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2018年5月28日月曜日

マイナスイオン・・・実際効果ある?

「マイナスイオン」とは、簡単に説明すると電荷がマイナスのイオンの事です。では、そもそも電荷とは?イオンとは何なのか?という話になると思うので、そこから順に説明していきたいと思います。

まず「電荷」とは簡単に言うと「素粒子(原子よりも小さな粒子の事)の持つ性質」の事です。電荷には「プラスの電荷」と「マイナスの電荷」があり、プラスの電荷を持つ素粒子とマイナスの電荷を持つ素粒子はお互いに引き合い、またプラス同士やマイナス同士では逆に反発し合うという性質があります。それによって例えばマイナスの電荷を持つイオンと、プラスの電荷を持つイオンは結びつきやすいという事が言えると思います。

一方、その「イオン」についてですが、イオンとは「プラスまたはマイナスの電荷を持っている状態の原子やその原子の塊の事」を言います。つまり通常の安定している原子は「プラスの電荷もマイナスの電荷も帯びていない=安定している」という事であり、それは「イオン」とは言いません。原子は、その原子を構成する素粒子の一種である「電子」を他所へ放出する事でプラスの電荷を持ち、他所から電子を受け取る事でマイナスの電荷を持つとされています。それによって電荷が変化すると原子は「イオン」と呼ばれ、引き合ったり反発し合ったりする性質を持つようになるのです。

そして再びここで新たな用語が出てきましたが、この「電子」とは原子を構成する素粒子の事です。通常の原子は中心に「原子核」という素粒子の塊があります。この原子核はプラスの電荷を持つ素粒子の「陽子」と、電荷を持たない素粒子の「中性子(陽子が複数ある時に陽子同士で反発しないようにする)」からできており、その原子核の周囲をマイナスの電荷を持つ素粒子の「電子」が回っています。つまり原子として安定するためには、プラスの電荷を持つ陽子とマイナスの電荷を持つ電子の数が等しい必要がある訳です。しかし何らかの理由で原子核の外側にある電子が他所へ放出されると、途端にその原子は陽子の電荷である「プラス」の性質を持つ事になります。それによって他の同じプラスの電荷を持つ原子と反発したり、あるいはマイナスの電荷を持つ原子と引き合う事になり、つまり安定した状態ではなくなります。その原子の状態こそが「イオン」です。

例えば酸素。酸素は化学式では「O2(オーツー)」と表しますが、この「O」が酸素原子の事、「2」は酸素原子の数を表しています。よって酸素原子が2つ連なったのがO2であり、そのように2つ以上の原子が連なったものを「分子」と言います。また酸素の原子番号は8、原子の質量は16なので、安定している酸素原子にはプラスの電荷を持つ陽子が8つあり、マイナスの電荷を持つ電子が8つある事になります。しかしよく言われる「活性酸素」ではその電子が何らかの原因で1つ減った状態になっており、陽子と電子のバランスが損なわれています。つまり活性酸素はプラスの電荷を持っており、他所からマイナスの電荷を持つ電子を1つ奪ってきて原子として安定化しようとする訳です。それが活性酸素の持つ「反応のしやすさ」の理由です。

しかし活性酸素自体は体内に入った有害物質とも反応する事ができるため、本来細胞の健康を守るためには必要不可欠なものです。要はそれが体内で増え過ぎる事が問題なのです。よってもし仮に体の外側からでも「マイナスの電荷を持つ原子(マイナスイオン)」を供給する事ができれば、そのように増え過ぎた活性酸素等の「プラスの電荷を持つ原子(プラスイオン)」と結びつかせ、その反応性を弱める事ができるのではないか、というのがいわゆる「マイナスイオン」の考え方です。例えばマイナスイオンを発生させる電化製品は、空気中にあるプラスイオンと結びつく事ができ、空気を綺麗にする事ができると言われています。

さて、そのマイナスイオンの効果ですが、疑問点として「マイナスイオンを人の体にだけ接触させる事ができるか」「マイナスイオンを実際に体に取り込む事ができるか」「空気中の有害物質と結びつき、実際に空気を綺麗にする効果があるかどうか」「体に取り込んだマイナスイオンがそのままの形で使われるのかどうか」「そのマイナスイオンが有益な働きをするプラスイオンの邪魔をしないか」などがあります。またマイナスイオンは目に見えないので、これは水素水と同じで「そもそも発生しているかどうか(イオンは原子や分子が放電・紫外線などのエネルギーを受ける事で発生する)」も非常に重要になります。マイナスイオンを作り出せる機器では当然マイナスイオンを発生させる事ができているはずですし、それが体に良い効果があるという事を謳って売っているのですから、仮にそれらがなければ大きな問題ですよね。特に「外で発生させたマイナスイオンの体の中での反応」に関しては過信すべきではないと言っておきます。

ちなみに様々な成分を部屋の中に充満させる「アロマテラピー(アロマセラピー)」では、漢方に使われるような生薬を用いる事もあるようです。匂い成分による精神的な効果はもちろんの事、中には肺から血液へ酸素を取り込む際に一緒に取り込ませる事ができる成分(例えばカフェインなど)もあるため、その成分が実際に発生していれば何らかの健康効果は得られるかもしれません。その点は前述してきたマイナスイオンよりは効果があると明確に言えるのではないでしょうか。