2017年6月7日水曜日

「豆知識集18」果物類に関するQ&Aその3

この記事では「果物類」に分類される食品について、それぞれに含まれている栄養素や効果、疑問点について扱っています。相変わらず長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/6/7)


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★果物類一覧及びそれぞれの疑問点について

この記事では「果物類」に含まれている栄養素やその効果などについて解説していきます。尚、留意点などがあるので、この記事をご覧になる前に『「豆知識集12」野菜類に関するQ&Aその1』や『「豆知識集16」果物類に関するQ&Aその1』、また五大栄養素に関しては『「健康に良い」とされる栄養素の一覧(適当まとめ)』をご覧下さい。

●アンズ

アンズ(杏子)はバラ科サクラ属の植物、及びその果実の事です。原産はヒマラヤ西部などの中央アジアで、中国などでは現在から数千年前より栽培・食用とされてきたと言われています。日本へは少なくとも平安時代には伝わっていたと考えられていますが、当時は種の中にある杏仁(杏仁豆腐等に使われる)を収穫するための栽培であり、果実が本格的に栽培されるようになったのは明治時代以降になってからとの事です。

アンズに含まれる栄養素としては、特にカロテノイド類(βカロテン)を豊富に含んでいます。カロテノイド類はレチノールの代わりにビタミンAとして使われる栄養素であり、強い抗酸化作用があります。もちろんニンジンなど色鮮やかな緑黄色野菜と比べれば負けてしまいますが、果物の中ではβカロテンがトップクラスに多い(他では赤肉メロンがトップ、次点でパッションフルーツやアンズ)という事は意外にも知られていません。その他では食物繊維、ビタミンE、カリウムを含みますが、それらに関しては特別多い訳ではありません。

尚、これは他の記事でも何度も言っていますが繰り返します。アンズは糖質が含まれていますがカロリーが低いため、多くの人は「ダイエットに向いているのでは?」と思ってしまいます。しかしそれは別の食品をアンズに置き換えた事で相対的に糖や脂肪の摂取量が減ったり、あるいは食事全体の摂取カロリーが減った事によってもたらされるものであり、アンズ自体のダイエット効果を証明するものではありません。

また確かに摂取する糖質や脂肪の量が減ったり、摂取カロリーが基礎代謝を上回らなければ痩せていくかもしれませんが、筋肉の維持にはエネルギー(蛋白質が摂取できてもカロリーがないと筋肉は落ちる。筋肉が落ちれば基礎代謝が落ちる→エネルギー消費が悪くなる→脂肪が蓄積しやすくなる)が必要です。つまり摂取カロリーが減ると実際には脂肪だけでなく筋肉も落ちており、それによって体重が減ったという事が考えられます。普段食べていた食品を別の何かに置き換えたり、特定の食品に集中する事によって得られたダイエット効果の殆どはそれで説明できると私は考えており、特定の食品への過度な期待は禁物だと思います。

●ビワ

ビワ(枇杷)はバラ科ビワ属の植物、及びその果実の事です。原産は中国で、残されている記録では5~6世紀には既に栽培・食用とされてきたとされています。日本へは中国を通じて奈良時代には既に伝わったとされていますが、本格的に栽培が始まったのは江戸時代以降です。また紀元前後やそれ以前に伝わったとされる野生種も存在しますが、果実は種が大きく果肉が薄いため食用にはあまり適しません。

ビワに含まれる栄養素としては、カロテノイド類(βカロテンやβクリプトキサンチン)を豊富に含んでいます。前述のアンズには負けますが、果物の中ではカロテノイドがトップクラスに多いという事は意外にも知られていません。その他では他の果物同様カロリーは低く、栄養素としては糖質、食物繊維、カリウムを含みますが、それらは特別多い訳ではありません。

その他ではポリフェノールの一種であるクロロゲン酸を含みます。含有量はそこまで多くありませんが、強い抗酸化作用がある事で知られています。ただしポリフェノールは鉄分の吸収を阻害します。ちなみに未成熟の果実、種、葉にはアミグダリンという毒性のある成分が含まれており、大量に摂取すると中毒を起こす事があるため注意が必要です。

●プルーン

プルーンはバラ科スモモ属の植物及びその果実の事で、正式には「セイヨウスモモ」などの品種の事を言います。原産は中央アジアで、正確な時期は分かっていませんが少なくとも紀元前から栽培・食べられてきたと言われています。現在ではアメリカが最も日本へは明治時代に伝わりましたが、気候の関係で栽培が難しく、広く浸透する事はありませんでした。一方で「健康効果がある」とよく言われ、近年では健康食品として需要が高まっています。

プルーンはカロリーが低く水溶性食物繊維が豊富で、腸内で長く留まる事で腸内細菌の餌になり、腸内環境を改善する事が期待できます。またそれによって満腹感も持続するため、食事量を減らす事ができるでしょう。特に乾燥させたプルーンは栄養成分が凝縮されており、水分が少ないので手軽に多く食べる事ができます。その他、皮にはポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富に含まれており、これには強い抗酸化作用があります。

一方で乾燥させたプルーンでも糖質が含まれているのと、意外にもβカロテン以外(これも多い食品と比べると負けている)のビタミンやミネラルに関しては特徴がないというデメリットもあります。よく言われるのが「鉄分が豊富に含まれる」という点ですが、実際には他の果物と比べても言われるほど多くありません。むしろポリフェノールは鉄分の吸収を阻害します。そのためプルーンを大量に食べるだけで満腹になってしまうと、ビタミンやミネラルが不足する可能性があるので注意が必要です。


●ベリー類

ベリー類はかなり種類が多いため、ここでは「それなりに名前が知られている品種」かつ「そのまま食べる事ができる品種(酸味があまり強くないもの)」のみを簡潔に紹介しています。
・ラズベリー
ラズベリーはバラ科キイチゴ属の植物及びその果実の事です。ヨーロッパ原産で古代ローマの時代から栽培・食用とされており、フランス語ではフランボワーズとも呼ばれています。一方日本はその殆どを輸入に頼っています。ラズベリーには糖質、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、食物繊維が含まれ、この内では特にビタミンEと食物繊維に秀でています。またラズベリーの香りの元はラズベリーケトンと呼ばれる成分によるもので、その構造が唐辛子に含まれるカプサイシンと似ている事から、脂肪燃焼を補助する効果があると言われています。一説にはカプサイシンの3倍以上もあるそうです。ただしラズベリーから摂取する場合では相当量食べなければならず現実的ではありません。

・ブルーベリー
ブルーベリーはツツジ科スノキ属シアノコカス節の植物、及びその果実の事です。元になった品種は南アメリカですが、それが北アメリカの寒冷地域へ渡る事で現在のブルーベリーが生まれました。日本には1960年代以降にアメリカから伝わり、比較的栽培が容易な事から一般家庭でも栽培・食用として楽しまれています。ブルーベリーには糖質、ビタミンC、ビタミンK、マンガン、食物繊維が含まれ、この中では食物繊維に秀でています。またポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富に含まれている事で知られており、強い抗酸化作用があります。尚、アントシアニンは「目に良い」とよく言われますが、それは抗酸化作用によるもので目だけに作用する訳ではありません。

・ブラックベリー
ブラックベリーはバラ科キイチゴ属の植物及びその果実の事です。見た目が似ているラズベリーとの違いとしては、ブラックベリーはアメリカ中部原産で19世紀に品種改良の過程で生まれた他、色が黒々としており、実の奥に花床と呼ばれる細い芯があってそれが少し苦味を持っています。ブラックベリーには糖質、βカロテン、ビタミンE、カリウム、食物繊維を含み、この内では食物繊維に秀でています。またポリフェノールの一種であるアントシアニンや、酸味をもたらすクエン酸なども含まれています。

・マルベリー(桑の実)
マルベリーはクワ科クワ属の植物及びその果実の事で、日本語では桑の実(クワノミ)、フランス語ではミュールと呼ばれています。世界各地に存在しますが日本においては古くから存在する植物の一つで、特にその葉は「蚕」の餌に使われるなど日本人にとって馴染みのある植物の一つです。マルベリーは糖質、ビタミンC、カリウム、食物繊維を含んでおり、この内ではビタミンCに秀でています。またポリフェノールの一種であるアントシアニンも含まれています。

・アサイー
アサイーはヤシ科エウテルペ属の植物及びその果実の事です。他のベリー類とは違ってヤシの木の仲間で、原産はブラジル・アマゾンで各地に自生しています。アサイーは糖質、脂質、ビタミンB1、ビタミンE、食物繊維、鉄分、カルシウム等が含まれており、この内では脂質(不飽和脂肪酸)とビタミンEに秀でています。しかしそれ以外はそうでもありません。よく「食物繊維・鉄分・カルシウムが豊富に含まれる」と謳われる事の多いアサイーですが、他の果物類と比べると平均的で実際には多くないのです。一方でアントシアニンなどのポリフェノールに関しては豊富に含まれており、その量は前述のブルーベリーよりも多いとされています。おそらくアサイー関連のサプリメントで謳われている「健康効果」の殆どは豊富なポリフェノール類によるものでしょう。


●グアバ

グアバ(グァバ)はフトモモ科バンジロウ属の植物、及びその果実の事です。原産はカリブ海・中央アメリカなどの熱帯地域で、紀元前から先住民族の間で栽培・食用とされてきたと言われています。日本へは大正時代に伝わったとされていますが、メジャーな果物と比べると認知されるのに時間がかかり、需要が高まったのはグアバが持つとされる健康効果が知られるようになったごく最近の事です。

グアバの特徴としては食物繊維とビタミンCを豊富に含むという点です。食物繊維はドライフルーツを除けば果物中トップクラスの含有量ですし、ビタミンCに関しては同じ量を食べた際のキウイフルーツの3倍以上の含有量を誇っています。それ以外には葉酸やカリウムを含みますが、特別多い訳ではありませんが、カロリーが低く糖質も少ないため、ビタミンCや食物繊維の補給には適していると思われます。

ちなみに葉にはポリフェノールが豊富に含まれている事から「グアバ茶」として利用されます。特に糖の吸収を緩やかにし、血糖値を上がりにくくするとされるポリフェノールが含まれている事から、健康茶として注目されています。

●ドリアン

ドリアンはアオイ科ドリアン属の植物、及びその果実の事です。原産は東南アジアのマレー半島で、時期は正確ではありませんが現在から数千年前より栽培・食べられてきたと言われています。日本へ伝わった時期も正確ではありませんが、18~19世紀頃に世界各地へ広がった事からその頃に入ってきたと考えられます。ただし非常に気温が高い過酷な環境でしか生育しないため日本国内では沖縄で僅かに栽培される以外行われておらず、輸入に頼っています。

尚、果実には生ゴミやガス漏れとも表現されるほどの強烈な腐敗臭(容易に生物に食べられないよう防御している説)がある事で有名ですが、あまりの臭いから飛行機では持ち込みが禁止されているそうです。私も一度だけ食べた事があるのですが、味自体は特に好きでも嫌いでもありませんが、長時間口の中に臭いが残りました(笑)

一方でその強烈な匂いとは裏腹に非常に美味(糖質が多い)、及び栄養価が高い事でも知られており、「果物の王様」とも呼ばれています。含まれる栄養素としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ビタミンE、カリウムをいずれも豊富に含んでいます。特に果物の中では糖の代謝に関係するビタミンB1の含有量がトップクラスで、疲労回復に効果があります。もちろん各栄養素を見れば「ずば抜けている」という部分はないのですが、全体として栄養価が高いのです。

ちなみに同じく栄養価が高い事で知られるアボカドと比べると糖質・ビタミンB1・ビタミンB2・葉酸・ビタミンCはドリアンの方が上、カロリー・ビタミンE・ビタミンK・ナイアシン・パントテン酸・食物繊維・脂肪はアボカドの方が上、ビタミンB6・Eは同じぐらい、その他の含有量は低いまたは高くないという感じですね。

●マンゴスチン

マンゴスチンはフクギ科フクギ属の植物、及びその果実の事です。原産は東南アジアで古くから食べられてきたと考えられますが、いつ頃から栽培・食用とされてきたかについてはよく分かっていません。日本へは2003年に生の状態での輸入が解禁されたため、一般家庭で入手ができるようになったのはごく最近の事です。しかし日本人には似た名前の「マンゴー」と比べるとあまり馴染みがなく、目にする事は極めて稀です。

マンゴスチンはビタミン・ミネラルなどの栄養素があまり含まれておらず、果物の中でも栄養価は低い部類に入ります。一方でその柔らかい口当たりと甘さから「果物の女王」とも評されるほど非常に美味であり、世界的にも評価の高い果物・食品の一つです。よって「味を楽しむ」という目的であれば期待以上のものが得られる事でしょう。私も食べた事がないので一度は食べてみたいものです。


●パッションフルーツ

パッションフルーツはスミレ目トケイソウ化の植物、及びその果実の事です。原産は南米に自生していたものですが、本格的に栽培されるようになったのは17世紀以降からです。日本へ伝わったのは明治時代になってからですが、加工されていない状態で流通する事は殆どなく、ジャムやジュースの他、菓子類やカクテルの原料として利用される事が主です。メジャーな果物と比べると一般家庭にまではあまり認知されていません。

パッションフルーツに含まれる栄養素としては糖質、βカロテン、ビタミンC、葉酸、カリウム等を多く含んでいます。この内ではβカロテンに秀でており、果物の中ではβカロテンがトップクラスに多い(他では赤肉メロンがトップ、次点でアンズ。ただしニンジンなどと比べれば圧倒的に負ける)という事は意外にも知られていません。ただしいずれも多いとして知られる果物や野菜と比べれば劣りますし、その他の栄養素はあまり含まれていません。よって栄養価が高いとは言えないと思います。

●ドラゴンフルーツ

ドラゴンフルーツはサボテン科ヒモサボテン属の植物(特にヒメサボテン等)になる果実の事で、別名ではピタヤとも呼ばれています。いつ頃から栽培・食用とされてきたかについては分かっていませんが、サボテンの仲間であるため、原産は中南米の熱帯雨林地域です。日本に伝わったのは20世紀になってからであり、国産では九州や沖縄地方で栽培されています。一般家庭においてはサボテンが認知される過程で知られていきましたが、メジャーな果物と比べるとまだまだ認知度が低く、果実をそのままの形で目にする機会はあまりありません。

ドラゴンフルーツは葉酸、カリウム、マグネシウムを多く含み、特にこの内ではマグネシウムに秀でています。ただしいずれも多いとして知られる果物や野菜と比べれば劣りますし、その他の栄養素はあまり含まれていません。よって栄養価が高いとは言えないと思います。一方で中身まで濃い赤紫色になっている品種(レッドピタヤ)ではベタシアニン(ビーツ等に含まれるベタレインという赤紫色の色素成分の一種)というポリフェノールの一種が含まれており、抗酸化作用があります。

その他、糖質が含まれており、強いとは言えませんが果汁が豊富で甘みもあります。ただし保存には適さないため、特に輸入品は熟していない状態で運ばれてきます。そのため市場に出回るドラゴンフルーツは甘みが弱く、味も薄いものが多いです。本来の味を楽しむのであれば南米の現地に行くか、国産のものを入手すると良いでしょう。ちなみに品種では外側が赤紫で中が白色のホワイト、前述した中身まで赤紫色のレッド、外側が黄色のイエローやゴールド、中身が桃色のピンク、中身が橙色のオレンジ等があり、味はもちろん色を楽しむ事もできます。

●スターフルーツ

スターフルーツはカタバミ科ゴレンシ属の植物、及びその果実の事です。原産はインドなどの熱帯アジア地域で、いつ頃から栽培・食用とされてきたかは分かっていませんが、紀元前から食べられてきたと言われています。日本へは18世紀末以降に伝わったとされ、現在では沖縄などで栽培されています。その名の通り、名前は切った際の断面が星型になっている事に由来します。

スターフルーツは糖質、ビタミンC、カリウムを多少含む以外特徴がなく、栄養価に関しては他の果物と比べてもかなり低い位置にあると思われます。よって栄養摂取というよりも見た目や味を楽しむ目的で利用しましょう。ちなみにシュウ酸というカルシウムの吸収を阻害する成分が含まれており、人によっては大量に摂取すると結石などの原因になる事があるので注意が必要です。