多価不飽和脂肪酸(ω-3脂肪酸であり必須脂肪酸)で、この脂肪酸は必須であるのに限られた油にしか含まれていません。しかもやはり熱に弱く酸化されやすいため、長期保存にも向かなければ加熱調理にも使えません。つまりこれらを摂取するには含まれる青魚を食べるか、アマニ・エゴマ等一部の植物性油(比較的高価)を利用、またそれを利用する際には調理後にかけて食べる必要があります。また使いきれずに余った場合は捨て、その都度買い足す必要があります。ちなみに必須脂肪酸のω-6とω-3はそのバランスが重要で、前述のようにω-6の方は意識しなくても摂取できるので、意識するとすればω-6:ω-3=3:1程度のバランスで保つよう心がけましょう。このバランスを崩す原因の殆どはω-6の摂取過多及びω-3の不足であり、このバランスが崩れる事で脂肪の過剰摂取のリスクが増加し、脂肪の代謝が悪化、またアレルギー症状の悪化等が起こると言われています。
2018年3月16日金曜日

好きな食べ物は別腹ってよく聞くけど実在するの?

嫌いな食べ物だとたくさん食べる事ができないのに、好きな食べ物だと例え満腹状態であってもたくさん食べる事ができる場合があります。これを一般的に「別腹」などと呼んでいます。しかし実際に大好物を目の前にすると胃や腸が活動的になり、胃の容量が一時的に増える事があります。この時には「オレキシン」というホルモンが関係していると言われており、この働きによって胃の中に残っている食べ物を急速に下へ追いやります。これにより胃にスペースが空くのです。すなわち別腹は実際に存在するのです。
2018年3月14日水曜日

大食いの人はどうしてあんなに食べる事ができるの?

常の胃は大人の手のこぶし大程度の大きさしかありませんが、食べ物が胃の中に入ってくるとゴムのように膨張します。これにより大量の食べ物や飲み物を入れる事ができます。特に大食いの人では一般の人よりも生まれつき胃が伸びやすかったり、あるいは日々のトレーニングによって胃をより大きく伸ばす事ができます。だからこそ、あれだけたくさんの食べ物を食べる事ができる訳です。

また栄養が体に吸収されにくい体質を持っているという事も重要です。あれだけ大量に食べても肥満体型にならないのは、多くが吸収されずそのまま体の外へ排出されているからで、万が一に大量の栄養素が吸収されてもそれを処理できる強い臓器も必要になりますす。更に大量の食べ物を消化するには、大量・強力な消化液を分泌しなければなりません。つまりその消化液に耐えうるような胃や腸の強さも持っていなければならず、大食いの人は生まれつき、あるいは日々のトレーニングによってその能力にも優れているのです。
2018年3月13日火曜日

シップはどうして冷やす事ができるの?

冷却シップは患部の熱を外へ逃がす事によって温度を下げています。そうして患部が冷やされると血流が抑えられ、腫れや炎症、痛みなどの拡大を防ぐ事ができます。またシップには水分が豊富に含まれており、よく皮膚に密着するため、有効成分(抗炎症・鎮痛作用)を効率良く浸透させる事ができます。使い続けるとシナシナになって粘着力がなくなりますが、有効成分は半日以上持つとされ、これにより物理的及び持続的に腫れや炎症、痛み、熱などを抑えます。

痛みや腫れなどを感じたら2~3日は貼り替えながら冷やし続けましょう。ただし特にインドメタシンの含まれるものは、アレルギー症状や喘息が悪化する事があり連続使用は望ましくないので、1/4日程度使用したら次の使用まで少し時間を空ける必要があります。睡眠中は冷やし続け、起きてからは一旦剥がし、少し時間を置いてから再び冷やすようにしましょう。またそのような副作用から子どもには大人用は使用できません。肌が弱い人では凍傷や体温の低下に注意し、氷水で冷やしましょう。


Q.足を捻ったら冷やす?それとも温める?

A.足首を捻った時に起こる「捻挫」では患部に炎症が起こります。この炎症は患部の代謝を上げて治癒能力を高めるためのものであり、怪我を治すためには必要不可欠な反応です。しかしその反応が必要以上に起こると、正常だった細胞までも損傷し、範囲が拡大してしまう事があります。これを防ぐためにも患部を冷やす必要があるのです。

ただし患部を冷やし続けた場合、周囲の血流が滞る事があります。損傷の起こった細胞を治すためにはその材料となるたくさんの栄養や酸素が必要であり、それを送るための血流が滞ると逆に治りが遅くなってしまいます。つまり冷やし続ける時間は一旦腫れや痛みが治まるまで(捻挫した日かその次の日には必ず整形外科を受診し2~3日は冷やす。それでも痛みや腫れが続くようなら損傷が大きいという事なのでやはり通院が必要。)にしておき、それ以降は常温または温めて血流を促した方が治りが早くなる場合もあるのです。

尚、温めて血流を促すと再び炎症が起こり、腫れや痛みが酷くなる場合があります。よって最初に温める時間はせいぜい1日数十分程度にしておき、温めた後は再び冷やし続ける必要があります。特に患部の治療が進むのは睡眠中であるので、少なくとも睡眠中は冷やし続けましょう。そうして患部の状態を見ながら温める時間を少しずつ増やしていき、冷やす→温める→冷やす→温める・・・と繰り返します。もちろんそれだけでは効率的とは言えません。生活習慣全体(食事、睡眠、運動:患部より遠い場所からストレッチやトレーニングを始める、ストレスコントロール等)を改善し、内側からの治癒能力を高めましょう。
2018年3月7日水曜日

使い捨てカイロはどうして温かいの?

燃料となる物質の温度が上昇していくと、次第に周囲の酸素と反応し熱や光を発するようになります。これを「燃焼」と言い、その時に出るのが火あるいは炎です。燃焼の時に起こるのは「酸化反応」で、これは対象物を酸化させ、より安定化した物質へと変化させる反応です。ただし物質を安定化させるには余分なエネルギーを外へ排出しなければならず、それが熱や光になるのです。

例えば木が燃える場合では木に含まれる炭素等が燃料となり、それが酸素と結合する事で燃焼し、余分なエネルギーが熱や光となって排出されます。使い捨てカイロもそれと同じで、鉄と酸素が結合する際に余ったエネルギーが熱となり、その熱を利用しているのです。ただし鉄が酸素と結合して錆びる(酸化鉄)際には通常はゆっくりと反応が進むため、生まれる熱はそう多くありません。また水がある事で鉄が酸素と結合する事でも錆びます(こちらは水酸化鉄)が、これもゆっくりと反応が進むため、我々が熱として感じる事は殆どありません。一方、使い捨てカイロではその反応を早める(酸素を取り込む炭、通気性のある袋、反応を早める塩と水、それを吸収する吸水剤、それを保持する保水剤、鉄粉等)事で熱の量を増やしているのです。
2018年3月3日土曜日

人間は死んだらどうなるの?

人間の意識は全て脳が司っています。よって仮に心臓が止まっても、脳内に血液があればそれを使って神経細胞は生き続けます。指先や足先等から伝えられる電気信号も、その神経細胞が生きている限りは処理されます。しかし時間が経過するほどに神経細胞は死んでいくので、体から伝わる電気信号はどんどん少なくなり、その少ない信号をも処理する事ができなくなっていきます。つまり何も感じなくなる訳です。例え脳全体の機能が失われていなくても、神経細胞が生きている間は「死」と認識する事ができるかもしれませんが、そこまで行くと「自分は死んだ」という認識どころか、自分が誰で今どういう状態なのかが分からなくなります。もっと言えば「分からない」という事すら分からなくなるのです。それがその人にとっての「死」なのだと私は思います。更に時間が経過すれば、その後は燃やそうが埋めようが何をされようが神経細胞が死んでいるので何も感じません。だからと言って粗末に扱うのはもちろんいけませんが・・・。

私にとっての「死」は「無」です。よく死んだ後は霊や魂になるとか、天国や地獄に行くとか、現世を彷徨い続けるとか、閻魔大王がどうとか言いますが、そもそも前述のように「自分は死んだ」という事すら認識できないのですから私は「無」だと思っています。と言っても私自身恐怖心はあります。「死」というのは誰もが容易に経験できるものではない(事故で生死の境を彷徨う事はそうそうないので)のに、いずれは誰もが経験する事になる絶対的なものでもあるからです。来るのが分かっていて逃れられないというのはやはり怖いものです。というより地球上を探してみても、むしろ死が怖くない人の方が少ないと思いますが、世の中には「宗教」というものがあって、「死」に対する恐怖を和らげてくれます。「死」がどういうものかを考える機会なんて人生の最後の一瞬ぐらいですから、外側からでも良いので宗教を学んでみるのも「死」に対する理解が深まるきっかけになるかもしれません。

尚、私は無宗教です。宗教そのものは否定しませんが、私にとっての宗教とは、逃れる事ができない「死」のような恐怖に対する解釈を変える事で、少しでも恐怖を和らげようとするものだと考えます。何か大きな恐怖があり、それから逃れる術がない時、何かにすがってでも救われたくなるのは理解できます。しかし差し迫った恐怖がないのに、最初から宗教にすがるというのは人生においては「甘え」に繋がると私は思います。この世に神様がいるとすれば、神様は、人間が何か困った事がある度に手を差し伸べてくれるほど都合の良い存在ではありません。何か困った事がある度にただ祈っているだけで、自分からは何も行動を起こさない・何も考えないという他力本願は単なる怠慢です。時間は有限であり、その時間と戦った者にだけ手を差し伸べてくれる(・・・のかもしれないが、都合良く「手を差し伸べてくれる」等と期待している時点でそれも「甘え」。例え結果が伴わなくとも行動を起こした人には幸福が訪れ、その結果として「神様は味方した」と人間が勝手に解釈しているだけ)のです。