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2018年3月16日金曜日

「栄養論4」水溶性ビタミンと脂溶性ビタミン

この記事では五大栄養素に数えられる基本的な栄養素について簡単にまとめています。今回はビタミンに関する内容となっています。相変わらず長文ですが、ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2018/3/16)


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●ビタミンとは

ビタミンとは人間の体に必要不可欠な栄養素の内、炭水化物・蛋白質・脂質には分類されない「有機化合物」の総称の事を言います。ビタミンは体の中で起こる様々な代謝において重要な働きをしているにも関わらず、体内だけでは一から作る事ができない、あるいは十分量作る事ができません。そのため蛋白質を構成するのに必要不可欠な必須アミノ酸や、脂肪の構成に必要な必須脂肪酸と同じように、食事から定期的に摂り続けなければならない栄養素なのです。

尚、ビタミンは現在発見されているもので13種類があるとされ、ビタミンA、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン)、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKがあります。その内、水に溶けやすいビタミンB群とビタミンCの事を「水溶性ビタミン」、油脂に溶けやすいビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの事を「脂溶性ビタミン」と呼びます。特に下記では便宜上そのように分けて呼ぶ事で説明しやすくしています。

ただし「ビタミン」という名称は物質の名前ではありません。具体的に挙げると、ビタミンAはレチノールやβ-カロテンなど、ビタミンB1ならチアミン、ビタミンB2ならリボフラビン、ビタミンB6ならピリドキサールとピリドキサミンとピリドキシン、ビタミンB12ならシアノコバラミン、ナイアシンならニコチン酸とニコチンアミド、ビタミンCならアスコルビン酸、ビタミンDならエルゴカルシフェロールとコレカルシフェロール、ビタミンEならトコフェロールとトコトリエノール、ビタミンKならフィロキノンとメナキノンなど・・・というようにそれぞれ名前があります。例えばビタミンAならビタミンAの機能を持つ栄養素の事をビタミンとして指しているのです。




●水溶性ビタミンについて

ビタミンB群とビタミンCは水溶性ビタミンに分類されます。水溶性ビタミンは水に溶けやすいため、水と一緒に摂る事で効率良く吸収する事ができます。ただし体の中にある水は常に流動・循環しているため、体の中にずっと蓄えておくという事はできません。そのため水分と一緒に体の外へ排出されやすいという大きな欠点があります。意識的に摂取していると思っていても自分が気づかぬ内に失われている事が多く、定期的に補給し続ける必要があるでしょう。尚、そのように水溶性ビタミンは水と一緒に体の外へ排出されやすいため、過剰に摂取した場合でも心配は少ないと思われます。むしろ不足する事による悪い症状の方が大きいので、意識的に摂取して損はないでしょう。ただしその摂取方法には工夫が必要になります。

<ビタミンB群>

・ビタミンB1

細胞を正常に機能させるためにはそのエネルギー源として糖が必要ですが、ビタミンB1は糖がエネルギーになる事を補助する働きがあると言われています。ビタミンB1がある事によって糖の代謝がスムーズに行われれば、血糖値の急激な上昇を抑える事ができたり、あるいは余った糖が消費されずに蓄積される事をある程度抑える事ができると思われます。特に余分な糖は時間が経過すると脂肪へと変換されてしまうため、糖の蓄積を防ぐという事は結果として脂肪の蓄積も防ぐ事になります。すなわち肥満の予防にも繋がる可能性があります。

このビタミンB1は特に豚肉に多く含まれ、その他ではウナギ、タラコ、鶏レバーなどにも多く含まれていると言われています。一方、ビタミンB1は腸内細菌によってその一部を作る事ができるため、バランスの良い食習慣をしていれば本来不足する事はありません。しかし水溶性ビタミンのため、気づかぬ内に失われている事が多いという事は認識しておくべきです。特に大量の水を利用した調理だったり、気温が高く発汗量が多くなる夏場、あるいは運動を行う人では汗や尿等によって失われやすいので注意しましょう。場合によってはサプリメントで補う事も必要です。

またビタミンB1は健康な人でも食事からの吸収率があまり良くないとされている他、その吸収効率は胃腸の活動によって大きく左右されると言われています。糖の代謝に関与しているという事で、不足すると脳や筋肉の動きが鈍くなり、単純に疲れやすくなります。現代人では不足しやすいビタミンですので意識的に摂取しておいて損はないでしょう。商品の中にはより吸収効率の良い誘導体(フルスルチアミンなど)の形で含まれているものもあり、それを利用するのも手です。

摂取量の目安は特にありませんが、水溶性のため危険な過剰症はありません。よって運動習慣のある人では積極的な摂取をしても問題ないでしょう。ちなみにビタミンB1と一緒に摂取すべきなのはエネルギーとなる「糖」と、柑橘系の果物に含まれる「クエン酸」、ニンニクに含まれる「アリシン(ビタミンB1と結合してアリチアミンとなり吸収率が高まる)」などです。これらを一緒に摂る事で疲労回復効果が高まると思われます。

・ビタミンB2

ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持などに関わっているとされていますが、特に脂肪の代謝を補助する働きがあると言われています。例えば蛋白質は動物性の食品に多く含まれていますが、動物性の食品だけで蛋白質を摂ろうとするとどうしても脂肪を摂り過ぎてしまいます。そんな時ビタミンB2の必要量は増えます。ビタミンB2は脂肪がエネルギー化される事を助け、それを必要とされる場所へ必要に応じて供給します。それは結果として、余分な脂肪の蓄積、及び体の特定の部位へ偏って蓄積する事を防ぐ事にも繋がると思われます。尚、皮膚や粘膜に作用するのは水分の保持に脂肪が必要なためで、不足すると皮膚炎、口内炎、眼精疲労等になる事があります。

このビタミンB2は食品では特に豚・牛のレバーに多く含まれており、その他では鶏レバー、牛・鶏ハツ、ウナギ、タラコ、納豆、卵黄などにも含まれています。ビタミンB2も水溶性ですが、その一部を腸内細菌によって作る事ができるため、バランスの良い食習慣をしていれば不足する事はあまりありません。ただしやはり腸内環境によって大きく左右され、便秘や下痢などを繰り返している人では不足している事があります。不足が心配される場合はまず腸内環境を改善する事を考えると共に、サプリメントなどで補給が必要です。中にはリボフラビン酪酸エステルのような誘導体の摂取も考えましょう。尚、摂取量の目安は特にありませんが危険な過剰症はありません。よって積極的に摂取しても特に問題ないでしょう。



・ビタミンB6

ビタミンB6も脂肪の代謝に関与しているとされていますが、こちらは特に蛋白質及びアミノ酸の代謝を補助する働きがあると言われています。人間の見た目はその殆どが蛋白質で形作られており、その代謝が促される事では、例えば肌荒れを予防あるいは治りやすくしたり、怪我を治りやすくしたりする事ができると思われます。

またアミノ酸の代謝という事で、アミノ酸を材料となる様々な神経伝達物質の合成にも関与しています。特にセロトニン、GABA、ドーパミン、炎症反応に関わるヒスタミンの他、酸素を運ぶために必要なヘモグロビンの合成にも使われています。その他、必須アミノ酸であるトリプトファンからナイアシンを合成(つまりビタミンB6が不足するとナイアシンが不足したり、トリプトファンの必要量が増える事があるという事)する際にも関与していると言われています。ダイエット関連では糖質制限下において起こる糖新生時の代謝(グリコーゲンの分解酵素に必須)や、美容関係では皮膚に存在するセラミドの合成などにも関与していると言われています。

食品では特にマグロやカツオに多く含まれており、その他では豚・牛のレバー、サケ、イワシ、サンマ、アジ、豚肉、鶏肉などにも含まれています。ビタミンB6も水溶性ですが、その一部を腸内細菌で作る事ができるので、バランスの良い食習慣をしていれば本来不足する事はありません。ただし腸内環境によって大きく左右されるため、人によっては不足しやすいです。摂取量の目安は特にありませんが、過剰摂取により神経症状が出る事があるため、上限はあると思われます。ただしボトルに入ったサプリメントを全て飲むというような無茶な飲み方に限り、基本的に副作用は少ないものと考えて良いでしょう。

ちなみにビタミンB6の誘導体にはピリドキサルリン酸などがあり、それを摂取するのも手です。ちなみに銀杏に含まれるギンコトキシンはビタミンB6の吸収を阻害します。

・ビタミンB12

ビタミンB12もは蛋白質の合成に深く関与しているとされており、特にDNAの合成や脂肪酸の合成に関与していると言われています。またビタミンB12は下記の葉酸と共に働き、葉酸の再生産にも利用されています。そのため葉酸が十分量ある状態であれば不足する事はないのですが、葉酸が不足すると葉酸のためにビタミンB12が使われる事で必要量が増える事になります。すなわち万が一にビタミンB12が不足すると葉酸も不足する事があるのです。貧血と聞くと鉄分をイメージする人は多いですが、ビタミンB12が不足する事で葉酸が不足すると、実は貧血になりやすくなると言われています。

食品では特に貝類、レバー、魚類全般に多く含まれています。ビタミンB12は蛋白質と結合した形で存在するため、そのようにビタミンB12が含まれる食品は基本的に動物性の食品が多く、特に極端な食事制限を行っている人では不足する事があります。尚、ビタミンB12も腸内細菌によって作る事ができますが、小腸より遠い大腸内で合成されるため再吸収する事はできません。そのため人間の体ではビタミンB12を何度も再利用する事で補っています(唾液に含まれるハプトコリンが遊離したビタミンB12と結合し胃液から保護、膵液により再び遊離、胃壁細胞から作られる糖蛋白と再結合、小腸で再吸収)が、古くなったものは順に捨てられており、やはり食事から摂取するのが基本です。

尚、摂取量の目安は特にありませんが、危険な過剰症はありません。よって積極的に摂取しても特に問題ないでしょう。



・葉酸

葉酸は蛋白質及びアミノ酸の合成に関与しているとされており、特に核酸(プリン体等)やDNAの合成に深く関与していると言われています。よく妊娠中や新生児では「葉酸が必須」と言われますが、これは合成の活発な赤血球を作るために葉酸が使われるからで、葉酸の不足はそのように活発な合成を行う細胞ほど大きな影響を受けます。そのため不足すると妊娠中でなくても貧血になりやすくなります。他、葉酸はメチオニンの代謝(メチオニン→ホモシステイン、ホモシステイン+葉酸→メチオニン。ホモシステインは体内の均衡が崩れた際に増え、過剰になると動脈硬化の原因になるとも言われている)や、ヒスチジンの代謝(ヒスチジン→グルタミン酸)等にも関与していると言われています。

尚、葉酸は成長期や成人では腸内細菌でも作る事ができますが、特に成長期に不足すると身長の伸びにも悪影響を及ぼす事があると言われています。これは前述のように蛋白質の合成に必要だからです。この事から妊娠中、新生児、女性だけでなく、成長期の子ども、特に胃腸の調子が崩れやすい場合には積極的に摂っておいて損はない(特に妊娠前~判明までは1日に400μg以上必要、判明~授乳期まではそれに加えて100~200μgを追加補給する)でしょう。また前述のように葉酸はビタミンB12と共に働くため、ビタミンB12を補給する事で葉酸の不足分を補う事ができます。葉酸と共にビタミンB12も補給するようにしましょう。ちなみに葉酸は食品では豚・鶏・牛のレバー、うなぎ、大豆製品、キノコ類、緑野菜などに含まれています。「葉」とつく通り、ホウレンソウなど緑の深い野菜に多く含まれています。

・ナイアシン

ナイアシンは他のビタミンB群と同じように様々な酵素の補助に関わっており、糖・脂肪・タンパク質の代謝を補助する働きがあると言われています。体内においては必須アミノ酸であるトリプトファンから、前述したビタミンB6を使って合成する事ができる他、その一部は腸内細菌によっても作る事ができます。よってトリプトファンの不足、ビタミンB6の不足、腸内環境の悪化などがなければ不足する事は稀です。不足すると皮膚炎、口内炎、下痢などが起こる事があります。

食品では特にタラコに多く含まれ、その他ではマグロ、カツオ、イワシ、サバ、ブリ、豚・牛のレバー、鶏肉などにも含まれています。水溶性ですが、ナイアシンは熱に弱いとされており、加熱調理ではその多くが失われてしまうと言われています。摂取方法には工夫が必要です。場合によってはサプリメントで補給する事も必要になるかもしれません(過剰摂取では皮膚炎のような症状を起こす事がある他、心疾患の関与するとされるホモシステインを増加させると言われている。前者は一時的なもの、後者の予防にはビタミンB6、B12、葉酸を一緒に摂取する事が重要)。

尚、ナイアシンとはニコチン酸とニコチンアミドの総称です。ニコチン酸とニコチンアミドはどちらも食品から摂取できますが、前述のようにどちらもトリプトファンから作る事ができます。トリプトファンからナイアシンを作る際には、トリプトファンをニコチン酸を使ってニコチンアミドへと変換しますが、この代謝を行う過程では「NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」が作られます。このNADはクエン酸回路等といったエネルギーを作るために必要な代謝サイクルに非常に重要で、これがないと細胞を動かすためのエネルギー合成及びその利用ができなくなります。またNADはサーチュイン(ヒストンとDNAを結合する酵素。ヒストンは細胞核中へDNAを折り畳み収納する機能を持つ)遺伝子を活性化させるとされており、NADそれ自体や、その元となるトリプトファンとナイアシン、そしてその代謝に関わる様々な酵素が少なくなる事は老化に繋がると言われています。

ちなみにニコチン酸からの経路だけでなく、実はニコチンアミドからもNADを作る事ができるのですが、その反応に関わる「ニコチンアミドリボシド(ナイアシン誘導体)」というものがあり、これに細胞の老化を抑える効果があるのではないかという研究もあるようです。他、NADの合成はケトン体を生成する糖質制限下で増やす事ができるという研究もあるようです。それが食事制限=長寿命と言われる要因なのかはまだ分かりませんが、このようにナイアシンが重要な栄養素の一つだという事は間違いないと思います。



・パントテン酸

パントテン酸もナイアシンと同じく様々な代謝の補助として働いていますが、特にパントテン酸はCoA(補酵素AまたはコエンザイムAとも呼ばれる)の材料として必要不可欠だと言われています。このCoAも解糖系やクエン酸回路というエネルギーサイクルにおいて非常に重要なものです。食品としては特に豚・鶏・牛のレバーに多く含まれ、その他ではタラコ、鶏肉、豚肉、大豆製品などにも含まれています。水溶性ですが、これも腸内細菌で作る事ができるので、バランスの良い食習慣をしていれば不足する事はめったにありません。

尚、身近な所では「皮脂の過剰分泌を抑える働きがある」とされており、その役割からビタミンB群の中でも「毛穴のつまりに対して効果がある」と言われています。思春期以降の男性では肌荒れ予防のためにも積極的に摂っておいて損はないでしょう。他のビタミンと比べるとあまりその効果は知られていませんが、サプリメントとして利用するのも手です。尚、摂取量の目安は特にありませんが、危険な過剰症はありません。よって積極的に摂取しても特に問題ないでしょう。

・ビオチン

ビオチンは糖や脂肪の代謝に関わっていますとされていますが、特にアトピーなどの皮膚疾患や炎症のコントロールにこのビオチンが必要と言われています。ビオチンもその一部を腸内細菌によって作る事ができ、また多くの食品に含まれているため、本来バランスの良い食習慣をしていれば不足する事はめったにありません。摂取量の目安も特にないので、無理して摂取する必要はないでしょう。

しかし人によっては何らかの理由でビオチンを作る能力が低い場合があり、意識的に摂る必要がある人も確実に存在します。原因の分からない肌荒れが酷い人では意識的に摂る事で改善される場合もあるようです(芸能人などの例)。食品ではナッツ類、レバー、卵黄、ウナギ、カレイ、イワシ、カジキなどに含まれています。ただし生の卵白にはビオチンの吸収を阻害するアビジンというアミノ酸が含まれています。アビジンはビオチンと強力に結合するため、生卵をたくさん食べている場合には不足する事があります。アビジンは加熱によって遊離できるため、卵は火を通してから食べた方が良い(ビオチンは水溶性だが熱には比較的強いとされる)でしょう。

ちなみにボディビルダーが卵を生のまま飲むシーンを見た事はあるでしょうか?実は蛋白質は加熱した方が吸収率が良いと言われています。



<ビタミンC>

・ビタミンC

ビタミンCについてはこちらの記事『「食品集19」少し?な栄養素・サプリメント・ハーブ等のQ&A5』にある「脂溶性ビタミンC」の所で書いているのでそちらをご覧下さい。




●脂溶性ビタミンについて

ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKは脂溶性ビタミンに分類されます。脂溶性ビタミンはその名の通り脂肪に溶けやすく、脂肪と一緒に摂る事で吸収が促されると言われています。水溶性ビタミンとは違って水に溶けないので、水分と一緒に体の外へ出やすいという事はありません。そのため一定期間体内に蓄え必要に応じて使う事ができ、水溶性ビタミンよりも不足する心配はありません。しかしながらそれは逆に「体の外へ排出するのが難しい」という事でもあります。必要量を適切に摂取しているのであれば特に問題はないのですが、自分が気づかぬ内に過剰摂取及び体の中に溜まってしまう事があるのです。よって脂溶性ビタミンは「適切に摂取する」という事が非常に重要になります。

・ビタミンA

ビタミンAはビタミンCと同じように抗酸化作用があるとされている他、特に粘膜の健康維持に関与していると言われています。この事からよく「視力の回復や維持に効果がある」と言われますが、ビタミンAは決して目だけに作用している訳ではありません。抗酸化機能を正常に保つ事によって細胞の酸化を防ぐ事ができ、その結果として粘膜に良い効果をもたらしているだけです。尚、ビタミンAは大きく分けて2種類あり、主に「レチノール」と「レチノールの代わりになるカロテノイド類」に分けられます。

レチノールの代わりになるカロテノイド
レチノールの代わりになるカロテノイドとしては「β-カロテン」が代表的で、カロテノイドの中ではこのβ-カロテンが最もビタミンAとしての能力が高いとされています。それ以外のカロテノイドはビタミンAとしての能力がないか、β-カロテンと比べると非常に弱いと言われています。よって「ビタミンA」と言う時はレチノール以外では基本的にこのβ-カロテンの事を指します。

他のカロテノイドの例を挙げると、トマトに含まれるリコピン、甲殻類やサケに含まれるアスタキサンチン、唐辛子に含まれるカプサイシンなどがあります。しかし前述のようにこれらはビタミンAとしての能力がないか非常に弱く、β-カロテンのようにレチノールの代わりにはなりません。ただしカロテノイドは全体として強い抗酸化作用があると言われているので、意識して摂取する事自体は何の問題もありません。

主軸となるレチノール
レチノールはビタミンAとしての能力が高く、基本的に体内ではレチノールの方が優先的に使われます。β-カロテンは万が一にレチノールが不足した時にそれを補う事ができますが、主軸となるレチノールと比べるとその能力は圧倒的に劣ります。よく「レチノールは過剰摂取の心配があるからβ-カロテンを摂取した方が良い」と言われますが、そのようにβ-カロテンはレチノールの「完全な代打」にはなる事ができないので、β-カロテンを摂取するだけでは不足する事があります。この事は意外と知られていません。

ビタミンAを含む食品
前述のようにビタミンAは脂溶性なので、脂肪を多く含む動物性の食品と一緒に摂取する事で効率良く吸収されます。レチノールの過剰摂取が心配される理由は、レチノールが主に動物性の食品(特に鳥・豚・牛のレバー、アンコウの肝、卵、乳製品に多い)に含まれているからです。ただし前述のように過剰摂取が心配だからといってその全てをβ-カロテンで補う事はできません。β-カロテンだけでビタミンAを摂取しようとすると逆に健康を害してしまう可能性があるでしょう。

一方、βカロテンを多く含む食品としては、特に色鮮やかな緑黄色野菜全般(シソ、ピーマン、モロヘイヤ、ニンジン、ヨモギ、西洋カボチャ、ケール、クレソンなどが代表的)が挙げられます。β-カロテンを豊富に含む食品はビタミンC、ビタミンK、食物繊維も豊富に含まれており、ビタミンの摂取源として非常に有用な食品が多いので、積極的に食べるべきです。ただし何度も言うように、β-カロテンを含む緑黄色野菜だけではビタミンAが不足する事があるので、あくまで「動物性の食品を主軸に置きつつ、その一部を植物性の食品に置き換える」ようにメニューを考えましょう。

ビタミンAの単位と必要量を考えてみる
ビタミンAは前述のようにレチノールとβ-カロテンのようなカロテノイドに分けられますが、それぞれ吸収率が大きく異なります。具体的に言えばレチノールはほぼそのままの形で吸収する事ができるのに対し、β-カロテンは吸収の際にその5/6が失われ1/6しか吸収する事ができないとされています。更にβ-カロテンは体内でビタミンAとして利用する際の変換で1/2のロスがあり、レチノールと比べると1/12程度しかビタミンAとして利用する事ができないと言われています。

例えばレチノールが1μg含まれる牛レバーとβ-カロテンが12μg含まれるニンジンがあったとします。前述のように人参に含まれるβ-カロテンはレチノールと比べて1/12のロスがあるので、例え12μg含まれていても実際に利用されるのは1μgだけになります。すなわち牛レバーの1μgとニンジンの12μgは同じ意味を持つ事になります。一方、牛レバーとニンジンを同じ重さで比べた場合、牛レバーに含まれるレチノールの量よりも、ニンジンに含まれるβ-カロテン量の方が圧倒的に多いです。しかし牛レバーに含まれるレチノールはほぼロスなく利用されるので、実際には牛レバーに含まれるレチノールの方が圧倒的にビタミンAとして効率良く利用する事ができます。何が言いたいのかと言うと、そのまま量を比べてしまうとどちらがビタミンAを摂取するのに適しているのか非常に分かりにくいと思います。そこで用いられるのが「μgRAE(レチノール活性当量)」という単位です。

このレチノール活性当量(μgRAE)は、レチノールの当量(食品に含まれるそのままの量)、β-カロテンの当量(食品に含まれる量を1/12する)、その他のカロテノイドの当量(食品に含まれる量を1/24する)、その他のカロテノイドの当量(同じように食品に含まれる量を1/24する)・・・というように、それら当量を全てを合計した数値で表されます。こちらの方が「どちらの食品の方がビタミンAを摂取するのに適しているのか」を判断する上では分かりやすいと思います。ちなみに1日に必要なレチノール活性当量は「600~900μgRAE(妊娠中では+400μgRAE)、上限は2700μgRAE」とされています。古い単位では「IU(1IU=0.3μgRAE)」もありますが、こちらはビタミンAの量を正確に計測できなかった頃の単位であり、現在でも古い本ではこれが使われている場合があります。



・ビタミンD

ビタミンDにはカルシウムの吸収を促す働きがあるとされており、それによって骨の強度を保つ役割があると言われています。また免疫細胞を活性化させる機能もあるとされており、免疫力を高める役割があるとも言われています。ビタミンDが不足すると骨が脆くなる事はよく知られていますが、実は風邪を引きやすくなるという事もあるかもしれません。

ビタミンは基本的に体内で合成する事ができないか、例え合成する事ができても量が足りない場合が殆どです。しかしこのビタミンDは体内で合成する事ができ、特に太陽光(紫外線)を浴びる事でコレステロールから合成する事ができます。よってビタミンDを補給するには、日常的に外出して太陽の光を浴びる事が重要になります。環境や季節にもよりますが、大人では1日30分程度日光を浴びる事だけでも十分な量のビタミンDを作る事ができるそうです。一方、子どもは大人と比べてビタミンDの合成能力が弱く、特に成長期にはその必要量が増えるため、更に長時間日光を浴びるか、食品やサプリメントからも補給する必要がある場合もあります。また大人でも女性は元々カルシウムが不足しやすいため、やはり通常よりも長めに日光を浴びるか、食品やサプリメントから補給する必要がある場合もあります。

ビタミンDを多く含む食品というと少しイメージがつきにくいかもしれませんが、食品ではシラス干し(ちりめんじゃこ)、イワシ、ニシン、スジコなどの小魚類に多く含まれています。その他では特にアンコウの肝やシロキクラゲ(キノコの一種)にも多く含まれていると言われています。食品から摂取する場合、1日に必要な量は食事から6μg(240IU)以上、多くて50μg(2000IU)までです。例えばビタミンDを多く含むニシンでは1日に2尾程度、シロキクラゲなら10g~食べるだけで必要量を補う事ができるようです。尚、脂溶性ビタミンのため水溶性ビタミンと比べれば過剰摂取の心配がありますが、最近の研究では健康(特に免疫機能の維持)のために摂取すべきとされる量が上がっており、人や環境にもよりますが、サプリメントなどで更に50~75μg(2000~3000IU)を追加補給しても問題は少ないという情報もあります。



・ビタミンE

ビタミンEはビタミンAやビタミンCと同じように抗酸化ビタミンの一つであり、活性酸素が増える事や脂肪の酸化を防ぐ役割があるとされています。特にビタミンEの持つ抗酸化作用はビタミンCより強く、他の抗酸化に関わる様々な栄養素(ビタミンA、ビタミンC、セレン等)と共存する事で、その機能を安定化させる作用があるとも言われています。そのためビタミンEの役割は非常に重要だと思われます。その他、ビタミンEには末梢に存在する毛細血管を拡張する役割があるとされ、体の隅々にまで血液を送る作用もあると言われています。

ビタミンEの能力を持つのは4種類(α・β・γ・δ)のトコフェロールと4種類(α・β・γ・δ)のトコトリエノールです。この内ビタミンEの大部分を占めるのがα-トコフェロールなのでそれが最も重要だと思われますが、ビタミンEが効率良く働くにはバランスが重要なので、α-トコフェロールだけではNGです。特にγ-トコフェロールは食品に含まれる量が少ないので注意が必要かもしれません。また最も抗酸化能力が高いとされるのはδ-トコトリエノール(デルタ・トコトリエノール)で、もしサプリメントを利用する場合にはそれが含まれたものを選ぶと良いでしょう。

1日の必要量は最低でも7mg以上とされ、抗酸化を狙うには100~150mg程度摂取すると良いと思われます。脂溶性ビタミンなので当然過剰摂取には注意が必要ですが、一説によればビタミンEは余剰分の多くは排出されると言われています。不足するのは最悪なので、サプリメントを利用しない場合には過度な心配はしなくて良いでしょう。一方、サプリメントを利用する場合、上限としては1日に多くて500mg程度までが無難だと思われます(IUという単位もあるので注意:1mg=約1.5IU)。念の為長期に渡って摂取するのは控えましょう。

尚、食品から摂取する場合、ビタミンEが多く含まれる食品であっても含まれるトコフェロール及びトコトリエノールの種類は大きく異なる場合があります。食品では特にアン肝、魚の卵全般、モロヘイヤ、ナッツ類に豊富に含まれている他、動物性・植物性問わず油に多く含まれています。この内、例えばアーモンドやピーナッツに含まれるのはα-トコフェロール、ピスタチオやゴマに含まれるビタミンEはγ-トコフェロールです。またアン肝はα-トコフェロール、大豆油はγ-トコフェロールとδ-トコフェロールとなっています。ちなみに強い抗酸化作用があるとされるδ-トコトリエノールに関する情報は少ないですが、元々食品に含まれる量は少ないので、それだけを目的にする場合にはサプリメントが必要になります(ただし基本はα-トコトリエノールを含む食品で十分)。



・ビタミンK

ビタミンKはビタミンDと同じようにカルシウムの吸収を促す役割があるとされる他、特に「血を固める凝固作用」に関与する事で知られています。例えば膝を擦り剥いて出血した後、その血は少しずつ固まっていき、時間が経過するとやがてカサブタになります。その仕組みは血中の「血漿」が空気中の酸素と反応する事で固まっているのですが、血液が固まる際に働く「プロトロンビン」という物質を作る際にこのビタミンKが使われています。もちろんこれは皮膚の外へ出血した場合だけでなく、内部で起こる内出血でも同じです。ビタミンKが不足するとそのような出血の際に血が固まりにくくなるため、様々な怪我の治りが遅くなるとも言われています。

ビタミンKは腸内細菌でも作る事ができるため、成人では不足する事はあまりないと言われています。しかしその能力には人によって差がある他、特に腸内環境が崩れやすい人では食品から摂取する必要があるかもしれません。食品から摂取する場合、1日に必要となる量は160μg程度とされています。食品では納豆、パセリ、海苔、青菜、ヨモギ、ホウレンソウ、小松菜などに多く含まれている他、特に納豆の中でも「ひきわり納豆」に多く含まれていると言われています。ひきわり納豆では1パックで400μg以上も補給する事ができます。脂溶性ビタミンですが、食品から摂取した場合の副作用は特に知られていないので、毎朝納豆を食べても問題は少ないはずです(ただし毎食大量の納豆を食べた場合、腸内細菌のバランスが崩れる可能性もあるので程々に)。




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