
一方、チョコレートには「テオブロミン」という成分も含まれています。このテオブロミンはアルカロイドの一種で、カフェインと似たような作用があると考えられています。つまりこのテオブロミンにも興奮作用がある訳ですが、その作用はカフェインよりも緩やかで弱いと言われています。よってテオブロミンによって鼻血が出たり、頭痛になる事もおそらくないと思います。ちなみに鼻血以外ではチョコレートがニキビの原因になると言われる事もありますが、それは糖や脂肪の過剰摂取によって皮脂の分泌が増えた事が原因で、カフェインやテオブロミンによるものではありません。
ただしテオブロミンの持つ利尿作用はカフェインよりも強いと言われているので、人によってはトイレが近くなる事があります。よって水分不足による頭痛には注意しなければなりません。特にこのテオブロミンはビターチョコレートに多く含まれているので、念の為注意しておきましょう。尚、テオブロミンはそのようにチョコレートの苦味の元になっていますが、人間以外の生物では毒性をもたらす事があり、例えば犬は摂取すると中毒症状を起こします。またテオブロミンは体内でカフェインが代謝される事によっても作られるため、実はコーヒーを飲む事でも自然と摂取されています。
さて本題ですが、チョコレートには「チラミン」という成分も含まれています。チョコレートに含まれるチラミンの量はまちまちですが、このチラミンは血管を収縮させ、血圧を上昇させる作用があると言われています。その作用によって細くなった血管では流入する血液の量が増え、その流れも速くなるため、これにより傷ついた血管から血が出やすくなる可能性はゼロではないと思います。チョコレートを食べて鼻血が出る場合、おそらくこのチラミンによるものと推測できます。また血管が収縮した後には自然と血管は広がる訳ですが、血管が広がる際に周囲の神経に触れる事があり、それが頭痛の原因になる事があります。