メッセージボード

※当ブログを応援して頂ける方はクリックだけでもお願いします→通販サイトAmazon

2018年5月30日水曜日

暗い場所で本を読むと目が悪くなる?

暗い場所では単純に周囲の様子がよく分からなくなるので視力が低下します。その状態でピント調節を頻繁に行った場合、通常よりも目に疲労が蓄積しやすくなります。そのような習慣によって慢性的に疲労が目に蓄積し、それが取り除けない場合には、永続的に視力が低下してしまう事はあり得ると思われます。またそのように周囲がよく分からない状態では瞬きも極端に減るため、いわゆるドライアイになりやすくなります。それによっても視力が低下する原因になる事があります。ただし周囲が暗くても本の文字を明るく照らす事ができていたり、集中し過ぎず瞬きが正常にできていればそのような事は回避できます。よって必ずしも暗い場所で本を読んだからと言ってそれが視力低下の原因になるとは限りません。

本を読んで視力が低下する条件を考えてみます。まず目と本の位置が近いまま長時間固定される事。これによってピント調節に関わる部分の柔軟性が損なわれると視力は著しく低下します。続いて前述の通り瞬きが少ない事と、目に疲労が慢性的に蓄積する事。それから右目と左目で見ている場所が違う事。これは斜視や乱視が該当しますが、その他に顔の向きも関係します。鼻の頂点の正面で本を読んでいない場合も視力低下の原因になります。最後に栄養不足・水分不足・睡眠不足。これらも視力低下の原因になる事があります。

尚、通常暗い場所で本を読む時にはせめて文字だけは見えるように手元を照らします。しかし照らさずに真っ暗の状態で本を読んでいた場合、いざ急に強い光を浴びた時には目や目の神経、あるいは脳に大きなダメージを与える事があります。暗い場所では光をできるだけ多く捉えようとするため瞳孔が開き、光に対して非常に敏感になっているのです。その状態でいきなり光を浴びたら非常に眩しいですよね。それによっても視力が低下する事はあると思います。
2018年5月28日月曜日

マイナスイオン・・・実際効果ある?

「マイナスイオン」とは、簡単に説明すると電荷がマイナスのイオンの事です。では、そもそも電荷とは?イオンとは何なのか?という話になると思うので、そこから順に説明していきたいと思います。

まず「電荷」とは簡単に言うと「素粒子(原子よりも小さな粒子の事)の持つ性質」の事です。電荷には「プラスの電荷」と「マイナスの電荷」があり、プラスの電荷を持つ素粒子とマイナスの電荷を持つ素粒子はお互いに引き合い、またプラス同士やマイナス同士では逆に反発し合うという性質があります。それによって例えばマイナスの電荷を持つイオンと、プラスの電荷を持つイオンは結びつきやすいという事が言えると思います。

一方、その「イオン」についてですが、イオンとは「プラスまたはマイナスの電荷を持っている状態の原子やその原子の塊の事」を言います。つまり通常の安定している原子は「プラスの電荷もマイナスの電荷も帯びていない=安定している」という事であり、それは「イオン」とは言いません。原子は、その原子を構成する素粒子の一種である「電子」を他所へ放出する事でプラスの電荷を持ち、他所から電子を受け取る事でマイナスの電荷を持つとされています。それによって電荷が変化すると原子は「イオン」と呼ばれ、引き合ったり反発し合ったりする性質を持つようになるのです。

そして再びここで新たな用語が出てきましたが、この「電子」とは原子を構成する素粒子の事です。通常の原子は中心に「原子核」という素粒子の塊があります。この原子核はプラスの電荷を持つ素粒子の「陽子」と、電荷を持たない素粒子の「中性子(陽子が複数ある時に陽子同士で反発しないようにする)」からできており、その原子核の周囲をマイナスの電荷を持つ素粒子の「電子」が回っています。つまり原子として安定するためには、プラスの電荷を持つ陽子とマイナスの電荷を持つ電子の数が等しい必要がある訳です。しかし何らかの理由で原子核の外側にある電子が他所へ放出されると、途端にその原子は陽子の電荷である「プラス」の性質を持つ事になります。それによって他の同じプラスの電荷を持つ原子と反発したり、あるいはマイナスの電荷を持つ原子と引き合う事になり、つまり安定した状態ではなくなります。その原子の状態こそが「イオン」です。

例えば酸素。酸素は化学式では「O2(オーツー)」と表しますが、この「O」が酸素原子の事、「2」は酸素原子の数を表しています。よって酸素原子が2つ連なったのがO2であり、そのように2つ以上の原子が連なったものを「分子」と言います。また酸素の原子番号は8、原子の質量は16なので、安定している酸素原子にはプラスの電荷を持つ陽子が8つあり、マイナスの電荷を持つ電子が8つある事になります。しかしよく言われる「活性酸素」ではその電子が何らかの原因で1つ減った状態になっており、陽子と電子のバランスが損なわれています。つまり活性酸素はプラスの電荷を持っており、他所からマイナスの電荷を持つ電子を1つ奪ってきて原子として安定化しようとする訳です。それが活性酸素の持つ「反応のしやすさ」の理由です。

しかし活性酸素自体は体内に入った有害物質とも反応する事ができるため、本来細胞の健康を守るためには必要不可欠なものです。要はそれが体内で増え過ぎる事が問題なのです。よってもし仮に体の外側からでも「マイナスの電荷を持つ原子(マイナスイオン)」を供給する事ができれば、そのように増え過ぎた活性酸素等の「プラスの電荷を持つ原子(プラスイオン)」と結びつかせ、その反応性を弱める事ができるのではないか、というのがいわゆる「マイナスイオン」の考え方です。例えばマイナスイオンを発生させる電化製品は、空気中にあるプラスイオンと結びつく事ができ、空気を綺麗にする事ができると言われています。

さて、そのマイナスイオンの効果ですが、疑問点として「マイナスイオンを人の体にだけ接触させる事ができるか」「マイナスイオンを実際に体に取り込む事ができるか」「空気中の有害物質と結びつき、実際に空気を綺麗にする効果があるかどうか」「体に取り込んだマイナスイオンがそのままの形で使われるのかどうか」「そのマイナスイオンが有益な働きをするプラスイオンの邪魔をしないか」などがあります。またマイナスイオンは目に見えないので、これは水素水と同じで「そもそも発生しているかどうか(イオンは原子や分子が放電・紫外線などのエネルギーを受ける事で発生する)」も非常に重要になります。マイナスイオンを作り出せる機器では当然マイナスイオンを発生させる事ができているはずですし、それが体に良い効果があるという事を謳って売っているのですから、仮にそれらがなければ大きな問題ですよね。特に「外で発生させたマイナスイオンの体の中での反応」に関しては過信すべきではないと言っておきます。

ちなみに様々な成分を部屋の中に充満させる「アロマテラピー(アロマセラピー)」では、漢方に使われるような生薬を用いる事もあるようです。匂い成分による精神的な効果はもちろんの事、中には肺から血液へ酸素を取り込む際に一緒に取り込ませる事ができる成分(例えばカフェインなど)もあるため、その成分が実際に発生していれば何らかの健康効果は得られるかもしれません。その点は前述してきたマイナスイオンよりは効果があると明確に言えるのではないでしょうか。

水素水・・・実際効果ある?

水素の殆どは酸素と結びついた「水」の状態で存在しています。何故水素が単体で存在していないのかというと、水素は全ての元素の中で最も軽く、地球上の重力では留めておく事ができないからです。そのため水素は発生した瞬間に上空へ飛散してしまい、その多くが失われてしまいます。よって水素水などを作る際には水素をできるだけ失わせずに発生させ、かつ水の中へ効率良く溶かし、またその状態を維持しなければなりません。しかし水素は水に対して極僅かしか溶けないため、水素水を作る際には更に特殊な技術を用いて水に溶けやすくし、その状態を維持する必要があります。

それを踏まえて考えてみると、確かに水素を注入し水素水を製造した最初の時点では、それは明確に「水素水」と呼べるものであり、「水素が水に溶けた状態を維持する事ができる条件」も整っているかもしれません。しかし例えば運搬される際に容器及び水素水が大きく振動すれば、多くの水素は水から飛び出て容器内を彷徨ってしまう事が考えられます。製造した後~店頭に並ぶまでに全く振動を与えずに運ぶ事は不可能ですから、少なくとも最初の状態よりは溶けた水素の濃度は落ちているはずです。更に前述した水素の性質から、我々が容器の蓋を開けた瞬間にその水素は全て空中に飛散します。水素は水に溶けにくいので、一度水素として自ら出れば二度と元には戻りません。よって開封してから時間が経過するほどに水素水の濃度は低下し、いずれ「ただの水」になります。

別の視点で考えてみると、水素自体は非常に安定的な元素であり、胃酸で溶ける事もないため、確かに胃からも吸収する事ができると思われます(高濃度の水素水を飲むと、少なくとも20%以上は水素の排出量が増えたという研究もある)。ただしそれは「ある程度濃度」がある場合の話で、前述のようにそもそも開封した時点で多くの水素が失われている可能性があるため、その効果は非常に微々たるものと考えるべきでしょう。確かに水素は酸素と結びつく事で水になります。例えば活性酸素は通常の酸素と比べても反応性が高く、様々な悪さをする事で知られていますが、「その活性酸素と結合するまで、水素をそのままの形で運ぶ事ができるか」というとかなり怪しい所です。それだけ水素は失われやすいのです。

ならば、濃度の高い水素を直接胃や肺に運ぶしかありませんが、高濃度の水素が一気に肺や胃に流れ込んだ場合、その圧力によって肺胞などの組織を破壊してしまう事があります。もちろんその辺に売っている低濃度の水素水ではそのような事は起こり得ませんが、水素を作る事自体は難しくなく、水素の効果を試そうとする人がいないとも限らないので念のため注意しましょう。ちなみに水素は腸内でも作る事ができ、実は水素水から水素を摂取するよりも、腸内で作る量の方が多いという悲しい事実があります。

ぶらさがり健康法って何?実際効果ある?

ぶらさがり健康法とは、手を使って何かにぶら下がり、足が宙に浮いた状態をある程度の時間続ける事により、何らかの健康効果を得られるというものです。その健康効果としては猫背・腰痛・肩コリなどの改善の他、内臓疾患や胃腸の活動にも良い影響を与えると言われています。

確かにこれを行えば重力に引っ張られる形で、筋肉など関節付近の組織が伸ばされる事になるため、その間はストレッチ効果が期待できるでしょう。しかし何もずっと宙に浮いていられる訳ではありません。特に女性では自分の体重を長時間支えられるような握力を持っている人など殆どいませんし、肥満体型の人では男性でもぶら下がっていられる時間はせいぜい数分程度です。つまりいつかは足をつけて元の生活に戻る必要がある訳で、せっかく筋肉や関節がストレッチされても、ぶら下がるのを止めれば元に戻ってしまうでしょう。無論ですが身長を伸ばす効果もないですね。

ちなみに静的なストレッチ(例えば筋肉を伸ばした状態で30秒止める等)による筋肉のストレッチ効果は、長くても数時間程度しか持たないと言われています。一方、それを毎日行って習慣化すると数週間程度はそのストレッチ効果を維持する事ができるそうです。だからこそスポーツ選手やバレリーナは毎日コツコツストレッチを行っている訳です。つまりぶら下がり健康器を利用してストレッチ効果を狙う場合、毎日行わなければ効果がないという事です。それなら普通に開脚をしたり前屈をしたりした方が楽ですよね。たかが数分間ぶら下がり続けるとは言え、毎日続ければ手の平が肉刺(マメ)だらけになりますし、肩の靭帯や腱など伸びてはいけないような組織も伸びてしまう事があり、とても手軽に続けられるようなものではありません。

また内臓に対して与える影響というのもかなり怪しい所です。この健康法が流行していた頃は「胴が伸ばされる=胃腸が長くなる=整腸作用がある」という事もよく言われていました。しかし前述のようにそれは「伸ばされている間」だけ伸ばされるのであって、胃や腸が物理的に伸びる訳ではありません。やはり効果は一時的なものであり、整腸作用も無いに等しいでしょう。

乾布摩擦って何?実際効果ある?

乾布摩擦とは、タオルなどで皮膚表面を強く擦り上げ、実際に古い皮膚などを削ぎ落とし、新陳代謝を活性化させるというものです。特に皮膚表面への圧力によって毛細血管への血流を促す事ができ、一時的にではありますが体温上昇効果があります(摩擦で発生する熱によるものではないので注意)。また皮膚表面にある触覚を通じて知覚神経を刺激し、自律神経も活性化させる事ができると言われています。

ただし皮膚表面にある古い皮膚や皮脂などは本来「バリア」の機能を果たしており、それが急に取り除かれると外部から異物が入りやすくなります。特にアレルギー体質の人ではその異物に対する抗体を勝手に作ってしまう事があり、それがアレルギーの種類を増やしたり、症状を悪化させる原因になる事があります。また擦る際の強さによっては、皮膚の多くにある新しい細胞まで傷つけてしまう可能性があり、それが傷跡として残る事もあります。よってアレルギー体質・炎症体質・皮膚疾患のある人、あるいは元々皮膚の弱い人(特に体脂肪率の低い人)では、現在の症状及びこれから起こる症状を悪化させる可能性があるので注意しましょう。また地域によっては風邪を予防するなどとして子どもに行わせる習慣がある場合もあるようですが、決して全ての人に強制するべきものではありません。

尚、乾布摩擦を行うあの動作ですが、あの動作を行うためには背中の肩甲骨周囲にある筋肉が柔軟に動く必要があります。よってあの動作を日常的に行う事が、結果として肩コリの予防に繋がる可能性はあるかもしれません。

グルテンフリー=健康に良い?そもそもグルテンフリーって?

グルテンとは小麦や大麦、あるいはライ麦など一部の穀物の種子に含まれている「胚乳」から生成される蛋白質の事です。特にアミノ酸の一種であるグリアジンとグルテニンが水分によって結びつき、それがグルテンになると言われています。このグルテンはパンや麺などの弾力性を決める重要な条件になっている他、増粘剤として歯磨き粉など食品以外にも使われていたりします。日本人は古くから接している栄養素の一つであり、我々にとって非常に身近なものと言えるでしょう。

一方、例えば乳製品に含まれる乳糖が原因でお腹が緩くなる事がある(乳糖不耐症:後述)ように、このグルテンに対しても過敏に反応してしまう体質(セリアック病)を持っている人がいます。グルテンの分子の一部は消化酵素では分解する事ができないとされ、それが小腸の細胞に取り込まれる際に自己免疫反応が起こり、そのグルテンを取り込んだ細胞を攻撃してしまう事があると言われています。それにより細胞が壊死を起こしたり、出血を起こしたり、様々な栄養素が上手く吸収できなくなる事があるようです。特にグルテンは小麦やライ麦など「主食」となる食べ物に多く含まれている事から、それを食べる事ができない人では栄養状態の悪化が懸念されています。そのため、現在ではそのような人たちでもパンや麺を食べる事ができるよう「グルテンフリー」の商品が多数開発されています。

現在既にセリアック病になっている人の比率は欧米諸国では1~2%程度と考えられています。1%と聞くと少ないように思いますが、「100人に1人」と考えれば全体的な人数は相当なものになります。また例えばグルテンを含む食べ物を食べる量が少ないという理由から、小腸で起こる炎症がたまたま軽度で済んでいるだけの人もいると思われます。そのような人は腸の不調の原因がグルテンにあるという事に自分では気づきにくいため、実際には更に多くの人がそのような体質を持っている可能性があります。当の日本人の比率は不明(欧米よりも少ないとされるが)ですが、同じように多くの人が気づいていない可能性があります。

ただし更に重要な事があって、それは「グルテンを正常に吸収する事ができる人の方が多い」という事です。グルテンを摂取して健康に何の影響もない人が、これから先も摂取し続ける事で体調が悪くなるだとか、健康を害してしまうなんて事はありません。そもそも蛋白質の一種で毒ではないですからね。今まで普通に食べる事ができているのであれば引き続き食べ続ければ良く、今まで食べていた人がわざわざグルテンフリーの食品を選ぶ必要はありません。もちろん前述のように「自分では気づいていない可能性」はあるので、グルテンフリーにする事で腸の調子が多少改善される事はあるかもしれませんが。

ちなみにグルテンに対して過敏に反応してしまう体質と「小麦アレルギー」とは別物です。グルテンは確かに小麦・大麦・ライ麦などに含まれていますが、小麦アレルギーはグルテンだけに反応する訳ではありません。特に小麦に対してアレルギーを持っている場合、例えグルテンフリーの食品であってもアレルギー症状が出てしまう事もあるので注意が必要です。

天然由来の成分=健康に良い・・・本当?

例えば天然に存在する「糖」を考えてみましょう。糖は細胞を動かすためのエネルギーとして必要不可欠なものであり、心身を健康にして生き続ける上ではなくてはならない栄養素の一つです。しかし最近では「悪さをする」事ばかりが取り上げられ、厄介者扱いをされています。

確かに消費し切れないような大量の糖を摂取すれば、体に悪いのは言うまでもありません。しかしそれは糖だけに限った事ではないはずです。例えば食物繊維。食物繊維は便通改善など腸内環境を整えてくれると言われていますが、消化酵素で分解できず、大量に摂取した場合、逆に消化不良を起こしてしまう事があります。またそもそも食物繊維は殆どエネルギーにならないため、摂取エネルギーが消費エネルギーを下回り、省エネ体質になりやすくなります。それにより糖や脂肪などのエネルギーを節約し、筋肉など余計にエネルギーを消費する組織の成長を抑えるため、基礎代謝が低下する可能性があります。つまり過剰摂取すれば食物繊維も「体に悪いもの」になり得るのです。

極端に言えば水だってそうです。人間の腎臓は毎分15ミリリットル程度、毎時1リットル近くの尿を排出しています。つまりこの排出量を上回るような大量の水分を摂取した場合、排出できなかった水分から体に溜まってしまう事になります。すると細胞の外側にある水分量が増加して薄くなり、浸透圧(濃度の濃い方から薄い方へ流れるが、濃度の薄い方から圧をかけると流れが止まる)が大きく低下、正常な水分代謝及び物質の移動(ナトリウムが排出できなくなる等)ができなくなる事があります。その結果、血圧が高くなったり、浮腫が起こったり、臓器の機能も低下します。つまり水だって過剰摂取すれば「体に悪いもの」になり得るのです。

すなわち天然だろうが人工だろうが、どんなものにも健康を害する可能性はある訳です。「天然=健康」とは限りませんし、「人工=悪」とも限りません。重要なのは「人体にとって必須の栄養素は何なのか」と「その栄養素の自分にとっての適切な摂取量はどの程度なのか」であり、それを管理する事ができるのであれば、「天然由来(オーガニック等)」や「人工(加工食品)」にそこまで過敏になる必要はありません。間違っても「天然=健康に良い!」なんて極端な考え方はすべきではありません。そういう考え方をしている時点で思考が止まっています。

遺伝子組み換え=体に悪い・・・どうして?

遺伝子の変化は長い時間をかければ自然にも起こる事で、そうやって動植物はここまで進化してきました。それを人の手によって操作するのがいわゆる「遺伝子組み換え」です。

遺伝子を組み換える事によって得られるメリットは、そのように自然では長い時間をかけてでしか変化しない遺伝子を人為的に変化させ、進化する時間を短縮させる事ができるという事です。例えば通常なら「甘い果実だけを残して間引く→その種のみを埋める→それを繰り返す→甘い果実だけになる」という過程が必要ですよね。しかし遺伝子を操作すれば最初からその甘い果実を作る事ができ、過程を大幅に短縮する事ができるのです。他、果実を大きくしたり、甘くしたり、気温の変化や病気に強くしたりなど「人間にとって都合の良い変化」を自由自在にもたらす事ができます。

一方、我々にとっての直接的な害を考えてみると、例えば「農薬に耐性がある」という植物を作った場合、別の言い方をすれば、その植物は「農薬さえ使ってしまえば容易に大量栽培する事ができる」という事です。そのため大量に農薬を使いがちで、その植物を栽培する周囲にある生態系への影響はもちろん、それを口にした我々の健康への害が懸念されます。また「今までは吸収・利用する事ができず、そのまま排出されていた毒性を持つ成分」も吸収できるようになる可能性があり、それによる健康への害も懸念されます。尚、遺伝子の組み換えは全て「人間のため」という身勝手な都合によるものですから、倫理的に「何となく嫌」というのも理解できます。

ただし例えば細菌に強い植物を作る事ができれば、食中毒など我々の様々な健康リスクを抑える事もできるでしょうし、有害な成分を発生させないように作る事ができれば、今まで食べる事が難しかったものを美味しく食べる事ができます。またビタミンやミネラルなど栄養価を高める事もできるでしょうし、逆に含まれる糖や脂肪の量を減らす事もできるはずです。そう考えると「遺伝子組み換え=悪」とも言えないのではないでしょうか。そもそも水だって大量に飲めば健康リスクになる事がある訳で、個人の自由で選べば良いのではないでしょうか。もちろんそれらの理由も全て人間の都合ですけどね・・・。

ちなみに日本では遺伝子組み換えに関する食品表示義務(大豆やトウモロコシなど一部の食品と、それを原材料にする一部の食品)があるので、遺伝子組み換えをされたものとそうではないものとでは、ある程度見分ける事ができます。しかし表示義務がないもの(醤油・植物性油・コーンフレーク・異性化液糖等。ただし企業によっては公開している事がある)も当然あるので、加工食品を利用している限り、遺伝子を組み換えた食品を避ける事は困難です。もちろん当の日本では遺伝子組み換えによる商業栽培は殆ど行われていないので、「日本原産の材料のみを使った商品を選ぶ」あるいは「日本原産の食品のみを使って料理を作る」という事をすれば、遺伝子組み換えされたものを口にするリスクは抑える事ができると思われます。しかし何度も言うように、遺伝子組み換えだから危険、天然だから安全なんて言い切る事はできません。
2018年5月27日日曜日

恥をかくと何故顔が赤くなるの?

緊張すると交感神経が興奮状態になり、全身の血流量が増え、それによって皮膚表面への血流量も増える事になります。腕や足などの分厚い皮膚では血管が青く見えますが、これは赤い光が皮膚に吸収され、青い光を反射しているからです。一方、顔の皮膚は薄いので、増えた血液の赤みがそのまま透けます。これによって顔全体が赤く見えます。尚、その際には温かい血液が増える事でその部分の体温も上昇します。これにより「火照り」も出る事になります。

リンス、コンディショナー、トリートメント何が違う?

コンディショナーやトリートメントはシャンプーで洗った髪の毛に水分や栄養を補給し、肌触りやツヤを持たせるためのものです。何を持ってコンディショナーやトリートメントとするかは様々ですが、基本的には「髪の毛の表面を保護する」のがコンディショナー、どちらかというと「髪の毛の内部から修復する」のがトリートメントです。ちなみに現在ではリンスはコンディショナーに名称が変わっており、効果にさほど違いはありません。

髪の毛の表面は常に外気に晒されています。特に湿度が低く乾燥している日が続いたり、あるいは風の強い日に外出するような場合、必然的に髪の毛へのダメージは大きくなります。よって日常生活においてはトリートメントよりもコンディショナーの方がどうしても優先度は高くなります。一方、髪の毛の内部は外気には直接触れていないものの、特に気温や湿度の上下が激しい日が続いたり、髪の毛を雑に洗っていたり、あるいはストレスや不規則な生活が続くと、外側の損傷が内部にまで及ぶ事があります。すなわちトリートメントはコンディショナーほど頻繁に使う必要はありませんが、人によっては確実に必要となるケアと言えると思います。

使い方について簡単に説明します。基本的にはコンディショナーもトリートメントも髪の毛を洗った後に使用します。使う頻度は違いますが、使い方には違いはありません。まず適量を手に取った後、毛先の方から順に根本まで馴染ませていきます。何故毛先が最初なのかというと、根本から先につけてしまうと髪の毛ではなく頭皮につきやすいからです。髪の毛で最も傷んでいるのは毛先なので、毛先を優先し、少ない残りを根本に丁寧に馴染ませるようにしましょう。そうして髪の毛全体に馴染ませたら成分が髪の毛に浸透するまで数分~数十分待ち、それから洗い流します。その間には体を洗ったり浴槽に浸かったりするのも良いですね。

コンディショナーもトリートメントも粘り気があるので、頭皮への洗い残しには特に注意が必要です。頭皮に洗い残しがあった場合、それを放置すれば臭い、毛穴のつまり、炎症、痒みの原因になります。洗い終えた後、指先で軽く頭皮を優しく触ってみてヌメヌメしない事を確認しましょう。ただし念入りに洗い落とす際に頭皮や髪の毛を強く擦ってしまうとそれが逆にダメージになってしまいます。髪の毛へつける際も洗い落とす際も必ず丁寧に優しく行うようにしましょう。
2018年5月26日土曜日

どうして毎日お風呂に入る必要があるの?

おそらく殆どの日本人が「毎日夜にお風呂に入る(浴槽に温水を溜めて浸かる)」という習慣が当たり前だと考えていますが、日本以外ではそうではありません。特に欧米諸国では浴槽に浸かるという習慣がない人の方が多く、シャワーで済ましてしまう事が殆どだそうです。日本人のように浴槽に全身浸かれば手の届きにくい背中や股間付近など溝となっている場所の皮膚を柔らかくする事ができ、シャワーによる洗い流し効果が上がります。そのため毎日浴槽に浸かる事は非常に清潔的と言えると思います。一方、シャワーだけでは水に触れている時間が短くなり、皮膚表面が柔らかくならないまま終わってしまいます。そのため自分では綺麗に洗い流したと思っていても、背中や溝となっている場所はあまり洗えていない事が多いのです。欧米人は日本人よりも体臭がきついとよく言われますが、それはそういった理由からの洗い残しが原因の一つ(その他ジャンクフードと植物性食品の量等)となっているかもしれません。

しかし実は現在から数千年前の古代文明の時代に、温水または冷水を利用した公衆浴場が既に存在していたと言われています。つまり温水または冷水を浴びたり浸かったりする文化は、その時代から一般人に受け入れられていたのです。またスポーツ施設に併設された浴場は「心と体を清める」という今で言う「スポーツマンシップ」のような考え方の元になったとも言われています。しかし宗教・安全(男女混浴+裸だったため好ましくないとされた)、衛生(流行り病やそれに関する噂)等の観点から、時代が進むにつれて徐々に廃れていったそうです。

当の日本においては仏教の伝来(記録上では飛鳥時代の西暦552年頃とされている)と共に「体を川や滝などの水で清める」という部分から伝わったと考えられています。そしてそこから少し進んだ奈良時代にようやく風呂の原型が生まれます。ただし当初作られた風呂は実際に水を浴びる訳ではなく、薬草などを溶かした湯を沸かし、その蒸気を浴場内に充満させるいわゆる「蒸し風呂(サウナ)」がメインだったそうです。もちろん浴槽に浸かる形式もあったのですが、蒸し風呂とは全く別物という扱いをされており、元々「風呂」という言葉は「蒸し風呂」を指す言葉でした。それがいつ頃(少なくとも江戸時代には庶民の間に定着)から現在の形式になったのか定かではありませんが、時代が進むにつれてその2つが融合し、現在の風呂になったと考えられます。

その他、日本は水が資源として豊富に存在する国であり、一般家庭でも水を確保するのが容易だったという事も関係しているでしょう。気温が年中高く雨が降らないような国では水は貴重な資源なので、毎日お風呂に入るためだけに水を使うのはもったいない(川や湖があればそこで水を浴びれば良い)と感じる人が多いようです。また年中気温の低い地域ではそもそも汗をかかないので、体を温める目的でたまに温水に浸かる事はあっても毎日は浸かりません(やはり液体の水は貴重)。

どうしてお風呂のお湯は上の方が温かいの?

水はその温度によって重さが変化し、温かいほど軽くなり、冷たいほど重くなる特徴があります。そのため浴槽内に溜まっているお湯の中で温度の違いが生まれると、温かい水が上の方へ移動し、冷たい水は下の方へ移動します。これが上の方が温かい理由です。

これを踏まえ、水温の上がり方や下がり方を考えてみます。もし水温よりも室温の方が低い場合、水面近くにある温かい水は外気に触れて温度が下がり、浴槽の底の方へ移動します。お湯が冷める際にはそうして自然に水の循環が生まれるので、水温はどんどん下がってしまいます。逆に言えば、水面近くの水を先に冷やした方が効率良く水温を下げる事ができる訳です。

一方、水温よりも室温の方が高い場合、上の方にある水ばかりが温められ、温かい水が水面近くに溜まります。その水面近くに溜まった温かい水はすぐ下にある冷たい水を温め、それによって水温は少しずつ上昇していきます。しかし温かい水と冷たい水の境界付近でしかその循環は生まれないので、浴槽いっぱいの水を全て温め切るためにはかなりの時間がかかってしまいます。よって水を温める際には浴槽の底にある水から熱した方が効率が良い訳です。浴槽の底にある水を熱すると、温まって軽くなった水が自然と上に行き、循環が生まれ、水温を素早く上げる事ができます。
2018年5月25日金曜日

フケってそもそも何なの?

皮膚にある細胞は活発な新陳代謝を繰り返しており、内側にある新しく作られた細胞が外側にある古い細胞を押し出しています。これによって皮膚を健康に保っている訳です。またそうして皮膚表面に移動してきた古い細胞はやがて活動を停止し、いわゆる「角質」となります。皮膚への刺激が強い場所ほど新陳代謝が活発に行われるので、手の平や足の裏では角質が分厚くなります。

頭皮も「皮膚」であるので、全身の皮膚と同じように新陳代謝が行われています。しかし頭皮は手の平や足の裏のように何か大きな圧力が常に加わっている訳ではありませんから、古くなった細胞はそのまま剥がれ落ちます。これがいわゆる「フケ」となる訳です。

尚、紫外線を浴びると活性酸素が発生します。活性酸素は皮膚細胞を老化させるため、それに抗おうと頭皮表面の新陳代謝を活発にします。すなわち直射日光を浴びるとフケの量はどうしても増えてしまいます。それだけならまだ良いのですが、あまりに大量の紫外線を浴びた場合、細胞の修復が間に合わず、頭皮の奥にある細胞まで老化させてしまう事があります。そこに過度なストレス、運動・睡眠・血流・酸素・栄養不足等が重なって新陳代謝のバランスが損なわれると、髪の毛を作る細胞にも悪影響を及ぼします。つまり薄毛に繋がる事になります。フケが出ている今の内に何らかの対策をする必要がある訳です。
2018年5月24日木曜日

アルカリ性の食べ物=健康に良い・・・本当?

アルカリ性は酸性と対になっており、アルカリ性となっている場所に酸性の物質が入ってくればそのアルカリ性が薄まり、酸性となっている場所にアルカリ性の物質が入ればその酸性が薄まります。これを「中和する」と言います。例えば胃の表面にある粘膜から分泌される胃液は強い酸性なので、胃液が分泌されて胃の中が酸性になった場合、そのままでは胃の壁を溶かしてしまいます。しかし胃の壁は何層にもなっており、また粘膜から分泌される粘液がアルカリ性なので、例え胃液が分泌されても中和、また粘液によって胃の壁を保護する事ができます。

この事から、アルカリ性の食べ物を食べる事によって「中和する=健康に良い」という考え方がありますが、胃液に含まれる胃酸は「塩酸」という非常に強力な酸の一種が含まれており、食べ物のアルカリ性程度ではとても中和する事はできません。何よりそのような強力な酸であっても、粘膜・粘液の機能が正常であれば問題ない訳ですから、食べ物の酸性・アルカリ性が胃の中に何らかの影響を与える事は殆どないと言って良いでしょう。尚、胃自体が原因になる事はあり、何らかの理由で胃の粘膜・粘液の持つバリア機能が弱まっていたり、そのバリア機能以上に胃液が大量に分泌された場合、胃の壁は簡単に溶かされてしまいます。

さて本題ですが、人間の体には「恒常性」という機能が備わっています。これは体の中で何らかの偏りが発生してしまった時、それを標準の範囲内に戻そうと調節する機能の事です。例えば食事をして血糖値が上がると血糖値を下げようとインスリンが分泌されます。逆に血糖値が下がったら血糖値を上げようとアドレナリンなどが分泌されます。そうしてバランスを取っているのです。つまり、もし仮に酸性・アルカリ性どちらか一方に偏ってしまったとしても、それはすぐに修正され、元の状態に戻されます。よって例えば酸性を持つとされる肉を大量に食べ続け、体が酸性になるなんて事はあり得ませんし、逆に野菜をたくさん食べたからと言ってアルカリ性になるなんて事もありません。確かに「活性酸素が大量に発生して細胞が酸化しやすくなる」という事はあり得ますが、それとは切り離して考えるべきでしょう。

ちなみに胃の次にある十二指腸で分泌される消化液(膵液・胆汁)は弱いアルカリ性とされており、胃液による酸で溶かし切れなかった食べ物、胃液自体の酸、食べ物自体の酸(クエン酸とか)を一緒に中和する事ができます。それによって酸性を薄める事ができれば、腸の表面を保護する事ができ、保護しながらも消化・吸収を促す事ができます。もちろん前述のように胃液は強力な酸なので、それが過剰分泌される事で胃や腸の中が酸性に傾きやすくなる=疾患に繋がるという事はあり得ますが、それはその時に食べた食べ物による影響ではありませんよね。よってやはり食べ物の酸性・アルカリ性は特に気にする必要はない(そもそも本当に酸性?本当にアルカリ性?という根本的な疑問もある)でしょう。

人間はどうして酸素を吸って二酸化炭素を吐くの?

植物は光を浴びる事でエネルギーを作る事ができます。それが「光合成」です。植物は光のエネルギーを利用して水と二酸化炭素から炭水化物を作り、それをエネルギーにして生命活動を維持する事ができます。しかもその植物内に存在する炭水化物は植物以外の生物にとってもエネルギーとなり、様々な生物を育むための食料にもなっています。また光合成の結果として外へは酸素を排出します。生物の多くはこの酸素を利用してエネルギーを作っており、地球上に存在する酸素の殆どは数十億年という非常に長い時間をかけて植物が作り出したものです。

では「植物が太陽光と水と二酸化炭素を利用したのはそもそも何故なのか?」についてですが、それはたまたま当時の地球に光、水、二酸化炭素が適度に存在しており、それを利用した方が効率が良かったからです。実際、植物が大量の酸素を作り出す以前では、現在よりも「酸素を必要とせず、酸素が大量に存在する環境下では生きられない」という生物がたくさん存在していました。それが酸素の発生によって大量に死滅(現在でも酸素を必要としない生物は存在する)し、酸素を利用する生物が繁殖し進化、それが現在までの様々な生物の基礎になったと言われています。つまりもしも地球が光、水、二酸化炭素が適度に存在しない惑星だったら、植物はおろか、それ以降の様々な生物は生まれなかったでしょう。

現に例えば地球とよく似ているとされる金星では、二酸化炭素が大量に存在する事で強力な温室効果が発生し、その影響で水が蒸発した灼熱地獄(400~500℃と言われている)になっています。また火星は地球よりも小さいため、酸素や二酸化炭素などの大気を留めておけるできるほどの質量・重力がありません。たまたま地球が植物が存在する環境に適しており、その植物が作り出した酸素を利用する方法は効率が良かったのです。だからこそ植物以外の様々な生物もその酸素を利用するようになり、人間も酸素を利用しているという訳です。

ちなみに我々にとってなくてはならないこの酸素ですが、現在でも実は人体にとって有害なものです。呼吸によって取り込まれた酸素が体内に入ると、エネルギーを生み出す代謝の過程で「活性酸素」になります。活性酸素は反応性が高く、人間にとって有害な微生物や栄養素等を無害化する免疫機能を一部司っていますが、大量に存在すると自身にとって必要不可欠な細胞や栄養素等まで無害化しようとしてしまいます。それを生物は様々な酵素の働きによってコントロールしているのです。高濃度の酸素が存在する環境ではこの活性酸素による酸素中毒を引き起こす事もあります。

人間はどうして言葉を話せる?声が出せる?

人間が声を出し、言葉を発する事ができるのは「二足歩行」が関係していると言われています。二足歩行をした事で声道(音が通る道の事で、喉頭、咽頭、口腔、鼻腔からなる)が長くなり、声道にある各器官を動かす範囲が広がった事で多種多様な声を出す事ができるようになったのです。もちろんそれには「他者との意思疎通の必要性」も関係しています。我々の祖先は個人での行動よりも集団での行動の方が大きな事ができるという事を学習しました。集団での行動ではその集団が大きいほど複雑な意思疎通が必要になり、その環境に適応するために言葉を使うコミュニケーション能力が発達したのです。また複雑に動く声道をコントロールしているのは脳ですが、これも二足歩行によって支える事のできる脳の重量が増え、言語に割く事のできる容量を確保できた事も大きく影響しています。人間以外の動物の脳では言葉に割く余裕がないのです。

声を発する際には「声帯」と呼ばれる膜に息を当て、それを振動させる事で音を発しています。例えば声帯は強く緊張させるほど振動しにくくなり、響きがなくなって力んだ声(いわゆる喉声)になります。また吐き出す息の量が多いほど声帯の振動、すなわち声も大きくなりますが、息が必要以上に多いと声帯を緊張させて維持する必要が出て来るのでやはり喉声になりやすくなります。逆に声帯を開いていくと裏声のような掠れた声、息が漏れた声になります。その状態では声帯を脱力させる事はできますが、脱力させ過ぎると今度は声帯が緩み、振動しにくくなってしまいます。つまり聞こえの良い大きな声を発するには「脱力した状態でピンと張っている声帯に適切な量の息を当てる」事が重要だと思われます。

尚、声帯から発せられた音は声道にある各器官(鼻腔など)に反響させる事で音を大きくする事ができます。これを「共鳴」などと言います。我々素人では声を大きくするために息の量を増やそうとしますが、それだと簡単に声帯を痛めてしまいます。それが「声が枯れる」という事です。プロの歌手や声優ではその反響を上手く利用する事で、喉にとって負担とならないよう楽に大きな声を出しているのです。また敢えて反響させる場所や強さを変えたり、口の中・唇・舌の形によって更に多種多様に音を変える事ができます。これにより人間は言葉を話す事ができ、声に個性が出るようになります。声を仕事としている人はそれらを自在にコントロールする能力に優れており、だからこそあれだけ多種多様な声を出す事ができるのです。

どうして心臓は勝手に動く事ができる?

心臓には「心筋」と呼ばれる特別な筋肉があります。心筋は腕や足などに存在する骨格筋と同じ「横紋筋」ですが、他の筋肉とは違って自分の意志では動かす事ができず、脳からの命令がなくても自動的に動く事ができます。これは何故かというと、心臓の中には自発的に電気信号を発する事のできる細胞が存在しているからです。通常の骨格筋にはそれがありませんから動かすには脳からの電気信号が必要なのです。ちなみにその電気信号を発する細胞の代わりとなるのがペースメーカーです。

血液は心臓で作られている訳ではなく、骨髄で作られています。その骨髄で作られた血液が心臓のポンプによって循環しているのです。また心臓を動かすためのエネルギーもその血液を通して送られているため、体のどこかで大量の血液が失われたり、心臓の血管が正常に機能しなくなると心臓の筋肉を動かす事はできなくなります。それが「心停止」です。心臓が動かなくなった時に行う心臓マッサージは元々体に残っている血液を循環させ、脳や心臓などの細胞をできるだけ延命させようとする事、電気ショックは動かなくなった心臓の筋肉に電気信号を与え、再び自発的に動かそうとする事が目的です。

尚、「心臓は自分の意志ではコントロールできない」と言いましたが、完全にコントロールされていない訳ではありません。例えば恐怖や怒りを感じたり、緊張したり、驚いたり、あるいは体調が悪化した時などでは心臓の鼓動が速くなる事がありますよね。そのように感情や体調によって心臓の鼓動の速さは変える事ができるのです。それを利用すれば、例えば意図的に恐怖体験を思い出す事で心臓の鼓動を早くしたり、深呼吸をして気持ちを落ち着ける事で心臓の鼓動を緩やかにする事もできます。すなわち心臓の動きを完全にコントロールする事はできなくても、自分の意志でコントロールしようと努力する事はできるのです。

どうして体を動かす事ができるの?

脳から送られた電気信号は神経を通して筋肉へと送られ、その筋肉が収縮する事で骨を引っ張ります。それによって関節が動き、また全身にある関節を複雑に動かす事で体全体が動いているように見えるのです。

尚、脳から発せられた電気信号はまず脊柱(背骨)の中にある脊髄(太い神経の幹)を通り、そこから枝分かれした神経を通して全身へと送られます。つまり脳や筋肉が健康でも脊髄が健康でなければ体は動かないという事です。脊髄を損傷して体が動かなくなるのはこれが理由です。指先や足先にある神経は例え損傷しても時間をかけて修復する事ができますが、脳や脊髄は一度でも損傷すると二度と修復させる事ができず、現在でも確実な治療法は見つかっていません。損傷した脊髄の場所によって麻痺の出る部位が変わり、例えば一番脳の近くにある首の頚椎を損傷した場合、頚椎から下の部位全てに麻痺が出る(筋肉を動かす事や皮膚からの触覚はもちろん、体温調節などの機能も失われる)事になります。

ちなみに「反射」とは筋肉に対する電気刺激が脊髄までしか行かず、その脊髄で処理されて再び筋肉に電気信号が帰ってくる事を言います。つまりそれができれば脳から複雑な命令を出すよりも素早く体を動かす事ができる訳です。例えば熱せられた鍋の蓋に不意に手で触れてしまった時、その手を咄嗟に引くと思います。これを脳が考えてから命令を出していたらとても間に合わず、手を引くのが遅れて火傷をしてしまいます。咄嗟に手を引く事ができるのは脳が関与せず反射的に体を動かしているからで、そうして普段から自分の身を守っているのです。
2018年5月23日水曜日

どうして年を取るの?死ぬの?

古くなった細胞を新しい細胞に作り変える際には「元となる細胞(自分の細胞に関する情報が書かれた染色体及びそれを構成するDNA)」の複製を行っています。しかし細胞の複製を繰り返していくと次第にエラーが起こるようになり、複製に失敗したり、あるいは正常な細胞よりも劣化した状態で作られてしまう事があります。年齢を重ねていくとその頻度が増え、異常な細胞が正常な細胞の邪魔をしてしまいます。それが能力的にも見た目にも現れるようになり、それが「老化」と言えます。

尚、複製を行う際にはテロメアと呼ばれる染色体の末端にある構造を利用すると言われています。テロメアはテロメラーゼと呼ばれる酵素によって延長する事ができますが、このテロメラーゼは生殖細胞以外の細胞では殆ど見られません。またテロメアは複製を行う度に短くなっていくという特徴があり、次第に細胞の正常な複製ができなくなっていきます。これが細胞の老化に繋がります。テロメアを伸ばす確実な方法は現在でも存在しません。ですが、癌に深く関係する事は分かっており、そちらの研究で進展があれば今後寿命を延ばす方法も見つかる可能性はゼロではありません。

ちなみにその他では、例えば頭(脳)ごと別の体に移植する方法、脳に人工血液を循環させ続け遠い未来待つ方法、全身を冷凍保存させ遠い未来で生き返らせる方法、脳の中身をデータ化し全身を機械化またはデータのまま仮想世界で暮らす方法などが考えられているそうです。人類の探究心は尽きそうにありませんね(笑)

どうして顔には毛が生えている?必要なもの?

人間も含めた哺乳類では毛の生えた種が多い事から、おそらく我々哺乳類共通の祖先が毛を生やす遺伝子を持っていたのです。その遺伝子が現在まで残っているからこそ、我々にも毛が生えていると考えるのが自然です。

毛が存在する意味を無理矢理にでも考えてみると、例えば鼻毛や耳毛には空気中の異物を体の中へ入れないようにする防御の役割、眉毛には額から落ちる水滴などから目を守る役割や表情を作る役割、睫毛には異物から目を守る役割(一種の感覚器のようになっており、触れると反射で目を閉じる)があると思われます。また髪の毛では擦り傷や切り傷などから頭を守る役割、脇毛や股間付近の毛では臭い(フェロモン?)を増大する役割(その他では急所の保温や迷彩等)、背中・胸・腕・スネなどの毛は水などを弾きやすくする役割や皮膚感覚を増大する役割があると思われます。

ちなみに我々人類の祖先はかつては顔から体まで全身に毛が生えており、その毛が一部退化した際にたまたま残った部分が現在に至っているだけという説もあります。いずれにしろ、何故毛が生えているのかについての明確な理由は現在もよく分かっていないのです。

どうして目が回るの?

目から入ってきた色や光に関する情報は電気信号へと変換され、それが脳で処理される事で初めて映像として認識する事ができます。つまり脳で映像を認識するためには対象となる映像を目の中心でしっかり捉える必要があり、目は常に対象を中心に捉えようと動いているのです。よって目の前の映像が猛スピードで動いた時にはそれを必死に目の中心で追おうとするため、それに釣られて目が左右に痙攣するようになります。これがいわゆる「目が回った状態」です。この状態になると自分が回るのを止めてもしばらく目が左右に痙攣したままになります。それによって視界が左右に揺れ続ける訳です。

また人間は様々な情報を元に自分の体の状態(地面や天井はどこにあるのか、自分は静止しているのか、自分はどの程度の速さでどの方向に移動しているのか、体の各部位はどこに位置しているのかなど)を把握していますが、視覚から得られる情報はその多くを占めています。そうして目が左右にブレてしまうと、脳へ送られる映像もそれに合わせて大きく揺れるようになります。その結果、そのメチャクチャな映像を処理しようとして脳が混乱状態となり、自分の体が今どういう状態なのかが分からなくなります。それにより目眩などを引き起こして立っていられなくなるのです。

ちなみに平衡感覚を司る三半規管は脊椎動物全般にあるため、人間と同じように目が回る事があります。種にもよりますが、例えば犬、ネズミ、カンガルー、象などの哺乳類、トカゲなどの爬虫類、カエルなどの両生類、サメなどの魚類には三半規管があるため、「通常の生活ではあり得ないような高速回転」をさせる事ができれば、目を回して真っ直ぐ歩く事ができなくなるでしょう。哺乳類以外では鳥類にも三半規管がありますが、地上で暮らす動物とは違って相当に発達しており、全く目が回らない訳ではありませんが非常に目が回りにくいと言えると思います。

一方、昆虫ではそのような三半規管が存在しないため、重力の方向や太陽の方向を間違えて多少体の向きを変えるような事はあっても、人間のように目が回ってふらつくような事はおそらくありません。また猫などのように視力自体は良くなくても近くの動体視力に特化しているような動物では、高速な映像にも対応する事ができ、目が回りにくくなっています。
2018年5月22日火曜日

寝返りって何のために行うの?

我々大人は睡眠中に寝返りを打つ事ができます。これは無意識下で行われる行動であり、体の一部分に負担が集中する事を防ぐ役割があると言われています。しかし大人では当たり前に行われる寝返りも、生まれたばかりの子どもでは自分でする事ができません。子どもでは寝返りを自分で打つ事ができるまで親に手伝ってもらい、それを習慣化させる事で次第に自分で寝返りを打つ事ができるようになります。自分の睡眠時間を削ってまで寝返りの練習を手伝ってくれた親には感謝しなければなりませんね。

逆に言えば幼少期のそういった細かな教育は、大人になってからの睡眠の質に大きな影響を与えるという事です。睡眠は1日の内最も多くの割合を占める生活習慣の一つであり、良い睡眠習慣を積み重ねている人とそうでない人では、自分が気づかぬ内に大きな差が生まれているのです。睡眠時間を十分に確保しているのに何故か疲れやすかったり、朝起きたら体のどこかが痛かったりしませんか?大人になってから寝返りの癖を直すのはそう簡単ではありません。子どもの将来を案じるのであれば、寝返りがしっかりできるよう小さい頃に教育しておきましょう。

ちなみに人間以外でも地面に伏せて寝るような種では寝返りを打つ事があります。ただし人間のようにお腹を上や横へ向けて寝るなどはせず、弱点であるお腹をできるだけ見せないように寝返りを打ちます。飼っている犬や猫、あるいは鳥がお腹を見せて寝る事があるのはその環境が安全だと知っているからで、野生の動物ではまず見る事はできません。

どうして眠くなるの?

人間は夜暗くなってくると自然に眠くなりますが、これにはメラトニンというホルモンが関係していると言われています。メラトニンは太陽光による影響を受け、太陽が沈んでくると分泌量が増えていきます。つまり体内時計のような役割があり、夜暗くなると睡眠に入るための準備を始めるのです。これにより眠気をもたらします。またメラトニンは睡眠の必要性があるほど分泌量が増えます。つまり脳や体が疲れている状態で睡眠を取る必要がある時にはメラトニンの分泌を加速させ、より深い睡眠へと誘います。この事からメラトニンは「睡眠導入ホルモン」とも呼ばれており、深い睡眠を取るために必要不可欠なホルモンです。ちなみにメラトニンは人間以外の動物、植物、微生物にも存在するホルモンで、前述のようにやはり体内時計のような役割を果たしていると考えられています。

尚、眠気を感じさせる原因は他にもあり、例えば血糖値が高くなった時、様々な理由で脳に血流・酸素・栄養が不足・または脳以外の場所にそれらが集中している(満腹時、運動直後、興奮した後等)時、脳が活性化されておらず詰まらない事をしている時、単純に睡眠が足りておらず脳が疲れている時などが挙げられます。またいわゆる「アクビ」は脳が「眠い状態と起きている状態の境界」にいる時、反射的に起こる呼吸動作と言われています。つまりアクビは眠気に耐えようとする動作なので、死ぬほど疲れていて眠い時やすぐにでも睡眠に入りたい時では実はアクビは起こらない事があります。

どうして指紋は人によって違うの?

指紋は人それぞれ異なる形・模様をしており、世界中どこを探しても同じ人は存在しないと言われています。親とその子、あるいは同じ民族同士では遺伝による影響を受けて似た形・模様になる事がありますが、やはり全く同じになる事はありません。また自分一人の指紋を見てみても、手足左右10本の指それぞれの指紋も異なるため、その組み合わせを含めれば同じ指紋を持つ人の確率は更に下がる事になるでしょう。

そして同じ遺伝子を持つとされる一卵性双生児すなわち「双子」ですが、例え双子であっても指紋は異なります。これは母親のお腹の中にいる時(2つに分裂した後から)の成長の違いによって生まれるとされており、遺伝子が同じ双子であるのに指紋だけは生まれつき異なるのです。また例えば指先を使う仕事をしていて指が太くなっていれば、指紋の線の間隔が広くなるという事があり得ます。指紋の基本的な形や模様に関しては生まれた後の環境で変化する事はありませんが、そのように遺伝以外の影響も受けるため、例え双子でも同じ指紋になる事はないのです。

尚、指紋は滑り止めのような役割を果たしており、実際に人間以外の動物(ゴリラ・チンパンジーなどの霊長類、その他ネズミやコアラ等、特に指で物を掴む種に見られる)にも存在し、その役割を果たしています。しかし「そもそも何故指紋が存在しているのか」「何故指紋は同じものが存在しないのか(前述の通り遺伝による影響は受ける)」についての明確な理由は分かっていません。

どうして人間は日焼けをするの?

太陽光に含まれる紫外線は透過力が強く、細胞を貫通しその細胞内にあるDNAへダメージを与えると言われています。そうして細胞を内部から破壊し、その機能を失わせてしまいます。それが皮膚表面で起こるのがいわゆる「日焼け」です。人間の皮膚にはメラニン色素と呼ばれる色素があり、これが有害な紫外線を吸収する役割を果たしています。しかし吸収する事のできる紫外線の量には限界があり、容量を超えた時に日焼けが起こるのです。繰り返されれば皮膚癌の原因にもなります。

また皮膚に含まれるメラニン色素の量には個人差が大きく、単純にメラニン色素が少ないほど日焼けしやすく、多く持っている人ほど日焼けしにくくなります。またメラニン色素は黒色をしているので、メラニン色素が多いほど肌は黒色になり、少ないほど白色になります。つまり肌の黒い人は肌の白い人よりも日焼けに強く、皮膚癌にもなりにくいと言う事ができます。尚、メラニン色素は髪の毛の色や目の色を決める重要な要素でもあり、実は目も紫外線による影響を受けて日焼けします。

単に「日焼け」とは言っても「火傷(やけど)」の一種です。軽度ではシミやそばかすが少しできたり皮が剥ける程度ですが、重症になれば通常の火傷と同じように赤く爛れて炎症を起こしたり、患部が大きく腫れる事があります。その日焼けの範囲が広い場合、それを治癒するために体内にあった大量の水分・エネルギー・栄養素が失われます。と同時に、太陽光を浴びていれば活発に体温調節を行っているはずで、自律神経も疲労しており、それらによって大きな疲労感を伴います。日焼けは決して軽んじるべきではなく、水分・栄養補給はもちろん十分な休息を取りましょう。

ちなみに紫外線を浴びるとメラニン色素が増える前にまず活性酸素が発生します。活性酸素と聞くと悪いイメージしか持っていない人が多いですが、実はこの活性酸素が生まれ、その強い酸化反応によってメラニン色素を作り出す事ができるのです。つまり活性酸素も紫外線から身を守るための手段の一つと言えると思います。要は活性酸素の働きをコントロールする事が重要で、それがいわゆる「抗酸化機能(この能力にも個人差があり、シワ、シミ、そばかすなどのでき方に違いが生まれる)」です。

どうして人間は水に浮くの?

物が水に浮くか沈むかについては、それが水よりも軽いのか重いのかによる違いで決まります。つまり水に入れた物が水より重いと沈み、水よりも軽いと浮く訳です。この「水より軽い」「水より重い」とはどういう事かというと、これは「体積(三次元的な大きさの事)」が同じ時の「質量(物体そのものが持つ重さの事。ちなみに手に持った時の手にかかる重さは質量×重力加速度=重量の事)」の差の事を言っています。例えば球形をした石とその石と全く同じ形・同じ大きさをした水があった時、石の質量が水よりも大きければ石は沈み、小さければ浮きます。尚、この時の質量の違いは密度によって異なり、同じ体積でも構成している物質がより密集している方が質量は大きくなります。

これを人間で考えてみると、一人の人間とその人間と同じ体積をした水がある時、人間よりも水の密度の方が高ければ水に浮く事ができます。逆に人間よりも水の密度の方が低い場合、水に浮かぶ事はできず沈んでしまいます。例えば海水は不純物が多く密度が高いため、不純物が少なく密度の低い水道水よりも浮きやすいと言えると思います。脱力して浮く事ができるのも、筋肉を収縮させると密度が高くなってしまうからです。

これに関連して「脂肪は浮く」「筋肉は沈む」とよく言われます。確かに仮に球形をした同じ体積の脂肪と筋肉を比べる場合、筋肉の方が脂肪よりも密度が高く質量も大きいので、脂肪の方が浮きやすく筋肉の方が沈みやすいと言えると思います。しかし実際には同じ体積の人間同士を比べなければ意味がありません。例えば余分な脂肪がついている人間では、横にハミ出した分だけ体積が大きくなります。一方、筋肉を鍛えている人間では体の凹凸はハッキリ出ますが、余分な脂肪がついている人ほど体積は大きくなりません。もし筋肉と脂肪の沈みやすさを調べるのであれば体積がちょうど同じになるよう、例えば身長の低い肥満体型の人と身長の高い細マッチョの人を比べる必要があるでしょう。ただし前述のように筋肉は収縮させる事で密度を増しますから、例えば「浮き方や泳ぎ方を知らず、水が怖くて緊張し体を強張らせていれば、脂肪がたくさんついている人でも沈みやすくなる」という事があり得ます。よって完璧な条件で沈みやすさを比べるのは現実的には難しいと言えるでしょう。
2018年5月21日月曜日

目薬をさした後に瞬きをするのは良くない?

目頭付近には鼻涙管と呼ばれる細い管に通じる穴が空いています。この穴は鼻の奥にまで通じており、涙が大量に出た時には鼻の穴から鼻水として、もしくは喉の奥から胃へ排出します。つまり目薬をさした時に瞬きをしてしまうと、その穴が漏れ出してしまうのです。よって目薬をした後は瞬きをできるだけせずじっと目をつぶり、少し上を向いて目頭付近をしばらく抑えると良いでしょう。

尚、泣いた時に目が充血して赤くなるのは、目の周囲にある血管への血流が増えるからです。感情的になって目の周囲にある神経が過敏になると、その影響で周囲への血流も増大し、その血液から涙を作ると言われています。目が充血した場合にはまず冷やして血流を抑え、感情が高ぶらないよう目を瞑って休憩すると良いでしょう。そうして落ち着いたら目薬をさしましょう。

何故足の指や足の裏が攣るのか?

ふくらはぎの筋肉が攣る事をいわゆる「こむら返り」と言います。こむら返りとは筋肉が痙攣してコントロールを失った状態の事を良い、筋肉が自分の意志に反して不随意に収縮を繰り返します。いわゆる「足が攣った」の事で、その際には激烈な痛みを伴います。尚、そのように「こむら返り」に限っては「ふくらはぎで起こる筋肉の痙攣」を指しますが、筋肉の痙攣自体は他の筋肉でも起こり得ます。

こむら返りが起こる原因は様々ですが、特に「筋肉に疲労が蓄積している」「急に筋肉を収縮させようとした(運動不足)」「血流の滞り」「水分不足」「ビタミン(ビタミンB1やビタミンEなど)」「ミネラル不足(カルシウムやマグネシウムなど)」によって引き起こされると言われています。よってそれらを改善する事が予防になります。またこむら返りに限らず筋肉の痙攣への対処法としては「筋肉を揉み解しながら伸ばす」をひたすら繰り返す事です。痙攣は非常に痛みが強いので焦って急に伸ばしがちですが、痙攣が起こっている筋肉をいきなり伸ばすと、痙攣が治った後も筋肉にダメージが残る事があります。収縮している筋肉を急に伸ばしたら筋肉に悪いのは当然の事です。必ずゆっくり伸ばしていくようにしましょう。
2018年5月20日日曜日

白髪を抜くと余計に白髪が増えるorハゲる

髪の毛はメラニン色素によって黒くなっています。よって白髪が生えるのは髪の毛を黒くするためのメラニン色素を作る機能が細胞の老化などによって低下しているためで、残念ながらいくら抜いても減る事はありません。それどころか髪の毛を抜く際にそこの毛根が傷ついた場合、髪の毛が生えて来なくなる可能性があります。抜いて対処するのではなく、規則正しい生活をして内側から改善するよう努めましょう。特に重要になるのが抗酸化と規則正しい生活習慣(食習慣、運動習慣、睡眠習慣、ストレス管理等)です。

頻尿・・・何故起こる?

頻尿とはトイレが近く尿の回数が多い事を言います。ただし明確な基準は存在せず、1日のトイレの回数は人によって様々なので、自身でトイレの回数が多いと感じる場合には頻尿と言えると思います。

頻尿の原因は様々ですが、特に膀胱が過度に活動してしまう過活動膀胱(老化、脳障害、前立腺肥大など)、1回の排尿で膀胱から尿が出切らない残尿(老化、前立腺肥大、手術の副作用など)、様々な要因による多尿(糖尿病、水分過剰摂取、利尿剤など)、膀胱や尿路における異常(感染症・炎症・腫瘍など)などに分けられます。またそれに加え、既に頻尿となっている場合は精神的なもの(緊張・気にしすぎ・ストレスなど。それによって脳、脳までの神経、膀胱周囲の筋肉及び神経などが緊張すると余計に尿意が増す)も大きな影響を与えています。

よく腎機能や肝機能に関係するサプリメント及び漢方を利用する人もいますが、それでは一時的な効果しか得られません。前述のような頻尿となっている原因(特に体に異常がない場合は精神的なもの)を取り除かない限り、同じ事の繰り返しになってしまうだけでしょう。その他、老化や持病が原因の場合、自分の現状を受け入れ、上手く付き合っていくという事も必要になってきます。
2018年5月19日土曜日

カロリーゼロ、本当はカロリーはゼロではない?

「ゼロカロリー(ノンカロリーと同じ意味)」は、実際にはゼロではなく、100ml当たり5kcal未満のカロリーがあります。また「カロリーオフ(その他では低カロリー・ダイエット○○などが該当)」に関しても、実際には20kcal未満のカロリーがあります。

砂糖の過剰摂取は害があるとされ、糖の代わりに人工甘味料に置き換えているような商品はたくさんあります。しかしそのようにカロリーが低い事を謳っていたとしても、少なからず「エネルギーとなる栄養素(糖、脂肪、蛋白質またはアミノ酸)」は含まれているのです。よって「ゼロカロリー」であっても、あまり信用しない方が良いでしょう。

しっかし糖質・脂質ゼロ、ダイエット飲料、ノンカロリー、カロリーゼロ、カロリーオフ、糖質・脂質何%カット・・・そういう商品本当に多いですよね。そんなに気にしていて疲れませんか?食事を制限するより運動をして食事をした方が「ストレスオフ」になると思います。

人工甘味料って何?食品添加物はやっぱり体に悪い?

我々がよく口にするような人工甘味料は、体に殆ど吸収されず、そのまま排出されると言われています。昔なら発癌性のある成分など、体に悪い物質が使われていた事もありましたが、現在では全く使われておらず、そもそも法律によって規制されています。またブドウ糖などとは違って、糖として吸収されないため、エネルギーがないものが多く、血糖値を上げず、虫歯の原因になる事もありません(ただしインスリンの分泌をさせるという説もある。また人工甘味料だけが含まれている商品はほぼなく、大抵は僅かながら糖が含まれているため、一概には言えない)。むしろ糖質制限中なんかは糖に置き換えて味付けする事ができるので、食習慣に変化をもたらす目的では有効なものです。

そんな人工甘味料よりも問題なのは、カルシウムの吸収を阻害するリンを含む「食品添加物(酸化防止剤、pH調整剤、乳化剤、酸味料等)」が大量に使われていたり、例え天然であっても、糖・脂肪・塩などとして吸収できる調味料・食材が大量に使われている場合です。また人によっては「健康に良い」とされている食品あるいは栄養素に固執し、そればかりを食べる事で、全体の栄養バランスが偏る場合もあります。せっかく健康に良いとされている食品を食べたり、人工甘味料など体に悪いと考えている食品を控えたとしても、何かが極端に多かったり、あるいは何か一方に偏りがあったら何の意味もありません。細かい事は気にせず、全体の栄養バランスを重視しましょう。

牛乳を飲むと何故お腹が痛くなるの?

牛乳には乳糖と呼ばれる糖が含まれています。この乳糖は「ラクターゼ」という酵素によって分解されますが、実は人によって生まれつきのその酵素の能力が異なると言われています。また年齢を重ねていくと、誰でも乳糖を分解する能力が弱くなると言われています。そのため乳糖を正常通り分解する事ができる人とそうでない人が存在し、上手く分解する事ができない人では消化不良を起こし、腸内環境が悪化する事があります。これを「乳糖不耐症」と言います。尚、これは乳アレルギーや単純な好き嫌いとは別の話です。

日本人の多くはこの乳糖を分解する酵素の能力が弱い(一説には7割以上とも言われている)とされています。学校では給食で必ずと言って良いほど出る牛乳ですが、牛乳が飲めない事は決して恥ずべき事ではありません。それよりも問題なのは「乳製品を避ける事によって起こる栄養不足」の方です。乳製品は全体として蛋白質やカルシウムを豊富に含んでおり、それを食べる事ができない場合、他の食品で補わなければなりません。

よって様々な理由から乳製品を食べる事が難しいという人は、蛋白質を肉、魚、卵、大豆から、カルシウムを小魚類や甲殻類(特に骨も一緒に食べる事ができるもの)などから補給するようにしましょう。もしくはプロテインやサプリメントなどで補給する事も一つの手です。

脂質異常症ってそもそも何なの?

血液中にコレステロールが異常に増えてしまう事を「高コレステロール血症」と言います。特にその内、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールが増える事を「高LDLコレステロール血症」、善玉コレステロールであるHDLコレステロールが逆に減ってしまう事を「低HDLコレステロール血症」と言います。また中性脂肪が異常に増える事は「高トリグリセリド血症(高TG血症)」と言い、これら全てが実は脂質異常症です。

いずれも原因は様々ですが、やはり体内に蓄積した中性脂肪が多く、その脂肪が正常にエネルギー化できていなかったり、あるいは脂肪が脂肪になりきれない事で起こるので、内臓脂肪・皮下脂肪問わず、とにかく脂肪を減らす必要があります。具体的には「糖や蛋白質が脂肪として蓄積する前に消費する」「糖や脂肪の摂取量を管理する」「脂肪の代謝を正常な状態に保つ事(特にω-3脂肪酸とω-6脂肪酸のバランス)」「糖・蛋白質・脂肪の代謝を上げる事(ビタミン・ミネラル・睡眠・運動)」「ホルモンバランスを整える(食事・睡眠・運動・ストレス管理の全てが揃う事)」などが挙げられます。

脂質が酸化する事でできる過酸化脂質とは?

中性脂肪やコレステロールなどが活性酸素などによって酸化させられたものを「過酸化脂質」と言い、これによって脂肪が変性すると、動脈硬化などの原因になると言われています。尚、脂肪酸の中でも「ω-3脂肪酸」と「ω-6脂肪酸」は必須脂肪酸とされており、これらは必要不可欠な脂肪酸です。しかし必須脂肪酸は「多価不飽和脂肪酸」に分類されており、この多価不飽和脂肪酸は酸化されやすく、代謝が崩れた時、過酸化脂質になりやすいと言われています。

特にω-6脂肪酸の方は多くの食品に含まれていて過剰摂取しやすく、逆にω-3脂肪酸は含まれる食品が少ないため不足傾向にあると言われています。要はそのバランスが崩れる事で脂肪が正常に形成されず、余った脂肪酸が過酸化脂質になってしまう事があるのです。ω-6脂肪酸は動物性の食品全般と調味油全般、一方ω-3脂肪酸は青魚と一部の植物性油にしか含まれていないので、食事ではω-6の一部をω-3に置き換えるように考えるとバランスが良くなるでしょう。もちろん脂肪を酸化させないための抗酸化・ストレス管理・睡眠改善なども必要です。特にビタミンA・C・Eは意識的に摂取すべきです。
ちなみにω-6脂肪酸は免疫反応の物質の材料として使われており、ω-3脂肪酸はそれを制御する役割があります。ω-6が過剰になってそのバランスが崩れると、アレルギーや炎症が悪化する事があります。一方、ω-3が過剰になると血が固まりにくくなったり、ω-6が少ない事で免疫力が下がる事があります。どちらか一方を摂取したり制限するのは良くありません。

ニキビは潰すと良い?悪い?

ニキビを潰した際には周囲にある健康な細胞まで傷つけてしまう事があり、それによって皮膚の奥にある細胞まで傷つくと、傷跡としてそのまま残ってしまう事があります。それがいわゆる「クレーター」と呼ばれるものです。一度クレーターになると、通常の洗顔やサプリメントを利用しているだけでは元通りにはならず、美容皮膚科での専門的な治療が必要になります。これは人によります。潰す事でクレーターになる人もいれば、ならない人もいます。なのでニキビを潰して跡が残らない人を基準にして考えてはいけません。

ちなみにクレーターになる前のニキビの状態であれば、保険適用内で治療(クレーターや色素沈着などの治療は美容目的での自由診療となり、非常に高額になる事が多い)を受ける事ができます。ニキビは酷くなる前に治療しておいた方が、後々財布にも優しくなるのですが、この事は一般的にはあまり知られていません。自分の子どもがニキビに悩むのなら、早々に治療を受けさせてあげましょう。

汗疹(あせも)・・・何故起こる?

いわゆる「あせも」は正式には汗疹(かんしん)と言います。汗疹は通常の皮膚炎のような湿疹ではなく、実は汗疹自体は皮膚の炎症ではありません。原因は大量発汗の際に汗腺から上手く汗が出ず、それが皮膚内に漏れ出る事で発症します。皮膚の浅い場所では水疱となり痒みは出ませんが、皮膚の奥で起こった場合には湿疹が伴い、痒みをもたらします。掻きむしれば表面が炎症を起こしたり細菌が増殖する事があり、他の部位に「飛び火(伝染性膿痂疹)」をする事もあります。人によっては浴槽で温かいお湯に長時間浸かる事で体が痒くなる「温熱蕁麻疹(血管拡張作用のあるヒスタミンが漏れ出し特定の場所へ集中する事による)」、あるいは発汗を促す際の刺激によって蕁麻疹が出る「コリン性蕁麻疹(発汗を促すアセチルコリンの刺激によるが、発汗がなくても起こる事がある)」という別の症状が出る場合もあります。

対処法としては「小まめに汗を拭く」「涼しい場所で汗を引かせる」「冷房を使ったまま寝る(睡眠時に無意識下で汗をかくため。ただし直接体に冷気を当てない事)」「患部を冷やす」「敢えて風呂に入って汗腺を開く(ただし長風呂は逆効果)」「風通しを良くする」「通気性の高い服を着る」「弱い市販のステロイド軟膏を塗る(難治性ではないので弱い塗り薬でもすぐに治まる)」等が挙げられます。

ちなみに「痒み」の原因は様々で、異物との接触の他、自分自身がきっかけになってしまう事もあります。汗疹もその代表的な症状の一つで、これは急激な気温・体温の変化と汗の排出が上手くできない事で起こります。更にそれを悪化させるのがストレスなどの心理的な要因、栄養・睡眠不足、血行不良・貧血などです。これらは汗疹に限らず「痒み」を引き起こしやすくし、皮膚疾患を悪化させると言われています。

尚、患部を掻いて赤くなるのは、皮膚の表面近くにある毛細血管が拡張され、血流が増えるからと言われています。その際、強く掻きむしるとその毛細血管が擦り切れ、血液の色がより強く出て赤色になります。場合によっては外へ出血するか、内側に内出血を起こしますが、そうして内出血を起こした場合、皮膚を通す事で青~紫色に見えます。血管内を流れる血液は皮膚が薄いと赤く見え、皮膚が厚いと青く見えるのです。
2018年5月18日金曜日

アレルギーとアトピー・・・何が違う?

人間の体には特定の物質に対して抗体を作り、その物質が体の中に入ってきた時に備える機能が備わっています。それは体を守る「免疫反応」の一つであり、誰もが持っているものですが、特にそれが過剰に起こる事をアレルギーと言います。つまり本来は生物にとって必要不可欠なものですが、それが何らかの原因で過剰に起こると炎症などを必要以上に拡大させ、正常な細胞にまで悪影響を及ぼしてしまう事があります。

アレルギーでよく知られているものは、例えばアレルギー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性胃腸炎、食物アレルギー、蕁麻疹、気管支喘息などが挙げられます。尚、リウマチや円形脱毛症などのような特に自分に対する免疫反応は「自己免疫疾患」と呼ばれています。リウマチや円形脱毛症は「アレルギー」ではありませんが、アレルギーと同じく「免疫反応が過剰に行われた際に起こる症状」なのです。

一方、アトピー(アトピー性皮膚炎)はそのようなアレルギー反応が伴っているか否かには関係がなく、痒みの伴う湿疹・炎症・乾燥の悪化と改善を繰り返す病気の事を言います。アトピーの原因がアレルギーの場合には、その原因となるアレルゲンを除去または避ける事で予防したり、あるいはその場でアレルギー反応を抑える事で解決する事ができます。しかしアトピーの場合はアレルギーが原因とは限らず、その多くで原因が分かっていません。そのため痒みなどの症状を一時的に抑える事しかできず、またアトピー状態になると少しの刺激で過敏に反応するようになるため、「繰り返す」事を防ぐのが中々難しいというのが現状です。

尚、アトピー性皮膚炎を持っている人は「食物アレルギー=アレルギー体質」の場合が多いという特徴があります。皮膚というのはバリア機能があり、前述のように外より入ってくる異物から体を守る役割があります。しかしアトピー性皮膚炎を繰り返している人ではそのバリア機能が低下しており、外界から異物が体内へ入りやすくなっています。食べ物は通常口から入りますが、その食べた手で顔や腕を擦ったりすれば皮膚から体の中に入る事ができますよね。それが繰り返される事で体内に異物が入る頻度が高まり、その異物に対する抗体を作ってしまいます。そしていざその食べ物を食べた際に過剰なアレルギー反応が出る場合があるという事です。

特に幼少期のような免疫機能が未発達な年齢においては、アトピーに限らず皮膚疾患をしっかり治療しておくと、その後の食物アレルギーが出にくくなると言われています。つまり皮膚疾患を治療した事で皮膚のバリア機能が正常に働くため、体内に入ってくる異物の量を抑える事ができ、体内で必要以上に抗体を作らせないようにする事ができます。それが食物アレルギーの予防にも繋がるという訳です。ちなみに皮膚疾患の治療によってアレルギー項目が減少すれば、更に栄養状態を改善する事もできます。特に幼少期の栄養状態は将来的に身長の伸びにも影響する事があるため、自分の子を大きく育てたいのなら、まずは小さい内に皮膚疾患を根本から治療しておくという事が重要になります。

ヘソのゴマを取るとお腹が痛くなる?

赤ちゃんが母親の体の中にいる時にはヘソの緒から血液を貰って成長しますが、ヘソの緒は出産後に人為的あるいは自然に切り離され、その痕として残るのが「ヘソ」です。ヘソの裏側には脂肪や筋肉がないので大きく窪んでいます。そのため垢が溜まりやすく、それが固まったものが「ヘソのゴマ」と呼ばれます。尚、ヘソはお腹の中央にあるとは限りません。人によって上下左右にズレる事があります。もちろんズレても何の問題もありません。

長期間に渡って溜まったヘソのゴマでは匂いの元にもなっている多くの細菌が繁殖しており、衛生的に良いとは言えません。よってヘソを触った手でそのまま食事をすれば、食中毒などに繋がる可能性はゼロではありません。また前述の通りヘソの裏側には脂肪や筋肉がないため、ヘソのゴマを無理に取ろうとすればその刺激が腹痛の原因になったり、稀にヘソにできた傷から菌が入って腹膜炎などを起こす事もあります。その他、胃や腸は精神的なストレスに大きく影響を受けるため、「ヘソのゴマを取ったから腹痛になる」と気にし過ぎると余計に腹痛になりやすくなります。腹痛の由来はこういう所から来ていると思われます。

もしヘソのゴマを取るのであれば、オリーブオイルなどのような植物性の油を綿棒などにつけて優しく取り、その後ヘソの周囲と手を消毒しましょう。またヘソのゴマが溜まらないようにするには、風呂に入る度に周囲を優しく洗う(特に風呂場から出る最後に洗うと良い)と良いでしょう。

「秋茄子は嫁に食わすな」とは?

この迷信の由来はいくつかあり、「秋ナスは美味なので憎い嫁に姑が食わせないようにした説」「秋ナスは種子がないので子宝に恵まれなくなる説」「ナス科は毒性を持つアルカロイドが含まれており過食してはいけない説」「水分量が多く利尿作用があるため母体に良くない説」が挙げられます。

いずれも過食しなければ問題ありません。というよりそもそも過食すればどんな野菜だって何らかの悪い影響が出やすくなるはずで、これはナスに限った事ではないのです。ちなみに同じナス科のジャガイモ(芽や小さいものには含有量が多いので注意)にはソラニンと呼ばれる毒性のある物質(アルカロイド)が含まれていますが、ナスには含まれていません。食べ過ぎは良くありませんが、過度に心配する必要もないでしょう。

夢には何故記憶にないものが出てくるのか?

人間は睡眠時に浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を繰り返しており、レム睡眠は脳が起きていて体が寝ている状態、ノンレム睡眠は脳も体も寝ていて真に全身を休めている状態になっています。この内、夢を見るのは浅い眠りのレム睡眠の時であり、この時には脳内で記憶の整理が行われていると言われています。

しかし夢の中には自分が見た事がないような訳の分からないものが出て来る事もあります。これは「意識せずとも見聞きしたものはしばらく頭の中に残っている」からだと考えられます。意識して見聞きした訳ではない記憶は長時間定着せず、自分の意志で思い出す事はできません。しかし実際には頭の中に残っており、その断片が夢の中で出て来るそうです。また「記憶のピースをかき集めて無理やり表現されたもの」という理由も考えられます。例えば実際に雪山に行った事がない人でも「遭難する風景」を想像する事はできます。何故想像できるのかというと、「気温が低く寒い」「周囲が見えない吹雪」「防寒具」「体力が尽きて倒れる」などのピースをかき集めれば、その風景を再現する事ができるからです。つまり自分の頭でイメージできるものなら、どんなものだって夢に出てくるという事です。

尚、脳の構造は遺伝による影響を受けると言われていますが、例えば絵描きの仕事をしている親の子どもが何の努力もせずに絵が得意になるという事はありません。何故なら脳は特定の行動を繰り返す事によって鍛える事ができるからです。つまり親と同じように小さい頃から様々なものを見聞きした上で、絵を描き続けなければ意味がないのです。一方で「親の持つ後天的な恐怖体験は子どもにも遺伝する(後天的にだけでなく先天的にも)」と言われています。生物は自分の生命に危機が及ぶような体験を回避する事で生き残り、その種が進化してきた結果が今の地球な訳ですから、考えてみれば自然な事です。しかし親が恐怖に対して神経質でもその子どもが神経質になるとは限りません。何故なら恐怖体験は実際に体験しなければ恐怖として記憶されないからです。遺伝子的に頭の中に残っていてそれが「いざ」という時に出たとしても、意識的に取り出して記憶するかどうかは本人の意志次第なのです。

ちなみに睡眠中に見ている夢の中においては、稀に自分の意志で行動をする事ができ、またその内容を隅々まで覚えている事があります。そのような夢の事を「明晰夢」と言います。ただし現在でも明晰夢が見られる明確な条件が分かっていないため、自分で意図的に明晰夢を見る方法はありません。また明晰夢では驚きや恐怖などが脳にとって刺激になりそれが目覚めるきっかけになる他、夢を自覚すると途端に思考が加速し、複雑な事を考えようとするほど脳が活性化するため、勝手に眠りから覚めてしまう事が多いです。よって例え明晰夢を見る事ができたとしても、残念ながらそれを自分の意志で長続きさせる事はできません。

小さい頃から菌に触れさせた方が良い?悪い?

まず菌に触れる触れない以前に、前提条件として「皮膚疾患がない事」というのがあります。皮膚はバリア機能があり、外界からの異物の侵入を防いでいます。つまり皮膚疾患がある状態ではそのバリア機能が低下しており、異物が入りやすい状態になっているのです。その状態で菌に触れれば体の中で必要以上に抗体を作ってしまい、将来的に過剰なアレルギー反応を起こすアレルギー体質・炎症体質の原因になる事があります。よって菌に触れさせる前に皮膚疾患を根本から治療しておく事が重要です。

また皮膚疾患が治療できていない状態では「食べ物を触った手で皮膚に触れない」という事も重要です。前述の通りバリア機能が低下している状態では皮膚からも食べ物の成分が入りやすくなっています。つまりこれから「色んな食べ物を食べて体を大きくしよう」という前の段階で、食べ物の成分が皮膚から入る事で必要以上に抗体が作られてしまい、それが食物アレルギーの原因になる事があるのです。これは子どもももちろんですが、特に様々な食べ物を食べる事のできる親が注意すべき事です。

そして皮膚疾患を治療した後ですが、やはり「特定の菌や成分にばかり触れる事」も避けなければなりません。これも体内で必要以上に抗体を作ってしまう原因になります。食物アレルギーに関しては特にそうですが、好物だからと言って毎日毎日食べ続けると突然発症する事があります。注意しましょう。

食べたらすぐに歯磨きをした方が良い?悪い?

口の中に食べかすなどが残っていると、それを餌に細菌が繁殖しやすくなり、しばらくすると「歯垢(プラーク)」に変わります。しかし歯垢になるためにはだいたい8時間程度かかると言われています。よって食べた後すぐに歯を磨かなくてもさほど問題はありません。

重要な事は「食後に口の中にできるだけ食べ物が残っていない事」です。そのためにはゆっくりよく噛んで食べ物を細かくし、唾液を分泌させてその食べ物を柔らかくする必要があります。人間は噛む事によって唾液を分泌させ、その唾液によって口の中を清潔に保つ事ができます。また細菌の餌となる糖を含まないような飲み物を食事の最後にも飲んだり、小まめに水分を補給して口の中が乾かないようにする(鼻呼吸を意識する事)と良いでしょう。尚、歯垢が石灰化して歯に沈着したものを「歯石」と言いますが、歯石に移行すると通常の歯磨き粉や歯磨きでは除去する事が難しくなります。予防が必要です。

足は何故痺れるの?

足が痺れるのは神経が圧迫される事で機能しなくなるからです。それに加えて周囲の血管では血流障害が起こるため、それが神経を刺激する事で更に痛みが倍増します。稀に寝相で手が痺れる事があります。手の指は足の指よりも神経が密集し細かく枝分かれしているため、よりピリピリとした痛みが出ます。

尚、足が痺れると手で触れても触れられているかどうか分からなくなりますが、これは感覚神経が麻痺しているからです。また足が痺れるといつもより足が重く感じ、自分の意志で上手く動かす事ができなくなりますが、これは運動神経も麻痺しているからです。しかし大抵は一時的なもので数分経てば元に戻ります。
2018年5月17日木曜日

子どものおねしょ、何故するの?何故大人はしない?

何故子どもがいわゆる「おねしょ(夜尿症)」をするのかについては様々な原因がありますが、最も大きく影響していると思われるのが膀胱の未発達です。膀胱は成長と共に大きくなり、尿を溜める事のできる容量が増えていきます。すなわち子どもと大人では昼夜限らず溜める事のできる尿の量が少ないため、無意識下の睡眠時におねしょをしてしまうのです。また子どもでは夜間の尿量をコントロールする抗利尿ホルモンの分泌も悪いため、それによってもおねしょの原因になります。更に悪夢やストレスが重なれば大人でも起こる事があります。

尚、気温が低くなるとトイレが近くなるという事がありますが、これは気温の低い時期では体温が上がりにくく、汗をあまりかかないからです。1日の尿量は1~1.5リットル程度(それを5回前後に分割する)と言われていますが、気温が低くなると汗として体の外へ出る水分の量が減るので、その代わりとして尿の量及び頻度が増える事になります。

爪の状態で病気が分かる?

爪は指先にある皮膚表面の角質が硬化したもので、ケラチンという硬化した蛋白質でできています。指先で何かに触れたり掴んだりした際には指先に大きな力がかかります。爪がない状態では指の甲側に力が逃げてしまい、十分に力を伝える事ができなくなってしまいます。よって裏側には支柱のようなものが必要であり、その役割を持っているのが爪なのです。これは動物の爪にも言える事です。足の指に爪がなければ大きな体重を支えたり力を上手く伝える事ができなくなり、素早い動作を行うどころか指が潰れて変形してしまうでしょう。

人間では子どもと大人では爪の伸びるスピードに違いがあり、年齢が若い方が伸びやすい傾向にあります。ただし大人でも指先をよく使う人ほど伸びるスピードが速くなり、爪も硬くなります。これは前述のように指先に力がかかる事で、それを支えようとするからです。一方、手の指の爪は根本から先端まで伸び切るためには最低でも3ヶ月以上、足の爪では半年以上もかかると言われています。また爪が全て失われた場合、稀に生えて来なくなる事もあります。気がつくと伸びている事が多い爪ですが、実は伸びるスピード自体はそこまで速くなく、大切に扱う(健康管理)べきです。

尚、爪の下には毛細血管が集中しています。そのため「血液の健康状態」による影響を受けやすいという特徴があります。また爪も体調の変化によって色や形、模様などに影響を受けやすく「長期的な健康状態」を知る事ができる場合があります。

簡単な例を挙げると、「爪の下に黒いホクロのようなもの+爪の一部が黒く変色:悪性黒色腫・何らかの病気に伴う色素異常」「爪に横の溝が何本も入る+変色+先端が横へ広がる:感染症・糖尿病等」「爪に細かい凹凸:乾癬・感染症」「爪に縦の溝が何本も入る:老化・胃腸の不調等」「爪に縦線+変色+厚み+脆くなる:爪白癬(水虫)または爪カンジダ」「爪の内側が白っぽくなる:貧血・腎機能障害」「爪の内側が赤っぽくなる:高血圧・多血」「爪の内側が青または紫っぽくなる:冷え・循環器障害」「爪が脆い・薄い・伸びない・小さい・爪の根元の白い部分がない:臓器不調・代謝低下・栄養失調」「巻き爪:甲状腺機能の不調・リウマチ等」があります。ただし素人が安易に決めつけてしまうのは危険です。何か異変があればすぐに病院へ行きましょう。

便や尿の状態で病気が分かる?

便や尿もその時々の体調変化を知る事ができる指標になります。

便について簡単な例を挙げると、「水分が多い:水分過多・カリウム過多・抗利尿ホルモン分泌不全」「ドロドロ:緊張・食中毒・食物アレルギー・消化不良・過食」「水分が少なく一つ一つが大きい:脱水・食物繊維不足・腸内環境悪化」「硬くて小さくポロポロ:ストレス状態・栄養失調」「茶色:濃いほど腸に長く留まっている事を意味する」「白色:感染症・膵機能障害」「黒色:食堂~胃腸内での出血」「赤色:痔・大腸内での出血」があります。ちなみに赤ちゃんが最初にする便の色は緑色ですがそれは正常なので心配する必要はありません。

尿について簡単な例を挙げると、「無色透明・量や頻度が多い:水分過多・カリウム過多・抗利尿ホルモン分泌不全・緊張」「乳白色または排尿時の痛み:感染症等による膀胱炎や尿道炎等」「黄色:平常」「濃い黄色:大量発汗時・脱水等」「排尿時の心拍上昇:自律神経障害」「ピンク色:下剤服用時」「赤色または茶色:臓器不調または特定の薬投与時。即病院へ」「緑色・青色:特定の薬投与時。それ以外は即病院へ」「泡立つ:腎機能障害・肝機能障害、糖尿病等」「アンモニア臭や酸っぱい等臭いがきつい:糖尿病・腎機能障害等」があります。ただしやはり素人が安易に決めつけてしまうのは危険です。何か異変があればすぐに病院へ行きましょう。

何故クシャミや咳が出るの?

人間は口や鼻から空気(酸素)を吸い、また同じく口や鼻から息(二酸化炭素)を吐く事で呼吸しています。しかし空気中にあるのは酸素や二酸化炭素だけではありません。人間にとって異物となる様々なものがあり、呼吸の際にはそれを体の中に入れてしまうリスクがあります。その異物が粘膜にある神経を刺激し、反射的に体の外へ吐き出す機能が「クシャミ」や「咳」なのです。尚、くしゃみや咳はその多くが自動的に行われるものですが、実は無理に止める事もできます。しかし異物を体の外へ出すための機能ですから、無理に止める事は免疫的にあまりよろしくありません。ただし例え異物がなくても脳の命令さえあればくしゃみや咳は起こる事があります。

一方、呼吸をする事によって体の中に入ってしまった異物を外へ出す手段はクシャミや咳だけではありません。例えば鼻ではまず鼻毛が防御手段の一つになります。また粘膜もそれ自体を湿らせておく事で異物を絡め取り、それを鼻水として体の外に出したり、あるいは胃の中で溶かす事で無力化する事ができます。また口ではまず口の粘膜や喉の粘膜が防御手段の一つになります。鼻と同じように粘膜を湿らせて異物を絡み取り、痰などとして体の外へ出します。そこを通り過ぎると今度は胃の粘膜、腸の粘膜も防御手段になり、汗、尿、便としても体の外へ排出する事ができます。

何故アクビが出るの?

アクビ(欠伸)は脳が「眠い状態と起きている状態の境界」にいる時、反射的に起こる呼吸動作と言われています。つまりこれ以上眠くならないよう呼吸をして脳を起こそうとしている動作なので、本当に眠い時には実はアクビは起こりません。むしろ眠気がなくても、例えば極度の緊張状態ではリラックスするために自然とアクビが出てしまう事があります。

ちなみにこれは研究でも明らかになっている事だそうですが、アクビは伝染すると言われています。つまりアクビを見るとどうしてもアクビをしてしまうのです。その原因はまだ分かっていませんが、人間が進化する途上あるいは猿だった頃に集団行動していた際の名残(同じ時間に寝るためのサイン?)という説があります。

何故お腹が空くと音が鳴るの?

何故お腹が減ると「グーッ」という特徴的な音が鳴るのかというと、これは胃の中にある食べ物を腸へ押し出す際の「胃の活動」によるものと考えられます。特に胃の中が空っぽになった際には次の食事に備えるため、胃を活発に動かして残りカスを全て腸へ運ぼうとします。それにより音が鳴るのです。

すなわちお腹が減った状態とお腹が鳴る事は実は全く関係がありません。胃に入った食べ物が胃からなくなるタイミングと、普段食事をする時間(学校や仕事では時間が決められている事が多いため)がたまたま重なっているだけです。