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2020年4月6日月曜日

ストレスを受け続けると脳が溶ける?

心身に大きなストレスを受けると、そのストレスに抗おうとして、様々な反応が起こります。その内の一つが「コルチゾール」というホルモンの分泌です。このコルチゾールは「副腎」という腎臓の上についている組織から分泌され、糖・蛋白質・脂肪の代謝を制御し、血液中の糖の量を増やしたり、ナトリウムの吸収を促し、カリウムの排出を促す事で、心臓と腎臓の機能を高め、血圧を上昇させる役割を持っています。

しかしこのコルチゾールが過剰に分泌されると、高血糖や高血圧が起こったり、免疫力が低下する事があります。またコルチゾールは脳にも作用して、記憶を整理する場所である「海馬」を萎縮させると言われています。そのため大きなストレスを受けたり、あるいは長期に渡ってストレスを受け続け、コルチゾールが分泌されると、記憶力が低下する事になります。特に新しい記憶がスムーズにできなくなります。おそらくこれは過去の重要な記憶が失われないように、新しいストレスを記憶をしないようにしているのだと思われます。

この他大きなストレスを受けると、大脳皮質にある前頭前野という場所も萎縮します。これにはストレスを受けた際に分泌されるノルアドレナリンやドーパミンというホルモンが関係しているようです。ノルアドレナリンやドーパミンはストレスを受けた時、神経伝達を促して、心身を活性化させるホルモンですが、前頭前野は物事を考える場所のため、それらのホルモンが分泌される事で、逆にストレスを大きく感じてしまいます。そのためそれらのホルモンをストップする事で、ストレスから身を守っているのです。例えば心的外傷後ストレス障害などでは実際に前頭前野や海馬の萎縮が見られます。

海馬は思春期を終える頃には成熟しています。また前頭前野も20歳前後までに成熟しているようです。もちろんその後も、新しい記憶と触れ続ける限り、両者は発達していきます。一方、加齢によって外側から少しずつ老化していくため、「新しい記憶の整理・思考」が少しずつできなくなっていきます。もちろん高齢者でも、新しい記憶があれば、その老化は緩やかになりますが、若い人でも、大きなストレスがあると、それが一気に起こる事になり、継続的なストレスではその老化のスピードが早くなります。