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2018年5月24日木曜日

人間はどうして酸素を吸って二酸化炭素を吐くの?

植物は光を浴びる事でエネルギーを作る事ができます。それが「光合成」です。植物は光のエネルギーを利用して水と二酸化炭素から炭水化物を作り、それをエネルギーにして生命活動を維持する事ができます。しかもその植物内に存在する炭水化物は植物以外の生物にとってもエネルギーとなり、様々な生物を育むための食料にもなっています。また光合成の結果として外へは酸素を排出します。生物の多くはこの酸素を利用してエネルギーを作っており、地球上に存在する酸素の殆どは数十億年という非常に長い時間をかけて植物が作り出したものです。

では「植物が太陽光と水と二酸化炭素を利用したのはそもそも何故なのか?」についてですが、それはたまたま当時の地球に光、水、二酸化炭素が適度に存在しており、それを利用した方が効率が良かったからです。実際、植物が大量の酸素を作り出す以前では、現在よりも「酸素を必要とせず、酸素が大量に存在する環境下では生きられない」という生物がたくさん存在していました。それが酸素の発生によって大量に死滅(現在でも酸素を必要としない生物は存在する)し、酸素を利用する生物が繁殖し進化、それが現在までの様々な生物の基礎になったと言われています。つまりもしも地球が光、水、二酸化炭素が適度に存在しない惑星だったら、植物はおろか、それ以降の様々な生物は生まれなかったでしょう。

現に例えば地球とよく似ているとされる金星では、二酸化炭素が大量に存在する事で強力な温室効果が発生し、その影響で水が蒸発した灼熱地獄(400~500℃と言われている)になっています。また火星は地球よりも小さいため、酸素や二酸化炭素などの大気を留めておけるできるほどの質量・重力がありません。たまたま地球が植物が存在する環境に適しており、その植物が作り出した酸素を利用する方法は効率が良かったのです。だからこそ植物以外の様々な生物もその酸素を利用するようになり、人間も酸素を利用しているという訳です。

ちなみに我々にとってなくてはならないこの酸素ですが、現在でも実は人体にとって有害なものです。呼吸によって取り込まれた酸素が体内に入ると、エネルギーを生み出す代謝の過程で「活性酸素」になります。活性酸素は反応性が高く、人間にとって有害な微生物や栄養素等を無害化する免疫機能を一部司っていますが、大量に存在すると自身にとって必要不可欠な細胞や栄養素等まで無害化しようとしてしまいます。それを生物は様々な酵素の働きによってコントロールしているのです。高濃度の酸素が存在する環境ではこの活性酸素による酸素中毒を引き起こす事もあります。