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2018年5月14日月曜日

どうして恐怖を感じる事ができるの?

「恐怖」というのは人間や動物が持つ感情の一つで、自分の身を守るための回避行動の一種です。「動物には理性がなく感情もない」と言われる事は多いですが、動物も恐怖や痛みといった「感情」を持っており、自分の行動を抑制する事ができます。つまり恐怖や痛みがある事で動物は「それが自分にとって危険なもの」と学習する事ができ、その危険と遭遇する前に予測し、未然に回避する事ができるようになります。更にそれによってはより長く生き伸びる事ができるようになり、後世へ子孫を残す可能性を高める事もできるのです。

恐怖心は記憶(幼少期に根付いていて自分の意志では取り出せないような潜在的な記憶も含む)と強く結びついており、自分が過去に経験した恐怖や周囲が経験した恐怖などから「危険な事」を学習し、それを未然に回避しようとします。例えば私の場合では虫の一種である蜘蛛に対して恐怖心や嫌悪感を抱きますが、それもおそらく過去の恐怖体験が関係しています。更にその経験に基づく事では蜘蛛と似ている「足が多い虫」「足がない虫(昆虫であっても幼虫を含む)」「素早い虫や音を立てない虫(ゴキブリ等)」に対しても近い恐怖心を抱きます。これは祖母や母親の影響だと思われます。一方、カブトムシ、バッタ、アゲハ蝶、セミなどの昆虫に対しては全く恐怖心がなく、成虫であれば素手で触れる事ができます。これは父親や兄の影響です。そのように同じ「虫」でもそこまで大きな差があるのは、やはり過去の恐怖体験や他者からの学習が大きく関係する事を意味しています。

尚、人間が恐怖や不安などのストレスを感じた際には、ノルアドレナリンやアドレナリンといったホルモンが分泌されます。この2つのホルモンは心身を活性化させる働きがあり、それによってストレスと対峙し乗り切ろうとする訳です。しかし分泌量が多過ぎると逆に冷静さを失い、頭が真っ白になって何も考えられなくなったり、呼吸や心臓の鼓動が荒くなって動くのも苦しくなったりします。そうしてあらゆる感情の抑制が効かなくなり、普段は温厚な人でも人が変わったように暴力的になる場合もあります。

また恐怖や不安が与えられた場合、それを与えてくる相手に対して絶対的に服従するような行動を取ったり、逆に反旗を翻し怒って暴力的な行動を取る事もあります。これも身を守るための行動の一つです。しかしどこの誰とは言いませんが、逆にそのような反応を利用して「意図的に恐怖を与えて自分に服従させる」「執拗に周囲の不安を煽って争い(自分の手を汚さずに)を誘発させる」という事を行う輩もいます。それだけ恐怖や不安というのは大きな影響力を持っているのです。