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2020年3月20日金曜日

牛乳とバナナを食べるとセロトニンが増える?

牛乳は「カルシウムが豊富」という事でよく知られていますが、90%近くが水分であり、100g当たりの含有量はそれほど多くありません。それ以外の栄養素では糖質、蛋白質、脂肪も含まれていますが、やはり100g当たりだとそうでもありません。そのため全体の栄養価はあまり高くありません。ただし糖では「乳糖」という特有の糖の割合が高くなっています。これが分解できない人では消化不良の原因になる事があります。

一方、バナナですが、こちらは糖質、ビタミンB6、カリウムが含まれています。特に糖質とカリウムが豊富で、これは果物比べても決して劣らない含有量になっています。ただしそれ以外ではビタミンCが僅かに含まれている程度であり、全体的な栄養価はかなり低いです。またバナナで言われる食物繊維も、実際には多いと言えるほど多くありません。

そして肝心のセロトニンについてです。セロトニンは必須アミノ酸の一種であるトリプトファンなどから体内で合成されるホルモンの一種です。この必須アミノ酸は単純に蛋白質が豊富に含まれている食品が摂取源になります。すなわち肉、魚、卵、乳、大豆、ナッツ類などです。これを考えると、牛乳は確かにトリプトファンを摂取できます。ただし前述のように蛋白質の含有量は少ない方で、牛乳よりはチーズ、チーズよりは低脂肪の肉や魚の方が豊富です。このため「牛乳の効果としてセロトニンが増える事を紹介する」というのは、かなり言い過ぎだと思います。

またアミノ酸の代謝にはビタミンB6も必要です。バナナには確かにビタミンB6が含まれており、これがセロトニンの合成を補助してくれます。ただしバナナは「豊富」と言われるほどにビタミンB6が多い訳ではありません。特にバナナではトリプトファンどころか、そもそも蛋白質自体の含有量が少ないです。このため「バナナの効果としてセロトニンが増える事を紹介する」というのも、やはり言い過ぎだと思います。むしろバナナでは糖質やカリウムの方が特徴的です。