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2018年5月24日木曜日

人間はどうして言葉を話せる?声が出せる?

人間が声を出し、言葉を発する事ができるのは「二足歩行」が関係していると言われています。二足歩行をした事で声道(音が通る道の事で、喉頭、咽頭、口腔、鼻腔からなる)が長くなり、声道にある各器官を動かす範囲が広がった事で多種多様な声を出す事ができるようになったのです。もちろんそれには「他者との意思疎通の必要性」も関係しています。我々の祖先は個人での行動よりも集団での行動の方が大きな事ができるという事を学習しました。集団での行動ではその集団が大きいほど複雑な意思疎通が必要になり、その環境に適応するために言葉を使うコミュニケーション能力が発達したのです。また複雑に動く声道をコントロールしているのは脳ですが、これも二足歩行によって支える事のできる脳の重量が増え、言語に割く事のできる容量を確保できた事も大きく影響しています。人間以外の動物の脳では言葉に割く余裕がないのです。

声を発する際には「声帯」と呼ばれる膜に息を当て、それを振動させる事で音を発しています。例えば声帯は強く緊張させるほど振動しにくくなり、響きがなくなって力んだ声(いわゆる喉声)になります。また吐き出す息の量が多いほど声帯の振動、すなわち声も大きくなりますが、息が必要以上に多いと声帯を緊張させて維持する必要が出て来るのでやはり喉声になりやすくなります。逆に声帯を開いていくと裏声のような掠れた声、息が漏れた声になります。その状態では声帯を脱力させる事はできますが、脱力させ過ぎると今度は声帯が緩み、振動しにくくなってしまいます。つまり聞こえの良い大きな声を発するには「脱力した状態でピンと張っている声帯に適切な量の息を当てる」事が重要だと思われます。

尚、声帯から発せられた音は声道にある各器官(鼻腔など)に反響させる事で音を大きくする事ができます。これを「共鳴」などと言います。我々素人では声を大きくするために息の量を増やそうとしますが、それだと簡単に声帯を痛めてしまいます。それが「声が枯れる」という事です。プロの歌手や声優ではその反響を上手く利用する事で、喉にとって負担とならないよう楽に大きな声を出しているのです。また敢えて反響させる場所や強さを変えたり、口の中・唇・舌の形によって更に多種多様に音を変える事ができます。これにより人間は言葉を話す事ができ、声に個性が出るようになります。声を仕事としている人はそれらを自在にコントロールする能力に優れており、だからこそあれだけ多種多様な声を出す事ができるのです。