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2018年5月13日日曜日

「豆知識集28」人体に存在する組織の役割・用語等まとめ

この記事では人体に存在するそれぞれの「組織」とそれに関する様々な用語等について簡単にまとめています。相変わらず長文ですが、ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2018/5/13)


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★血管と血液について

●血管と血液について簡単に

・血管の構造について
血管は心臓から排出された血液が勢い良く流れる動脈と、心臓へと戻る血液が流れる静脈があり、どちらも内側から内膜(内皮)、中膜(平滑筋)、外膜の三層構造になっています。特に動脈では自律的に収縮して血液を送るための中膜が発達しており、内膜と中膜及び中膜と外膜の間には弾性組織があります。つまり血管も心臓の脈動に合わせて収縮を繰り返している訳です。また太い血管では大量の血液が流れて大きな圧力がかかるため、それぞれの膜も分厚くなっており、更に中膜と外膜の間には栄養を補給するための栄養血管があります。尚、末端を繋ぐ毛細血管はその多くが内膜のみで構成されています。

尚、血管に関連するサプリメントとしてアルギニンとシトルリンがあります。アルギニンは尿素回路においてアンモニアを解毒する際に使われるアミノ酸ですが、解毒の際には一部のアルギニンからシトルリンと一酸化窒素(「NO」と呼ばれている)が作られます。この一酸化窒素には血管を拡張する作用があり、これによって血管内を流れる血液の量を増やし、末梢の血流を改善する事ができると言われています。また同じく尿素回路に関係するアミノ酸にはオルニチンもありますが、このオルニチンもその一部がアルギニンを作る際に使われています。ちなみに一酸化窒素には抗酸化作用もあると言われていますが、免疫に関与するマクロファージが病原体を捕食する際にも作られ、増え過ぎると逆に低血圧の原因になるとも言われています。

・血液とはどういうものか
血液はその血管内を流れる液体の事で、全身の細胞へ酸素、栄養、水分、ホルモン、体温等を運び、逆に老廃物や二酸化炭素等を、それを処理・排出するための臓器・組織へと運ぶ役割があります。特に血液は血球と血小板、そしてそれらを流動させる血漿成分から構成されています。その内、血球は赤血球と白血球から構成、血漿は血球のような細胞成分が含まれない液体の事で、血漿には水分やその他の蛋白質(アルブミンやグロブリン等)・アミノ酸・糖・脂肪・無機質などが含まれています。

ちなみに母乳も血液から作られていますが、母乳には白血球は含まれているものの、赤血球は殆ど含まれていないため赤くなく、含まれる蛋白質や脂肪の粒子が光を乱反射する事で白く見えます。これは例えば氷は透明に見えるのに削ると白く見えるのと同じ原理です。また涙も血液から作られていますが、こちらは血球が殆ど含まれておらず、ほぼ血液中の水分だけなので透明に見えます。その他、血清は血液から分離された細胞成分(血餅)以外の成分(血漿には含まれる血液凝固因子が含まれない)の事であり、血清と血漿は異なるものです。


●血液の構成について簡単に

・赤血球
赤血球は酸素を運ぶ役割を持つ細胞で「ヘモグロビン」が主成分となっています。このヘモグロビンはミネラルの一種である鉄とグロビンという蛋白質が結合したもので、酸素の多い環境では酸素と強く結びつく性質があります。また酸素の少ない環境、かつ二酸化炭素の多い環境では逆に酸素を遊離する性質もあり、これによって酸素を循環させています。尚、二酸化炭素もヘモグロビンと結合しますが、酸素が結合する場所とは異なる場所で結合します。また二酸化炭素の多くは血液中の水分(血漿)に溶けるので、酸素と二酸化炭素がお互いに場所を奪い合う事はありません。ただし一酸化炭素に関しては酸素よりも強くヘモグロビンと結合するため、これが酸素の運搬を阻害する事があります。

赤血球は非常に新陳代謝が活発で常に骨髄から新しい赤血球が供給されていますが、何らかの原因で赤血球の数が不足したり、あるいはヘモグロビンが正常に機能しない状態になると、いわゆる「貧血」になる事があります。赤血球及びそれを構成するヘモグロビンを作るためには、その材料となる蛋白質及びアミノ酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、鉄、銅、ビタミンC(植物性の非ヘム鉄を吸収しやすい形にする)などが必要です。貧血と聞くと鉄を摂取すれば良いように思いますが、そのように鉄分を摂取するだけでは赤血球を作る事はできず貧血を改善できない事があります。またそのような栄養の摂取だけではなく、そもそも「酸素が必要な状態」でなければ赤血球の合成は活性化されませんから、血液を必要とする「運動」も必要です。

ちなみにですが、より多くの酸素を必要とする筋肉の細胞においては、より強く酸素と結合して多くの酸素を貯蔵する事ができる「ミオグロビン」が酸素を運搬する役割を担っています。実は肉が赤いのはこのミオグロビンによるもので、色鮮やかな赤身肉が「筋肉に良い」と言われる理由になっています。また赤身魚も同じで、酸素を必要とするような環境で生活している魚ほどミオグロビンが多くなり、それによって赤く見えます。一方、白身魚は白く見えますが、これは酸素をあまり必要としないような環境で生活をしているからです。この事から、有酸素系の運動を行っている人では赤身肉や赤身魚、無酸素系の運動を行っている人では白身魚を食べた方が、筋肉の材料として効率が良いと言われています。

・白血球
白血球には顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、単球、リンパ球の5種類があり、この内では好中球が全体の5~7割を占めており、顆粒球という括りで言えば全体の9割以上を占めています。いずれも特定の分子に結合・捕食し、それを無効化する機能があり、免疫機能において非常に重要な役割を持っています。

例えば好中球は特に細菌を捕食して殺菌を行い、感染症を防ぐ、あるいは重症化を抑える機能があると言われています。続く好酸球と好塩基球はアレルギー反応に関与し、好酸球がヒスタミンを不活性にして反応を抑える一方、好塩基球はヒスタミンを活性化させ反応を促進させる(アナフィラキシー・蕁麻疹・気管支喘息等の原因とされる)と言われています。また単球はマクロファージと呼ばれる細胞へと分化し、異物や不要となった老廃物を捕食して消化する機能があります。最後に我々がよく耳にするリンパ球ですが、これは特定の物質に対する抗体を作り、その物質が入ってきた時に集結・攻撃を行う機能があります。

・血小板
血小板は血管に損傷ができた際に活性化し、その損傷箇所へ集まって固まる性質があります。これにより血管を塞ぎ、外部への出血を防いで「血栓」を形成します。その血栓は血液中の成分(血液の凝固に関与する蛋白質:フィブリン等)を固める事で、その周囲にある血小板や赤血球などを更に一緒に取り込んで固め、血栓をより強固なものにします。それが体の外部に形成されたのがいわゆる「カサブタ」と呼ばれるものです。

また血管は中を流れる血液の勢いが強い場所ほど、その内壁を常に健康な状態に保っておく必要があります。つまり動脈では非常に新陳代謝が活発で、この血小板は血管の修復に必要な物質を供給するために常に働いています。しかし何らかの理由でそれが過剰に起こる事があり、それがいわゆる「動脈硬化」と呼ばれるものです。動脈硬化が進行すると大きな血栓ができやすくなり、それが重要な組織の血管を詰まらせる事があります。心筋梗塞や脳梗塞はそうして起こる事があります。

・リンパとは?
リンパ球が多く含まれるリンパ液(血漿成分が主)が流れる場所の事を「リンパ系」と呼びます。リンパ系は様々な組織から流れてきたリンパ液を回収して静脈へ戻したり、あるいはリンパ液が必要な場所へ集合させる役割があります。これによりリンパ液を素早く循環させるのがリンパ系の役割です。

またリンパ系は首の付け根~脇の下~鼠径部~胸の奥中央と繋がっており、所々に「リンパ節」があります。リンパ節は0.2~3cm程度の大きさで豆のような形をしていて、全身に600個程度あると言われています。またリンパ節はリンパ洞とリンパ小節から構成されており、その内、特にリンパ小節においてリンパ球を増やします。またリンパ系はリンパ節以外のリンパ組織も含まれ、例えば扁桃腺、脾臓、骨髄、心臓の前にある胸腺、虫垂なんかもリンパ系に含まれます。

尚、リンパ節がある場所には大抵複数のリンパ節が集合しています。リンパ節が集合している場所を挙げると、例えば耳の後ろや下付近、後頭部の頭の付け根付近、顎の付け根付近、左鎖骨の上部、脇の下、股関節の付け根付近などが挙げられます。腸や気管支など、この他にも多くの場所に存在しています。体の表面から触れる事ができる場所では、例えば風邪を引いた時にはその部分が凝り固まる事があります。




★骨の構造について

骨は人間の骨格を形成するために必要な強固な組織の事で、これがある事で内臓などの柔らかい組織を保護し、その位置を安定化させ、全身のバランスを取る事ができます。また骨はそれを筋肉が引っ張る事で体を動かす事ができ、運動を行う際の重要な支柱になる他、骨と骨の境には運動時にスムーズに骨を動かすための関節が形成されています。大人では全身に約206個の骨があると言われており、それぞれの骨に全て名前がついています。

骨の構造ですが、骨は骨質とそれを覆う骨膜からなっており、骨質は外側の緻密骨(皮質骨)と内側の海綿骨からなっています。その内、緻密骨は層のようになっていて、ここにミネラルが沈着する事で骨の強度を高めています。一方、海綿骨には繊維質のコラーゲンが張り巡らされていて空洞がたくさんあり、この隙間によって骨に弾性を持たせる事ができる他、特に中心部には血液を作り出す骨髄があります。

骨の主成分はやはりミネラルの一種であるカルシウムですが、カルシウムはそのままの形では存在せず、実際に骨へ使われているのは同じくミネラルであるリンとカルシウムが結合したリン酸カルシウムです。その他のミネラルではマグネシウムが多く含まれている他、微量としてケイ素やマンガンなども使われています。尚、カルシウムの吸収を促す際にはビタミンDやビタミンKも関係しています。つまり骨はカルシウムだけで作る事はできません。

骨の両端に関節がある場合、その表面には通常の骨よりも柔らかく弾力性に富んだ軟骨が存在します。よく言われるのが「軟骨は自然には再生しない」という事です。これは軟骨には血液やリンパが通っていないからですが、関節内の空洞は滑液と呼ばれる液体で満たされており、この滑液が関節を覆う「滑膜」から分泌される事で軟骨へ栄養を補給しています。特にこの滑液は加齢によって粘度や分泌量が減るため、だからこそ年齢を重ねると軟骨がすり減ると言われています。しかしながら滑液を分泌する滑膜へは血液を通して栄養が送られるので、血流を促してあげれば軟骨の修復も促されると考えられます。もちろんそれには関節付近の毛細血管の数を増やすような運動習慣、及び関節を動かす事によるポンプ作用が重要になり、その上で摂取する栄養や睡眠も改善が必要です。尚、軟骨にはヒアルロン酸、コンドロイチン、グルコサミン、コラーゲン等が存在しますが、それらを摂取しても分散してしまい、軟骨だけに届けるのは困難です。それよりは「体のシステムを正常化する」事を考えましょう。

ちなみに骨折では当然痛みを感じますが、治療の際に骨へプレートやボルトを埋め込んで固定しても痛みを感じません。これは何故かというと、骨質には痛みを伝える神経が存在しないからです。しかし骨質を覆う骨膜やその周囲には神経が密集しているので、そこを損傷する事では大きな痛みを伴います。




★筋肉・腱・靭帯について

●筋肉とは?腱とは?

腕や足などに存在する筋肉は「横紋筋」と呼ばれており、自分の意志で収縮させる事ができます。一方、内臓や血管を動かすための筋肉は「平滑筋」と呼ばれ、自分の意志では動かす事ができず、自律的に収縮します。例外として心臓の筋肉(心筋)は横紋筋ですが、自分の意志では動かす事ができず、自律的に動く事ができる機能を持っています。

腕や足などに存在する筋肉ではその両端に「腱」と呼ばれる硬い組織があり、それが骨と繋がっています。つまり筋肉が収縮すると、それに繋がっている腱が骨を引っ張る事で骨及び関節を動かします。例えば膝の関節では太ももの表側にある大腿四頭筋(大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋)という筋肉が、膝のお皿(膝蓋骨)及びお皿の下側にある膝蓋腱(膝蓋靭帯)を通し、その下にあるスネの骨(前脛骨筋)を引っ張る事で、膝から下の骨が動き、膝を伸ばす事ができます。

●筋肉の構造について

筋肉の最小単位は「ミオシン」と「アクチン」という細胞の一種で、このミオシンとアクチンはそれぞれ「フィラメント」という線状の蛋白質を構成しています。アクチンフィラメントは「Z膜」という膜で区切られており、膜の両端から中央に向かって何本も平行に伸びています。その間をやはり平行に並んでいるのがミオシンフィラメントで、2つのアクチンフィラメントの先端に挟まれる形で1つのミオシンフィラメントの先端が繋がっています。つまりミオシンフィラメントは左右の先端をアクチンフィラメントに引っ張られており、このアクチンフィラメント・ミオシンフィラメント・アクチンフィラメントという一つ一つの区切りの事を「筋節(サルコメア)」と呼びます。

筋節はたくさん横並びする事で「筋原繊維」を構成します。またその筋原線維が束になったものが「筋線維(筋細胞)」、その筋線維が束になったものが「筋線維束」、更にそれが束になって「筋肉」を形作っています。このように筋肉は非常に密な構造をしているのです。尚、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントは重なった部分と重なっていない部分があります。フィラメントは規則的に並んでいるため、重なった部分は色が濃く、逆に重なっていない部分は色が薄く見えます。つまり見た目として縞模様に見えるため、これが「横紋筋」の由来になっています。

ちなみに個々の筋線維は筋鞘に、筋鞘の外側すなわち筋細胞全体は筋内膜に、それが束になった筋線維束は筋周膜に、それが束になった筋肉は筋外膜という薄い膜に覆われています。その外側には更に深筋膜と浅筋膜があり、この浅筋膜が皮膚組織(皮膚も何層もの層になっている)のちょうど下に位置しています。最近では「筋膜リリース」という言葉がありますが、おそらくこれらの膜(特に筋肉の外側に位置する膜)の事を指しているのでしょう。

また筋線維には大きく分けると2つの種類があると言われています。それが「速筋線維(速筋)」と「遅筋線維(遅筋)」です。「速筋」は簡単に言えば瞬間的に大きな力を発揮する事のできる筋線維、「遅筋」は持久的に力を発揮し続ける事ができる筋線維で、それぞれ役割が異なります。ただし実際には速筋と遅筋の両方の要素が混ざり合った「中間筋」もあるとされており、速筋と遅筋ではそこまで厳密に役割分担をしている訳ではありません。速筋・遅筋及び無酸素運動・有酸素運動については、こちらの「体質を変えるための運動術」にもまとめてあるので、そちらをご覧下さい。


●筋肉を動かすための神経

筋肉を動かすための神経は脳→脊髄→筋肉へと繋がり、筋線維内にある筋原線維一つ一つに細かく枝分かれしています。神経の末端からは「アセチルコリン」という神経伝達物質が分泌され、それを筋鞘にある受容器で受け取ります。そしてアセチルコリンの濃度が高まると、それがスイッチとなって筋原線維を覆う「筋小胞体」と呼ばれる袋状の膜からカルシウムイオンが放出されます。アクチンフィラメントの周囲にはアクチンとミオシンの結合を管理するトロポニンやトロポミオシンと呼ばれる蛋白質があり、ここにカルシウムイオンが結合する事でトロポニンやトロポミオシンの構造が変化し、抑制がなくなってアクチンとミオシンが近づきます。これによって前述した筋節(サルコメア)が縮み、それに伴って筋肉全体が収縮します。

一方、収縮が終わると逆にカルシウムイオンは放出され、筋肉は弛緩します。筋肉や腱が伸ばされると、線維に並んでいる筋紡錘や腱紡錘と呼ばれる受容器が刺激され、「筋肉が伸ばされた」という事を自動検知し、それを感覚神経へと伝えます。これにより「筋肉が伸ばされ過ぎないように管理(つまり筋肉や腱を勢い良く伸ばすと意識を伴わず反射的に収縮する)」する事ができ、これを伸張反射と言います。ちなみにカルシウムが放出される際の調節にはマグネシウムが、また収縮や弛緩の調節にはカリウムやナトリウムも必要になります。いわゆる「攣る」のはこういったミネラル不足が原因の一つとして考えられます。

しかしながら意外に思うかもしれませんが、筋肉そのものには「痛覚」を伝える神経はありません。つまり筋肉自体が損傷しても痛みを感じないのです。ただし筋肉を覆う筋膜やその周囲、あるいは骨を覆う骨膜には痛覚を伝える神経があるので、そこに刺激が与えられると痛みを感じる事になります。例えば「肉離れ」のような怪我では、筋肉だけでなく筋膜やその周囲にある様々な組織が一緒に裂けて傷ついているので痛みを感じますし、骨を引っ張る際に腱と骨との結合部分が傷ついたり、筋肉や腱が骨が擦れればどちらかに痛みが出る事はあります。尚、筋肉は血管が多いため、損傷が激しいと内出血を引き起こしますが、血管が多いという事は血液が送られる量も多いので、その分、神経や靭帯と比べれば治りやすくなっています。

では、筋肉痛は何故痛みを伴うのかというと、筋肉痛による痛みはトレーニング時に作られた様々な物質がその場所に蓄積し、それが筋膜やその周囲にある神経を刺激する事で起こると言われています。筋肉痛と聞くと筋肉に損傷が起こり、それによって炎症を伴っているから痛いのでは?と思ってしまいますが、通常のトレーニングではそこまで大きな損傷及び炎症は起こらないとされています。またトレーニング以前を上回るようにして筋肉が大きくなるのも、与えたストレスに対する防衛反応です。効率良く筋肉を大きくするには大きなストレス(負荷)をかける必要があるため、そのようなトレーニングでは筋肉痛になりやすいですが、例え筋肉痛にならなくとも筋肉は大きくしていく事ができます。必ずしも筋肉痛=筋肉の成長ではありません。


●腱の構造について

例えば上腕の骨(肘~肩まで)の両端には前腕の骨(手首~肘まで)と肩の骨があり、それぞれの節に肘の関節と肩の関節があります。このように骨の両端に別の骨があってそこに関節がある場合、筋肉はその両端が結合組織(筋内膜がコラーゲンに移行し、骨との結合部分では腱が骨質に入り込んでいる)となって骨に結合しています。その組織の事を「腱」と呼びます。つまり上腕の筋肉(上腕二頭筋)では前腕の骨へ繋がる部分が腱組織となり、肩の骨へ繋がる部分が腱組織となっており、上腕の筋肉が収縮すれば、それが腱を通じて前腕の骨を引っ張る事で肘が曲がります。

また腱はそのように主にコラーゲンでできており、硬いバネのような弾力性があります。自分の意志で伸び縮みさせる事はできませんが、この弾力性により、筋肉が勢い良く収縮して骨を引っ張った際に腱が少しだけ伸び、その伸ばされた時の勢いで少しだけ縮んで、筋肉の力を効率良く骨へ伝えています。ちなみに、前述のように筋肉や腱には「勢い良く伸ばされた時に反射的に縮もうとする機能」があります。これは筋肉や腱が壊れないように守る意味があるのですが、その勢いを利用する事で意識的な筋肉の収縮は最低限で済み、無駄な力を使わず効率良く関節を動かす事ができるようになります。アスリートではそのようなトレーニングを行う事で能力向上に繋がる可能性があります。

●靭帯とは?

靭帯は骨の位置を安定化させる役割を持つ組織の事で、骨と骨を繋いで関節を形作っています。筋肉とは違って自分の意志で伸び縮みさせる事はできませんが、腱よりも更に硬く強靭な結合組織(コラーゲン)からできており、関節の可動域をコントロールし、過度に曲げたり伸ばしたり、あるいは曲がってはいけない、伸びてはいけない方向へ動いてしまわないように防いでいます。

しかし硬いが故に、靭帯は伸ばされるストレスが蓄積する事によって少しずつ伸ばされていき、伸びた状態が長期間続くと元に戻らなくなります。例えば長時間正座をする生活習慣を何年も続けていた場合、年月が経つほど膝の靭帯は伸ばされ、太ももの骨やスネの骨の位置が不安定になり、膝の関節が緩く(骨と骨の間隔が狭いまたは広い)なっていきます。その状態で膝を動かすと、その度に骨や靭帯、腱が擦れ合って炎症を起こし、それが蓄積すれば骨も変形していく可能性があります。年齢を重ねた人ほど膝に違和感が出やすかったり、膝以外では肩の脱臼癖や足首の捻挫癖が治りにくいのはこのためです。予防が基本(毎日の適度な運動により靭帯周囲の血流を促し、栄養をできるだけ送るよう心がける)であり、違和感に耐えられないのであれば、できるだけ早い時期に治療してしまった方が良いかもしれません。

尚、靭帯は筋肉や腱とは違って殆ど血液が通っていません。そのため自然に治る事は殆どなく、断裂や重度の損傷では基本的に手術(移植や縫合)となります。部分的な軽度の断裂では病院によっては保存療法を行う事も多いのですが、筋肉や腱と比べると非常に治りづらい上、前述のように伸ばされた状態が長期間続くと別の怪我に繋がるリスクが高まるだけです。また靭帯には実は痛みを感じる神経もありません。例えば捻挫した際の痛みはその周囲にある組織が損傷、及び炎症を起こす事によって起こる痛みです。よって例え炎症や痛みが治まったとしても、実際には靭帯が伸びたまま元に戻っていない、あるいは靭帯の損傷が治っていないなんて事が結構あり、その状態で運動をしたりする事でいわゆる「癖」に繋がります。単なる「靭帯が伸びた」「捻った」程度の捻挫でも決して甘く見るべきではありません。




●神経とは?

神経は脳から発せられた電気信号を伝えるための組織の事です。脳や首~腰(背骨)にかけては「中枢神経」があり、脳から送られた電気信号はまず背骨にある脊髄に行き、そこを中心として各所へ枝分かれしていきます。そうして各所に枝分かれした神経の事を「末梢神経」と言います。

特に様々な神経の元となる神経細胞の事を「ニューロン」と呼びます。ニューロンは多数の突起(樹状突起)を持つ神経細胞体、その中心にある核、その細胞体から繋がる軸索、その先端にある軸索終末から構成されています。電気信号は樹状突起→細胞体→軸索の順で伝わり、最後に軸索終末から次のニューロンへと伝わります。それを逆流させる事なく繰り返す事で指先まで電気信号を送る事ができているのです。また末梢神経はニューロンを覆う神経線維鞘、それを覆う神経内膜、それが束になり神経周膜で覆われた神経線維束、更に複数の神経線維束と血管、それらをまとめて覆う神経上膜から構成されています。

脳や脊髄にある中枢神経は一度損傷すると二度と元には戻りません(脳では他の正常な部分で機能を代替する事はできる)が、そこから枝分かれした末梢神経では仮に損傷しても修復する事ができます。ただしそれには「細胞体が完全に損傷していない」「損傷箇所が短い」という事が条件で、例え修復可能な末梢神経でも細胞体まで傷ついたり、損傷箇所が長い場合には自然に修復する事が厳しくなります。これは神経細胞には細胞分裂を行う能力がないからです。そのため神経が断裂した場合は基本的には手術が必要(変な場所に繋がってしまうこともあり得るため)になり、また修復を行う際にも非常に長い時間をかけ、細胞体から軸索が伸びていくのを待つ形になります。

ニューロンとニューロンの間は隙間が空いており、軸索の終末まで電気信号が来ると先端から神経伝達物質が分泌され、それを樹状突起にある受容器で受け取る形になっています。例えば筋肉を動かす際にはアセチルコリンというホルモンが分泌されますが、受容器はその刺激をきっかけに外部のナトリウムイオンを取り込んで電位を変化(元々は外部がプラス・内部がマイナス→外部がマイナス、内部がプラスになる。ちなみに通常内部にはカリウムイオンがあり、このカリウムが内部にあるナトリウムを排出する)させ、電位を変化させていない部分との電位差を利用して電気信号を作り出し、それを後ろへ送ります。そうして前述のように逆流する事なくニューロン内を電気信号が通ります。

ちなみに右脳は左半身、左脳は右半身を管理していますが、これは運動の命令が通る延髄(脳の下側に位置し大脳皮質→脊髄と電気信号を送る)内にある「錐体(より細かな各部位の調節は錐体を通らない)」内において神経が交差しているからです。何故わざわざ交差する必要があるかについては様々な説がありますが、例えば魚の場合、左から来た敵から素早く右へ逃げるためには、左脳が右半身を管理していなければできませんよね。おそらくそれが元になっていると考えられます。




●皮膚の構造について

皮膚は角質層・顆粒層・有棘層・基底層からなる表皮と、その下の乳頭層・乳頭下層・網状層からなる真皮、そしてその下の脂肪を含む皮下組織から構成されています。皮膚では主に表皮と真皮が接する基底層において新しい細胞が作られ、それが有棘層→顆粒層→角質層と順に上がってきます。最後の角質層はそうして作られた細胞が機能を停止し分厚くなったもので、一番表面にある古くなった細胞から自然と剥がれ落ちます。このサイクルの事を「ターンオーバー」と呼び、個人差は大きいですが、全ての細胞が新しくなるまでには最低でも1ヶ月程度かかると言われています。つまり強く体を洗ったり、何度も顔を洗ったからと言って、すぐに肌が綺麗になる訳ではないのです。

皮膚に触れた際の感覚を伝える神経は有棘層まで伸びているので、角質層が分厚くなればなるほど皮膚に触れた際に得られる感覚は弱くなります。また毛細血管は真皮及びそのすぐ上にある表皮の基底層までしか到達していないため、出血を起こす場合には表皮だけでなく真皮やその下の組織が傷ついている事になります。尚、毛を作るために必要な毛母細胞もその真皮内にあり、毛を通すための穴が表皮に到達し、その途中に皮脂腺があるという形になっています。毛母細胞には血液を通して栄養が送られているので、無理に毛を抜くと出血を起こしたり、周囲の真皮が傷ついてしまう事があります。ニキビが傷跡として残りやすいのも毛穴の奥が真皮で、そこが深く傷ついてしまうからです。

表皮にある細胞は主にケラチノサイトという細胞で作られた、繊維状の蛋白質であるケラチンで構成されています。上層ではそれを脂質(セラミド、コレステロール、遊離脂肪酸等が絶妙な比率で)が取り囲むような形になっており、これが外から異物が入らないようにするバリアの役割を果たしています。また脂質つまり油は水に溶けませんが、水を取り囲む事で水分を保持する事ができます。脂質のある角質は薄いのですが何層にも重なっているため、皮膚の潤いやハリにはこの脂質が非常に重要と言えます。脂質と聞くと太るイメージを持ちますが、過度な脂質の制限は肌荒れの原因になります。

また同じく表皮ではメラノサイトからメラニンが作られ、これが真皮及びその奥にある様々な細胞を紫外線から防御する機能を持っています。更に表皮ではエルゴステロールも作られており、これが紫外線に当たる事でビタミンDが作られます。他、真皮にはよく聞くコラーゲンやそれを支えるエラスチン、そして水分を保持するヒアルロン酸も存在します。ただしそれらは基本的に真皮内の血管から補給されるもので、肌の上に色々塗りたくっても真皮には殆ど届かず、期待したほどの効果は得られません。ニキビ跡が治らないのもこのためで、治すには特別な治療が必要になります。