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2018年5月14日月曜日

どうして温度や痛みを感じる事ができるの?

指先で何かに触れた際、「長時間触れる事ができないほど熱い」「温かい」「ひんやり冷たい」「長時間触れる事ができないほど冷たい」というように温度を感じる事ができるのは、皮膚の表面にある感覚神経によるものです。この皮膚に触れる感覚の事を一般的に「触覚」と言います。ただし例えば皮膚の表面をペン先で軽く突いてみると、「痛い」と感じる場所もあれば、「押された」とだけ感じる場所、「熱い」と感じる場所、「冷たい」と感じる場所というように、同じ押し方でも場所によって違う感覚があるという事が分かります。つまり「痛い」「温かい」「冷たい」などと感じる神経は別々に存在し、それぞれが皮膚の表面に広く散らばっているのです。

またそのような皮膚表面から得られる情報を総合的に判断し、自分の体温との差を感じる事で「周囲の気温」や「自分の体温の変化」という広い範囲の温度を把握する事ができます。これを「体感温度」と言います。それに基づいて人間は体温調節(体温が高くなったら血管を拡張させて汗をかく、低くなったら血管を収縮させて体を震わせる等)を行っているのです。ちなみに体感温度は個人差が大きいのはもちろん、日によっても大きく変わります。皮膚を覆う水分・湿度・気圧、皮脂の量、服装、風、太陽光の強さ、その日の体調などにも影響を受けます。

更に、温度に対する感覚はそれに関する記憶と強く結びついています。例えば加熱調理中のフライパンは当然熱いですが、それが熱いという事を知らない子どもは安易に触れてしまう事があります。しかし例え「フライパンが熱い」という事を知らなくても、一度不意にでも触れる事があればそれが「熱い」という事を学習する事ができ、以降は注意して扱うようになるはずです。また子どもが触れる前の段階で周囲があらかじめ「熱い」「危ない」と教えていれば、火傷などを未然に防ぐ事ができるようになります。そのように温度に対する記憶がある事で自分の身を守る事ができるのです。「恐怖」と同じく、防衛本能の一つだと言えると思います。

尚、年齢と共に皮膚表面にある角質層は分厚くなる他、手の平や足の裏などでは圧力をかける習慣があるほど皮膚は分厚くなっていきます。例えばお相撲さんの手の平が分厚いのは硬い柱に向かって毎日ツッパリをする練習をしているから、足の裏が分厚いのはその大きな体で毎日四股を踏んでいるからです。そうして皮膚が分厚くなると神経への刺激も抑えられ、次第に熱さや冷たさ、痛みなどの感覚を感じなくなっていきます。つまり単純に熱や痛みに強くなる訳です。ただし皮膚への刺激がある人ほど神経自体も発達しているはずなので、むしろ刺激を細かく分類する事ができるようになります。一方、年齢を重ねた人では新陳代謝が衰える事が理由で皮膚が厚くなり、神経への刺激が弱くなります。また神経自体も衰えているはずなので、感度も落ちてしまいます。

ちなみに角質層に存在する細胞の多くは活動を停止した古い細胞(ケラチンという蛋白質)で、それを取り囲むように脂質(セラミド、コレステロール、遊離脂肪酸)が存在します。特にダイエットをしている人では脂肪に対して強く嫌悪感を覚える人が多いですが、皮膚の健康を保つためにはその材料となる蛋白質や脂質、そしてその代謝に関わるビタミンやミネラルが必要不可欠なのです。またコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸は表皮の奥にある真皮に多く存在します。そのコラーゲンをアミノ酸から合成する時にビタミンCが使われます。シワができるのは真皮に存在するそれらが失われて、弾力性が損なわれるからです。それを補給するために保湿液などを塗りますが、真皮は角質層に隠されているため、角質層の表面に塗りたくっても効果は微々たるもの(ただし吸収されやすいもの、されにくいもの、全くされないものがある)です。