
まず重要になるのが「メラトニン」というホルモンです。メラトニンは睡眠に深く関わるホルモンであると同時に、性ホルモンをコントロールする役割があります。これにより子どもでは思春期を迎えるのを抑えていると言われています。つまりメラトニンが正常に分泌されないと、いわゆる早熟となり、思春期を早くに迎えてしまう事になります。また思春期中においては性ホルモンが短期間の内に急激に、かつ不安に分泌されるようになります。これにより心身が不安定なる上、性機能が十分に発達できないまま、思春期を終えてしまう可能性があります。これが胸の成長を阻みます。
更にその不安定な心身の変化は、極端な生活習慣に対する考え方の固定化にも繋がっていく事があります。例えば「食事を制限すれば運動をしなくても痩せる」「糖や脂肪を摂ると太る」「ビタミンCは体に良い」「運動はつらくて苦しいもの」などといった感じです。前述のように女性ホルモンは脂肪の代謝に深く関わっており、分泌量が増えるほど脂肪が蓄積しやすくなります。その変化は誰にも抑える事はできませんが、そういった生活習慣に対する偏った考えによって、結果として無理に抑えようとしてしまうのです。その際に身についてしまった生活習慣に対する考え方は、大人になってもそう簡単には変わりません。そうした生活習慣の積み重ねもバストアップの妨げになるというのが私の考えです。
一方、メラトニンが分泌されていれば、思春期を迎える前段階で分泌を安定化させる事ができ、思春期が終わる時期に女性ホルモンの分泌量が急激に低下するという事を防ぐ事ができます。つまり「思春期を緩やかに迎え、緩やかに終える」事ができ、これがバストアップのための第一歩になります。その一歩目を踏み出すと、ホルモンバランスの安定化から心身の不安定が抑えられ、極端に食事を制限しなくても済むようになります。つまり生活習慣に対する偏った考え方が身につく事もなくなるので、少なくとも20代いっぱいまではバストアップができるようになるはずです。
ちなみに前述したように、一度思春期に入ってしまったらそれを抑える事はできません。特に思春期中のホルモンバランスは「思春期以前からの積み重ね」が重要であり、思春期中にだけ規則正しい生活をしようとしても、やらないよりマシ程度の結果にしかなりません。子どもの頃から継続すべきです。特にメラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを材料にして作られており、そのトリプトファンは動物性の食品に多く含まれています。女性は思春期を迎える遥か前からダイエットを繰り返している人も多く、肉、魚、卵、乳製品等を食べる習慣がない場合があります。するとメラトニンの材料が減り、それが思春期前中後におけるホルモンバランスが崩れる原因になり得ます。更にメラトニンは睡眠に関わるホルモンであり、心身を活性化させるセロトニンの分泌によって行われるため、その分泌が狂うと深い睡眠を取る事ができなくなる上、精神的に不安定になります。このように食習慣の乱れは睡眠習慣に、更には心にも悪影響を及ぼす可能性があり、今何を優先的にすべきか今一度考える必要があるでしょう。
また女性ホルモンの分泌には必須アミノ酸や必須脂肪酸を基本として、ビタミンB群、ビタミンE、マグネシウム等が必要だと言われています。特に必須脂肪酸のバランス及び活動と休息のバランス(エネルギー不足を避ける)が重要です。睡眠習慣の改善と合わせ、それらの栄養素が不足しないよう意識的に摂取すると良いでしょう。運動習慣に関しては、激しい運動を行うと、振動によっていわゆる「胸が垂れる」原因になる事もあるので、胸を揺らさないような筋トレが効果的です。尚、筋トレを行う事でも胸の脂肪は燃えます。ただし運動に見合う食事をしていれば、胸が萎むリスクを減らせます。