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2018年5月14日月曜日

何故音は聞こえるの?

発せられた音はその周囲にある空気の振動によって順番に伝わっていきます。その振動を人間はどうにかして音だと認識しているのです。ではどのようにして音として認識しているかを簡単に説明します。

生まれた振動はまず耳の外側にある「耳介」に当たって中心へと集められ、それが耳の穴を通って奥にある「鼓膜」を振動させます。この耳の入口~鼓膜までを「外耳」と言います。しかし鼓膜を振動させるだけでは細かな音を判別する事ができません。より細かな音を判別するために、今度は鼓膜の奥にある「耳小骨(槌骨→砧骨→鐙骨と3つの骨を順に)」という骨へ振動が伝えられます。この鼓膜~耳小骨の事を「中耳」と言います。更に、中耳の奥には「三半規管」「前庭」「蝸牛」で構成された「内耳」があり、この内、振動は蝸牛に満たされているリンパ液へと伝えられます。特に蝸牛は渦巻状になっていて内部の表面の膜に有毛細胞があり、それを細かく振動させる事で音を細かく判別し、その刺激によって電気信号へ変換します。そうして電気信号は神経を介して脳へと運ばれ、脳で処理する事でようやく音として認識する事ができるのです。

ただし例外はあって、例えば自分の声を録音して後で聞いてみると自分が思っている声と違う事が多いですよね。これは自分の声は首の骨、喉や顔の筋肉、鼻や口などの空間、頭・顔の骨、皮膚、脳など体の内部を振動してから耳に入るからです。またそれらの振動は体の外にある空気も振動させます。体の外から発せられる他人の声は周囲の空気しか振動させませんが、自分の声に関しては体の中の振動と体の外の振動、すなわち2つの別々の振動が合わさって自分の声として認識されるので、自分で認識する声とは大きく異なる場合があるのです。その他、音が実際に鳴っていなくても何らかの理由で鼓膜や音を受け取る器官が振動すると音として認識される事があります。これが「耳鳴り」です。

尚、内耳にある前庭は重力(方向や強さ)や直線加速度(直線的に体を動かした際の速さを認識する)を情報として伝える他、三半規管は回転加速度(体を回転させる方向やその速さ)を情報として伝えています。これによりいわゆる「平衡感覚」が得られ、ここが狂うと耳鳴り、目眩、乗り物酔いなどを起こす事があります。また「平衡感覚=三半規管」という印象が強いですが、平衡感覚は内耳から得られる情報はもちろんの事、視覚から得られる情報、皮膚から得られる情報、筋肉や関節の動きから得られる情報などを脳が総合的に判断する事で得られる感覚の事です。

ちなみに耳垢は外耳の壁にある耳垢腺より出る分泌物、表面の皮膚、空気中のゴミが混ざったものです。耳垢が蓄積して穴を詰まらせれば当然聴力を低下させますから、耳掃除は定期的に行う必要がありますが、強く行うと壁を傷つけてしまい、逆に聴力低下の原因になる事があります。また外耳の皮膚は循環しており、内側から外側へ新しく移動していく性質があります。それに伴って耳垢も移動するため、奥に溜まる事はありません。よって実は耳掃除は奥まで行う必要がないのです。それとどうでも良い情報ですが、耳垢の性質(乾燥しているか湿っているか)は遺伝による影響を受けるそうです。