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2018年5月9日水曜日

中性脂肪とコレステロール、何が違うの?

中性脂肪とは?

中性脂肪とは「グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリド・ジグリセリド・トリグリセリド)」の事であり、脂肪酸とグリセリンが結合し「中性」の性質を持った脂肪の事を言います。脂肪の多くはこの中性脂肪という形で吸収・貯蔵されており、エネルギーとして必要になった時に脂肪酸とグリセリンに分解してから利用しています。尚、中性脂肪の元になるのは飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸です。この内、特に飽和脂肪酸は動物性の食品や油など、現代人では摂取機会に恵まれており、それらを食べる事で中性脂肪の合成が促されます。

脂肪はエネルギー源の一つです。脂肪以外にエネルギーとなるのは糖と蛋白質ですが、脂肪は糖や蛋白質よりも倍以上のエネルギーがあるため、万が一食べ物にありつく事ができないような状況に陥ったとしても、脂肪があればその間は生き長らえる事ができます。また脂肪を極端に制限すると皮膚が薄くなったり、水分量が減るなどしてハリが失われる上、免疫機能も低下します。これは何故かというと、脂肪が細胞膜の構成あるいは免疫反応の物質に必要不可欠なものだからです。脂肪=太るというイメージは強いですが、脂肪の使用用途は皮下脂肪や内臓脂肪だけではないのです。他、脂肪はビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKといった脂溶性ビタミンの吸収を促す役割もあります。

しかし過剰に摂取して内臓に蓄積(内臓脂肪)すれば、その内臓の機能を低下させ、皮下に蓄積(皮下脂肪)すれば見た目として肥満体型になります。また脂肪として蓄積し切れなかったものが血液中に溢れる事があり、血管を詰まらせる原因になる事もあります。更に、本来脂肪は脂溶性ビタミンの吸収を促してくれるものですが、過剰な脂肪があると脂溶性ビタミンを体内へ溜め込みやすくなります。それにより本来は必要量の多くない場所へ大量に脂溶性ビタミンが送られ、そこに蓄積、様々な細胞の機能異常が起こるようになる可能性もあります。

コレステロールとは?

コレステロールも脂肪の一種ですが、中性脂肪などから合成され、同じように細胞膜などの維持に必要です。またコレステロールはビタミンDの材料になったり、様々なホルモンの材料としても使われています。「コレステロール」と聞くと悪いイメージしかありませんが、実は男性ホルモン、女性ホルモン、コルチゾール、など重要なホルモンの材料となるため、コレステロールが減り過ぎると、それらの分泌バランスが崩れる事があります。特にコルチゾールはストレスに関わるホルモンであり、過度に分泌されると血圧や血糖値を上昇させたり、脳を萎縮させるなどと言われています。つまりストレスはコレステロールの代謝に大きく関係しているのです。

尚、コレステロールには善玉コレステロール(HDLコレステロール)と悪玉コレステロール(LDLコレステロール)があると言われています。この内、善玉コレステロールは血液中にあるコレステロールを肝臓へ運搬する役割があります。これにより血液中にコレステロールが増え過ぎないようコントロールしています。一方、悪玉コレステロールはその逆で、体の隅々までコレステロールを運搬し、必要な場所へ届ける役割があります。つまり本来はどちらもなくてはならないものであり、「悪玉」だからと言って減らし過ぎても良くありませんし、「善玉」だからと言って増やし過ぎても良くありません。バランスが重要です。

そんなコレステロールは中性脂肪から作られるため、糖や脂肪の多い食品をたくさん食べて体内の中性脂肪が増えれば、当然コレステロールの材料も増える事になり、その合成も促されます。一方で「コレステロールが含まれる食品」を食べても、それがコレステロールの増える原因になるとは限りません。これは最近の研究で分かってきた事ですが、食品中に含まれるコレステロールは血中のコレステロール値にはあまり影響を与えないと考えられています。つまりこれは「コレステロールは食事以外の様々な影響を受けている」という事であり、食事を多少変えるだけではコレステロールを減らす事はできないのです。コレステロール値が気になるのであれば、やはり運動や睡眠の改善、及び生活習慣全体の改善が必要です。