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2020年3月17日火曜日

彼は右脳型、彼女は左脳型・・・貴方はどっち?

人間の脳は右側と左側に分かれており、単純に右側を右脳、左側を左脳と言います。例えば人間では言語を司る言語中枢が発達していますが、この言語中枢が左脳にある人が多い事から、左脳で理論的に物事を考えているのではないかと言われています。一方、右脳では五感から得られる情報を処理し、得られた記憶を整理するなど、感覚的な事を司っていると言われています。

確かにそのように脳の中では「得意とする処理」は異なるため、特定の状況下では、どうしても脳の活動に偏りが生まれます。しかし得意だからと言って、「その場所だけが働く」という事はありません。例えば理論的に物事を考える際にも右脳は働きますし、感覚的な事を考える際でも左脳は働きます。つまり右脳と左脳、どちらか一方だけが働くという事はないのです。また例え遺伝子的に優れた脳を持っていても、使わなければ意味がありませんし、どんな専門分野も後天的に鍛えて伸ばす事ができます。「右脳型」「左脳型」などという分け方は意味がない事だと思います。

特にこの「右脳型・左脳型」という考え方は、実は1800年代からある話であり、片側の脳にダメージを負った人の特定の能力が失われた事を発見した医者の発言が元になっているようです。しかし脳はそれほど単純にはできていません。何故なら片側の脳が損傷しても、もう片方の脳でその機能の一部を代替する事ができるからです。もちろん損傷の度合い次第であり、全ての機能を代替できる訳ではありませんが、これは少なくとも「元々脳全体が働いている」「専門性はあるが、必ずしも専門分野だけで働く訳ではない」事の証拠と言えるのではないでしょうか。

尚、これと関連する事ですが、男性と女性では脳の構造が異なるという話もよく聞かれます。しかし大抵は「男性は脳として欠陥があるから」「女性は右脳と左脳の繋がりが良い」などと、何故か男性の脳の方を悪く言われる事が多いです。これも真っ赤なデタラメです。これは男性と女性の脳を調べ、右脳と左脳を繋ぐ「脳梁」が女性の方が太いというデータが元になっていると思われますが、そもそも数人しか調べていないため、データの信憑性がかなり薄いです。また仮に女性の方が脳梁が太かったとしても、見た目だけでは「どのような神経伝達が行われているか」は分かりません。よって「脳梁が太い=右脳と左脳の連携が上手くいっている」とも言えないはずです。更にこの話は右脳と左脳とで明確に役割分担している事が前提になっていますが、前述のように確かに専門性はありますが、その部分だけが働いている訳ではありません。脳の構造としての違いよりも、教育や触れ合う人など環境による影響の方が大きいと思います。

こういう「どちらか一方を悪者に仕立て、もう一方の株を上げる」という手法はメディアではよく使われます。まぁこれを信じた所で、何がどうなるって話でもないですが、これを元に男性を下に見て、それが原因でトラブルになる女性がいないとも限らないので念のため・・・。



ちなみに右脳は左半身、左脳は右半身を管理しており、何故か脳と体が逆になっています。これは運動の命令が通る「延髄(脳の下側に位置し大脳皮質→脊髄と電気信号を送る)」の中にある「錐体(より細かな各部位の調節は錐体を通らない)」内において、神経が交差しているからです。

何故わざわざ交差させる必要があるのかについては様々な説がありますが、例えば魚の場合、左から来た敵から素早く右へ逃げるためには、左脳が右半身を管理していなければできません。また逆に右から敵が来た場合、左に素早く逃げなければならず、右目で敵を確認しながらも、体は左方向へ動かす必要があります。おそらくですが、交差しているのはそれが元になっていると考えられます。