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2018年4月11日水曜日

「筋トレ論2」筋肉の収縮様式

この記事では筋トレに関する豆知識、特に筋肉の収縮様式(筋肉の収縮の種類の事)について私なりに考えた事をまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2018/4/11)


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筋肉の収縮様式とは?

筋肉はその収縮の仕方によって下記のように分けられます。トレーニングを行って筋肉を鍛えていく場合、筋肉に対してある一定以上のストレスを与える必要があります。そのストレスの大きささえ適切であれば、誰でも筋肉を鍛えて大きくする事ができます。しかしその際には下記にあるそれぞれの「筋肉の収縮の仕方」をある程度理解してから行った方が、その効率性も良くなります。

★「アイソメトリック・コントラクション(等尺性収縮)」について

例えば自分の力では絶対に動かす事ができないような大きな壁を両手で前へ押そうとします。この時、当然壁は重くて動きませんが、前へ押そうとしているので腕の筋肉は収縮して力を発揮しています。そのように曲げたり伸ばしたりという動作が一切なく、「骨や関節に動きはないが、筋肉は力を発揮している筋肉の収縮」の事を「アイソメトリック・コントラクション(等尺性収縮)」と言います。

通常の筋力トレーニングではダンベルやバーベルなどを使って筋肉を曲げたり伸ばしたりさせ、骨や関節を動かしながら負荷を与えます。そのため「重りを使って筋トレをしなければ筋肉は鍛える事ができない」ように思っていますが、決してそうではありません。このアイソメトリックでは自分の力加減によって負荷の大きさを変える事ができ、例え関節に動きがなくても筋肉にストレスを与える事ができます。そのストレスの大きさが筋肉にとって刺激となっていれば、筋肉を大きくする事は可能です。特にこのアイソメトリックを利用したトレーニングの事を「アイソメトリック・トレーニング」と言いますが、「自分の体と時間さえあれば場所を選ばない」という大きなメリットがあります。

例えばアイソメトリックを利用したトレーニングでは、「胸の前に手を合わせて自分の手と手で押し合う、あるいは引き合う」「椅子に座った状態で片方の足を前へ出し、床から浮かせて静止する」「腹筋の動作において45度ぐらいの角度でキープする」「空気椅子を行う」などのトレーニング法があります。また前述の壁を押す時のように「固定された物(壁や床など)」があれば、それもトレーニングをするための道具にする事ができます。つまり工夫次第で様々な筋肉、様々なトレーニング法を考える事ができるのです。ポイントとしては「筋肉に対して最も負荷がかかる角度(体勢によって大きく変わる)」を探し、その角度で一定時間キープさせる事です。尚、その際には顎を噛み締めて力まないように注意しましょう。

一方、アイソメトリックのデメリットとしては、自分の力加減によって筋肉に対して与えられるストレスの大きさが変わるという事と、「自分の筋力や自分の体重以上のストレスは与える事ができない」という事が挙げられます。つまりこのトレーニングを続けていくと、いずれ筋力トレーニングの効果が頭打ちになっていきますので、他の収縮方法を利用したトレーニング法と並行して行っていく必要があるという事です。もちろん皆が「筋肉を大きくしたい」訳ではないと思うので、「自分の体型を維持する」「筋肉に刺激を与える」という目的であれば、このアイソメトリックを利用したトレーニング法も有効だと思います。




★「アイソトニック・コントラクション(等張性収縮)」について

前述のアイソメトリックと似ていてややこしいですが、今度説明するのは「アイソメトリック」ではなく「アイソトニック」です。このアイソトニックはアイソ「メ」トリックとは違って関節に動きがあり、与えられたストレスに対して釣り合うように筋肉が伸び縮みします。

簡単に説明すると、例えば肘を伸ばした状態から力コブを作ろうとしてみます。この時、最初の肘を伸ばした状態では腕の筋肉(上腕二頭筋)は脱力して伸ばされていますが、そこから肘を曲げていくと腕の筋肉(上腕二頭筋)が縮んで強張り、盛り上がって力コブができます。つまり肘を伸ばした状態と肘を曲げた状態とでは「上腕二頭筋が縮んだり伸ばされたりして長さが変わっている」と言えると思います。この収縮の事を「アイソトニック・コントラクション(等張性収縮)」と言います。

尚、このアイソトニックには後述する「コンセントリック・コントラクション(短縮性収縮)」と「エキセントリック・コントラクション(伸張性収縮)」の二つの種類があり、特に前者のコンセントリックを利用したトレーニングは最もオーソドックスなトレーニング法の一つです。

●「コンセントリック・コントラクション(短縮性収縮)」について
「コンセントリック」は前述の例にある「腕を伸ばした状態から力コブを作る」時のように、「筋肉が縮む際に力を発揮する事」を言います。手にダンベルを持って力コブを作ろうとすれば、ダンベルを持ち上げていく際に腕の上腕二頭筋が収縮します。この時の上腕二頭筋は筋肉が縮みながら力を発揮しており、その収縮こそが「コンセントリック・コントラクション(短縮性収縮)」なのです。

一般的な「筋力トレーニング(筋トレ)」では殆どの方法でこのコンセントリックを利用しています。メリットとしてはそのように「筋肉が収縮する際にストレスを与える」よう体を動かせば良いので、動作が簡単な点が挙げられます。ただし実施の際には「今の自分に合わせたストレスの大きさが必要」な事と、『「どの動作の時にどの筋肉が収縮するのか」をあらかじめ知っていなければならない』という重要なポイントがあります。

つまりストレスが大きすぎると、アイソメトリックのように関節に動きがなくなってしまいますし、逆にストレスが小さすぎても筋肉は成長してくれません。また例えストレスの大きさが適切であっても、鍛えたい目的の筋肉にしっかりとストレスが与えられなければ意味がありません。安全に効率良く筋肉を鍛えていくためにはそれなりに知識や経験が必要です。

●「エキセントリック・コントラクション(伸張性収縮)」について
一方、「エキセントリック」は「筋肉が伸ばされる時に力を発揮する事」を言います。しかし前述の例のように、単純に力コブを作った状態から腕を伸ばしてもそれは「エキセントリック」にはなりません。

例えば右の腕で力コブを作り、左手でその右手首をがっちりと掴んで下さい。その状態から左手で「右肘を伸ばす」ように力を加え、力コブを作っている右腕はその左手の力に抵抗するようにして下さい。そして両手の力を調節し、右手と左手の力が釣り合うようにしたら、今度は「左手の力にギリギリ負ける」ように右腕の力を弱めていき、左手によって少しずつ右肘を伸ばされるようにして下さい。そのように行うと右肘は粘りながらも最後まで伸ばされていくはずです。

その動作を行う際には、右腕にある上腕二頭筋が伸ばされていく訳ですが、実は伸ばされているにも関わらず、この時の上腕二頭筋は収縮して力を発揮しています。つまり「筋肉が伸ばされながら収縮して力を発揮している」という状態になっており、実はこれこそが「エキセントリック・コントラクション(伸張性収縮)」なのです。

そのようなエキセントリックを利用したトレーニング法を「エキセントリック・トレーニング」と言います。しかしそれだけを聞くと「特殊な条件でしか起こらない」ように思ってしまいますが、決してそうではありません。コンセントリックを利用した通常のトレーニングの際にも「筋肉を収縮させた後には筋肉を伸ばす」事になるので、その「筋肉が伸ばされる際、負荷に対して抵抗するようにして伸ばしていく」ように強く意識して行えば、実は通常のトレーニングでもエキセントリックを起こさせる事ができます。それにより収縮する際だけでなく伸ばす際にも筋肉に対してストレスを与える事ができ、トレーニング効率が大きく向上すると言われています。

ただしエキセントリックにはデメリットもあって、筋肉が収縮している状態から別の力によって伸ばされる事になる訳ですから、筋肉に対して自分が想定する以上の大きなストレスを与えてしまう事があります。例えば想像してみて下さい。全力で力を入れている筋肉がいきなり強い力で引き伸ばされたらどうなるのかを。その筋肉はおそらく縦や横に激しき切れてしまうでしょう。よって確かにエキセントリックを利用すればトレーニング効率は向上しますが、ストレスの大きさを間違えると思わぬ怪我に繋がる事があるのです。実は筋肉が「肉離れ」をする時の多くはこのエキセントリックの際に起こると言われています。意図的にエキセントリックを起こさせる場合の負荷の調節には十分な注意が必要であり、コンセントリックを利用した通常のトレーニングよりは、扱う重さや行う頻度を抑える必要が出てくるでしょう。逆に言えばそのような怪我を予防する事にも繋がる可能性があるため、適切に行う事ができればメリットも大きいはずです。




★「アイソキネティック・コントラクション(等速性収縮)」について

アイソキネティックは「筋肉の収縮及び伸展を行う際の速度が常に一定なもの」を言います。つまり機械のように同じスピードで収縮や伸展を繰り返す事になるのです。

例えばここに一定の速度で上下動するバーベルがあるとします。そのバーベルを手で掴んで首の後ろへ乗せ、常にバーベルを上に持ち上げようとスクワットをしてみます。するとそのバーベルは常に一定の速度で動いていますから、バーベルが下へ移動する際にはそのバーベルに抵抗するように力を入れる事になるため、大腿四頭筋(腿の前にある筋肉)で「エキセントリック」が起こり、反対にバーベルが上へ移動する際には通常のスクワットと同じように大腿四頭筋で「コンセントリック」が起こります。

つまりバーベルが同じ速度で上下に移動していて、それを常に持ち上げようとする場合、大腿四頭筋に対して「エキセントリック」と「コンセントリック」が交互に起こり、それが常に一定のスピードで繰り返される事になります。また速度自体は一定ですが、バーベルに対して抵抗する際の自分の力加減によって、筋肉に与えるストレスの大きさを変える事もできます。少し難しいのですが、実はこれがアイソキネティックの特徴なのです。

今度はそのように一定の速度で上下に動くバーベルを「常に下げようと力を入れる」ようにしてみます。すると、バーベルが下へ移動する際にハムストリングス(腿の裏側にある筋肉)で「コンセントリック」が起こり、バーベルが上へ移動する際にはハムストリングスで「エキセントリック」が起こります。アイソキネティックではこのように「自分が力を入れる方向を変える」だけで違う筋肉を鍛える事もできるのです。

更に、今度はバーベルが下へ移動する際には下へ引くようにし、バーベルが上へ移動する際には逆に上へ持ち上げるようにしてみます。つまりバーベルの上下動に合わせて力の入れる方向を変えるという事です。すると、バーベルが下へ移動する際にはハムストリングスで「コンセントリック」が起こり、バーベルが上へ移動する際には大腿四頭筋で、やはりコンセントリックが起こります。つまり「ハムストリングスも大腿四頭筋も鍛える事ができ、かつエキセントリックを起こさず常にコンセントリックを起こさせる」事ができるのです。

また、今度はバーベルが下へ移動する際には上へ持ち上げようとし、バーベルが上へ移動する時には下へ引こうとします。するとバーベルが下へ移動する際には大腿四頭筋でエキセントリックが起こり、バーベルが上へ移動する際にはハムストリングスで、やはりエキセントリックが起こります。つまり「大腿四頭筋もハムストリングスも鍛える事ができ、かつコンセントリックを起こさず常にエキセントリックを起こさせる」事ができるのです。このように上下で力の入れ方を逆にするだけで、筋肉に対して常に同じ収縮を起こさせる事もできます。これもアイソキネティックの特徴です。

ちなみに、例えばランニング、腹筋動作、縄跳び、ジャンプ運動をその場で繰り返すドロップジャンプなどのように、「自分の体だけを使って同じ動作を同じ速度で繰り返す」のも、意識的にはアイソキネティックと言えると思います。ただしその動作を行う回数が増えていったり、その時間が長くなればなるほど、疲れて動作スピードは遅くなっていくはずです。よってそのような「意識的な同じ速度での曲げ伸ばし」というのは厳密に言えばアイソキネティックではありません。常に一定の速度でアイソキネティックを行うためには、基本的には「同じ速度で動くようなトレーニング機器」が必要になります。