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2018年8月3日金曜日

「ストレッチ法1」腰痛・膝痛予防のためのストレッチ

この記事では腰痛や膝痛の予防に役立つようなストレッチ、特に「太もも・ふくらはぎ・スネ・お腹・背中などにある筋肉」をほぐすためのストレッチの方法についてまとめています。相変わらず長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/5/4、最終更新日時:2018/8/2)


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★ストレッチを行う際に注意すべき点など

●実際にほぐしていく筋肉について

この記事では特に「太もも」「ふくらはぎ」「脛(スネ)」「お腹」「背中」にある筋肉をほぐすためのストレッチの方法を紹介しています。具体的にほぐすべき筋肉の名前を挙げると、太ももの表側にある「大腿四頭筋」、太ももの裏側にある「ハムストリングス」、ふくらはぎにある「腓腹筋」、その少し下にある「ヒラメ筋」、スネにある「前脛骨筋」、お腹の正面にある「腹直筋」、脇腹にある「腹斜筋」、背中全体にある「広背筋」、背骨に沿っている「脊柱起立筋」などです。

●そもそも腰痛は何故起こるのか

例えば床に落ちている物を拾い上げる際には一旦上半身を前へ倒し、目的のものを手に掴んで拾い上げ、体の後ろ側にある筋肉を使って上半身を起き上がらせます。この時、腰骨を軸にして背中を丸めずに上半身を前へ倒していれば、背骨が縦の支柱となって安定し、その背骨と背中にある広背筋や脊柱起立筋などが協力し合って、体重を上手く分散する事ができます。

一方、上半身を前へ傾ける際に背中を丸めると、腰骨の辺りにあった横の軸が上の方に移動、すなわち脇腹辺りに変わります。それにより今までは背中全体で体重を分散できていたのが、背中が最も丸まっている頂点の部分にばかり体重が集中するようになり、大きな負担がかかります。特にその背中の筋肉は縦に伸ばされた状態で力を発揮する事になるため、非常に効率の悪い筋肉の収縮を繰り返す事になります。更には背中が丸くなる事で背骨が支柱としての役割を果たせなくなり、その背骨の湾曲も背中の筋肉で支えるようになります。それらによって背中の筋肉が必要以上に使われ、どんどん疲労は蓄積していきます。それは背中を勢い良く丸めたたり伸ばしたりした際、あるいは何か重たい物を下から持ち上げる際に症状として現れ、背骨や背中にある筋肉を痛めてしまう事があります。それこそが腰痛です。

尚、そうして背中の筋肉が疲れると、周囲にある別の筋肉を使ってどうにかして背中を支えようとするため、他の筋肉にも疲労が連鎖的に広がっていきます。特に背中を丸めると頭が前へ出るような姿勢になりやすく、首の後ろ側や肩甲骨周りの筋肉も必要以上に使われ、疲労しやすくなります。それによって首コリや肩コリにも繋がる可能性があります。

●腰痛と膝痛は関係が深い

そのように腰痛予防のためには「背中を丸めず上半身を前へ倒す」というような体の使い方が重要です。しかしそれを行うためには太ももの裏側にあるハムストリングスや、お尻にある大臀筋などがスムーズに伸ばされる必要があり、下記ではそのストレッチの方法について紹介しています。

一方、腰痛予防のためには「膝を曲げて一旦深くしゃがみ込む」という事も重要になります。単に上半身を前へ倒すだけでは上半身の筋肉が主に働くだけですが、膝を曲げて腰を落とす事によって重心が下がって安定する上、太ももの筋肉を使うことができ、負担が更に軽減します。つまり腰痛は膝痛とも大きく関係しているのです。しかしそうして深くしゃがみ込むためには、足首の関節、膝の関節、股関節全てがスムーズに曲がる必要があります。この時に伸ばされるのは太ももの表側にある大腿四頭筋、ふくらはぎにある腓腹筋やヒラメ筋、お尻にある大臀筋などであり、その柔軟性を高めるようなストレッチについてもまとめて紹介しています。基本的に腰痛と膝痛はセットで考えるべきです。

尚、これは腰痛や膝痛に限った事ではないのですが、筋肉や関節の怪我でよく言われるのが「筋力が低いから痛める」「柔軟性がないから痛める」という事です。しかし実際には「普段の体の使い方(癖)」に直接的な原因があるという事も多いです。特に腰痛や膝痛に関して言えば、普段から猫背、上半身を前へ倒す時に体を丸める癖のある、骨盤が後傾している(お尻が前に、腰骨・股関節が前に移動し、背中の付け根が丸くなる)、上半身を前へ倒す際に膝を曲げない等の場合、疲れるような体の使い方をしています。いくら筋力を強化したり柔軟性を高めても、そのような体の使い方に関しては意識以外に直す方法はないので、毎日少しずつ直していきましょう。

ちなみに炎症や痛みがある時のケアの方法についてはこちらの『「豆知識集5」膝・腰・肩の痛みとその対策を考える』をご覧下さい。ストレッチを行って筋肉をほぐす際には、現時点で炎症、痛み、腫れなどがない事が条件です。それらがある状態でストレッチを行っても悪化するだけです。




●インピンジメント症候群とは?

関節付近にある筋肉、靭帯、腱、骨など様々な組織の位置がズレてしまう事を「インピンジメント症候群」などと言います。簡単に説明すると、まず何らかの原因でどこかの筋肉が機能しなくなった時、その筋肉の機能を別の筋肉でカバーするようになります。しかしその筋肉は元々別の役割を持っていた筋肉であり、普段とは異なる使われ方、及び使用頻度が高くなる事で疲労が蓄積しやすくなり、その筋肉までも本来の役割を果たす事ができなくなります。すると更にそれとは別の筋肉でも機能を代用するようになり、それが周囲の筋肉へ連鎖的に広がっていきます。インピンジメント症候群はそうして起こります。

起こる症状としては、例えば組織がお互いに擦れ合ったり、骨が上手く固定できず隙間が空き、その関節内に靭帯や腱などが挟まるなどが挙げられ、これらによって高頻度に炎症・痛みを引き起こします。尚、炎症自体は患部の治癒に必要な反応ですが、必要以上に広がってしまうとが健康だった組織にも悪影響を及ぼします。そのため初期段階では筋力低下や可動域制限などだけですが、そのまま脱臼してしまう事もあり、脱臼を繰り返すと靭帯や軟骨にも損傷が及びます。長期に渡っての靭帯や軟骨の損傷は基本的には自然には治らないので、損傷の度合い次第では手術が必要になります。

尚、インピンジメント症候群という言葉を知っている人では「肩?」というイメージが強いですが、実は股関節でも起こる事があります。例えば片足立ちの状態で太ももを大きく回してみて、ゴリゴリと音が鳴るような場合です。もちろん初期段階では単に凝り固まっているだけですが、股関節付近にある筋肉が凝り固まると、前述した上半身を前へ倒す際に背中が丸くなりやすくなり、やはり腰痛の原因になる事があります。股関節は日常的に使われる関節です。ストレッチが必要でしょう。

●筋肉の持つポンプ作用

血液は心臓のポンプにより動脈を通って全身へと運ばれ、静脈を通って再び心臓まで戻ってきます。しかし心臓まで戻すには重力に逆らわなければならず、また心臓より遠くなればなるほど心臓のポンプの力は伝わりにくくなります。そのため静脈内の血液をスムーズに心臓まで戻すためには「心臓とは別のポンプ」がどうしても必要となり、その役割を果たすのが実は筋肉なのです。特に筋肉のいわゆる「コリ」は最初のきっかけは何にせよ、血流が滞っている事で起こっています。そのため筋肉のコリを取りの除くには周囲の筋肉を動かす事が最も効果的だと思われます。

その意味では「単に筋肉を伸ばすだけのストレッチ」だけでは筋肉のコリを改善できない場合があります。一般的なストレッチでは筋肉を伸ばすだけで動きを殆ど伴いませんが、これでは伸ばす事はできても血流は促されません。血流を促すためには体を動かしながら行うストレッチも重要になるでしょう。その他ではマッサージの他、筋肉を動かす際に負荷を与えるようなトレーニング、場合によっては全身を使うような有酸素運動にも効果が期待できます。

尚、筋肉には収縮する事で熱を作り出し、周囲の血液を温め、それを全身へ循環させる事で体温を上昇させる役割もあります。例えば気温の低い時期では体が震える事があります。あれは筋肉を細かく震わせる事によって体温を上げようとしているのです。女性は冷え性になりやすいとよく言われますが、それは筋肉量が少ない事で熱を作り出す能力と血液を送るポンプの能力が弱いからです。すなわち「コリがある筋肉だけを動かしたり伸ばしたりする」のではなく、全身の筋肉量を増やし、それぞれの筋肉が正常に機能するように努めましょう。それも筋肉のコリを改善・予防する事に繋がります。




●ストレッチを行う際の反動と伸張反射

ストレッチには様々な種類・方法がありますが、下記で紹介するストレッチは主に「静的なストレッチ」であるので、筋肉を伸ばしていく際には勢いや反動をできるだけ使わずに行う必要があります。ストレッチで秒数を数える際に体を揺する人は多いのですが、できるだけ体を静止させ、心身をリラックスさせた状態で筋肉を伸ばすようにしましょう。決して力んではいけません。

また筋肉は「伸張反射」と呼ばれる機能を持っています。これは筋肉が勢い良く伸ばされた際に縮もうとする作用の事で、筋肉が必要以上に伸ばされ壊れてしまわないようにする「防御」の役割を果たしています。つまり強く力を入れて筋肉を伸ばそうとするとこの伸張反射が起こりやすくなり、筋肉を効率良く伸ばす事ができなくなってしまう訳です。よってストレッチを行う際にはやはり「ゆっくりと力を入れていく事」と、特に「現在の可動域のギリギリを攻めていく事」が重要になります。

●伸ばしすぎない事も重要

1回に伸ばす時間があまりに長過ぎると、靭帯や腱など筋肉以外の「本来は必要以上に伸ばされてはいけない組織」も伸ばされてしまい、その繰り返しが「関節の緩さ」に繋がる事もあります。よって伸ばす時間は長くても1回30秒程度にすると良いでしょう。伸ばす時間が短くなる事では「伸ばされている気がしない」ように感じますが、ストレッチを行った後の筋肉の柔軟性は一過性のものであり、いくら時間をかけて伸ばしても、しばらく経てば元に戻ります。真に筋肉を柔らかくするのは「日常的に筋肉を使う事」しかなく、ストレッチを1日に何回も何時間も行う必要はありません。朝食後や寝る前、あるいは運動前後だけで十分でしょう。

ちなみに運動を行う前に限って言えば、静的なストレッチは「運動を行うための準備」にはあまり向いていません。何故なら筋肉が伸ばされた状態から収縮する事になり、効率良く力を発揮できず筋力が低下してしまう事があるからです。よって運動を行う前にはむしろ少し反動をつけて、リズミカルに体を動かしながら筋肉をほぐす「動的なストレッチ」を行った方が良いでしょう。代表的なものとしてはサッカーなどではよく見ますが、リズミカルにステップを踏みながら全身の筋肉を解していく「ブラジル体操」が知られています。

●ストレッチを行う際の呼吸について

ストレッチは筋肉を伸ばすために行うものです。そのためストレッチを行う際に筋肉に力を入れてしまうと何の意味もありません。無理をせず、力まずリラックスした状態で行うようにしましょう。特に呼吸を止めるほどにまで力んだ場合、呼吸を再開させた瞬間に一気に血液が流れ、その速い血流によって脆くなっていた血管が破れてしまう事があります。大きな負荷を扱うようなトレーニングとは違ってストレッチではその危険性は低いですが、普段から運動を行っている人でも可能性はゼロではなく、それが心臓や脳で起これば即命に関わります。念のため筋肉を伸ばしていく際には意識的に呼吸を行うようにしましょう。




●オススメのサプリメント・他あると便利なもの

ここではオススメのサプリメントやトレーニングを行う際にあると便利なものを紹介しています。尚、基本的な栄養素(五大栄養素それぞれ)については『「基本的な栄養素」に関する記事の一覧』にある記事をそれぞれご覧下さい。

LIFE STYLE マルチビタミン・ミネラル 有機JAS フラックスシードオイル(アマニ油) 237ml

ビタミンとミネラルをまとめて補給する事ができるサプリメントです。摂取方法は運動前、運動後、普段の食事などのタイミングで小分けにして摂取。尚、このサプリメントは1粒の容量が多いので、下記の錠剤クラッシャーで砕く事をオススメします。

必須脂肪酸の中でもω-3脂肪酸のα-リノレン酸を豊富に含むアマニ油です。ω-6とのバランスを整え、炎症・アレルギーをコントロールします。目安は1日に5g以上、1回2g程度を毎食時等に小分けにして摂取すると良いでしょう。ただし熱や酸化に弱いので加熱調理に使えず、保存には工夫が必要です。尚、α-リノレン酸は体内でDHAやEPAに変換できますが、その効率は悪く、これだけだとEPAとDHAが不足する事があります。青魚を食べるか別途「サプリメント(Amazon商品リンク)」で補給すると良いかもしれません。
NOW Foods 脂溶性ビタミンC 500mg ネオセル スーパーコラーゲン+ビタミンC 6000mg 250錠

脂溶性のビタミンCを摂取する事ができるサプリメントです。水溶性のビタミンCは失われやすく、数時間おきに摂取する必要があると言われています。一方、この脂溶性ビタミンCは緩やかに吸収されるため、朝晩に摂取するだけで済みます。尚、ビタミンCは過剰摂取の心配はないので、水溶性ビタミンCの方も毎食時に数gずつ摂取しましょう。

より吸収率の高い低分子のコラーゲンペプチドと水溶性ビタミンCを一緒に摂取する事ができるサプリメントです。摂取量の目安は特にありませんが、1回1~2錠を毎食時に小分けにして摂取すると良いと思われます。1錠のサイズがやや大きいので、下記の錠剤クラッシャーなどを利用し細かく砕くと良いでしょう。尚、水溶性ビタミンCは少ないので別途補給が必要です。水溶性ビタミンCの摂取量の目安は1日5g以上なので「水溶性ビタミンCのサプリメント(Amazon商品リンク)」を追加利用しましょう。
シークリスタルス エプソムソルト(硫酸マグネシウム)入浴剤 2.2㎏ 松吉医科器械 錠剤クラッシャー MY-8110

硫酸マグネシウムを含む入浴剤です。これをお風呂のお湯に溶かす事で皮膚からマグネシウムを吸収させる事ができ、筋肉疲労の回復に効果があると言われています。尚、1回に使用する量の目安は150cc~です。

錠剤を砕く事のできる道具です。大きな錠剤は飲みにくいと思うのでこれを利用して細かく砕くと良いでしょう。特に水溶性ビタミンを摂取するようなサプリメントでは、もちろん容量にもよりますが、これを利用して毎食時に小分けにして摂取した方が効率良く吸収できると思われます。




★腰痛・膝痛予防のためのストレッチ一覧

●大腿四頭筋のストレッチ

まずは太ももの表側にある大腿四頭筋を伸ばすためのストレッチの方法から説明していきます。

床に座って両足を前方へ伸ばし、手は後方について上半身が後ろに倒れすぎないようバランスを取ります。また左右どちらの足でも良いので、太ももの骨と体のラインを真っ直ぐに保ったまま、片方の膝を曲げます。曲げた方の足のふくらはぎが太ももの側面辺りに来るようにし、足の甲を床につけます。その際、足の踵がお尻から離れていくといわゆる「女の子座り」のようになりますが、そのような座り方で不用意に体重をかけてしまうと股関節を痛める事があります。かと言って太ももに密着させすぎると、膝の関節を必要以上に曲げてしまうので、踵は少し太ももに触れる程度に膝を曲げるようにしましょう。

また膝を曲げた際、爪先を体の外側へ向け、膝の内側が床につくように行う方法(腰骨の外側~膝の内側に繋がっている縫工筋のストレッチ)も一応あるのですが、それだと今度は膝の関節を痛めてしまう事があります。太ももの骨を体のラインと同じく真っ直ぐに保つのは、太ももの表側にある大腿四頭筋をできるだけ縦に伸ばしたいからで、股関節や足首を変に捻ったりしないよう注意しましょう。

それらに注意すると画像のような体勢になると思います。その状態になったら床についた手で上半身をコントロールし、スネが床から浮かないように注意しながら、お尻を床へ近づけるように体重をかけていきます。それによって太ももの表側にある大腿四頭筋や、股関節の前側にある筋肉が縦に伸ばされます。可能ならば上半身を後ろへ倒していくとよりストレッチされますが、体が硬い人ではお尻が浮いてきてしまうと思います。むしろお尻を床へ近づけるようにするのがポイントなので、スネを床に固定しお尻が浮かない範囲で無理せず行いましょう。

これを1回30秒程度で行い、左右それぞれ休憩を挟みながら2回ずつ行いましょう。尚、このストレッチでは膝を深く曲げるほど膝にある靭帯や腱も伸ばされてしまいます。それを繰り返すと人によっては膝の関節が緩くなってしまう事があります。前述したように筋肉をほぐすために重要なのは「日常的に筋肉を使う事」であり、ストレッチはあくまで一過性の効果しかありません。特に過去に膝を怪我した事があったり、現時点で故障がある人では症状が悪化する事があるので注意が必要です。また伸ばしていた筋肉を急に収縮すると足が攣ったような痛みが出る事もあります。ストレッチを行った後には急に伸ばすのをやめて次に移るのではなく、少しずつ力を緩めて脱力し、ゆっくりと元の体勢に戻すようにしましょう。


●膝蓋骨の位置調整のためのストレッチ

膝蓋骨とは膝の正面にあるお皿の骨の事です。この膝蓋骨は上から大腿四頭筋に引っ張られ、その下に伸びる膝蓋靭帯(膝蓋腱)がスネにある脛骨と繋がっています。大腿四頭筋が収縮した場合、この膝蓋骨を通してスネの骨を引っ張り、それによって膝が伸ばされます。膝蓋骨はこの時にテコのような役割を果たし、すぐ裏側にある太ももの骨とスネの骨、そしてその関節を安定化させています。しかし大腿四頭筋の筋力、特に膝に近い部分の筋肉が衰えたり、あるいはハムストリングスが凝り固まるとこの膝蓋骨上下あるいは左右にズレやすくなり、その状態で膝を曲げ伸ばしすると内部の組織が擦れ合う事があります。ここで説明するのはその膝蓋骨に近い部分の大腿四頭筋に刺激を与え、血流を促し、膝蓋骨の位置を調節するためのストレッチ法です。

方法を簡単に説明します。まず床に座り、両足を揃えて前方へ伸ばします。その状態になったら左右どちらの足でも良いので、片方の膝の裏側に筒状に丸めた柔らかいタオル等を横に置き、そのタオルを膝の裏側で押すようにゆっくりと力を入れます。この時、お尻や踵が床から浮かせないように注意しましょう。そうして膝の裏側でゆっくりとタオルを押したらゆっくりと力を緩めますが、完全に脱力しないようにします。そして再び膝の裏側で押します。これを左右それぞれ30回ずつ繰り返しましょう。可能ならば休憩を挟んで2~3セット行うと良いと思われます。

この方法は実際に膝の手術後にリハビリとして指導される事もある比較的オーソドックスな方法です。特に膝蓋骨すなわち膝のお皿の周囲にある筋肉に刺激を与える事ができ、体重をかけた際に動きやすい膝のお皿を正常な位置へ維持する効果があると言われています。膝に不安がある人は膝を大きく曲げ伸ばしするようなストレッチあるいはトレーニングを行う前々から、このストレッチを継続的に行っておくと良いかもしれません。




★ハムストリングスのストレッチ

続いては太ももの裏側にあるハムストリングスのストレッチの方法を説明します。前述した大腿四頭筋を伸ばすストレッチと同じように、床に座って両足を真っ直ぐ伸ばします。そして左右どちらの足でも良いので、片方の膝を「あぐらをかく」ようにして膝の関節が外側に来るように曲げ、その足の裏は伸ばしたままになっている方の太ももの内側につくようにします。

その状態になったら背中が丸くならないように注意しながら、股関節を軸にして上半身を前へ倒していきます。その際には伸ばしたままになっている方の太ももへお腹を近づけるようなイメージで少しずつ力を加えていきます。すると太ももの裏側の筋肉や膝の裏側が伸ばされていくのがよく分かると思います。それを30秒程度続け、左右それぞれ休憩を挟んで2回ずつ行いましょう。

尚、ハムストリングスが柔らかくなると、前述したような「背中を丸めずに股関節を軸にして上半身を前へ倒す」事が容易にできるようになります。これにより直接的な腰痛予防に繋がるため、腰痛予防においては真っ先にストレッチを行わなければならない筋肉です。ただし太ももの裏側にあるハムストリングスは意識的な運動習慣のない人では衰えている事も多く、急に伸ばすと例え大きな負荷のかからないストレッチでも肉離れのように筋肉が裂けてしまう事があります。痛みのない範囲で決して無理をせず、ゆっくりと力を加えるようにして下さい。もちろんストレッチを行った後で元の体勢に戻る際にはゆっくりと丁寧に戻すようにしましょう。

ちなみにこのストレッチでは腰を曲げるため、現時点で腰痛がある人では行う事はできませんが、膝は曲げないので膝に多少痛みがあっても行う事ができます。また股関節を軸にして上半身を前へ倒していく際、例えば右の太ももへ右胸を近づけるように意識する事で、左の脇腹にある「腹斜筋」も一緒にストレッチする事ができます。腹斜筋は正面を向いたまま体を横へ反らす際や、上半身または下半身を捻る際に使われる筋肉です。つまりそのような動作を行った際に横側から体を支え、上半身と下半身の動きを連動・コントロールする役割があるので、この筋肉が機能する事でも腰や膝の負担が軽減されます。




●腓腹筋・ヒラメ筋・アキレス腱のストレッチ

ここでストレッチを行うのは、ふくらはぎにある腓腹筋、その下側にあるヒラメ筋、更にその下にあるアキレス腱です。これらのが柔らかくなると足首をスムーズに曲げる事ができるようになり、前述したような膝を曲げてしゃがみ込んだ際、膝への負担を軽減する事ができます。またこれらは歩いたり走ったりした時、股関節・膝・足首などにかかる自分の体重及び地面からの衝撃を吸収する役割もあり、日常的にも膝への負担を軽減する事ができます。

方法を簡単に説明します。まずは「腕立て伏せ」を行う時の体勢になります。すなわち両手を肩幅に開いて床につき、両足を揃えて床について膝を伸ばします。そして左右どちらの足でも良いので、片方の足をもう片方の足の足首の上(アキレス腱辺り)へ乗せます。画像では足が一本しか見えませんが、片足ずつ行った方がやりやすいです。その状態になったら、下になっている方の足の踵を床へ近づけるようにしてゆっくりと力を加えていきます。するとふくらはぎの筋肉、及びアキレス腱が伸ばされていくのがよく分かると思います。それを1回30秒程度とし、左右それぞれ休憩を挟んで2回ずつ行いましょう。

尚、腕立て伏せの体勢で行うのがどうしても難しい場合、体育の授業で行うようないわゆる「アキレス腱」のストレッチでももちろん構いません。ただしただ単に足を前後に開くだけではストレッチにはなりません。しっかりと「姿勢を正す」「背中を丸めない」「股関節を軸にして上半身を前へ倒す」「前足体重」「後ろの膝を伸ばす」「反動を使わない」「ゆっくりと踵を床へ近づけるように力を加える」など、正しい方法で行う事が重要です。意識する事が多いので、実際にはここで説明した方法の方が簡単です。

●ヒラメ筋のストレッチ

ここではふくらはぎにある腓腹筋の下辺りに位置している、特にヒラメ筋を伸ばすためのストレッチの方法について説明します。

ストレッチの一つに立った状態でアキレス腱を伸ばす、いわゆる「アキレス腱」というストレッチがあります。それを行う際には足を前後に開き、前の膝を曲げ、後ろの膝は伸ばし、前足に重心を置き、後ろの踵を床へ近づけるようにして行います。それを行う際に、逆に後ろ足に重心を起きし、後ろに引いて伸ばしている方の膝を曲げ、その踵を床へ近づけるようにして力を加えると、腓腹筋の少し下にある「ヒラメ筋とアキレス腱」をより伸ばす事ができます。

尚、体重のかけかたや、力の入れ方にはややコツが必要なので、自分でヒラメ筋が伸ばされる感覚を探す事が重要です。秒数としてはやはり30秒ほど。それを左右それぞれ休憩を挟んで2回ずつ行うと良いでしょう。


●股関節筋群のストレッチ

ここでは股関節の前側にある筋肉を伸ばすためのストレッチの方法について説明します。

方法を簡単に説明します。「立った状態でアキレス腱を伸ばすストレッチ」において、前の膝を深く曲げ、後ろに引いた方の足を膝立ちにします。その状態で膝を前へ突き出していくようにして体重を前にかけていくと、股関節が前後に開かれ、股関節の前側にある筋肉、及び太ももの表側にある大腿四頭筋などをストレッチする事ができます。尚、後ろの足は椅子などに乗せて行う事もできる他、床の場合はクッションなどの上に膝を乗せて行うと良いでしょう。秒数としてはやはり30秒ほど。それを左右それぞれ休憩を挟んで2回ずつ行うと良いでしょう。

その他、股関節をほぐすストレッチの方法としては、片足立ちの状態になって股関節を軸にして円を描くように太ももを回す方法(常に膝の真下に踵が来るように注意)の他、ブルガリアンスクワット(足を前後に開いて行うスクワット)、フロントランジ(前に一歩踏み出して膝を曲げて戻るトレーニング)、ニーレイズ(いわゆる「もも上げ」の事)、レッグレイズ(足を上げ下げする腹筋のトレーニング)などが挙げられます。




★前脛骨筋のストレッチ

前脛骨筋はスネにある筋肉です。前脛骨筋は収縮すると足首が曲がり、伸ばされると足首が伸びます。つまり前述した腓腹筋やヒラメ筋とは反対の動作をする筋肉であり、腓腹筋やヒラメ筋が収縮する際には前脛骨筋が伸ばされ、前脛骨筋が収縮する際には腓腹筋やヒラメ筋が伸ばされています。よって足首をスムーズに曲げ伸ばしするにはこの前脛骨筋もほぐす必要があり、それによっても膝痛予防、更には腰痛予防に繋がっていきます。

方法を簡単に説明していきます。普通に座った時に膝が直角になる程度の高さのある椅子に座り、膝を軽く曲げて両足を揃えます。続いて左右どちらの足でも良いので片方の足の爪先を少し後方へ引き、その膝を正面へ向かせたまま、足の甲(指の第二関節付近)を床につけます。ちょうど画像のような感じでで、膝よりも後ろに足が来ます。

その状態になったら、足の甲を床へつけたまま、膝を動かさずに、スネを前へ突き出すようにしてゆっくり力を加えていきます。爪先や膝が固定されているので殆ど動きはありませんが、足首の関節が少しだけ伸ばされ、スネの筋肉である前脛骨筋をストレッチする事ができます。これを30秒程度続け、休憩を挟んで左右それぞれ2回ずつ行いましょう。ただし人によっては足首が逆の方向にまで曲がってしまう事があり、力加減には十分注意して下さい(特に生まれつき関節が緩い場合)。また床に骨が当たって痛い場合には柔らかいマットを敷いて行うのも構いません。

尚、この前脛骨筋は歩いたり走ったりなど日常的に使われている筋肉の一つであり、体の使い方によっては疲労が蓄積しやすい場所です。また意識的に鍛えている人が少ない筋肉でもあり、生活習慣によっては血の巡りが悪くなりやすい場所でもあります。よって前脛骨筋は直接マッサージする事もオススメします。スネにある骨は触って分かると思うのですが、その外側にある少し柔らかい部分が前脛骨筋です。親指及び母指球をスネの骨に当て、他の四本の指でスネの骨を挟むようにして揉む事でほぐす事ができます。




★腹直筋のストレッチ

まずは方法から簡単に説明していきます。うつ伏せに寝た状態で両足を揃えて真っすぐに伸ばし、腰骨から足の甲までを床にピッタリとつけます。そして腰骨の横辺りに両手をついて上半身を支えます。その状態から手の平で床を押すようにして少しずつ上半身を起き上がらせていきます。この時、上半身を起き上がらせていくと共に、腰骨を床へ近づけるようにして力を加えていきます。イメージとしてはお腹を前へ突き出すような感じです。それを30秒間ゆっくりと行い、休憩を挟んで2回行いましょう。

このストレッチで伸ばすのはお腹の前面にある「腹直筋」という筋肉です。腰痛と聞くと体の後ろ側にある筋肉に原因があるのでは?と思ってしまう事が多いですが、腹直筋の柔軟性が損なわれている事でも腰痛の原因になる事があります。例えば上半身を起き上がらせ、背中を後ろへ反らせる際には、背中にある広背筋が収縮すると同時にお腹にある腹直筋が伸ばされています。つまり広背筋が収縮してその役割を果たすためには腹直筋の柔軟性が不可欠であり、腹筋の柔軟性は背筋の負担軽減に役立ちます。

尚、このストレッチでは背中にある広背筋を収縮させる事で腰骨を床へ近づけるので、ストレッチを行った後で急激に背中を丸めようとすると、筋肉が攣ったような痛みが出る事があります。特に普段から背中の筋肉を意識的に使っていない人ではそのような事が起こりやすく、人によってはこのストレッチを行うだけで筋肉痛になる場合もあります。ストレッチを行った後はやはり急に伸ばすのをやめるのではなく、ゆっくりと元の体勢に戻すようにしましょう。また背骨に物理的な問題がある場合、このストレッチを行う事で症状が悪化する場合がります。特に現時点で腰に痛みがある場合には、やはり腰より遠い場所からのケア及びその原因を取り除く事から始める事が重要です。