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2020年3月6日金曜日

低脂肪と高脂肪・・・どちらが健康に良い?

脂肪はそれだけで大きなエネルギーがある(糖と蛋白質のカロリーは同じだが、脂肪はその倍以上のカロリーがある)ため、高脂肪食では生命活動の維持に必要なエネルギーを確保できる(下回らないようにする)という大きなメリットがあります。特にエネルギーが十分に存在する状態では、省エネ状態に入る事を防ぎ、エネルギーを消費する筋肉を成長させるための条件の一つになっています。筋肉が大きくなるとその成長及び維持に必要な糖・蛋白質・脂肪の代謝が向上、すなわち基礎代謝が大きく上がります。また脂肪は性ホルモンなどの重要なホルモン、皮膚、粘膜、眼球などの材料にもなっています。よって筋トレを行って筋肉を大きくしたい場合、脂肪は過度に制限すべきではありません。

しかし摂取量の管理ができず、エネルギーが余剰となって新たな脂肪が蓄積すれば、やはり肥満体型として見た目に大きな変化をもたらします。特に肝臓に蓄積する事では脂肪肝となり、それが進行すれば肝臓癌になるリスクが高まります。また血液中に脂肪が増える事では、血管の壁を傷つけ、動脈硬化や血栓となり、心筋梗塞や脳梗塞などの原因にもなります。更に、脂肪の蓄積は胃癌や大腸癌など癌の原因にもなる他、身近な所では脂溶性ビタミンの蓄積による副作用や、必須脂肪酸のバランスが崩れる事によるアレルギー症状の悪化も起こりえます。自分では処理し切れないほどの脂肪の過剰摂取を続ければ、それらのリスクが高まる事になるでしょう。筋肉を大きくしても病気になってしまったら意味がありません。

一方、低脂肪食であればそのようなリスクを抑える事はが、脂肪はそれだけでエネルギー源として優秀なため、その脂肪を制限し続ける事では、慢性的な「カロリー不足」に繋がる可能性があります。繰り返しになりますが、筋肉を維持・成長させるにはエネルギーが必要なので、低脂肪食は筋肉の成長を阻害する事になります。筋肉が萎むと基礎代謝が低下し、省エネ体質となり、余計に脂肪が蓄積しやすい状態になってしまいます。またホルモンバランスが崩れやすくなったり、免疫機能が低下したり、脂溶性ビタミンの吸収が悪くなったり、皮膚や粘膜の健康が損なわれたりもします。低脂肪を極めていくとそれはそれで問題が大きいのです。

要はバランスなのです。例えば運動をするとエネルギーが消費されます。つまり食事を制限しなくてもエネルギーを制限した状態を作り出す事ができます。しかしその状態が長期間続くと筋肉は逆に萎み、基礎代謝が低下します。よってその状態で十分なエネルギーを摂取し、筋肉の成長を促し、基礎代謝を上げる訳です。しかしエネルギーを摂取しすぎると健康リスクが高まります。なので摂取した分だけ運動をして消費し、再びエネルギーを消費した状態に戻します。健康の維持にはこれを繰り返す事が重要なのだと私は思います。



ちなみに最近話題の糖質制限ではその名の通り筋肉や脳を動かすのに必要な糖を制限します。しかし単に糖を制限するだけだと、エネルギー不足となり、筋肉がしぼみ、基礎代謝が低下してしまいます。それでは糖質制限を止めて元の食事に戻した時、リバウンドのリスクが高まります。よって糖質制限中では、筋肉の材料のために蛋白質を摂取し、また基礎代謝量や運動量に合わせてエネルギー確保のために脂肪を意識的に摂取する必要があります。もちろん筋肉を刺激するための筋トレなどの運動も合わせて行わなければなりません。

一方、糖ではなく脂肪の方を制限する場合もありますが、その場合では逆に糖を運動量に合わせて摂取し、蛋白質もやはり筋肉の材料のために摂取する必要があります。すなわち糖質制限に関わらず、一般的なダイエットによる食事制限は「単に特定の栄養素や食べ物を制限すれば良いという訳ではない」という事です。ダイエットは頭を使います。