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ラベル 神経 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2020年4月6日月曜日

ストレスを受け続けると脳が溶ける?

心身に大きなストレスを受けると、そのストレスに抗おうとして、様々な反応が起こります。その内の一つが「コルチゾール」というホルモンの分泌です。このコルチゾールは「副腎」という腎臓の上についている組織から分泌され、糖・蛋白質・脂肪の代謝を制御し、血液中の糖の量を増やしたり、ナトリウムの吸収を促し、カリウムの排出を促す事で、心臓と腎臓の機能を高め、血圧を上昇させる役割を持っています。

しかしこのコルチゾールが過剰に分泌されると、高血糖や高血圧が起こったり、免疫力が低下する事があります。またコルチゾールは脳にも作用して、記憶を整理する場所である「海馬」を萎縮させると言われています。そのため大きなストレスを受けたり、あるいは長期に渡ってストレスを受け続け、コルチゾールが分泌されると、記憶力が低下する事になります。特に新しい記憶がスムーズにできなくなります。おそらくこれは過去の重要な記憶が失われないように、新しいストレスを記憶をしないようにしているのだと思われます。

この他大きなストレスを受けると、大脳皮質にある前頭前野という場所も萎縮します。これにはストレスを受けた際に分泌されるノルアドレナリンやドーパミンというホルモンが関係しているようです。ノルアドレナリンやドーパミンはストレスを受けた時、神経伝達を促して、心身を活性化させるホルモンですが、前頭前野は物事を考える場所のため、それらのホルモンが分泌される事で、逆にストレスを大きく感じてしまいます。そのためそれらのホルモンをストップする事で、ストレスから身を守っているのです。例えば心的外傷後ストレス障害などでは実際に前頭前野や海馬の萎縮が見られます。

海馬は思春期を終える頃には成熟しています。また前頭前野も20歳前後までに成熟しているようです。もちろんその後も、新しい記憶と触れ続ける限り、両者は発達していきます。一方、加齢によって外側から少しずつ老化していくため、「新しい記憶の整理・思考」が少しずつできなくなっていきます。もちろん高齢者でも、新しい記憶があれば、その老化は緩やかになりますが、若い人でも、大きなストレスがあると、それが一気に起こる事になり、継続的なストレスではその老化のスピードが早くなります。
2020年3月22日日曜日

緊張するとお腹が痛くなるのは何故?

緊張によってストレスを感じると自律神経が過敏になります。特に自律神経は自分の意志では制御できない様々な機能をコントロールしており、実はその中には胃腸の活動もあります。自律神経がそうして過敏になると、その自律神経を通じて胃腸も過敏になり、過剰な蠕動活動が行われてしまいます。これによって未消化の食べ物や、水分を吸収しないままの食べ物が大量に大腸に到達します。これによって下痢を引き起こすのです。

ちなみにストレスを受けた時には、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、成長ホルモン、グルカゴン、コルチゾールなど、様々なホルモンが分泌されています。特にこの内、セロトニンは太陽の光を浴びる事で分泌され、他のホルモンをコントロールして心身を活性化・安定化させたり、睡眠に必要なメラトニンの分泌のきっかけにもなっています。またセロトニンとメラトニンは入れ替わるようにして分泌されており、体内時計のような役割も果たしています。つまりストレスや自律神経の過敏さには、睡眠習慣の崩れが一つのきっかけとなる可能性があります。もちろんストレスそれ自体を減らしたり、受け止め方を変えたり、経験値を増やして慣れるなども重要です。

ただし脳内で分泌されたセロトニンが腸内に直接影響を与える事はありません。また腸内にもセロトニンは存在し、腸内の水分量を調節する役割があり、これが過剰になる事でそのような下痢を引き起こす原因になると言われていますが、この腸内のセロトニンが脳内に直接影響する事もありません。特にメディアでは「腸内のセロトニンを増やすと良い」とよく言われますが、実際には腸内のセロトニンは増えすぎても問題が大きい上、そのように脳と腸のセロトニンが互いに行き来する事はありません。

身長を伸ばすためにはメラトニンを分泌させると良い?

メラトニンは睡眠に関わる重要なホルモンであり、心身に睡眠へ入るための準備を促し、心身を深い睡眠へと誘い、休める役割があります。このためメラトニンが分泌されていれば、単純に睡眠が深くなり、心身がよく休めるようになります。またメラトニンの分泌は太陽が沈む頃にちょうど促され、太陽が昇る頃には分泌が減っていきます。このためメラトニンは体内時計のような役割も果たしており、生活習慣に規則的なリズムをもたらします。

そして何故そんなメラトニンが身長の伸びに関係しているのかについてですが、メラトニンにはこの他に「性成熟を抑制し、早熟を抑える役割」も持っています。思春期以前においてはこれが分泌される事で、思春期を迎えるのを遅らせる事ができます。特に思春期には身長が大きく伸びますが、その思春期が終われば身長の伸びはピタッと止まります。つまり思春期を迎える時期を遅らせ、緩やかに迎える事ができれば、結果として思春期を終える時期も遅れるため、身長が伸びる期間を伸ばす事ができるという事です。これにより最終的な身長の結果が良くなる可能性があります。「寝る子は育つ」とよく言いますが、これには「睡眠時間」ももちろん大事ですが、「毎日の規則性」が重要になるでしょう。

ちなみにこのメラトニン、昼間に分泌されるセロトニンがきっかけになります。特にセロトニンは太陽の光を浴びる事で分泌が促され、心身を活性化させ、精神状態を安定化させる役割があります。つまりメラトニンを分泌させるためには、昼間に太陽の光を十分に浴び、単純に「楽しい事をして心身をよく動かす」事が重要になります。またセロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成されます。つまり肉、魚、卵などといった動物性の食品を食べる必要があります。更にアミノ酸の代謝にはビタミンB6も必要です。ビタミンB6も動物性の食品に多い他、実は腸内細菌によって補う事ができます。つまり腸内環境を改善するような食習慣及びストレスコントロールも、結果としては身長の伸びに大きく関係しています。
2020年3月19日木曜日

緊張すると何故手が震える?

緊張はストレスを感じている状態です。ストレスを感じると、そのストレスから身を守ろうとして、様々なホルモンが分泌されます。例えばセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、コルチゾール、グルカゴン、成長ホルモンなどです。これらの内、特にノルアドレナリンとアドレナリンがストレス代謝に深く関わるホルモンであり、心だけでなく体も活性化させて、向かい来るストレスにどうにかして抗おうとします。しかしストレスの大きさによっては、過剰に分泌される事があります。分泌量が多くなると、次第に制御ができなくなり、これによって手の震えなどが起こると言われています。またその際には負の感情も大きくなり、不安や恐怖などが増大されていきます。
2020年3月17日火曜日

彼は右脳型、彼女は左脳型・・・貴方はどっち?

人間の脳は右側と左側に分かれており、単純に右側を右脳、左側を左脳と言います。例えば人間では言語を司る言語中枢が発達していますが、この言語中枢が左脳にある人が多い事から、左脳で理論的に物事を考えているのではないかと言われています。一方、右脳では五感から得られる情報を処理し、得られた記憶を整理するなど、感覚的な事を司っていると言われています。

確かにそのように脳の中では「得意とする処理」は異なるため、特定の状況下では、どうしても脳の活動に偏りが生まれます。しかし得意だからと言って、「その場所だけが働く」という事はありません。例えば理論的に物事を考える際にも右脳は働きますし、感覚的な事を考える際でも左脳は働きます。つまり右脳と左脳、どちらか一方だけが働くという事はないのです。また例え遺伝子的に優れた脳を持っていても、使わなければ意味がありませんし、どんな専門分野も後天的に鍛えて伸ばす事ができます。「右脳型」「左脳型」などという分け方は意味がない事だと思います。

特にこの「右脳型・左脳型」という考え方は、実は1800年代からある話であり、片側の脳にダメージを負った人の特定の能力が失われた事を発見した医者の発言が元になっているようです。しかし脳はそれほど単純にはできていません。何故なら片側の脳が損傷しても、もう片方の脳でその機能の一部を代替する事ができるからです。もちろん損傷の度合い次第であり、全ての機能を代替できる訳ではありませんが、これは少なくとも「元々脳全体が働いている」「専門性はあるが、必ずしも専門分野だけで働く訳ではない」事の証拠と言えるのではないでしょうか。

尚、これと関連する事ですが、男性と女性では脳の構造が異なるという話もよく聞かれます。しかし大抵は「男性は脳として欠陥があるから」「女性は右脳と左脳の繋がりが良い」などと、何故か男性の脳の方を悪く言われる事が多いです。これも真っ赤なデタラメです。これは男性と女性の脳を調べ、右脳と左脳を繋ぐ「脳梁」が女性の方が太いというデータが元になっていると思われますが、そもそも数人しか調べていないため、データの信憑性がかなり薄いです。また仮に女性の方が脳梁が太かったとしても、見た目だけでは「どのような神経伝達が行われているか」は分かりません。よって「脳梁が太い=右脳と左脳の連携が上手くいっている」とも言えないはずです。更にこの話は右脳と左脳とで明確に役割分担している事が前提になっていますが、前述のように確かに専門性はありますが、その部分だけが働いている訳ではありません。脳の構造としての違いよりも、教育や触れ合う人など環境による影響の方が大きいと思います。

こういう「どちらか一方を悪者に仕立て、もう一方の株を上げる」という手法はメディアではよく使われます。まぁこれを信じた所で、何がどうなるって話でもないですが、これを元に男性を下に見て、それが原因でトラブルになる女性がいないとも限らないので念のため・・・。



ちなみに右脳は左半身、左脳は右半身を管理しており、何故か脳と体が逆になっています。これは運動の命令が通る「延髄(脳の下側に位置し大脳皮質→脊髄と電気信号を送る)」の中にある「錐体(より細かな各部位の調節は錐体を通らない)」内において、神経が交差しているからです。

何故わざわざ交差させる必要があるのかについては様々な説がありますが、例えば魚の場合、左から来た敵から素早く右へ逃げるためには、左脳が右半身を管理していなければできません。また逆に右から敵が来た場合、左に素早く逃げなければならず、右目で敵を確認しながらも、体は左方向へ動かす必要があります。おそらくですが、交差しているのはそれが元になっていると考えられます。

歯並びが悪いと頭痛になる?

歯並びが悪い状態になると、顎を正常に閉じる事ができなくなります。これにより顎を動かすための筋肉に不要な負担がかかり、周囲の筋肉が緊張しやすくなります。すると、その周囲にある神経も刺激され、過敏になり、それによって頭痛が起こる場合があります。特に歯を強く噛みしめる癖がある人では、それが慢性的な頭痛の原因になる事があります。

これを改善するには、普段から上下の歯をギリギリ接しない程度の位置に、意識的にしておく事が重要です。最初は意識しないとできませんが、次第に無意識できるようになっていきます。またマウスピースをはめるのも一つの手です。特に睡眠中の顎の噛み締めは、それによって改善できます。もちろんお金に余裕がある人は歯列矯正をすれば、それによって頭痛が劇的に改善される場合があります。もちろん頭痛は他にも原因(緊張などのストレス、及びストレスからの解放後、肩コリ、冷え、運動時の血流増進など)があるので、それで改善されない事もあります。
2018年7月23日月曜日

どうして貧乏揺すりをしてしまうのか?

「貧乏揺すり」とは一定のリズムで下肢を動かし続ける事を言います。種類としては例えば爪先を上げ下げ、踵を上げ下げ、膝を左右に震わせるなどがあります。これらには下肢で起こった鬱血を解消する効果や、ストレスを解消する効果があるとされており、それを無意識の内に行っていると言われています。

人間は他の動物とは違って二足歩行を行います。心臓と足先の位置関係を考えた時、四足歩行では心臓の位置が低いため、足先にある血液が心臓まで戻ってくるのにそれほど時間はかかりません。しかし二足歩行では心臓の位置が高く足先が遠いため、血液が滞りやすいという大きな欠点があります。心臓から遠い場所ほど心臓のポンプによる血液を押し出す力は弱くなり、重力に逆らう必要があるため、心臓の位置が高い人間では血液を戻す事が難しいのです。そこで人間は心臓のポンプの代わりになる下肢の筋肉を動かす事で血流を促し、心臓まで血液を戻しています。特に座っている際には太腿の裏側やお尻にある血管が圧迫され、下肢に血液が滞りやすくなっています。つまり貧乏揺すりは理に適っている訳です。

また貧乏揺すりの原因となるストレスには様々な種類があります。例えば誰かに暴言を吐かれたり、眠い時に周囲で騒がれるのは外から与えられるストレスになりますし、自分の頭で考える通りに事が進まなかったり、自分のした言動や行動を恥じたりするのは内から来るストレスになります。そうしてストレスを感じた際に気持ちを紛らわそうとし、それが貧乏揺すりとして現れるのです。更に、実は「内外問わずストレスが存在せず、何もしていない状態」というのも人によってはストレスになります。つまり「貧乏揺すり=落ち着きがない」とは限らず、むしろリラックスしている時に貧乏揺すりを行う事もあるという事です。
2018年7月18日水曜日

共感覚ってどういうもの?

例えば指先で何かに触れた際に得られる情報は触覚を通して脳へと伝えられます。つまりただ「触れる」というだけでは刺激されるのは触覚だけですよね。しかし人によってはただ触れただけなのに味を感じたり、色を感じたり、音を感じたり、匂いを感じたりする事があります。そのように特定の感覚が刺激された際、その感覚以外の感覚も生じてしまう現象の事を「共感覚」と言います。

共感覚では一つの感覚で認識するのではなく、別の感覚と合わせて記憶する事で、通常の記憶よりも強く記憶する事ができます。例えば「音から色が見える」という人では、音自体を記憶する事ができると同時に、色としてもその音を記憶する事ができます。つまり普通に一つの感覚でしか記憶する事ができない人と比べ、より強くその音を記憶する事ができ、その音をより正確に再現する事ができるはずです。それによって音楽に対してより高い能力を発揮する事ができるようになると思われます。

人によっては「この音は楕円形をしている」「この音はイチゴの匂いがする」「この音は甘くて美味しい」「この音はザラザラしている」など、同時に複数の共感覚を持っている人もいます。また逆に「色や形から音が聞こえる」「手で何かを触ると音が聞こえる」というような場合では「幻聴」のような症状が出る事もあり、本人以外には中々理解されず、誤解を生む事も多々あります。共感覚を持っていない人からすれば全く信じられない言動に聞こえるかもしれません。しかし本人にはそのような感覚が実際にあって、それ故に様々な悩みもあるのです。決して共感覚を持つ人の人格を否定したりせず、その人の個性として理解してあげて下さい。



ちなみに私の場合では、字から「柔らかい」「硬い」などといった触覚のイメージを得る事ができます。ただそれは「この形は硬そう・柔らかそう」という感じで、例えばこの平仮名は柔らかい、角張ったこの漢字は硬そう、この字は水に関する字が使われているから冷たそう・・・というように、単に字の形から連想しているだけで、実際にはかなり単純だと思われます。これは共感覚とは違うのかな?自分ではよく分かりません。

ただ、おそらくその感覚が繊細な人だと、字を字としてではなく、本当に皮膚の触覚として細かく記憶できるようになると思われます。まぁ私の場合は細かく分ける事はできないので何の役にも立ちません。そのように共感覚では「共感覚の組み合わせ」はもちろんの事、「共感覚の強さ」も人によって大きく異なると思われます。
2018年6月25日月曜日

何故匂いが分かるの?

匂いは空気中に漂う様々な分子が鼻腔の奥(天井の一部のみ)にある嗅覚受容細胞(その先にある細かな毛)に結合します。その刺激が電気信号へ変換され、それが神経を介して脳へ伝えられる事で匂いとして認識されます。またそのような感覚を「嗅覚」と言います。

この嗅覚受容細胞が存在する場所の広さによって嗅覚の鋭さは変わります。例えば人間ではその面積が3平方センチメートル程度しかないのに対し、嗅覚が優れているとされる犬では最低でも18平方センチメートル程度、種類や個体によっては100平方センチメートル以上もある場合があります。更にその細胞の数にも違いがあり、人間では数百万個ですが、犬では数億個~数十億個も存在すると言われています。だからこそ犬はあれだけ細かく匂いを嗅ぎ分ける事ができるのです。ちなみに匂いを感知する部分の面積、細胞の数を踏まえると、これも種類や個体にもよりますがクマ、豚、象は犬に匹敵するかそれ以上の嗅覚を持つと言われています。

一方、人間の場合、長い期間に渡って嗅覚以外の感覚(視覚や聴覚など)に頼った生活をしてきたため、嗅覚を司る脳の部分が衰えていると言われています。また動物では異性の発するフェロモンを嗅ぎ分ける事ができるとされていますが、人間では胎児の間にその機能も衰えてしまいます。その代わり、嗅覚から得られた情報は視覚や聴覚といった他の感覚よりも強く記憶に残りやすいと言われています。これは嗅覚を司る脳の部分と記憶を司る大脳辺縁系には深い関係性があるためで、これにより過去に嗅いだ事のある匂いを再び嗅いだ際、その時の状況を詳細に思い出す事ができる(アロマセラピーなんかはそれを利用しリラックス効果を得られる)のです。動物は人間よりも細かく匂いを嗅ぎ分ける事はできますが、その匂いを嗅いだ際の状況まで細かく記憶する事はできません。

ちなみに普段の鼻の穴の入り口~奥までは表面が粘液で覆われており、異物を絡め取って体の外へ排出しています。つまり鼻の穴は少し湿っているのが正常であり、例えば鼻をほじったりしてそれを念入りに取ってしまうと、異物が体の中へ入りやすくなり、免疫力が低下する可能性があります。これは鼻毛も同様です。鼻毛を抜いたりして本数が少なくなるとそれだけ異物が体の中へ入りやすくなります。異物の侵入量が多ければ多いほど粘液の分泌量は増え、余計に鼻水が出やすくなり、止まりにくくなります。鼻毛は伸びた分だけ切るようにし、鼻の穴を頻繁に弄るのはやめましょう。それをするなら部屋を掃除して綺麗にし、空気の入れ替えを頻繁に行いましょう。また外出する際にはマスクを着用するようにしましょう。
2018年6月16日土曜日

何故味が分かるの?

味を感じるための感覚器は人間では舌の上に存在し、特に「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「旨味」の5つの味を別々に認識する事ができると言われています。その他にも口内への物理的な刺激(カプサイシンなどによる辛味、タンニンによる渋味の他、アルコール・炭酸・などによる刺激)、温度による刺激、舌や歯触りなどの感触による刺激、喉を通る際の感触、匂い、音、色や見た目などを加え、それらを総合的に判断する事で味として認識(このため目や鼻を塞いで食べると味が分からなくなる事がある)しています。尚、実は味を感じるための受容器は舌だけにある訳ではありません。喉の奥にある軟口蓋(鼻腔と口腔を隔てている)や食道の上部などでも味を感じる事ができます。これは「ノドゴシ」ではなく「後から来る味(食べた後の余韻)」です。

舌は喉にある筋肉が独自に発達したものであり、非常に神経が密集しています。実際に舌で歯を触れてみると一本一本を確認する事ができ、繊細な感覚を持っているという事がよく分かると思います。表面には「味蕾」と呼ばれる受容器があり、ここに分子が結合し、その刺激が電気信号へと変換されて脳へ伝えられます。例えば甘味は果糖やブドウ糖などの糖質、酸味はクエン酸などの酸性の物質、塩味は塩化ナトリウム、苦味はカフェイン・カテキン・クロロゲン・ニコチンなど、旨味はグルタミン酸などのアミノ酸が影響していると言われています。よってそれらが多いものを口の中へ入れるとその味が強くなります。

尚、味蕾の数は年齢が若いほど多く、年齢を重ねるほど減っていくと言われています。これは舌は新陳代謝が非常に活発で、代謝の低下による影響を強く受け易いからです。例えば子どもではピーマンを苦く感じ、酷く嫌がりますが、大人になるとピーマンのような苦いものも食べれるようになります。これは大人よりも子どもの方が味蕾が多く、苦味に対して敏感だからです。年齢を重ねるとビールを美味しく飲めるようになるのもこのためです。

ちなみに例えば「醤油+プリン=ウニ」のように複数の食べ物を口に入れて別の味に感じられるのは、醤油とプリンに含まれる味をもたらす成分だけでなく、食感などもウニと似ているからです。その他では「たくあん+牛乳=コーンスープ」「キュウリ+ハチミツ=メロン」「ミカン+醤油+海苔=イクラ」などがあります。ただし前述のように味というのは舌だけで判断される訳ではないので、舌に触れる成分は似ていても匂いや食感などが違えばその味に感じられない事があります。もし試す方は自己責任で(笑)
2018年6月6日水曜日

どうして人間は歩く事ができるの?

脳には外側にあって脳全体を占める「大脳皮質(前頭葉・側頭葉・後頭葉)」、その内側にあって神経細胞の密集した核のようになっている「大脳基底核」、その下に脳と脊髄とを結ぶ「脳幹(中脳や延髄)」、そしてその脳幹の後ろに「小脳」が存在しています。人間の脳には「短期的・長期的に関係なく、とにかく記憶をするために働く場所」と「生きる上で必要不可欠な、本能的な記憶をするために働く場所」があります。この内、前者は特に「海馬」と大脳皮質が、後者は小脳と大脳基底核が関係していると言われています。

まず、海馬は大脳基底核の外側を取り巻く「大脳辺縁系」に存在しており、新しく得られた情報を整理し、短期的に記憶する役割があります。また海馬は長期的に必要な記憶を再び整理し、大脳皮質へ送る役割もあります。脳全体の多く占める大脳皮質は様々な知覚を認識して「考える」事ができる場所であり、ここで利用する頻度が増えると長期的な記憶が可能になります。一方、これらは意識して取り出して使う場合の記憶であり、例え長期的な記憶でも使わなければ時間が経過するほどに取り出す事が難しくなっていきます。つまり記憶も劣化するという事です。

例えば大きな事故で数ヶ月間あるいはそれ以上歩く事ができなくなった場合、海馬や大脳皮質に記憶していた「歩く」という記憶も当然劣化してしまいます。もしそうして「歩く」という記憶が劣化してしまった場合、そのままでは食べ物にも飲み物にもありつく事ができませんから、生物として困りますよね。そこで重要になるのが小脳や大脳基底核です。この部分には動物として本能的に行われる運動を細かく制御する役割があり、継続すればするほど記憶を深層に定着させます。これによって例え数ヶ月間歩いていなくても、歩く際の細かな体の動きを調整する事で再び歩く事ができるのです。

同様に、例えば何年も自転車に乗っていないのに乗る事ができたり、何年も泳いでいないのに泳ぐ事ができるのはこれがあるからです。「歩く」と比べるとそれらは「生きる上で必要不可欠」とまでは言えませんが、幼少期に行い、また継続するほど本能的な記憶になります。スポーツ選手などはそうして様々な動作を本能に近いレベルで行っているのです。

ちなみにただ単に「その場に2本の足で立ち続ける」というだけでも、体が前後左右に傾かないよう脳が制御しています。また「2本の足で歩く」という動作では、どちらか一方の足を前へ出す際、一時的にもう片方の足だけで体を支えなければならない時間があります。つまり足を前へ出す度に細かな調整を行っており、それによって人間は真っ直ぐ前へ歩く事ができるのです。更に、走る際にはそれを高速で行って体のバランスを保っています。人間は二足歩行を行う唯一の生物ですが、これらができるのはその細かな制御を容易に行う事ができるほど、人間の脳が高度に進化しているからです。
2018年5月27日日曜日

恥をかくと何故顔が赤くなるの?

緊張すると交感神経が興奮状態になり、全身の血流量が増え、それによって皮膚表面への血流量も増える事になります。腕や足などの分厚い皮膚では血管が青く見えますが、これは赤い光が皮膚に吸収され、青い光を反射しているからです。一方、顔の皮膚は薄いので、増えた血液の赤みがそのまま透けます。これによって顔全体が赤く見えます。尚、その際には温かい血液が増える事でその部分の体温も上昇します。これにより「火照り」も出る事になります。
2018年5月24日木曜日

どうして心臓は勝手に動く事ができる?

心臓には「心筋」と呼ばれる特別な筋肉があります。心筋は腕や足などに存在する骨格筋と同じ「横紋筋」ですが、他の筋肉とは違って自分の意志では動かす事ができず、脳からの命令がなくても自動的に動く事ができます。これは何故かというと、心臓の中には自発的に電気信号を発する事のできる細胞が存在しているからです。通常の骨格筋にはそれがありませんから動かすには脳からの電気信号が必要なのです。ちなみにその電気信号を発する細胞の代わりとなるのがペースメーカーです。

血液は心臓で作られている訳ではなく、骨髄で作られています。その骨髄で作られた血液が心臓のポンプによって循環しているのです。また心臓を動かすためのエネルギーもその血液を通して送られているため、体のどこかで大量の血液が失われたり、心臓の血管が正常に機能しなくなると心臓の筋肉を動かす事はできなくなります。それが「心停止」です。心臓が動かなくなった時に行う心臓マッサージは元々体に残っている血液を循環させ、脳や心臓などの細胞をできるだけ延命させようとする事、電気ショックは動かなくなった心臓の筋肉に電気信号を与え、再び自発的に動かそうとする事が目的です。

尚、「心臓は自分の意志ではコントロールできない」と言いましたが、完全にコントロールされていない訳ではありません。例えば恐怖や怒りを感じたり、緊張したり、驚いたり、あるいは体調が悪化した時などでは心臓の鼓動が速くなる事がありますよね。そのように感情や体調によって心臓の鼓動の速さは変える事ができるのです。それを利用すれば、例えば意図的に恐怖体験を思い出す事で心臓の鼓動を早くしたり、深呼吸をして気持ちを落ち着ける事で心臓の鼓動を緩やかにする事もできます。すなわち心臓の動きを完全にコントロールする事はできなくても、自分の意志でコントロールしようと努力する事はできるのです。

どうして体を動かす事ができるの?

脳から送られた電気信号は神経を通して筋肉へと送られ、その筋肉が収縮する事で骨を引っ張ります。それによって関節が動き、また全身にある関節を複雑に動かす事で体全体が動いているように見えるのです。

尚、脳から発せられた電気信号はまず脊柱(背骨)の中にある脊髄(太い神経の幹)を通り、そこから枝分かれした神経を通して全身へと送られます。つまり脳や筋肉が健康でも脊髄が健康でなければ体は動かないという事です。脊髄を損傷して体が動かなくなるのはこれが理由です。指先や足先にある神経は例え損傷しても時間をかけて修復する事ができますが、脳や脊髄は一度でも損傷すると二度と修復させる事ができず、現在でも確実な治療法は見つかっていません。損傷した脊髄の場所によって麻痺の出る部位が変わり、例えば一番脳の近くにある首の頚椎を損傷した場合、頚椎から下の部位全てに麻痺が出る(筋肉を動かす事や皮膚からの触覚はもちろん、体温調節などの機能も失われる)事になります。

ちなみに「反射」とは筋肉に対する電気刺激が脊髄までしか行かず、その脊髄で処理されて再び筋肉に電気信号が帰ってくる事を言います。つまりそれができれば脳から複雑な命令を出すよりも素早く体を動かす事ができる訳です。例えば熱せられた鍋の蓋に不意に手で触れてしまった時、その手を咄嗟に引くと思います。これを脳が考えてから命令を出していたらとても間に合わず、手を引くのが遅れて火傷をしてしまいます。咄嗟に手を引く事ができるのは脳が関与せず反射的に体を動かしているからで、そうして普段から自分の身を守っているのです。
2018年5月20日日曜日

頻尿・・・何故起こる?

頻尿とはトイレが近く尿の回数が多い事を言います。ただし明確な基準は存在せず、1日のトイレの回数は人によって様々なので、自身でトイレの回数が多いと感じる場合には頻尿と言えると思います。

頻尿の原因は様々ですが、特に膀胱が過度に活動してしまう過活動膀胱(老化、脳障害、前立腺肥大など)、1回の排尿で膀胱から尿が出切らない残尿(老化、前立腺肥大、手術の副作用など)、様々な要因による多尿(糖尿病、水分過剰摂取、利尿剤など)、膀胱や尿路における異常(感染症・炎症・腫瘍など)などに分けられます。またそれに加え、既に頻尿となっている場合は精神的なもの(緊張・気にしすぎ・ストレスなど。それによって脳、脳までの神経、膀胱周囲の筋肉及び神経などが緊張すると余計に尿意が増す)も大きな影響を与えています。

よく腎機能や肝機能に関係するサプリメント及び漢方を利用する人もいますが、それでは一時的な効果しか得られません。前述のような頻尿となっている原因(特に体に異常がない場合は精神的なもの)を取り除かない限り、同じ事の繰り返しになってしまうだけでしょう。その他、老化や持病が原因の場合、自分の現状を受け入れ、上手く付き合っていくという事も必要になってきます。
2018年5月18日金曜日

夢には何故記憶にないものが出てくるのか?

人間は睡眠時に浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を繰り返しており、レム睡眠は脳が起きていて体が寝ている状態、ノンレム睡眠は脳も体も寝ていて真に全身を休めている状態になっています。この内、夢を見るのは浅い眠りのレム睡眠の時であり、この時には脳内で記憶の整理が行われていると言われています。

しかし夢の中には自分が見た事がないような訳の分からないものが出て来る事もあります。これは「意識せずとも見聞きしたものはしばらく頭の中に残っている」からだと考えられます。意識して見聞きした訳ではない記憶は長時間定着せず、自分の意志で思い出す事はできません。しかし実際には頭の中に残っており、その断片が夢の中で出て来るそうです。また「記憶のピースをかき集めて無理やり表現されたもの」という理由も考えられます。例えば実際に雪山に行った事がない人でも「遭難する風景」を想像する事はできます。何故想像できるのかというと、「気温が低く寒い」「周囲が見えない吹雪」「防寒具」「体力が尽きて倒れる」などのピースをかき集めれば、その風景を再現する事ができるからです。つまり自分の頭でイメージできるものなら、どんなものだって夢に出てくるという事です。

尚、脳の構造は遺伝による影響を受けると言われていますが、例えば絵描きの仕事をしている親の子どもが何の努力もせずに絵が得意になるという事はありません。何故なら脳は特定の行動を繰り返す事によって鍛える事ができるからです。つまり親と同じように小さい頃から様々なものを見聞きした上で、絵を描き続けなければ意味がないのです。一方で「親の持つ後天的な恐怖体験は子どもにも遺伝する(後天的にだけでなく先天的にも)」と言われています。生物は自分の生命に危機が及ぶような体験を回避する事で生き残り、その種が進化してきた結果が今の地球な訳ですから、考えてみれば自然な事です。しかし親が恐怖に対して神経質でもその子どもが神経質になるとは限りません。何故なら恐怖体験は実際に体験しなければ恐怖として記憶されないからです。遺伝子的に頭の中に残っていてそれが「いざ」という時に出たとしても、意識的に取り出して記憶するかどうかは本人の意志次第なのです。

ちなみに睡眠中に見ている夢の中においては、稀に自分の意志で行動をする事ができ、またその内容を隅々まで覚えている事があります。そのような夢の事を「明晰夢」と言います。ただし現在でも明晰夢が見られる明確な条件が分かっていないため、自分で意図的に明晰夢を見る方法はありません。また明晰夢では驚きや恐怖などが脳にとって刺激になりそれが目覚めるきっかけになる他、夢を自覚すると途端に思考が加速し、複雑な事を考えようとするほど脳が活性化するため、勝手に眠りから覚めてしまう事が多いです。よって例え明晰夢を見る事ができたとしても、残念ながらそれを自分の意志で長続きさせる事はできません。

足は何故痺れるの?

足が痺れるのは神経が圧迫される事で機能しなくなるからです。それに加えて周囲の血管では血流障害が起こるため、それが神経を刺激する事で更に痛みが倍増します。稀に寝相で手が痺れる事があります。手の指は足の指よりも神経が密集し細かく枝分かれしているため、よりピリピリとした痛みが出ます。

尚、足が痺れると手で触れても触れられているかどうか分からなくなりますが、これは感覚神経が麻痺しているからです。また足が痺れるといつもより足が重く感じ、自分の意志で上手く動かす事ができなくなりますが、これは運動神経も麻痺しているからです。しかし大抵は一時的なもので数分経てば元に戻ります。
2018年5月15日火曜日

何故カルシウムが足りないとイライラするの?

血液中のカルシウムの濃度が低くなるとその分だけ骨のカルシウムを溶かして利用し、逆にカルシウムの濃度が高くなれば骨に使う事で濃度を下げます。実は普段からそのようにして血液中のカルシウムの濃度を一定に保ち、必要に応じて循環させて利用しているのです。

カルシウムは当然骨に多く存在していますが、骨以外では脳や筋肉などの神経伝達にも利用されています。ですので血液中のカルシウムの量が減ればカルシウムが必要な場所へ必要な分だけ送る事ができなくなり、神経伝達がスムーズに行われなくなる可能性があります。その結果としてイライラする事があるのです。しかし骨に含まれるカルシウムの量は非常に多いため、ちょっとやそっとカルシウムが不足したぐらいで血液中のカルシウムの量が減る事はありません。むしろ血液中のカルシウムの量が減っているような状態では、既に骨がボロボロになっていたり、筋肉の収縮がスムーズに行われず上手く体が動かせなくなっており、イライラする事よりよほど深刻な状態になっているはずです。

尚、イライラを抑えるためには神経が過敏になる原因自体を取り除くか、既に興奮状態にある神経を抑える事が重要となります。特に「その場の環境を変える(イライラさせる対象が近くにあるならば離れる、それが行動ならばやめる)事」「好きな事をして時間を忘れる(またそれを終えた後イライラする事を思い出さない)事」「糖質と糖の代謝に関わるビタミンB1を摂取する事」「抑制性神経伝達物質GABAの合成に関与するビタミンB6を摂取する事」「カルシウムの代謝に関わるビタミンDやビタミンKを摂取する事」「鉄、ビタミンB12、葉酸などを摂取する事(脳の酸欠予防)」などが重要です。これによって神経の興奮を抑え、ストレスを軽減させる事ができます。カルシウムを摂取する=全く効果がないとは決して言いませんが、微々たるものと考えるべきです。

ちなみにイライラを抑えるとよく言われるアミノ酸の「トリプトファン」ですが、トリプトファンは睡眠の深さに関わるメラトニンの材料にもなりますが、心身を覚醒させるセロトニンの材料にもなるので実はどちらとも言えません。またコーヒーなどに含まれるカフェインにも興奮作用があるので同じです。尚、アルコールはGABA受容体に作用し、イライラを軽減する事ができます。これがストレスをアルコールで埋め合わせしようとする原因の一つです。ただしアルコールには依存性があり、長期的な多飲による臓器への負担が大きいという欠点があります。健康のためにはアルコール以外でストレスをコントロールしなければならないでしょう。
2018年5月14日月曜日

どうして恐怖を感じる事ができるの?

「恐怖」というのは人間や動物が持つ感情の一つで、自分の身を守るための回避行動の一種です。「動物には理性がなく感情もない」と言われる事は多いですが、動物も恐怖や痛みといった「感情」を持っており、自分の行動を抑制する事ができます。つまり恐怖や痛みがある事で動物は「それが自分にとって危険なもの」と学習する事ができ、その危険と遭遇する前に予測し、未然に回避する事ができるようになります。更にそれによってはより長く生き伸びる事ができるようになり、後世へ子孫を残す可能性を高める事もできるのです。

恐怖心は記憶(幼少期に根付いていて自分の意志では取り出せないような潜在的な記憶も含む)と強く結びついており、自分が過去に経験した恐怖や周囲が経験した恐怖などから「危険な事」を学習し、それを未然に回避しようとします。例えば私の場合では虫の一種である蜘蛛に対して恐怖心や嫌悪感を抱きますが、それもおそらく過去の恐怖体験が関係しています。更にその経験に基づく事では蜘蛛と似ている「足が多い虫」「足がない虫(昆虫であっても幼虫を含む)」「素早い虫や音を立てない虫(ゴキブリ等)」に対しても近い恐怖心を抱きます。これは祖母や母親の影響だと思われます。一方、カブトムシ、バッタ、アゲハ蝶、セミなどの昆虫に対しては全く恐怖心がなく、成虫であれば素手で触れる事ができます。これは父親や兄の影響です。そのように同じ「虫」でもそこまで大きな差があるのは、やはり過去の恐怖体験や他者からの学習が大きく関係する事を意味しています。

尚、人間が恐怖や不安などのストレスを感じた際には、ノルアドレナリンやアドレナリンといったホルモンが分泌されます。この2つのホルモンは心身を活性化させる働きがあり、それによってストレスと対峙し乗り切ろうとする訳です。しかし分泌量が多過ぎると逆に冷静さを失い、頭が真っ白になって何も考えられなくなったり、呼吸や心臓の鼓動が荒くなって動くのも苦しくなったりします。そうしてあらゆる感情の抑制が効かなくなり、普段は温厚な人でも人が変わったように暴力的になる場合もあります。

また恐怖や不安が与えられた場合、それを与えてくる相手に対して絶対的に服従するような行動を取ったり、逆に反旗を翻し怒って暴力的な行動を取る事もあります。これも身を守るための行動の一つです。しかしどこの誰とは言いませんが、逆にそのような反応を利用して「意図的に恐怖を与えて自分に服従させる」「執拗に周囲の不安を煽って争い(自分の手を汚さずに)を誘発させる」という事を行う輩もいます。それだけ恐怖や不安というのは大きな影響力を持っているのです。

何故人は悲しくなると涙を流す?動物は流さない?

涙とは瞼の裏側にある涙腺から分泌される体液の事で、悲しい時に限らず、怒った時、嬉しかった時、大笑いした時、痛みを感じた時など、感情が高ぶった時にも出る事があります。また涙はアクビをした時に出る事がある他、花粉症や乾燥などで目が痒くなった時、目に異物が入った時にも出ます。それによって目を清潔に保つ事ができるのです。

人間は動物とは違って「悲しい時に涙を流す」事ができます。もちろん動物も自分の目を守るために涙を流す事はできますが、どれだけ頭の良い猿、鳥、象のような動物であっても感情的に涙を流す事はなく、感情の変化から涙を流すのはおそらく人間だけです。前述のように動物には恐怖という感情はあって、それに対して強く拒否するような行動を取る事はあっても悲しむ事はできないのです。これは人間とそれ以外では圧倒的に知能の差がある事はもちろんですが、生活している環境が違う事も大きく関係しています。いくら「悲しさ」を表現して相手に同情を求めても、弱肉強食の世界では相手だって生きるのに必死なのですから、そのような世界が続いている野生動物にとって「悲しい」という感情は何の意味も持ちません。意味がないからこそ「悲しい」という感情がないのです。

では、何故人間は悲しくなると涙を流すのか?についてですが、これは私は「他者へのアピール」という説が一番有力だと考えています。つまり「涙」というのはコミュニケーション手段の一つであり、文字やジェスチャーなどが存在していない時代から存在している、自分の感情を伝えようとした名残だと思っています。これがあれば相手が悲しんでいるかどうかを一発で知る事ができ、同族間の無用な争いを避け、またお互いに協力する事ができますよね。特に人類は一人で何かをする事よりも集団で何かをした方が効果的という事を学習していましたから、それを優先した結果として他者と同調するための感情が生まれ、自分はもちろん種としても生存する可能性をより高める事ができたのではないでしょうか。尚、その他では「興奮した際に生まれた物質を体の外へ排出しようとする説」「悲しみというマイナスの感情から目を背けようとしている説」などがあります。