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2019年12月16日月曜日

海外の人は何であんなにスタイルが良いの?

第一の問題として、まず「骨盤の傾き」が大きく異なります。日本人から見ると海外の人はみんなスタイルは良く見えますが、これは骨盤が前傾(前にある骨が下がり、後ろの骨が上がっている)しており、お尻のトップの位置が上に上がっている事が一つの理由です。それにより横から見た時の体の凹凸がハッキリと出るようになり、細い部分は細く、太い部分は太く強調される事になります。

また骨盤が前傾すると、腸腰筋(腸骨筋・大腰筋等)という腰の奥深くにある大きな筋肉が発達しやすくなり、それに引っ張られる形でお尻の筋肉も発達しやすくなります。それにより正面や後ろから見た時の体の凹凸も強調され、それらによる視覚的効果でいわゆる「グラマーな体型」に見えるのです。尚、そのような骨盤の傾きを作るのは、大人になってからではまず不可能です。これは遺伝子ももちろん関係していますが、広い土地に広い部屋を設け、床や椅子に長時間座らないような生活習慣を子どもの頃から続けなければ、そのような骨盤の傾きは手に入りません。日本は土地が狭く家も狭い、その上長時間座る事も強いられます。それを克服するのは簡単な事ではありません。

また第二の問題として「筋肉に対する意識」も大きく異なります。例えば日本人女性にとって「お尻が大きい」という事はあまり良い事には感じず、日本人では「お尻をシェイプアップする」事をする人はいても、「お尻を大きくするために筋肉を鍛える」人は殆どいません。一方、海外の女性にとっては、大きなお尻は憧れの一つであり、特に人に視線を浴びるような仕事をしている人(モデルや俳優等)では、お尻を大きくするために筋トレを行う人がたくさんいます。つまり、ただでさえお尻のトップの位置が上がっているのに、更に筋肉を鍛えて大きく見せようとしている訳です。当然骨格的なグラマー体型はより強調される事になるでしょう。

日本人の場合、これは男性のせいでもあるんですよね。女性よりも筋トレに関する知識があるであろう男性でも、「使える筋肉・使えない筋肉」「ウェイトトレーニングをすると体が固くなる・怪我をしやすくなる」などという下らない考え方を持っている人が未だにたくさんいます。しかもそのような考え方はプロスポーツの世界でも蔓延していますからね。そんな認識を持っている日本人のスタイルが、海外の人のスタイルに到底敵うはずもありません。

更に第三として「日本人の体重や体脂肪率に対する考え方」も大きな問題です。ダイエットをしようとした時、多くの日本人は体重を指標にしますが、体重は脂肪だけの重さではありません。筋肉や脳、臓器、骨、水分など、体にある全ての重さが「体重」なのです。体重だけでは脂肪がどれだけ減って、筋肉がどれだけ増えたのかが分かりません。それでは同じダイエットを繰り返すだけです。もし脂肪を減らしたいのであれば「体脂肪率(体脂肪量)」と「筋肉量」を気にすべきでしょう。ちなみに体重には筋肉の重さも当然含まれているため、筋トレを行っていればどうしても体重は増える事になります。「体重が増える=太る」という固定概念もこの機会に全て捨てるべきです。



参考までに、日本人の体脂肪率は男性では標準-が11~16%、標準+が17~21%、女性では標準-が21~27%、標準+が28~34%となっています。すなわち日本人ではこれらの範囲内の体脂肪率を維持する事が、心身の健康のためには望ましい訳です。「体重」をダイエットの指標にしてしまうと、この標準を下回るような体脂肪率を目指してしまい、あるいは現時点でもそのような体脂肪率になっている事が多く、知らず知らずの内に健康を害している(ホルモンバランスが崩れる、肌荒れが起こる、腸内環境が悪化する等)事があります。スタイルが良い悪い以前に、健康が悪かったら意味がありません。

また女性では「体脂肪率20%台」と聞くと多いように思えますが、特に女性においては女性ホルモンが脂肪の代謝に関わっており、その分泌を安定化させ、その量を増やす事で、胸へ適切に脂肪が集まるようになります。それによって体の一部分(二の腕、太もも、横腹等:結果として部分痩せにもなるという事)に偏って脂肪が蓄積するという事が減っていくはずです。その上で筋肉を鍛えてあげれば、脂肪を筋肉が押し上げ、皮膚にハリが生まれます。更に体のラインも綺麗になり、太い部分と細い部分が強調されるため、いわゆる「グラマー体型」に見せる事ができます。海外の女性たちは日本人よりも体脂肪率が高い傾向がありますが、日本人にはあり得ないような体型に見えると思います。それは何故かと言うと、筋肉を鍛える事で脂肪があるように見せていないからです。
2019年12月6日金曜日

温泉・・・ダイエット効果はある?

温泉には様々な「効能」とされているものがあります。これは「温泉に含まれる成分そのもの、による効果」というよりも、「シナジー効果によるものが大きい」と考えられます。

シナジー効果とは、複数の効果によって、それぞれの効果が増幅される事を良います。例えば温泉においては、水温による体温上昇効果(発汗、血圧上下動、血流増進、心臓の鼓動の上下動、呼吸の上下動等)、水温や炭酸などによる触覚を通じた効果(熱い、冷たい、圧迫感、ピリピリする、ヌルヌルする等)、蒸気や気化した物質による何らかの効果、皮膚・血管・筋肉・内臓などへの水圧による効果、浮力・匂い・雰囲気(旅館含め)・気温・水温・湿度などによる精神的な効果・・・などが挙げられます。

つまりそれらが合わさる事で、それぞれの効果が増幅され、それが効能として感じられている訳で、一つ一つの効果は特別なものではありません。またラジウム温泉のように微量な放射線があって、実際に体への影響がある場合、あるいはそのように気化した物質が実際に体の中に取り込まれる可能性もありますが、それらは「影響するほど強い場合、逆に健康を害してしまう可能性が高い」ため、今まで定期的にそれを利用できている時点で、その効果は大して強いものではありません。それもシナジー効果によるものが大きく、他の様々な効果がその効果を増幅して感じさせている可能性があります。尚、「効果が全くない」という訳ではないため、あくまで「きっかけ程度」に考え、過信はすべきではないと思います。
2019年11月6日水曜日

朝食を抜くと太る?夜食べると太る?何故?

●朝食を抜くと太る?

朝食を食べなかった場合、身体活動を維持するために必要なエネルギー及び栄養素が不足した状態になります。その状態になると、蓄えておいた脂肪をエネルギーとして利用しようとします。しかし脂肪はエネルギーとして優秀であり、万が一のために残しておきたいので、できるだけ使いたくありません。そこでエネルギー消費の激しい筋肉の成長を阻害し、少しでもエネルギーを節約しようとします。つまり朝食を食べないと、省エネ体質になりやすくなり、エネルギーが節約され、ますます脂肪は燃えにくくなってしまうのです。

また筋肉は糖を蓄える事ができ、またその糖をエネルギーに利用しています。つまりそうして筋肉が萎むと糖を蓄える事ができず、効率良く消費する事も難しくなります。それによって糖が溢れやすくなり、余った分は時間が経過すれば脂肪として蓄えられてしまいます。つまり朝食を食べないと血糖値が上がりやすくなって体に負担をかける他、新たな脂肪の蓄積にも繋がってしまう事があるのです。もちろん筋肉は蛋白質です。筋肉が落ちれば蛋白質の代謝も低下します。つまり糖・脂肪・蛋白質の代謝が全て落ち、基礎代謝が大きく低下する事になります。

更に、昼間起きている間は「セロトニン」というホルモンが分泌され、それによって心身を活動的にしています。セロトニンはドーパミンやノルアドレナリンといった精神的な安定に関わるホルモンをコントロールする役割があるのですが、これらのホルモンは食事をした際にその分泌が促されると言われています。また特にセロトニンは太陽の光で分泌が促されます。つまりスイッチを入れて心身を活性化させるためには、朝からしっかり食事をし、胃や腸に食べ物を入れ、太陽の光を浴びる必要がある訳です。それを怠れば何に対してもやる気が出ません。食事を減らす事を考えるよりも、食事を減らさなくても済む方法を考えましょう。

●夜に食べると太る?

睡眠中は内臓の機能はもちろん、基礎代謝が大きく低下します。よって寝る直前に食事を行った場合、栄養素の吸収が緩やかになり、最後まで満遍なく吸収される事になります。つまり寝る前に大量に食べれば食べるほど、結果として吸収される栄養素の量は多くなり、それがエネルギーとなる糖・蛋白質・脂肪であれば、新たな脂肪の蓄積に繋がる可能性はあると思います。よって寝る直前での食事は良くないと言えるでしょう。

ただし夜に食べたからと言って、必ずしもそれが脂肪の蓄積に繋がる訳ではありません。何故なら元々の代謝が良ければ、睡眠中の代謝の低下も問題にならないからです。特に昼間に運動量がある人、あるいは体格の大きい人、筋肉の多い人の場合、むしろ睡眠中にエネルギー不足を起こす可能性もあります。そういう人が「夜食べると太る」からと言って食事量を極端に減らしたり、あるいは全く食べないというような食習慣をしてしまうと、前述のような省エネ体質になってしまい、余計に基礎代謝が低下してしまいます。女性なんかはよく気にしますが、つまり夜食べると太るのは人によると思います。

何より「夜ご飯を食べているせいで太る」と考えるのではなく、「夜にご飯を食べても大丈夫な状態にしておく」という考え方をしましょう。そのように基礎代謝が上がっていれば、例え夜に食べても問題はないはずです。夜にご飯を食べて問題があるのは、何らかの理由で基礎代謝が低下しているからではないでしょうか。根本的に基礎代謝を改善しない限り、この先どんなダイエットをしても同じ事を繰り返すだけです。糖・脂肪・蛋白質の代謝を向上するのは規則正しい生活だけです。食習慣だけを変えるのではなく、運動も睡眠も改善しましょう。
2019年10月6日日曜日

ストレスで太りやすくなるのは何で?

ストレスを受けるとノルアドレナリンというホルモンが分泌され、その作用によってアドレナリンやコルチゾールというホルモンの分泌が促されます。この内、コルチゾールはコレステロールからプレグネノロンを経て作られるホルモンなのですが、実はこのプレグネノロン、プロゲステロン(黄体ホルモン)やテストステロン(男性ホルモン)、エストロゲン(女性ホルモン)を作るために必要な前駆体でもあります。つまりストレスを受けてコルチゾールの分泌が増えると、それに釣られるようにしてそれらの分泌量も増える事があります。ストレスを受ける事でホルモンバランスが変化するのはこういう事があるからです。

そのように、大きなストレスを受け、性ホルモンが過剰に分泌されてしまう事があります。男性ホルモンは筋肉を成長させる作用や闘争心を増進させる作用が、女性ホルモンには脂肪やカルシウムの代謝を促す(消費も加速するが蓄積も加速させる)作用などがあると言われています。つまりストレスを受けるとそれが強く出るようになり、まず筋肉や脂肪のつき方に大きな変化をもたらす事があります。

またノルアドレナリンはそのようにアドレナリンの分泌を、コルチゾールにはグルカゴンというホルモンの分泌を促す働きもあります。このアドレナリンとグルカゴンには「血糖値を上げる」作用があり、血糖値が下がった時に「どこか」から糖を持って来てくれます。ではその「どこか」とはどこなのかというと、実は肝臓には一時的に糖を蓄える事ができ、それを利用して血糖値を上げようとします。しかしそれでも足りない場合、今度は筋肉にあるアミノ酸や乳酸(筋肉内のグリコーゲンは利用できないため)を「糖」として利用、または血液中のアミノ酸、乳酸、脂肪など、あるいは脂肪細胞にある脂肪を糖の代わりとして利用しようとします。このような反応を「糖新生」と言い、血糖値が下がるとそれが起こりやすくなります。

更に、そのグルカゴンは成長ホルモンの分泌を促す働きもあります。成長ホルモンは細胞の修復をするために必要なホルモンとしてよく知られていますが、実はこの成長ホルモンにも「糖新生」を促進させ、血糖値を上げる作用があると言われています。つまり程良いストレスは男性ホルモン・女性ホルモン・成長ホルモンなどの分泌を促し、男性ならばより男性らしく、女性ならより女性らしくしてくれますが、大きなストレスがあると、そのように糖新生が起こりやすい状態になってしまうという訳です。

つまりストレスがあると例え血糖値が下がった状態でなくても、コルチゾール、ノルアドレナリン、アドレナリン、グルカゴン、成長ホルモンなどといったホルモンが分泌されやすくなり、その影響で「糖新生」が起こりやすい状態、すなわち「血糖値が上がりやすい状態」になるのです。その血糖値が上がりやすい状態で「糖を含む食品」を食べれば、当然血液中に糖が溢れかえり、高血糖の状態が続く事になるでしょう。体に悪いのは言うまでもありません。

そうして糖が溢れて高血糖の状態になると、今度はインスリンというホルモンも分泌されます。このインスリンは糖を細胞内へ取り込む事によって血糖値を下げる働きのあるホルモンですが、細胞へ取り込む事のできる糖の量には限界があります。つまり糖が十分な状態の細胞がたくさんある場合、糖が行き場を失って血液中を漂う事になります。その余った糖は肝臓に再び蓄えられるか、筋肉や脳に供給されますが、多くが血液中を漂った後、脂肪細胞に取り込まれ、中性脂肪として蓄えられてしまいます。これこそストレスが肥満に繋がる原因になっているのです。

ちなみにノルアドレナリンはセロトニンやメラトニンなどの分泌バランスによってコントロールされていますが、過剰なストレスはそのセロトニンやメラトニンの分泌バランスまでも崩す事になり、結果として睡眠習慣も崩れやすくなります。それによっては空腹状態から開放された際の「幸福感」に対して敏感になってしまう事があります。つまりストレスは最終的には食事量や頻度の増加に繋がり、病的なものでは過食症や拒食症などにもなる可能性があります。またセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンの分泌異常は鬱病・パニック障害・統合失調症などにも繋がる可能性があると言われており、ストレスと精神状態、及び食習慣・睡眠習慣などは全て密接に関係しています。その意味でも「食習慣だけを改善しても意味がない」と言えます。
2019年9月6日金曜日

ロングブレスダイエット・・・実際効果ある?

ロングブレスダイエットとは、意識的に強く呼吸を行う事によって、体の深部にある筋肉を鍛え、またその機能を向上させ、基礎代謝を上げる事によって、新たな脂肪を蓄積しにくくする・・・とされるダイエット法です。

方法を簡単に説明すると、姿勢を正し、骨盤を前傾(お尻を少し後ろへ上げるイメージ)、足を前後または肩幅になるように横へ開き、重心を安定化させます。その状態になったら、限界になるまで空気を吸ってお腹を膨らませます。そして口を小さく開けて頬を膨らませながら、肘を脇腹に引きつけるようなイメージで脇腹及びお腹に力を入れ、息を力強く吐いていきます。そのままできるだけ肺の空気がなくなるまで息を吐き切り、最後まで絞り出します。それを休憩を挟みながら数セット繰り返します。尚、他にも様々なパターンがあるようですが、基本的には呼吸を深く行う事が共通しているようです。。

メリットとしては、前述のように体の奥深くにある筋肉を鍛える事ができるという点です。特に呼吸に関わる前鋸筋、小胸筋、横隔膜、腹横筋、腹斜筋、肋間筋、斜角筋などは、意識的に鍛える事が難しいですが、それらの細かな筋肉に刺激を与える事で、人間にとって基本的な「呼吸」の機能を改善する事ができると言われています。またこの方法では特別な器具を必要とせず、筋肉に対しても大きな負荷をかけず複雑な動作も要求されないため、普段運動を行っていないような人でも手軽に行う事ができると思われます。その他、末梢にある細胞が酸素を求めようとする事で、毛細血管が細かく枝分かれし、血流を改善する事ができるとも言われています。また脳も活性化させる作用があるとかないとか。



尚、平常時や安静時の呼吸では、主に息を吸う際に横隔膜が収縮し、息を吐く時には主に「肺が膨らんだ反動」によって縮んでいます。もちろんその動きを制御するために、前述の細かな筋肉も働いているのですが、特にロングブレスダイエットの「力強く息を吐く際に使われる筋肉」は、例えば激しい運動を行って息が上がった時などに使われるため、実際には役に立つ場面が限られていると思います。例え意識的に呼吸に関わる筋肉を鍛えたとしても、それは普段の呼吸の方法とは違う方法なのですから、必ずしも日常生活で役に立つとは限りません。もちろん普段から運動を行っていない人が、リハビリとして日常生活に復帰するために、あるいはこれから呼吸が早くなるような激しい運動を行う場合には、効果はあると思います。ただ元々健康で運動習慣のある人にとっては、正直どうって事ない運動になってしまうでしょう。

またこのダイエット法では「インナーマッスルを鍛えて代謝を上げる」という事を重要としていますが、「インナーマッスルを鍛えた方が代謝が上がる」というのは大きな勘違いです。筋肉は大きいほど生み出す熱の量も多く、エネルギー消費も激しいのです。つまり代謝を上げたいのなら、単純に大きな筋肉を鍛えた方がずっと効果的です。そもそも「インナーマッスル」は小さくて細い筋肉ばかりで、単独で働く事もなく、基本的には大きな筋肉の動きを制御する役割を持っています。決して「インナーマッスルの方が重要」なんて事はありません。

尚、この方法では「息を限界まで吐き切る」という事がポイントなので、力みによる血圧の急激な上昇や酸欠・貧血になりやすいという危険性もあります。見よう見真似で行おうとするのは大変危険なのでオススメしません。
2019年8月26日月曜日

有酸素運動はつらい・・・他に痩せる方法は?

「脂肪を燃やす方法」として有効とされているのが「有酸素運動」です。しかし有酸素運動を行って脂肪を燃焼するためには「正しい有酸素運動」でなければなりません。どういう事かというと、有酸素運動は「長時間続ける事ができる運動」の事です。つまり「呼吸ができないほどきつくてつらい」時点で、そもそもそれは有酸素運動になっていない可能性があるのです。真に有酸素運動の効果を得るのであれば「長時間続ける事ができるように、苦しくない程度まで強度を下げる(今の自分の体力に合わせて)」事が重要になります。

「運動=きつい」とネガティブなイメージを持つ事は個人の自由ですが、避け続けるだけでは「何が間違っていて、何が正しいのか」を判断する事ができません。それでは「○○をすれば痩せる」という結果だけしか目につかなくなり、新しいダイエット法が出る度、それに目移りしてしまうでしょう。有酸素運動とは何なのか、無酸素運動とは何なのか、そもそも運動とはどういう事を言うのか・・・今一度考えましょう。

ちなみに運動をしたくない事の理由に「自分は有酸素運動には向いていない」などと考える人もいますが、そのように考える必要も全くありません。何故ならそもそも日本人は、平均的に遅筋の割合が高いと言われており、生まれながらにして多くの人が有酸素運動を行うに適した筋肉を持っているからです。要はその使い方が下手なだけです。

またこれに関しては無酸素運動についても同じ事が言えます。日本人は欧米人等と比べて確かに筋肉は発達しにくいのですが、それはスポーツ選手のような極限まで自分を追い込んでいる人での話であって、我々のような一般人が気にするレベルではありません。正しい方法で鍛えれば筋肉はつきます。鍛えると言ってもボディビルダーほどにまで大きくする訳ではないのですから、自分の筋肉がどうとか、質がどうとかというのは関係ありません。それは運動をしないための言い訳でしょう。「運動」と聞くとすぐに「つらい」「苦しい」「きつい」と言いますが、そのネガティブなイメージは最初から間違っています。考え方を改めましょう。
2019年8月6日火曜日

脂肪を燃やせば筋肉に変わる?筋肉は脂肪になる?

筋肉は蛋白質及びそれを構成するアミノ酸を材料にして作られており、糖や脂肪などをエネルギーにする事で動かす事ができます。一方、脂肪は体内で余った脂肪、余った糖、余った蛋白質が蓄積したものであり、その都度必要に応じて消費されます。つまり脂肪は筋肉を動かすためのエネルギーにする事はできても、筋肉の材料として使う事はできません。ですから脂肪が筋肉に変わる事はありません。

ただし筋肉が成長するためにはエネルギーが必要です。つまり「脂肪が蓄積した状態」というのは「エネルギーが十分な状態」の証明でもあるので、エネルギー源として優秀な脂肪を摂取するという事は、実は筋肉を大きくするための条件の一つになるのです。当然その状態で筋トレを行えば、効率良く筋肉を大きくする事ができるでしょう。またそうして筋肉を鍛えて大きくすると、例え脂肪がついていても見た目として「脂肪がついているように見せない」事ができ、更に筋肉が大きくなった事で糖の代謝が向上し、それによって新たな脂肪の蓄積も抑えられます。つまりそれが結果として「脂肪が筋肉に変わっている」ように見えるだけではないでしょうか。

ちなみに運動不足によって筋肉が落ちる事はありますが、そこにあった筋肉がそのまま脂肪に置き換わる事はありません。ただ、蛋白質は分解する事で糖の代わりにエネルギーにする事ができます。その際にできたエネルギーが余った場合、脂肪として蓄えられていく事はあり得ます。つまりこれも筋肉が落ち、脂肪が増えた事で、単にそう見えるだけです。
2019年7月6日土曜日

セルライトってよく聞くけどそもそも何なの?

セルライトとは、脂肪が変性して固まり、それによって皮膚表面に凹凸ができたものを言うとされています。エステなどでは「セルライトを改善するには特別な処方(マッサージ、超音波、整形手術、食事療法など)が必要」かのような事を言って不安を煽っています。しかし医学的にはセルライトは通常の脂肪と全く変わらず、脂肪と皮膚の間にある結合組織が皮膚に引っ張られる事で、表面に凹凸ができているだけというのが一般的な見解のようです。機能的にも何の問題もありません。

つまりセルライトは結局「脂肪」であるので、脂肪を減らす事ができれば勝手に目立たなくなります。よってバランス良く栄養を摂取し、脂肪を燃やすような、あるいは脂肪の蓄積を抑えるような運動・睡眠習慣の改善を行う方が重要になるでしょう。また結合組織は「コラーゲン」という蛋白質の一種なので、コラーゲンの材料となるアミノ酸、コラーゲンの合成に必要なビタミンC、細胞の酸化を防ぐビタミンAやビタミンE、そしてそれらの栄養素が正常に働くような全体的な生活習慣の改善が必要になります。特にホルモンバランスを整えるための睡眠習慣、ストレスコントロール、長い時間同じ姿勢でいない事(特に椅子に座り続けるなど)、それとやはり血流を促すための運動習慣は必須です。

尚、筋肉を鍛えて太くすると、皮膚のシワやたるみが改善されますが、それによってセルライトも自然と目立たなくする事ができます。しかも筋肉を使うと血流も改善されるので、浮腫の予防にもなり、多少脂肪がついていても太って見えなくなります。ただし脂肪が筋肉に変わっている訳ではありません。
2019年6月6日木曜日

プロテインを飲めば筋肉がつく?痩せる?

プロテインダイエットなどの周知によって「蛋白質を摂取する事が健康に良い」「高蛋白食はダイエットに良い」などと言われる事があります。確かに蛋白質は人間の体を形作るために必要不可欠な栄養素の一つです。特に筋肉の材料として使われており、筋肉を大きくして代謝を上げるためには、どうしても蛋白質を摂取しなければなりません。

しかし筋肉はある程度の負荷・ストレスをかけなければ大きくなりません。また筋肉を動かすためにはそのエネルギーとなる「糖」が必要であり、蛋白質を効率良く吸収させるためにはインスリンを分泌させる必要がありますから、やはり糖は摂取しなければなりません。更に、筋肉を大きくするためにはカロリーが必要であり、蛋白質だけではカロリーが足りません。つまり脂肪もある程度は摂取しなければなりません。

よって蛋白質をいくらたくさん摂取しても、それだけでは筋肉は大きくなりません。また筋肉が大きくならなければ代謝も上がりません。むしろ余った蛋白質は脂肪として蓄積されてしまうので、運動を行っていない人での高蛋白食は単に肥満を招くだけです。
2019年5月6日月曜日

腹筋をすると何故腰が痛くなるの?

まず「筋トレ=回数を重ねる」というのは大きな間違いです。何故なら筋トレのような無酸素運動は「短時間で瞬発的に大きな力を発揮する」という大前提があるからです。つまり筋トレの効果を効率良く得るためには、一つの種目を「短時間で済ませる事(数十秒以内)」が重要であり、またそのように短時間で済ませるためには「正しいフォームで行って特定の筋肉に集中して刺激を与える(効かせるという事)」という事ができた上で、更に「負荷を大きくする」必要があるのです。

これを踏まえ、例えば寝た状態から起き上がる動作を行ういわゆる「腹筋動作(クランチ)」を考えてみましょう。少ない反復回数及び短時間で終わらせるためには「重りを胸に抱えて起き上がる」あるいは「起き上がる際や戻す際に筋肉を強く意識し、ゆっくりとした動作で行う(力を緩めないという事)」事が重要になります。「筋肉は伸ばされながら力を発揮する時に大きなストレスを与える事ができる」という理由から、それを強く意識して行うだけで何十回何百回と反復する事はできなくなります。これは実際にやってみると分かると思います。素早く起き上がってすぐに力を抜いて戻すよりも、ゆっくりと起き上がって力を緩めずゆっくり戻し、再び力を緩めず起き上がるという方法の方が筋肉をコントロールするために余分な筋力を使います。それによって少ない回数で高い効果が得られ、運動嫌いな人でも短時間で済ませる事ができます。そうすれば腰も痛めません。

もちろんこれは腹筋動作以外の筋トレにも言える事です。そのような意識を持てば大きな重りを用いなくても、自分の体を使った効果的なトレーニングが可能になります。尚、この「体の使い方」は日常生活においても大きな役に立ちます。例えば素早く前に足を踏み出して歩くよりも、ゆっくりと大きく足を前へ踏み出した方が筋肉への刺激は大きくなります。痩せるために「運動をするための時間を作る」事ももちろん良いのですが、学生や社会人などで毎日外出する習慣があれば「歩かない」という事は基本的にあり得ません(足が不自由などの場合は除く)。単なる「歩く」でも、そのような意識で毎日積み重ねれば立派な運動習慣になります。

リバウンド・・・何故起こるの?

ダイエットをして目標としている体重、もしくはそれ以下まで落とした後、再び以前の体重まで戻ってしまったり、あるいは以前よりも体重が増えてしまう事があります。これを一般的に「リバウンド」と言います。

リバウンドの原因は様々ですが、例えば「過度の食事制限によって飢餓状態になり、以前よりも省エネ体質になった」「確かに体重は減ったが、実際には脂肪はあまり減っておらず、筋肉が落ちていた」「ダイエット以前よりも筋肉が落ち、基礎代謝が低下した」「一時的な体重の変化で浮かれてしまい、以前よりも食事量が増え、逆に運動量が減った」「短期的ではあるが、無理な食事制限によるストレスでホルモンバランスが崩れ、それが食欲に向いてしまった」などの事が考えられます。

これらはいずれも「食事だけで痩せようとする」からこそ起こる事です。食習慣を改善する前にまずは睡眠習慣を改善しましょう。脳や臓器が正常に働いていない状態で何を食べても同じ事です。脳や臓器を休めるための睡眠は生活習慣の中でも非常に大きな割合を占めており、その積み重ねによる影響は食事による積み重ねよりも大きいと考えるべきです。先に睡眠習慣を改善してから運動、そうして栄養が効率良く利用できるような状態にしてから食事にも手を付けましょう。いきなり食事から手を付けるとそれだけで満足し、思考が停止、他の事をしなくても痩せるように勘違いしてしまうので、考え方を変えるべきです。
2019年4月6日土曜日

脂肪があまり含まれていない食べ物を教えてほしい

脂肪の含まれる量が少ない食品としては動物性の食品以外の食べ物、すなわち植物性の食品全般です。特にその中でも穀類、野菜類、果物類、キノコ類、海藻類が挙げられます。体内でエネルギーとして使われているのは糖・蛋白質・脂肪ですが、その中でも脂肪は最もカロリーが高いため、それが含まれていない植物性の食品は全体としてカロリーも低くなっています。ただし植物性の食品の中でも大豆、アボカド、ナッツ類、あるいは抽出された油は例外です。

一方、脂肪を多く含む動物性の食品の中にも、実は比較的脂肪が少ないものがあります。例えば魚類ではカワハギ、アンコウ(肝を除く)、スケトウダラ、カサゴ、キス、カツオ(春)、カレイ、ヒラメ、スズキ、シラス、ホッケ、トビウオ、キビナゴ、カンパチ等が挙げられます。特にスケトウダラのような「白身魚」は高蛋白な上、全体として脂肪が少ないです。また海産物の中では貝類・甲殻類等も全体として高蛋白で脂肪が少なく、タコ、イカ、アサリ、ハマグリ、シジミ、エビ、カニ、サザエ、ホタテ、カキ等が挙げられます。ただし海産物は全体として塩分も多いので、カリウムを意識的に摂取したり、運動を行って発汗を促す等、別の意味での注意は必要でしょう。

また肉類の中でも、特に「豚のヒレ肉」は最も結合組織・脂肪が少なく、蛋白質が豊富で肉質が非常に柔らかいという特徴があります。欠点として1頭から取る事のできる量が少なく非常に高価ですが、脂肪を避けるという意味では究極の食品です。更に鶏肉はいずれも脂肪が少なく(皮・手羽先は除く)、中でもササミは殆ど脂肪が含まれていません。そのため味は淡白ですが、豚のヒレ肉と比べれば非常に安価、かつ蛋白質も豊富です。

ちなみに豚ヒレ肉の次点で脂肪が少ない肉類は「砂肝、各種レバー、豚コブクロ、牛コブクロ、牛センマイ等」があります。ホルモン系と聞くと脂肪が少ないイメージを持っている人も多いですが、「肉類の中では少ない」だけであって、植物性の食品と比べれば実際には脂肪が多く含まれているものがあります。もしホルモン系を食べるのであればコブクロやセンマイ、あるいは鳥系の肉に限定して食べるようにすると良いでしょう。
2019年3月6日水曜日

たくさん汗をかけば痩せる?

人間は体温が上がると水分を体の表面に出し、それを蒸発させる事で熱も一緒に逃がし、体温を下げようとします。日常的に汗をかく習慣がある人ではその機能がよりスムーズであり、例え気温が高かったり、運動をして体温が上がったとしても、すぐに体温を一定に保つ事ができます。またそのような人では、体温が高くなった時にも自然と汗をかく事ができるので、熱中症などになりにくくなる他、余分な水分が体に蓄積しないため、浮腫も予防する事ができます。よって「体温調節機能を鍛える」という意味では、汗をかく方法は効果的だと思われます。

ただし「汗をかく=脂肪が燃焼する」とは必ずしも言えません。何故なら、体を動かしてエネルギーを消費していなくても、気温が上がり、体温が上がれば、自然と汗をかくからです。ですのでいくら体温を上げるような事をして、一生懸命汗をかいたとしても、運動が伴っていなければ残念ながら脂肪を燃やす事はできません。汗をかく事で「痩せた」「体重が減った」と感じる人もいるかもしれませんが、それは単に体に蓄積していた余分な水分が排出された事によるものです。そもそも体重は体全体の重さです。体重が減っても脂肪だけが減った訳ではありません。水が減ったのです。

特に皮膚や皮下脂肪は水を吸うと膨らみます。例えばボディビルダーなんかでは、コンテストの末期になると「水抜き」を行います。水抜きとは、体から余分な水分を排出し、脂肪をより薄く見せる調整法の事です。つまり体に余分な水分があると、それだけで脂肪が厚く見えてしまう訳で、そういう意味では、汗をかく事によっては「痩せているように見せる効果」はあると思われます。しかし汗をかくためには、むしろ水分やミネラルを積極的に補給しなければならず、ずっと水分を断つ訳にはいきません。すなわち汗をかく事による水分排出効果も、あくまで一時的なものであり、普段通り水分を補給したり、汗をかいた後の休息を取っていれば、また元に戻ってしまうでしょう。

脂肪が多く含まれている食べ物を教えてほしい

脂肪は特に動物性の食品に多く含まれており、その中では肉類、魚類、乳製品、卵類が代表的です。これらの食品は全体として蛋白質も豊富に含まれており、毎日の食習慣において重要な蛋白源になります。ただし例えばマグロの赤身には比較的脂肪が少なくトロには脂肪が多い・・・というように、元となる動物(生物)の種類、あるいはその部位によって大きく異なる場合があります。例えば肉でも鶏肉は低脂肪です。また牛肉は脂肪が豊富ですがヒレ肉は低脂肪です。更に全体としてレバーは低脂肪です。特に動物性脂肪の過剰摂取では健康リスクが高まるという事も言われているため、どの食べ物にどれだけ脂肪が含まれているかについては、ある程度把握しておくと良いでしょう。

尚、当然それら動物性食品を材料に利用している加工食品、及び料理全般にも当然脂肪は多く含まれており、それを毎日大量に食べるような極端な食習慣のある人では脂肪の過剰摂取が懸念されます。例えば卵なんかはメレンゲにしてしまうと誰も分かりませんが、ケーキにメレンゲが使われているという事を知っていれば、ケーキに脂肪が豊富に含まれている事は分かりますよね。すなわち使われている食材に関する知識もある程度必要になります。

一方、植物性の食品の中でも例外として、例えば大豆、アボカド、ナッツ類などには脂肪が豊富に含まれています。大豆と言えば非常に栄養価が高い事で知られ、特に蛋白質は動物性の食品に匹敵するほど豊富に含まれていますが、実は「大豆油」があるように脂肪も豊富に含まれているのです。また植物の種子などから抽出された食用油、及びそれを材料として利用している加工食品や料理全般にも当然脂肪は多く含まれています。「植物性」と聞くと全ての食べ物がヘルシーで、全ての食べ物が健康に良いように思ってしまいますが、動物性の食品との組み合わせ次第では過剰摂取のリスクがあります。

しかしこのように考えると、気軽に食べる事のできる食品が少なくなり、食習慣が不自由になってしまいます。それではストレスから余計に脂肪の多く含まれる食べ物を求めてしまうでしょう。よって脂肪が豊富に含まれている事に対してそこまで過剰に反応する必要はなく、また脂肪に嫌悪感を抱くのではなく、「含まれている脂肪酸の種類」にも注意を向けるべきです。すなわち飽和脂肪酸なのか不飽和脂肪酸なのか、不飽和脂肪酸の中でも一価不飽和脂肪酸なのか多価不飽和脂肪酸なのか、多価不飽和脂肪酸の中でも必須脂肪酸なのかそうではないのか、必須脂肪酸の中でもω-3脂肪酸なのかω-6脂肪酸なのか、ω-3脂肪酸の中でもα-リノレン酸なのかDHAなのかEPAなのか・・・という事です。それこそが重要です。

ちなみに、脂肪を豊富に含む食べ物の中で「意外と見落としがち」なものとしては特に「お菓子類」ですね。「甘い物」には当然糖が多く含まれていますが、動物性植物性に関わらず脂肪の含まれる材料を利用している事が多く、よく見てみると意外に食べる機会があるはずです。例えばアイス、チョコレート、ケーキ、クッキー、ポップコーン、キャラメル、ドーナッツ、ビスケット、ポテトチップスなどは代表的ですね。またお菓子類以外では、子どもが好物として挙げる事の多い唐揚げやカレーライス(ルー)にも脂肪は多く含まれています。基本的に冷凍食品やインスタント食品などの加工食品全般は「脂肪が多く含まれているという事を前提に見る」べきで、好物だからといってそればかり食べる事がないように注意しましょう。もちろん手料理に固執しすぎてレパートリーが少ないのもストレスです。時には楽をしても良いでしょう。
2019年2月26日火曜日

脂肪を減らそうとすれば必ず筋肉が減る?

まず聞きたいのは、何をもって「痩せた状態と言うのか」という事です。脂肪が減った状態を言うのでしょうか、筋肉が減った状態を言うのでしょうか、あるいは脂肪も筋肉も減った状態を言うのでしょうか、それとも骨格すら変わってしまうほど骨が痩せ細った状態の事を言うのでしょうか・・・と、まぁ最後は冗談として、おそらく皆さんが言う「痩せた状態」とは「脂肪が減った状態」の事だと思います。

しかし残念ながら「脂肪だけをピンポイントに減らす方法」というのは存在しません。脂肪を減らそうとすれば確実に筋肉も萎みます。何故脂肪を減らそうとすると筋肉まで萎んでしまうのかというと、これは筋肉を維持するためにカロリー(エネルギー)が必要だからです。筋肉を作るために蛋白質が必要という事はよく知られていますが、実は全体の食事量が減り、摂取カロリーが減ってしまうと、例え蛋白質を十分に摂取していても筋肉を維持する事ができなくなります。

何故、カロリー制限で筋肉を維持する事ができなくなるのかというと、摂取カロリーが減る事で、筋肉の蛋白質の合成に関与している酵素の活性が弱まってしまうからです。これは筋肉はそれを維持・成長・収縮させるために大きなカロリーを消費するため、その筋肉の成長を抑える事で、消費カロリーを節約し、必要最低限のカロリーだけで生きようとするからです。つまり脂肪などのエネルギーを「余計にカロリーを消費する筋肉ではなく、生命活動に必要な組織へと優先させ、節約しながら使う」ようになる訳です。その状態がいわゆる「省エネ状態」です。

その状態になると体重は減っていきます。しかし脂肪よりも筋肉が落ちるスピードの方が早く、確かに体重は減っていますが、脂肪ではなく筋肉が落ちています。またそうして筋肉が落ちた事で、その維持に必要だった糖・蛋白質・脂肪の代謝が低下、すなわち基礎代謝が低下します。その状態で「体重が減った=脂肪が減った=ダイエットに成功した」などと勘違いし、ひとたび食事の量を元に戻せば、元の体型どころか元の体型よりも悪化してしまうでしょう。それがいわゆるリバウンドです。

「食事の量を減らすようなダイエット」を行えば、確かに短期的には体重が落ちるかもしれません。しかしそのように食事制限をする度に筋肉が萎み、糖・蛋白質・脂肪の代謝が余計に悪化、元の体型に逆戻り・・・という感じで、長期的に見れば同じ事の繰り返しになってしまいます。新しいダイエット法にひたすら目移りするだけです。それはとても「痩せた」とは言えません。
2019年2月6日水曜日

妊娠中に太るのは何で?

妊娠中には脂肪が蓄積しやすくなると言われています。この最も大きな原因として考えられるのが「食欲の増進」です。妊娠中は胎児へより多くの栄養を送る必要があるため、妊娠していない時と比べて栄養の必要量が多くなっています。つまり本能的に栄養を求めるため、それによって食欲が増しているのです。

また妊娠中は女性ホルモンの分泌量が増える事になります。例えば女性ホルモンであるエストロゲンには脂肪やカルシウムの代謝(消費も促進させるが蓄積も促進させる)を促す作用が、同じく女性ホルモンであるプロゲステロンには水分を蓄積させる作用があり、その作用によって脂肪及び水分が体内に蓄積しやすくなります。脂肪はエネルギーとして非常に優秀であり、万が一食べ物にありつく事ができないような状況に置かれた場合に備え、そのために脂肪を蓄えようとしています。また例えばボディビルダーは減量中に水抜きを行って脂肪をより薄く見せようとします。つまり脂肪は水分を蓄える事ができ、水分を蓄えた脂肪はより分厚く見えます。妊娠中はそれによっても見た目としても肥満体型に見えるのです。

尚、妊娠中に体脂肪率及び水分量が増える事はごく自然な事です。過剰に脂肪が蓄積すればそれはもちろん問題ですが、体型を気にして食事量を抑え、健康を害してしまったらそれこそ胎児にとって問題です。各種ビタミン(ビタミンA、B群、C、D、E、K)、各種ミネラル(カルシウム、マグネシウム、亜鉛、カリウム、ナトリウム、鉄分など)、蛋白質(特に必須アミノ酸)を制限しないようにし、脂肪は筋肉を落とさないためにカロリー摂取源として調節して摂取、一方の糖も運動量に合わせて調節して摂取するようにしましょう。もちろんあらかじめ脂肪が蓄積しにくい状態(ただしあまりに自分を追い込みすぎるとホルモンバランスが崩れ、流産や早産の原因になる事があるので注意)にしておき、それから妊娠を考えるというのも手です。
2019年1月22日火曜日

胸を残して痩せる事は可能?

女性が思春期を迎えると、女性ホルモンの分泌によって全身に脂肪がつきやすくなり、特に胸に脂肪が集まって大きく成長します。その後、女性ホルモンは20代で最も分泌量が増え、その後減少していき、閉経後いわゆる更年期以降では殆ど分泌されなくなります。それを踏まえると、胸は少なくとも20代の間は大きくなるはずです。しかし実際には「全身の脂肪の増減に伴って胸の大きさが変わるだけ」になる事があり、多くの人が悩まされています。ここではそれについて考えていきたいと思います。

まず重要になるのが「メラトニン」というホルモンです。メラトニンは睡眠に深く関わるホルモンであると同時に、性ホルモンをコントロールする役割があります。これにより子どもでは思春期を迎えるのを抑えていると言われています。つまりメラトニンが正常に分泌されないと、いわゆる早熟となり、思春期を早くに迎えてしまう事になります。また思春期中においては性ホルモンが短期間の内に急激に、かつ不安に分泌されるようになります。これにより心身が不安定なる上、性機能が十分に発達できないまま、思春期を終えてしまう可能性があります。これが胸の成長を阻みます。

更にその不安定な心身の変化は、極端な生活習慣に対する考え方の固定化にも繋がっていく事があります。例えば「食事を制限すれば運動をしなくても痩せる」「糖や脂肪を摂ると太る」「ビタミンCは体に良い」「運動はつらくて苦しいもの」などといった感じです。前述のように女性ホルモンは脂肪の代謝に深く関わっており、分泌量が増えるほど脂肪が蓄積しやすくなります。その変化は誰にも抑える事はできませんが、そういった生活習慣に対する偏った考えによって、結果として無理に抑えようとしてしまうのです。その際に身についてしまった生活習慣に対する考え方は、大人になってもそう簡単には変わりません。そうした生活習慣の積み重ねもバストアップの妨げになるというのが私の考えです。

一方、メラトニンが分泌されていれば、思春期を迎える前段階で分泌を安定化させる事ができ、思春期が終わる時期に女性ホルモンの分泌量が急激に低下するという事を防ぐ事ができます。つまり「思春期を緩やかに迎え、緩やかに終える」事ができ、これがバストアップのための第一歩になります。その一歩目を踏み出すと、ホルモンバランスの安定化から心身の不安定が抑えられ、極端に食事を制限しなくても済むようになります。つまり生活習慣に対する偏った考え方が身につく事もなくなるので、少なくとも20代いっぱいまではバストアップができるようになるはずです。



ちなみに前述したように、一度思春期に入ってしまったらそれを抑える事はできません。特に思春期中のホルモンバランスは「思春期以前からの積み重ね」が重要であり、思春期中にだけ規則正しい生活をしようとしても、やらないよりマシ程度の結果にしかなりません。子どもの頃から継続すべきです。特にメラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを材料にして作られており、そのトリプトファンは動物性の食品に多く含まれています。女性は思春期を迎える遥か前からダイエットを繰り返している人も多く、肉、魚、卵、乳製品等を食べる習慣がない場合があります。するとメラトニンの材料が減り、それが思春期前中後におけるホルモンバランスが崩れる原因になり得ます。更にメラトニンは睡眠に関わるホルモンであり、心身を活性化させるセロトニンの分泌によって行われるため、その分泌が狂うと深い睡眠を取る事ができなくなる上、精神的に不安定になります。このように食習慣の乱れは睡眠習慣に、更には心にも悪影響を及ぼす可能性があり、今何を優先的にすべきか今一度考える必要があるでしょう。

また女性ホルモンの分泌には必須アミノ酸や必須脂肪酸を基本として、ビタミンB群、ビタミンE、マグネシウム等が必要だと言われています。特に必須脂肪酸のバランス及び活動と休息のバランス(エネルギー不足を避ける)が重要です。睡眠習慣の改善と合わせ、それらの栄養素が不足しないよう意識的に摂取すると良いでしょう。運動習慣に関しては、激しい運動を行うと、振動によっていわゆる「胸が垂れる」原因になる事もあるので、胸を揺らさないような筋トレが効果的です。尚、筋トレを行う事でも胸の脂肪は燃えます。ただし運動に見合う食事をしていれば、胸が萎むリスクを減らせます。
2019年1月6日日曜日

いわゆる巻くだけダイエット・・・効果ある?

「巻くだけダイエット」とは、特定の部位をバンドなどで締め付ける事で「何らかの効果を得る」というものです。例えば太ももや二の腕などにバンド巻いて脂肪を締めつけると、脂肪への血流が阻害され、脂肪細胞の成長が止まり、それによっていわゆる「部分痩せ」の効果があるとされています。前述のように脂肪は水分を蓄える事ができるので、締め付ければ水分も上手く排出されるようになり、「浮腫(むくみ)」の改善にも繋がると言われています。また骨盤の辺りにバンドを巻く方法では骨の位置が矯正され、周囲の筋肉が正常に機能するようになるため、その状態で筋トレを行えば効率が上がると言われています。少し前までは「ラップを巻くだけ」の方法が有名ですが、最近では骨盤を矯正する方法の方がよく知られています。

ただし結論から言うと、いずれもその効果は一時的なものです。いくらバンドなどで締め付けて矯正しても、それはバンドの力で矯正されているのであって、自分の筋力やバランス補正(脳や体が勝手にバランスを取ろうとする機能)で矯正されている訳ではありません。24時間ずっと体を締め付けておく訳にはいかない訳で、いつかはそのバンドを外さなければならず、その矯正力に持続力がないのです。骨格に問題があるなら正常な位置から骨盤がずれた原因、脂肪なら脂肪が蓄積した原因、浮腫なら水分代謝が崩れた「元の原因」を改善しない限り、どれだけ一時的に強い力で締め付けてもいずれは元の状態に戻ってしまうでしょう。特にその締め付ける圧力によっては、関節付近にある重要な組織や脂肪の下にある筋肉の血流が阻害される事もあり、筋肉の成長が妨げられたり、疲労物質が蓄積しやすくなって逆に筋肉が凝り固まってしまう事もあります。場合によっては締め付けた場所だけが異様に細くなり、他の部位とのバランスが崩れ、逆にスタイルが悪く見えてしまう事もあるかもしれません。

骨盤を矯正したいのであれば物理的に締め付けて矯正する方向で考えるのではなく、骨盤の周囲にある筋肉(中臀筋、大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、腹斜筋、腹直筋、広背筋等)を鍛え、その筋肉の力及び機能によって自然に骨盤を矯正すべきです。またその筋肉が衰える原因となるような日常生活(猫背、長時間座ったまま・寝たまま、歩幅が小さい・ガニ股・内股、正座・胡座・女の子座り等)にも目を向け、それを改善させましょう。もちろん人によってはまず整体などを利用し人の手を借りる必要がある場合もありますが、それも対処療法であり一時的なもの、いずれは自分の力だけでしなければなりません。その意識を強く持ちましょう。

ちなみに二の腕や太ももなど特定の部位の脂肪は「全身の脂肪の増減」に伴って変動するもので、全身の脂肪が減れば自然と「部分痩せ」になります。よく言われているのが「その部位の筋肉を使う=脂肪が燃える」という事ですが、短時間の筋トレでは脂肪ではなく主に糖が消費されます。よって二の腕にある筋肉や太腿の筋肉を使ったからと言って、必ずしもそこにある脂肪が減る訳ではありません。ただし筋肉を鍛えれば例え脂肪がついていても引き締まって見せる事ができ、筋肉を使う事で血流が促されれば水分も排出されるようになる(カリウムの摂取も必要)ため、浮腫の改善によって細くなるという事はあり得ると思います。むしろ筋トレの目的はそこにあります。