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2020年3月18日水曜日

有機栽培(オーガニック)って何が良いの?

有機栽培(有機農法あるいはオーガニック農法など)とは、簡単に言えば、人工的・科学的に合成された物質を使用しない農法の一種です。細かな規定があるようですが、とにかく農薬はもちろんの事、肥料、土、水、光、空気、更には品種そのものの遺伝子組み換えなど、人の手が加えられたものを排除し、できる限り自然だけで作物を育てます。特にその中には農薬を使わず、除草せず、肥料も与えず、耕さず・・・というように、ほぼ自然に近い形の農法もあり、その場合は自然農法(自然栽培など)と呼ばれます。ちなみに無農薬農法であっても、人工的に合成された肥料を利用していたり、遺伝子組み換えを行ったりすれば、それは有機栽培にはなりません。

この有機栽培が生まれた背景には、大量生産に伴って使用する農薬に含まれている成分の人体への毒性、それを使用する土地あるいは地域への影響、大量生産を円滑化させるための遺伝子組み換えによる人体への害や倫理的な問題などが、過去に問題視された事が関係しています。その事もあってか、未だに「有機栽培や自然栽培以外の農法で育てられた作物は健康に悪い」などという考え方を持っている人が、残念ながらたくさんいます。最近では「ヴィーガン(ベジタリアン)」も話題で、植物性の食品だけを食べて生活をするような人も増えてきています。

尚、ヴィーガンの中には「自然農法だけ」という事を信条としている事もあれば、植物性と卵・乳・魚は食べるが肉はダメ、加熱しない、野菜は食べず種子や果物だけを食べる、光と水だけで生きる・・・など、様々な考え方があるようです。私は肯定も否定もせず、個人の自由なので好きにすれば良いと思いますが、ヴィーガン以外の人たちの食習慣や食事に対する考え方(肉を食べるなど。それは動物愛護とも絡んでおり、また別の話になってくる)を否定する事はあってはなりません。海外ではそれで暴動が起きていたりします・・・。

そのように「有機栽培で育てられた作物以外は食べない」「自然由来ではないものは健康に悪い」などという考え方が広まってしまうと、日本の農業はどんどん衰退し、日本の経済全体にも響いてしまいます。ただでさえ、日本の農業は、海外の大量生産に苦戦を強いられ、衰退の一途を辿っています。土地が限られ、自然災害が多く、四季の変化が激しいこの日本で、品質の維持に手間がかかり、1年中の大量生産には向かない有機栽培だけが世の中で許されるようになると、農家は生計が立てられなくなり、いずれは日本産の作物が食べられなくなってしまいます。

何より、天然にある栄養素の中には、元々毒性を持つ物質もたくさんあります(発芽毒などが良い例)し、少量では問題にならなくても、摂取の仕方次第で毒性をもたらす天然の栄養素もたくさんあります(脂溶性ビタミンが良い例)。それは農薬でも同じはずです。そもそも例え農薬が使われていたとしても、毒性のある物質が含まれている農薬は使用を厳しく制限されており、また例え作物に残留していたとしても、水洗いや加熱調理などをすれば問題ないレベルになります。その水道水でさえ、また一般的に健康に良いとされる食物繊維でさえ、摂りすぎれば人体にとって害になる事がある訳で、ラインを考えないと本当にキリがなくなります。