2017年5月4日木曜日

「ストレッチ法1」腰痛・膝痛予防編

この記事では『ストレッチ法』について私なりにまとめており、特に腰痛や膝痛に関係する太もも・ふくらはぎ・スネ・お腹にある筋肉を解すためのストレッチについて扱っています。

相変わらず長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/5/4)


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★ストレッチを行うにあたっての注意点等

●実際に解していく筋肉について

少し前述しましたが改めて。この記事では特に「太もも」「ふくらはぎ」「脛(スネ)」「お腹」にある筋肉を解すためのストレッチ法を紹介しています。具体的に言えば、太ももの表側にある「大腿四頭筋」、太ももの裏側にある「ハムストリングス」、ふくらはぎにある「腓腹筋」や「ヒラメ筋」、スネにある「前脛骨筋」、そしてお腹にある「腹直筋」や「腹斜筋」という筋肉です。これらの筋肉は腰痛や膝痛に関係しており、それを予防する事が一番の目的となります。尚、どうしてこの筋肉が腰痛や膝痛に関係しているのか?については下記のストレッチにおいてそれぞれ説明していますので、まずは順に読み進めて下さい。

●筋肉には血液を運ぶポンプと熱を作る役割がある

血液は心臓のポンプ作用によって太い「動脈」を通って全身へ運ばれ、指先や足先という遠い場所にも素早く血液を送る事ができます。そうして動脈を伝って全身へ運ばれた血液は、その後「静脈」を通って心臓にまで戻ってきます。しかし静脈は心臓から遠く、重力に逆らわなければならないため、心臓の力に頼らずに血液を戻さなければなりません。そのため「心臓とは別のポンプ」がどうしても必要になり、そのポンプの役割を果たすのが筋肉という訳です。その中でも特に重要なのが「ふくらはぎにある筋肉(腓腹筋やヒラメ筋)」です。心臓から最も遠い場所にある「足先」の血液を重力に逆らって心臓まで戻すためには、その筋肉を収縮させて静脈にある血液を循環させなければならないのです。

また足の筋肉に限らず、筋肉には「収縮させる事によって熱を作り出す」という役割もあります。例えば気温が低い日では体が震える事がありますが、あれは筋肉を細かく震わせる事によって熱を作り、体温を上げようとしているのです。女性は男性よりも冷え性になりやすいとよく言われますが、それは筋肉量が少ない事で熱を作る能力と足のポンプ作用が弱いからです。つまり逆に言えば全身の筋肉量を増やし、足の筋肉が正常に機能するようになれば冷え性を改善する事ができるという事です。

●ストレッチを行う際の反動について

ストレッチには様々な種類・方法がありますが、下記で紹介するストレッチは「静的なストレッチ」なので、筋肉を伸ばしていく際には反動を伴わずに行う必要があります。秒数を数える際に体を揺するようなストレッチを行う人は非常に多いのですが、できるだけ体を静止させたまま筋肉を伸ばしましょう。もちろん体を動かして行う方法や反動を敢えて使う方法もありますけどね。

また筋肉は「伸張反射」と呼ばれる特徴を持っています。これは筋肉が伸ばされた際に反射的に縮もうとする作用の事で、筋肉が必要以上に伸ばされて壊れてしまわないように「防御」の役割があります。つまり、いきなり強く力を入れて筋肉を伸ばそうとするとこの伸張反射が起こってしまい、筋肉を効率良く伸ばす事ができなくなるのです。よってこのストレッチを行う際には「ゆっくりと力を入れていく」という事が非常に重要になります。

尚、静的なストレッチの場合、1回に伸ばしている時間があまりに長過ぎると、靭帯や腱など筋肉以外の組織も伸ばされてしまう事があります。人によってはその繰り返しが「関節の緩さ」に繋がり、逆に関節付近の怪我に弱くなってしまう事もリスクとして考えなければなりません。よって筋肉を伸ばしている時間は長くても30秒程度にしましょう。何よりストレッチを行った後の筋肉の柔軟性は一過性のものであり、いくら時間をかけて伸ばしてもしばらく経てば元に戻ってしまいます。筋肉を柔らかくするのはやはり「継続的な使用」であり、1日に何回もストレッチを行う必要はありません。運動前、運動後、寝る前等で十分でしょう。それ以外は日常的な運動によって筋肉を動かせば自然と筋肉は解れていくはずです。

ちなみに運動を行う前の準備運動としての「静的なストレッチ」はあまり向いていません。何故なら筋肉が伸ばされ続ける事で筋力が低下してしまうと言われているからです。よって運動を行う前には体を動かしながら筋肉を解す「動的なストレッチ」を合わせて行う必要があります。代表的なものとしてはサッカーなどでよく見ますが、リズミカルにステップを踏みながら全身の筋肉を解していく「ブラジル体操」がよく知られています。

●ストレッチを行う際の呼吸について

力んで筋肉に力を入れてしまうとせっかく行っているストレッチの効果も薄れてしまいます。また力んで血流が滞った場合、呼吸を再開させた瞬間一気に血液が流れ、人によっては血管が破れる事もあり非常に危険です。その意味でも、筋肉を伸ばしていく際には必ず意識的に呼吸を行うようにしましょう。




★大腿四頭筋等のストレッチ

●大腿四頭筋のストレッチ

まず床に座って両足を伸ばします。そして腰から下だけを床に接地させ、上半身は床から浮かせた状態にします。この時、手を腰の少し後ろの床について上半身が後ろへ倒れないように支えましょう。

c1.bmp続いて左右どちらの足でも良いので、太ももと体のラインが真っ直ぐな状態を保ったまま、片方の膝を曲げます。そして曲げた方の足の踵(かかと)を太ももの側面~お尻の外側辺りにつけ、足の甲は床につけます。その際、足の踵がお尻から離れていくといわゆる「女の子座り」のようになりますが、そのような足の形になった状態で力を入れてしまうと膝・股関節を痛めてしまいます。必ず曲げる方の足も伸ばしている方の足も、太ももは自分から見て必ず真っ直ぐなままになるよう注意して下さい。

それができたら画像のような姿勢になると思います。その状態になったら、できるだけ上半身を後ろへ倒していきます。床についた手で上半身をコントロールしながら、少しずつ後ろへ倒していきましょう。柔らかい人では背中がぴったり床へつくと思いますが、太ももの筋肉が硬い人ではお尻が浮いてきてしまうと思います。お尻が浮くのは全く構わないのですが、できるだけ浮かないように意識し、ゆっくりと「浮いているお尻を床に近づけるように力を入れていく」ようにしましょう。そうする事で太ももの前にある筋肉、すなわち大腿四頭筋が伸ばされていきます。

この流れを30秒程度続けるのがこのストレッチの方法です。左右それぞれ1回ずつ行いましょう。尚、太ももの筋肉が柔らかくなると膝がスムーズに曲がるようになるため、背中を丸めるよりも腰を落とした方が楽という事に気付いていきます。それは結果として腰痛予防にも繋がっていくはずです。ただし今まで伸ばしていた筋肉(特にその筋肉を日常的に使っていない場合)が急に収縮すると攣ったような痛みが出る事があります。ストレッチを行って筋肉を伸ばした後に戻す際には、必ずゆっくりと丁寧に戻すようにしましょう。またこのストレッチは膝を曲げる必要があるため、元々膝に痛み・故障がある人では症状が悪化する事があります。そのような人は下記にあるような膝を曲げずに済むようなストレッチを行ったり等、「患部より遠い場所から攻めていく(マッサージ、ストレッチ、トレーニング等)」という事が重要です。

●膝蓋骨の位置調整のためのストレッチ

床に座って両足を伸ばし、腰から下だけを床に接地させ、上半身は床から浮かせた状態にします。この時、手を腰の少し後ろの床について上半身が後ろへ倒れないように支えましょう。ここまでは上記のストレッチと同じです。

その状態になったら左右どちらの足でも良いので、膝の裏側に筒状に丸めたタオルを置きます。そしてそのタオルを膝の裏側で押すようにゆっくりと力を入れます。この時、踵は床から浮かせないようにしましょう。そうして膝の裏側でタオルを押したらゆっくりと力を緩めていき、完全に脱力しないように再び膝の裏側で押します。これを左右それぞれ30回ずつ繰り返しましょう。

これは膝の痛みがある人がリハビリの一つとして行う方法であり、膝蓋骨すなわち膝のお皿の周囲にある筋肉に刺激を与える事で、体重をかけた際に動く膝のお皿を正常な位置へ保つ効果があります。つまりこれをストレッチとして行った上で、例えばスクワットやランジのような膝に体重がかかる筋トレを行う事で、膝痛をある程度予防する事ができるという訳です。



★ハムストリングスのストレッチ

前述のストレッチと同じように、まずは床に座って両足を真っ直ぐ伸ばします。そして左右どちらの足でも良いので、片方の膝を「あぐらをかく」ようにして曲げ、その足の裏が伸ばしたままになっている方の足の太ももの内側につくようにします。

b2.pngその状態になったら背中を伸ばして姿勢を正し、伸ばしたままになっている方の太ももへお腹を近づけるようにして前に力を加えていきます。すると伸ばしている方の太ももの裏側の筋肉や膝の裏側が伸ばされていくのが分かると思います。ただしこれは背中のストレッチではなく「太ももの裏側のストレッチ」です。よって背中をできるだけ曲げずに「股関節を軸にして背中を伸ばしたまま上半身を前へ倒す」のが大きなポイントです。その点を強く意識しながらお腹を太ももに近づけるようにゆっくり力を加え、それを30秒程度続けましょう。

このストレッチは直接膝を曲げないため、膝に多少痛みがあってもある程度行う事ができます。また股関節を軸にして上半身を前へ倒していく際、右足には右胸を、左足には左胸を近づけるように意識する事で、脇腹にある「腹斜筋」もストレッチする事ができます。腹斜筋は正面を向いたまま体を横へ反らす際や、上半身または下半身を捻る際に使われる筋肉です。つまりそのような動作を行った際に横側から体を支え、上半身と下半身の動きをコントロールする役割があるので、この筋肉が機能すれば単純に腰や膝の負担も軽減されます。

もちろんハムストリングスが柔らかくなれば、背中を丸めずに股関節を軸にして上半身を前へ倒す事ができるようになり、やはりこれも腰痛予防にも繋がります。ただし太ももの裏側にあるハムストリングスは運動習慣のない人では衰えやすく、急に伸ばすとストレッチでも肉離れのようになってしまう事もあります。痛みがある場合は決して無理をせず、ゆっくり力を加えるようにして下さい。もちろん筋肉を十分に伸ばした後に戻す際にはやはりゆっくりと丁寧に戻すようにしましょう。




★腓腹筋・ヒラメ筋・アキレス腱や股関節筋群のストレッチ

●腓腹筋・ヒラメ筋・アキレス腱のストレッチ

手を肩幅に開き、いわゆる「腕立て伏せ」をする形になります。そして左右どちらの足でも良いので、片方の足をもう片方の足の足首の上(アキレス腱辺り)へ乗せます。この時、下になっている方の足は爪先だけが接地し、また肘を伸ばした腕立て伏せの体勢になっており、もしそれを維持する事が難しい場合には手と足の距離を少しだけ近づけると楽になります。ただし近づけ過ぎるとそれはそれで腰への負担が大きくなるので、各自行いやすいように調節して下さい。

c2.png画像のような状態(画像では足が一本しかなくて申し訳ないですw)になったら、下になっている方の足の踵を床へ近づけるようにゆっくりと力を加えていきます。するとふくらはぎの筋肉、及びアキレス腱が伸ばされてくるのが分かると思います。それを30秒程度続けましょう。それが終わったらゆっくり力を抜き、もう片方の足でも同じように行いましょう。

これを腕立て伏せの体勢で行うのがどうしても難しい場合、体育の授業で行うような、いわゆる「アキレス腱」のストレッチでももちろん構いません。ただしただ単に足を前後に開くだけではストレッチにはなりません。しっかりと「姿勢を正す」「後ろの膝を伸ばす」「反動を使わない」「ゆっくりと踵を床へ近づけるように力を加える」など、正しい方法で行う事が重要です。

ちなみにその立った状態で行う方法では、後ろに引いて伸ばしている方の足の「膝を曲げた状態で行う」事によって、腓腹筋の少し下にある「ヒラメ筋とアキレス腱」をより伸ばす事ができます。体重のかけ方には少しコツが必要(後ろ足に体重をかけ過ぎると足首や膝の関節を痛める事があるので注意)ですが、それを行う事で更に足首の可動域を広げる事ができます。そうして足首の関節が柔らかくなると、例え上半身を前へ倒す場合でも膝を深く曲げたり、背中を必要以上に丸める必要がなくなるため、膝痛・腰痛の予防に繋がります。

●股関節筋群のストレッチ

上記の立った状態で行う方法において、後ろに引いた方の足だけ膝立ちにする事で股関節付近(前側)にある筋肉を伸ばす事もできます。その際には後ろに引いた方の太ももを地面へ近づけるようにして力を入れると、よりストレッチ効果が高まります。膝が痛い人はクッションなどの上に膝を乗せると良いでしょう。

その他の股関節を解す方法としては、片足立ちの状態になり、股関節を軸にして円を描くように回すなどによっても解す事ができます。ただし股関節を回す際には膝からスネの骨及び足の裏が床から常に垂直になるようにして下さい。これが股関節を回す度にずれると膝(特に内側と外側の靭帯)を痛めてしまう事があります。また反動をつけて足を持ち上げようとした際、背中が丸まってしまうと腰へも大きな負担がかかります。無理をせずできる範囲でかまわないのでゆっくり大きく回すようにしましょう。




★前脛骨筋のストレッチ

c4.bmpまずは膝が直角に曲がる程度の高さがある椅子に座り、膝を軽く曲げて両足を揃えます。続いてその状態を保ったまま、左右どちらの足でも良いので片方の足の爪先を少し後ろへ引き、膝を正面に向かせたまま足の甲(指の第二関節付近)を床へ接地させます。そして足の甲を床へ設置させたまま、足首を床へ近づけるようにしてゆっくり力を加えていきましょう。すると足首が伸ばされていき、スネの筋肉である前脛骨筋をストレッチする事ができます。30秒程度伸ばしたらもう片方も行いましょう。ただし力を加えすぎると足首の関節への負担が大きいため、力加減には十分注意して下さい。また床に骨が当たって痛い場合には柔らかいマットを敷いて行うのも構いません。

スネにある前脛骨筋は歩いたり走ったりなど日常的に使われていますが、意識的に鍛えている人は少ないため、疲労が蓄積しやすい筋肉(鍛えていない=使用頻度が低い=血流が滞る)です。上記のストレッチ法は足首の可動域的に少し無理のある動作ですので、やはり直接マッサージする事もオススメですね。スネにある骨は触って分かると思うのですが、その外側にある少し柔らかい部分が「前脛骨筋」です。そこを親指を抜いた四本の指で掴むようにして揉む事でほぐす事ができます。




★腹直筋のストレッチ

まずはうつ伏せに寝た状態で足を真っすぐに伸ばし、腰骨から足先までを床にピッタリとつけます。そして両手を床につき、手で床を押すようにして少しずつ上半身を起き上がらせていきます。そして上半身を起き上がらせていくと共に、腰骨を床へ近づけるように力を加えていきます。それを30秒間行いましょう。

このストレッチで伸ばすのはお腹の前面にある「腹直筋」という筋肉です。腰痛と聞くと体の後ろ側にある筋肉に何か原因があるのでは?と思ってしまう事が多いですが、実は腹直筋の柔軟性が損なわれている事でも腰痛の原因になる事があります。例えば背中を後ろへ反らせる時には、背中にある広背筋が収縮すると同時に、お腹にある腹直筋が伸ばされています。つまり背中を伸ばすためには広背筋の筋力はもちろん腹直筋の柔軟性も必要不可欠なのです。

ただしこのストレッチでは背中にある広背筋を使って腰骨を床へ近づけるので、ストレッチを行った後で急激に背中を丸めようとすると、筋肉が攣りそうになる事があります。特に普段から背中の筋肉を使っていない人でそのようになりやすく、人によってはこのストレッチが原因で筋肉痛になる場合もあります。ストレッチを行った後はやはり急に戻すのではなく、ゆっくりと丁寧に戻していくようにしましょう。また背骨に物理的な問題がある場合、このストレッチを行う事で症状が悪化する場合がります。腰に痛みがある場合にはやはり腰より遠い場所・原因から攻めましょう。