
舌は喉にある筋肉が独自に発達したものであり、非常に神経が密集しています。実際に舌で歯を触れてみると一本一本を確認する事ができ、繊細な感覚を持っているという事がよく分かると思います。表面には「味蕾」と呼ばれる受容器があり、ここに分子が結合し、その刺激が電気信号へと変換されて脳へ伝えられます。例えば甘味は果糖やブドウ糖などの糖質、酸味はクエン酸などの酸性の物質、塩味は塩化ナトリウム、苦味はカフェイン・カテキン・クロロゲン・ニコチンなど、旨味はグルタミン酸などのアミノ酸が影響していると言われています。よってそれらが多いものを口の中へ入れるとその味が強くなります。
尚、味蕾の数は年齢が若いほど多く、年齢を重ねるほど減っていくと言われています。これは舌は新陳代謝が非常に活発で、代謝の低下による影響を強く受け易いからです。例えば子どもではピーマンを苦く感じ、酷く嫌がりますが、大人になるとピーマンのような苦いものも食べれるようになります。これは大人よりも子どもの方が味蕾が多く、苦味に対して敏感だからです。年齢を重ねるとビールを美味しく飲めるようになるのもこのためです。
ちなみに例えば「醤油+プリン=ウニ」のように複数の食べ物を口に入れて別の味に感じられるのは、醤油とプリンに含まれる味をもたらす成分だけでなく、食感などもウニと似ているからです。その他では「たくあん+牛乳=コーンスープ」「キュウリ+ハチミツ=メロン」「ミカン+醤油+海苔=イクラ」などがあります。ただし前述のように味というのは舌だけで判断される訳ではないので、舌に触れる成分は似ていても匂いや食感などが違えばその味に感じられない事があります。もし試す方は自己責任で(笑)