人間が呼吸をする方法は、口を通して行う口呼吸と、鼻を通して行う鼻呼吸とがあります。口呼吸の場合、口から入った空気は喉の粘膜に接し、ここで異物を排除し、肺から体の中に入る異物の量を減らす事ができます。一方、鼻呼吸の場合、鼻の粘膜に接した後、喉の粘膜にも接する事ができます。
そうして喉を通過した後は、口呼吸も鼻呼吸も経路は同じです。そのため鼻呼吸をすれば、口呼吸よりも異物の侵入頻度や量を減らす事ができ、風邪を引きにくくする事ができます。もちろん元々の粘膜の強さ及び免疫の強さは人それぞれであり、鼻や喉の粘膜が弱い人では、粘膜で何らかの菌やウイルスが増殖したり、あるいは粘膜が上手く機能せず、肺にそのまま侵入してしまう可能性もありますが、そういう人でも、鼻呼吸をした方が風邪を引きにくくする事ができると思われます。
また鼻呼吸を習慣づけると、口の中が外気に晒されにくくなり、乾燥しにくくなります、これにより口の中で菌が繁殖しにくくなり、虫歯や口臭予防などの効果も得られると言われています。更に鼻呼吸を習慣づけると、唇の周りや頬など歯を支えるための筋肉が発達しやすくなるため、特に成長期においては歯並びの悪化を防ぐ効果もあると言われています。
一方、普段は鼻呼吸ができる人でも、例えば肥満体型の場合、睡眠中に喉や呼吸に関わる組織が圧迫され、口呼吸になったり、呼吸そのものが上手くできなくなる事があります。また普段からの鼻呼吸をしている人で、元々は健康な人でも、不意に疲労などで免疫力が落ちた時には鼻詰まりを起こし、それによってもやはり口呼吸になったり、呼吸が上手くできず、睡眠が浅くなってしまう事があります。そうして睡眠の質が低下すると、ホルモンバランスが崩れ、風邪とは別に、心身に何らかの問題が起こる場合もあります。鼻呼吸を習慣づける事はもちろんの事、基本的な免疫力を高めたり、運動習慣を改善したり、睡眠環境を改善したりなど、生活習慣全体の見直しが必要になります。
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