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2018年5月22日火曜日

どうして人間は水に浮くの?

物が水に浮くか沈むかについては、それが水よりも軽いのか重いのかによる違いで決まります。つまり水に入れた物が水より重いと沈み、水よりも軽いと浮く訳です。この「水より軽い」「水より重い」とはどういう事かというと、これは「体積(三次元的な大きさの事)」が同じ時の「質量(物体そのものが持つ重さの事。ちなみに手に持った時の手にかかる重さは質量×重力加速度=重量の事)」の差の事を言っています。例えば球形をした石とその石と全く同じ形・同じ大きさをした水があった時、石の質量が水よりも大きければ石は沈み、小さければ浮きます。尚、この時の質量の違いは密度によって異なり、同じ体積でも構成している物質がより密集している方が質量は大きくなります。

これを人間で考えてみると、一人の人間とその人間と同じ体積をした水がある時、人間よりも水の密度の方が高ければ水に浮く事ができます。逆に人間よりも水の密度の方が低い場合、水に浮かぶ事はできず沈んでしまいます。例えば海水は不純物が多く密度が高いため、不純物が少なく密度の低い水道水よりも浮きやすいと言えると思います。脱力して浮く事ができるのも、筋肉を収縮させると密度が高くなってしまうからです。

これに関連して「脂肪は浮く」「筋肉は沈む」とよく言われます。確かに仮に球形をした同じ体積の脂肪と筋肉を比べる場合、筋肉の方が脂肪よりも密度が高く質量も大きいので、脂肪の方が浮きやすく筋肉の方が沈みやすいと言えると思います。しかし実際には同じ体積の人間同士を比べなければ意味がありません。例えば余分な脂肪がついている人間では、横にハミ出した分だけ体積が大きくなります。一方、筋肉を鍛えている人間では体の凹凸はハッキリ出ますが、余分な脂肪がついている人ほど体積は大きくなりません。もし筋肉と脂肪の沈みやすさを調べるのであれば体積がちょうど同じになるよう、例えば身長の低い肥満体型の人と身長の高い細マッチョの人を比べる必要があるでしょう。ただし前述のように筋肉は収縮させる事で密度を増しますから、例えば「浮き方や泳ぎ方を知らず、水が怖くて緊張し体を強張らせていれば、脂肪がたくさんついている人でも沈みやすくなる」という事があり得ます。よって完璧な条件で沈みやすさを比べるのは現実的には難しいと言えるでしょう。