
共感覚では一つの感覚で認識するのではなく、別の感覚と合わせて記憶する事で、通常の記憶よりも強く記憶する事ができます。例えば「音から色が見える」という人では、音自体を記憶する事ができると同時に、色としてもその音を記憶する事ができます。つまり普通に一つの感覚でしか記憶する事ができない人と比べ、より強くその音を記憶する事ができ、その音をより正確に再現する事ができるはずです。それによって音楽に対してより高い能力を発揮する事ができるようになると思われます。
人によっては「この音は楕円形をしている」「この音はイチゴの匂いがする」「この音は甘くて美味しい」「この音はザラザラしている」など、同時に複数の共感覚を持っている人もいます。また逆に「色や形から音が聞こえる」「手で何かを触ると音が聞こえる」というような場合では「幻聴」のような症状が出る事もあり、本人以外には中々理解されず、誤解を生む事も多々あります。共感覚を持っていない人からすれば全く信じられない言動に聞こえるかもしれません。しかし本人にはそのような感覚が実際にあって、それ故に様々な悩みもあるのです。決して共感覚を持つ人の人格を否定したりせず、その人の個性として理解してあげて下さい。
ちなみに私の場合では、字から「柔らかい」「硬い」などといった触覚のイメージを得る事ができます。ただそれは「この形は硬そう・柔らかそう」という感じで、例えばこの平仮名は柔らかい、角張ったこの漢字は硬そう、この字は水に関する字が使われているから冷たそう・・・というように、単に字の形から連想しているだけで、実際にはかなり単純だと思われます。これは共感覚とは違うのかな?自分ではよく分かりません。
ただ、おそらくその感覚が繊細な人だと、字を字としてではなく、本当に皮膚の触覚として細かく記憶できるようになると思われます。まぁ私の場合は細かく分ける事はできないので何の役にも立ちません。そのように共感覚では「共感覚の組み合わせ」はもちろんの事、「共感覚の強さ」も人によって大きく異なると思われます。