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2018年5月18日金曜日

夢には何故記憶にないものが出てくるのか?

人間は睡眠時に浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を繰り返しており、レム睡眠は脳が起きていて体が寝ている状態、ノンレム睡眠は脳も体も寝ていて真に全身を休めている状態になっています。この内、夢を見るのは浅い眠りのレム睡眠の時であり、この時には脳内で記憶の整理が行われていると言われています。

しかし夢の中には自分が見た事がないような訳の分からないものが出て来る事もあります。これは「意識せずとも見聞きしたものはしばらく頭の中に残っている」からだと考えられます。意識して見聞きした訳ではない記憶は長時間定着せず、自分の意志で思い出す事はできません。しかし実際には頭の中に残っており、その断片が夢の中で出て来るそうです。また「記憶のピースをかき集めて無理やり表現されたもの」という理由も考えられます。例えば実際に雪山に行った事がない人でも「遭難する風景」を想像する事はできます。何故想像できるのかというと、「気温が低く寒い」「周囲が見えない吹雪」「防寒具」「体力が尽きて倒れる」などのピースをかき集めれば、その風景を再現する事ができるからです。つまり自分の頭でイメージできるものなら、どんなものだって夢に出てくるという事です。

尚、脳の構造は遺伝による影響を受けると言われていますが、例えば絵描きの仕事をしている親の子どもが何の努力もせずに絵が得意になるという事はありません。何故なら脳は特定の行動を繰り返す事によって鍛える事ができるからです。つまり親と同じように小さい頃から様々なものを見聞きした上で、絵を描き続けなければ意味がないのです。一方で「親の持つ後天的な恐怖体験は子どもにも遺伝する(後天的にだけでなく先天的にも)」と言われています。生物は自分の生命に危機が及ぶような体験を回避する事で生き残り、その種が進化してきた結果が今の地球な訳ですから、考えてみれば自然な事です。しかし親が恐怖に対して神経質でもその子どもが神経質になるとは限りません。何故なら恐怖体験は実際に体験しなければ恐怖として記憶されないからです。遺伝子的に頭の中に残っていてそれが「いざ」という時に出たとしても、意識的に取り出して記憶するかどうかは本人の意志次第なのです。

ちなみに睡眠中に見ている夢の中においては、稀に自分の意志で行動をする事ができ、またその内容を隅々まで覚えている事があります。そのような夢の事を「明晰夢」と言います。ただし現在でも明晰夢が見られる明確な条件が分かっていないため、自分で意図的に明晰夢を見る方法はありません。また明晰夢では驚きや恐怖などが脳にとって刺激になりそれが目覚めるきっかけになる他、夢を自覚すると途端に思考が加速し、複雑な事を考えようとするほど脳が活性化するため、勝手に眠りから覚めてしまう事が多いです。よって例え明晰夢を見る事ができたとしても、残念ながらそれを自分の意志で長続きさせる事はできません。