
またそもそも人間の腸は生活習慣によって適応する事ができ、肉を食べる習慣があればそれに適した腸内環境に、植物を食べる習慣があればそれに適した腸内環境に、両者を食べる習慣があれば、やはりそれに適した腸内環境になっていきます。すなわち人種による違いではなく、生活習慣・環境の積み重ねによる影響の方が大きいため、「日本人は植物を消化しやすく、肉を消化しにくい」とは一概には言えません。もちろん動物性の脂肪には過剰摂取によって肥満、癌、動脈硬化などのリスクを高めると言われていますが、それは欧米人でも起こり得る事です。
一方、日本人はインスリンの分泌量が欧米人と比べて少ないというデータがあります。これは日本人は糖を分解する消化酵素を大量に分泌する事ができる(例えば日本人は唾液が多く分泌される等)ため、それによって糖を効率良く分解・吸収する事ができ、インスリンの分泌が少なくても、細胞内へ糖を取り込む事ができるという事が関係しているようです。このため日本人は現代の食文化においては、糖の過剰摂取による糖尿病や肥満などになりやすいと言われています。
これは日本人が元々していた食習慣に、欧米人の食習慣が入ってきた事で、糖の摂取量やその機会が増えた事によるもので、別の見方をすると「糖を消費するような生活習慣が以前よりも減った」という事もその理由になっています。特に糖は脳の活動、臓器の活動、筋肉の活動によって消費されます。すなわちそのような生活習慣をすれば、日本人もそれらのリスクを抑える事ができると思われます。食習慣の欧米化だけに責任を押し付けるのはどうかと思います。
尚、それとは少し話が変わりますが、「ダイエット商法」という言葉があるように、ダイエットに関わる情報は、大抵、何か商品を売るための宣伝でしかありません。そのような情報は「痩せる」という結果ばかりが重視され、事実あるいは効率が二の次にされる事も多く、受け身のままでは一向に正しい情報が手に入りません。おそらくそういう情報しか追っていない人は、この記事に書いてある情報にも、おそらく辿り着けないのではないでしょうか。与えられる情報はまず疑い、自分で調べ、一旦頭で考えて、自分の意思で取捨選択をし、それから実践するようにしましょう。