水はその温度によって重さが変化し、温かいほど軽くなり、冷たいほど重くなる特徴があります。そのため浴槽内に溜まっているお湯の中で温度の違いが生まれると、温かい水が上の方へ移動し、冷たい水は下の方へ移動します。これが上の方が温かい理由です。
これを踏まえ、水温の上がり方や下がり方を考えてみます。もし水温よりも室温の方が低い場合、水面近くにある温かい水は外気に触れて温度が下がり、浴槽の底の方へ移動します。お湯が冷める際にはそうして自然に水の循環が生まれるので、水温はどんどん下がってしまいます。逆に言えば、水面近くの水を先に冷やした方が効率良く水温を下げる事ができる訳です。
一方、水温よりも室温の方が高い場合、上の方にある水ばかりが温められ、温かい水が水面近くに溜まります。その水面近くに溜まった温かい水はすぐ下にある冷たい水を温め、それによって水温は少しずつ上昇していきます。しかし温かい水と冷たい水の境界付近でしかその循環は生まれないので、浴槽いっぱいの水を全て温め切るためにはかなりの時間がかかってしまいます。よって水を温める際には浴槽の底にある水から熱した方が効率が良い訳です。浴槽の底にある水を熱すると、温まって軽くなった水が自然と上に行き、循環が生まれ、水温を素早く上げる事ができます。
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