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2018年5月28日月曜日

天然由来の成分=健康に良い・・・本当?

例えば天然に存在する「糖」を考えてみましょう。糖は細胞を動かすためのエネルギーとして必要不可欠なものであり、心身を健康にして生き続ける上ではなくてはならない栄養素の一つです。しかし最近では「悪さをする」事ばかりが取り上げられ、厄介者扱いをされています。

確かに消費し切れないような大量の糖を摂取すれば、体に悪いのは言うまでもありません。しかしそれは糖だけに限った事ではないはずです。例えば食物繊維。食物繊維は便通改善など腸内環境を整えてくれると言われていますが、消化酵素で分解できず、大量に摂取した場合、逆に消化不良を起こしてしまう事があります。またそもそも食物繊維は殆どエネルギーにならないため、摂取エネルギーが消費エネルギーを下回り、省エネ体質になりやすくなります。それにより糖や脂肪などのエネルギーを節約し、筋肉など余計にエネルギーを消費する組織の成長を抑えるため、基礎代謝が低下する可能性があります。つまり過剰摂取すれば食物繊維も「体に悪いもの」になり得るのです。

極端に言えば水だってそうです。人間の腎臓は毎分15ミリリットル程度、毎時1リットル近くの尿を排出しています。つまりこの排出量を上回るような大量の水分を摂取した場合、排出できなかった水分から体に溜まってしまう事になります。すると細胞の外側にある水分量が増加して薄くなり、浸透圧(濃度の濃い方から薄い方へ流れるが、濃度の薄い方から圧をかけると流れが止まる)が大きく低下、正常な水分代謝及び物質の移動(ナトリウムが排出できなくなる等)ができなくなる事があります。その結果、血圧が高くなったり、浮腫が起こったり、臓器の機能も低下します。つまり水だって過剰摂取すれば「体に悪いもの」になり得るのです。

すなわち天然だろうが人工だろうが、どんなものにも健康を害する可能性はある訳です。「天然=健康」とは限りませんし、「人工=悪」とも限りません。重要なのは「人体にとって必須の栄養素は何なのか」と「その栄養素の自分にとっての適切な摂取量はどの程度なのか」であり、それを管理する事ができるのであれば、「天然由来(オーガニック等)」や「人工(加工食品)」にそこまで過敏になる必要はありません。間違っても「天然=健康に良い!」なんて極端な考え方はすべきではありません。そういう考え方をしている時点で思考が止まっています。