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2018年5月14日月曜日

血液型ってそもそも何?血液型で性格が分かる?

赤血球の表面には250種類以上の表面抗原(細胞の表面に存在する分子の事)があると言われており、その中にはA型抗原とB型抗原と呼ばれる抗原があります。その内A型抗原があるものをA型、B型抗原があるものをB型、両方あるものをAB型、両方ないものをO型と分類でき、この分類こそが「ABO式血液型」と呼ばれるものです。

また血漿(血液中に55%程度含まれる液体で淡黄色。尚、血清は血漿から凝固成分を取り除いたもの)にはそれぞれ抗体が含まれており、A型には抗B抗体、B型には抗A抗体、AB型には抗B抗体も抗A抗体もなく、O型には抗B抗体も抗A抗体も存在しています。これらの抗体が表面抗原に反応(例えばA型に含まれる抗B抗体が、B型に含まれるB型抗原に反応するなど)すると赤血球は集まり固まってしまいます。だからこそ同じ型の血液しか輸血できないのです。

しかし血液型にはこれとは別に「Rh血液型」という分類もあります。赤血球には薄い膜が覆っており、ここにも40種類以上の抗原があります。その内D抗原がある場合をRh陽性(Rhプラス)、D抗原がない場合をRh陰性(Rhマイナス)と呼びます。基本的に輸血の際にはABO型の一致と共にこのRhの型が一致しなければならず、Rhプラスの人にRhマイナスの人の血液を入れるとやはり固まる危険性があります。ちなみにO型には更にボンベイ型といって非常に珍しい型(A型B型AB型にはA抗原やB抗原が付くためのH抗原があるがボンベイにはなく、逆に抗H抗体を持っている)があり、この場合は例えO型とRh型が一致しても同じボンベイの型でしか輸血できません。

さて、このような血液型に関しては「A型は几帳面」というように性格に関係しているとよく言われます。しかし科学的には否定されており、血液型性格分類はむしろ何の根拠もないデタラメと言って良いでしょう。日本人の血液型はAB型(10%)<B型(20%)<O型(30%)<A型(40%)の順で多く、その内Rhプラスは99%以上、Rhマイナスは殆どいないと言われています。つまり「日本人にはA型が多いので几帳面で綺麗好きな人が多い」という事になる訳ですが、日本人に几帳面な人が多いのは小さい頃からの教育や刷り込み(「この血液型はこの性格」と言い聞かされる事も含む)、またその影響に基づく無意識の習慣や癖によるもので、決して血液型によるものではありません。その他だとB型は自己中心的でスポーツ万能、O型は大雑把で社交的、AB型は天才肌などがあります。本当にそうでしょうか・・・まぁこんな事を真剣に考えるべきではないと思いますが(笑)

もしABOの血液型が性格に関係しているとすれば、それぞれの持つ抗原や抗体が影響している事になりますが、それならRhの型に関わる抗原はどうなのでしょうか。何故「Rh型性格分類」はないのでしょうか。それに「血液型の分類(wikipedia)」にもあるように抗原や抗体は様々であり、血液型の分類はABOやRhだけではありません。この抗原や抗体は性格に関係していて、この抗原や抗体は性格に関係していない・・・なんておかしいですよね。それに赤血球はそもそも酸素や二酸化炭素を運ぶためのものであり、赤血球に含まれる分子が脳の神経細胞に広範囲に渡って影響を与え「性格を変える」など普通に考えてあり得ません。

では、血液型による性格の分類が「当たっている」と感じてしまうのは何故かというと、「不特定多数の人間に当てはまるような曖昧で一般的な記述」がある場合、「あたかも自分だけに当てはまるものとして捉えてしまう」事が関係していると言われています。そのような効果を「バーナム効果」と言います。またこの他にも「何かを信じ込んだ時、自分の考え方を肯定する情報ばかり収集するようになる(確証バイアス)」「何かを信じ込んだ時、無意識の内にその通りに行動してしまう事がある」なども関係しています。これらは風水・占い全般に言える事ですね。使い手によっては意図的にそれを狙い、相手を信じ込ませて自分の意のままに操るという使い方もできそうです。意図的でも悪意がなくても私はそれを利用した商売が大嫌いです。

ちなみに血液型によって相手の性格を勝手に判断し、その相手に不快な気持ちを与える事を「ブラッドタイプ・ハラスメント」などと呼びます。例えば「A型=几帳面・綺麗好きのはずだが、この人はA型なのにかなり大雑把で汚らしかった。この人はそういう人間なんだ」というように勝手に相手の性格を決めつけ、自分の想像と違った途端に悪口を言ったり、差別などの不当な扱いをしたりする場合が該当します。見た目と中身が印象と違うという理由だけで不当な扱いを受けるのももちろん不快ですが、そのように一方的な決めつけから不当な扱いを受ける事も不快極まりないですよね。当然トラブルの元になります。無用なトラブルを避けるためにも、占いの類は真に受けるのではなく「一種の娯楽」程度として捉えておいた方が良いでしょう。