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2019年10月6日日曜日

ストレスで太りやすくなるのは何で?

ストレスを受けるとノルアドレナリンというホルモンが分泌され、その作用によってアドレナリンやコルチゾールというホルモンの分泌が促されます。この内、コルチゾールはコレステロールからプレグネノロンを経て作られるホルモンなのですが、実はこのプレグネノロン、プロゲステロン(黄体ホルモン)やテストステロン(男性ホルモン)、エストロゲン(女性ホルモン)を作るために必要な前駆体でもあります。つまりストレスを受けてコルチゾールの分泌が増えると、それに釣られるようにしてそれらの分泌量も増える事があります。ストレスを受ける事でホルモンバランスが変化するのはこういう事があるからです。

そのように、大きなストレスを受け、性ホルモンが過剰に分泌されてしまう事があります。男性ホルモンは筋肉を成長させる作用や闘争心を増進させる作用が、女性ホルモンには脂肪やカルシウムの代謝を促す(消費も加速するが蓄積も加速させる)作用などがあると言われています。つまりストレスを受けるとそれが強く出るようになり、まず筋肉や脂肪のつき方に大きな変化をもたらす事があります。

またノルアドレナリンはそのようにアドレナリンの分泌を、コルチゾールにはグルカゴンというホルモンの分泌を促す働きもあります。このアドレナリンとグルカゴンには「血糖値を上げる」作用があり、血糖値が下がった時に「どこか」から糖を持って来てくれます。ではその「どこか」とはどこなのかというと、実は肝臓には一時的に糖を蓄える事ができ、それを利用して血糖値を上げようとします。しかしそれでも足りない場合、今度は筋肉にあるアミノ酸や乳酸(筋肉内のグリコーゲンは利用できないため)を「糖」として利用、または血液中のアミノ酸、乳酸、脂肪など、あるいは脂肪細胞にある脂肪を糖の代わりとして利用しようとします。このような反応を「糖新生」と言い、血糖値が下がるとそれが起こりやすくなります。

更に、そのグルカゴンは成長ホルモンの分泌を促す働きもあります。成長ホルモンは細胞の修復をするために必要なホルモンとしてよく知られていますが、実はこの成長ホルモンにも「糖新生」を促進させ、血糖値を上げる作用があると言われています。つまり程良いストレスは男性ホルモン・女性ホルモン・成長ホルモンなどの分泌を促し、男性ならばより男性らしく、女性ならより女性らしくしてくれますが、大きなストレスがあると、そのように糖新生が起こりやすい状態になってしまうという訳です。

つまりストレスがあると例え血糖値が下がった状態でなくても、コルチゾール、ノルアドレナリン、アドレナリン、グルカゴン、成長ホルモンなどといったホルモンが分泌されやすくなり、その影響で「糖新生」が起こりやすい状態、すなわち「血糖値が上がりやすい状態」になるのです。その血糖値が上がりやすい状態で「糖を含む食品」を食べれば、当然血液中に糖が溢れかえり、高血糖の状態が続く事になるでしょう。体に悪いのは言うまでもありません。

そうして糖が溢れて高血糖の状態になると、今度はインスリンというホルモンも分泌されます。このインスリンは糖を細胞内へ取り込む事によって血糖値を下げる働きのあるホルモンですが、細胞へ取り込む事のできる糖の量には限界があります。つまり糖が十分な状態の細胞がたくさんある場合、糖が行き場を失って血液中を漂う事になります。その余った糖は肝臓に再び蓄えられるか、筋肉や脳に供給されますが、多くが血液中を漂った後、脂肪細胞に取り込まれ、中性脂肪として蓄えられてしまいます。これこそストレスが肥満に繋がる原因になっているのです。

ちなみにノルアドレナリンはセロトニンやメラトニンなどの分泌バランスによってコントロールされていますが、過剰なストレスはそのセロトニンやメラトニンの分泌バランスまでも崩す事になり、結果として睡眠習慣も崩れやすくなります。それによっては空腹状態から開放された際の「幸福感」に対して敏感になってしまう事があります。つまりストレスは最終的には食事量や頻度の増加に繋がり、病的なものでは過食症や拒食症などにもなる可能性があります。またセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンの分泌異常は鬱病・パニック障害・統合失調症などにも繋がる可能性があると言われており、ストレスと精神状態、及び食習慣・睡眠習慣などは全て密接に関係しています。その意味でも「食習慣だけを改善しても意味がない」と言えます。