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2018年3月18日日曜日

食用油、どうしてあんなに種類があるの?何が違うの?

食用油の名前だけを挙げていくと、例えばナタネ油(キャノーラ油)、ヒマワリ油、大豆油、ヤシ油(パーム油やココナッツ油)、サフラワー油(紅花油)、ゴマ油、コーン油、エゴマ油、アマニ油、オリーブ油、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)、フィッシュオイル(魚油)などがあります。これらの食用油はそれを抽出するための材料やそれによる味や匂いが異なる事はもちろんですが、何より脂肪の組成が異なります。

具体的に挙げていくと、キャノーラ油は不飽和脂肪酸(特にオレイン酸)、ヒマワリ油は不飽和脂肪酸(特にオレイン酸)、大豆油は不飽和脂肪酸(特にリノール酸)、パーム油は飽和脂肪酸(中鎖脂肪酸が含まれる)、サフラワー油は不飽和脂肪酸(特にオレイン酸)、ゴマ油は不飽和脂肪酸(オレイン酸とリノール酸同等)、コーン油は不飽和脂肪酸(特にリノール酸)、エゴマ油・アマニ油は不飽和脂肪酸(特にα-リノレン酸)、オリーブ油は不飽和脂肪酸(特にオレイン酸)、ラード・ヘットは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸同等(ただし不飽和脂肪酸の中では意外にもオレイン酸が多め)、魚油も飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸同等(ただし不飽和脂肪酸の中ではEPAやDHAが多い)という感じです。

もちろんこれらは商品により、例えばオレイン酸が含まれるオリーブ油ではエクストラヴァージンオリーブオイル、パーム油では中鎖脂肪酸を抽出したMCTオイル、魚油では飽和脂肪酸を除去したものがあります。またリノール酸やα-リノレン酸のような多価不飽和脂肪酸が豊富に含まれる油では、酸化予防及び加熱調理に適応させるためにビタミンCやビタミンEが含まれるものも存在します。ただし後述のように多価不飽和脂肪酸は元々酸化されやすいという事は変わらないため、長期保存には向かず、その保存方法には十分注意しなければなりません。

上記の内、飽和脂肪酸は加熱に強いので多くの料理に使えますが、常温で固体(液体ではややドロドロする)のものが多く、加工食品をはじめ多くの食品に含まれているので、過剰摂取により生活習慣病などのリスクが高まると言われています。このため調味油として使う場合はその量と頻度を考えなければなりません。続いてよく出てくるオレイン酸は一価不飽和脂肪酸、リノール酸は多価不飽和脂肪酸(ω-6脂肪酸)で必須脂肪酸の一つです。オレイン酸は飽和脂肪酸には劣りますが、比較的熱に強く酸化されにくいという特徴があり、他の脂肪酸と比べてあまり悪さもしません。一方、必須脂肪酸であるリノール酸のような多価不飽和脂肪酸は、熱に弱く酸化されやすいという特徴があり、しかも必須でありながら過剰摂取による様々な病気のリスクがある(飽和脂肪酸同様、意識せずとも摂取できる)と言われています。このためリノール酸の含まれる油は長期保存及び保存方法(熱・光・紫外線・外気に触れる等)、それからその使用頻度には十分な注意が必要です。よって加熱調理(高温及び長時間の加熱はNG)においては、比較的安定したオレイン酸が豊富に含まれる油を利用した方が安全でしょう。

そしてα-リノレン酸・EPA・DHA、これも多価不飽和脂肪酸(ω-3脂肪酸であり必須脂肪酸)で、この脂肪酸は必須であるのに限られた油にしか含まれていません。しかもやはり熱に弱く酸化されやすいため、長期保存にも向かなければ加熱調理にも使えません。つまりこれらを摂取するには含まれる青魚を食べるか、アマニ・エゴマ等一部の植物性油(比較的高価)を利用、またそれを利用する際には調理後にかけて食べる必要があります。また使いきれずに余った場合は捨て、その都度買い足す必要があります。ちなみに必須脂肪酸のω-6とω-3はそのバランスが重要で、前述のようにω-6の方は意識しなくても摂取できるので、意識するとすればω-6:ω-3=3:1程度のバランスで保つよう心がけましょう。このバランスを崩す原因の殆どはω-6の摂取過多及びω-3の不足であり、このバランスが崩れる事で脂肪の過剰摂取のリスクが増加し、脂肪の代謝が悪化、またアレルギー症状の悪化等が起こると言われています。