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2020年3月21日土曜日

デトックス効果で痩せる?

人間は小便(尿)、大便、汗、皮脂、咳、痰、呼吸(呼気)、クシャミ、涙などによって、体の中にある物質を外に排出する事ができます。特にそれらの中でも、最も大きな割合を占めているのが「大便」で、体外に排出させる方法の中で、実に「8割以上」を占めているとも言われています。それを踏まえると、「腸内にある大便をスムーズに排出するデトックス効果」は、一見効果があるように見えます。しかしそのデトックスは「元々腸内にある大便がスムーズに排出された」事によるものであり、新たに腸以外の場所から集まって大便として排出されている訳ではありません。すなわち一時的な効果しかありません。

また汗をかいたり、浮腫を改善する事もデトックス効果と言う場合があります。しかしそのように体の中にある物質を外へ排出する方法としては、大便が殆どであり、汗や尿などとして排出される物質はごく僅かな量しかありません。それを「デトックス」と言ってしまうのは、かなり言い過ぎだと思います。もちろん体の中にある余分な水分が排出される事では、確かに体重は減り、また皮膚の腫れぼったさがなくなる事では、痩せて見せる事はあると思います。ただしそれに関しても「ずっと水分を断つ訳にはいかない」訳で、水分代謝が狂う根本的な原因を改善しない限り、また水分が溜まって体重は増えてしまいます。それでは同じ事の繰り返しです。「デトックス効果」だけで健康になれるなどと安易に考えるべきではありません。

ちなみにデトックス効果を目的として、浣腸をし、お尻から何らかの物質を注入し、腸内の物質を排出する方法もあります。一時期には「コーヒー浣腸」として話題になった事もありましたが、これは「元々腸内にあるものを排出する」だけであり、それをしてすぐに、新たな老廃物などが体から腸に集まってくる訳ではありません。特に腸内には腸内細菌が存在しており、絶妙なバランスが維持される事で、大便を作る事ができます。そのバランスが崩れると、余計に便通が悪くなったり、あるいは免疫力が低下する事があります。